「わぁ、あった、あったよ〜!」
昨年の3月の次男の卒園式のとき、同行した長男がうれしそうな声をあげました。
その手には、かさかさに風化したどろだんごが2つ。2年前彼が卒園するときに、大事にしていたどろだんごを、園庭の植えこみのおくのほうにかくしていったのだそうです。
「2年間、よくだれにも見つけられず、こわれずにいたなぁ。」
長男は、おどろいたようにじっとどろだんごを見つめていました。その目は、幼稚園でのいろいろなできごとを思い出して、なつかしんでいるようでした。
6月の作文の課題に、「水や土で遊んだこと」いうのがあり、何人もの人が「光るどろだんご作り」について書いてくれました。
「幼稚園の園長先生と、光るどろだんご作りをした人」、「公園の砂場でどろだんごや砂山などを作って遊んだ人」、「どろだんご作りの名人になって小さな子に教えてあげたいと思っている人」、みんなそれぞれ楽しい思い出をいきいきと書いてくれました。
先生の家には、「光れ!泥だんご」という本があります。これは、どろだんご作りが大好きだった長男が、幼稚園の先生からプレゼントしてもらったものです。この本には、光るどろだんごの作り方がくわしく書いてあります。
1 どろどろした土をしっかりにぎって、まん丸の土台を作る。
2 かわいた土をふりかけては、やさしくなぞって丸くしていく。
3 少し力をこめて、表面の土をこすっていく。
4 さらさらの粉状の土をかけて、ゴシゴシこする。
5 ビニールぶくろの中で1〜2時間お休みをさせてから、布でこ するとピカピカに光りだす。
この本にのってる、名人の作ったどろだんごの写真は、まるでまわりの景色が映るほどつるんつるんに光りかがやいています。みなさんも、「今さら、どろだんご作りなんて」と言わないで、ちょうせんしてみてはいかがですか?
人は、何才になっても、土や水など自然が作ってくれたものを手にすると、ほっと心が落ち着いて元気が出てくるものですよ。
幼稚園で見つけたどろだんごは、また元の植えこみのおくにかくして帰ってきました。幼稚園のどろで作ったどろだんごだから、持って帰ったらかわいそうなのだそうです。今ごろ、どうしているかなぁ、あのどろだんご。
|
|
枝 6 / 節 10 / ID 8243 作者コード:itoyu
|