今日は朝から雨が降っています。そろそろ梅雨入りでしょうか。長雨の季節は気分も憂鬱になりがちですが、近所の子どもたちは元気いっぱい!レインコートや傘に長靴姿で公園ではしゃいでいます。今日から雨が降るという天気予報を聞きつけて、昨日のうちに公園の砂場に大きなダムと川を作ったのだそうです。雨でくずれてしまった部分もあるけれど、自作のダムに水がたまったようすを見てとても満足げです。先生も少しのぞきに行ってみましたが、木で補強したりして工夫された見事なものでした。少し大きなお兄ちゃんお姉ちゃんが案を出し合い、小さな子も協力して作り上げた大作です!みんなの誇らしげな顔と、無邪気な笑顔にこちらまで幸せな気分になりました。
さて電話で何人かの生徒さんにはお話しましたが、先生は先日幼児教育の大学の先生と交わりをもつ機会がありました。そこで、親としてまた一人の人間として、とてもためになるお話を聞きましたのでみなさんにも紹介したいと思います。
「将来どんなお子さんに育ってほしいですか?」この質問に対して、様々な答えが思い浮かぶことと思います。親であれば子育ての理想、子どもへの期待、いろいろな感情が渦巻きますよね。ですがどの親御さんにも共通する思いの一つとして「思いやりのある子になってほしい」というのがあるそうです。人の気持ちを汲み取る事のできる優しい人、そんな風に育ってほしいと願うのは当然です。では、思いやりの心を育てるためにはどうしたらいいのでしょうか。よく言われているのは、子ども自身にも思いやりをもって接してあげること、そして想像力をやしなうこと、この二つです。親や周りの人から受けた優しさを子どもは分け与えようとします。また相手が今どういう状況におかれていて、どういう気持ちでいるのかを想像することができなければ、思いやりの心もわいてこないのです。
ところが最近の研究では、もう一つ重要な要素があることが分かったそうです。それは「自主性」です。「自主性」のある子は「思いやり」がある。一見なんのつながりもなさそうに見えます。ですが、自分自身で考えて、すすんで物事を行うことができる子こそが思いやりの心ももてるのだそうです。小さい頃から「あれをしなさい、これをしなさい」とおしつけられ、言うことを聞くばかりで育ってき子どもは、自分から楽しいことややってみたいことを探そうという意欲が湧かなくなってしまい受動的になります。それはイコール人とのコミュニケーションにおいても受動的であり、相手を思いやろうという心の働きが失われていってしまうそうです。
では自主性を育てるには具体的にどうすればいいのでしょう。それは「小さな幸せ」をいっぱい心にためていくことなのだそうです。大人でもそうですが、自分だけにしか分からない幸せというのがありますよね。朝食の時に濃い目のコーヒーを飲む事だったり、ベッドメーキングが完璧にできた瞬間だったり、ためていたお店のポイントシールを一気にカードに貼ることだったり(笑)この他人には分からない満足感というものが、自己肯定感につながり、次への希望や意欲にもつながっていくわけです。子どもの遊びや生活の中でも何でそんなくだらないことに固執するんだろうと思うことはよくあります。「他にするべきことはいっぱいあるのに」「くらい遊びをしないでのびのび遊びなさい」と小言の一つでも言いたいところですが、実はこの「小さな幸せを」味わっている瞬間かもしれません。その幸せの瞬間をこわされて「こっちをしなさい」と押し付けられると、心の充実も得られず、自分から行動を起こさなくなってきます。些細な満足感を認められてこそ「私はこれでいいんだ」という安心感がめばえ、大きな力になるのです。
難解なパズルのように、人間の心の動きというのは深いところでつながっているんですね。見えやすいものにばかりとらわれず、ぐっとこらえて長い目で見守っていくことの大切さを考えさせられました。
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枝 6 / 節 13 / ID 8012 作者コード:yama
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