やあ、みなさん、こんにちは。
食欲の秋、それから、勉強の秋、でもありますね。
ですから、ちょっと、かたい話をします。
どこかで、聞いたような話だね、と、思う人もいるかもしれません。
でも、これは大事なことですから、なんど聞いてもいいですよ。
われわれ、日本人にとっては、日本語つまり、国語がすべての知的な活動の基礎だということですね。情報を伝達するうえで、読む、書く、話す、聞くが最も大切なことは言うまでもないですね。
これができないと、ほかの教科の学習もうまくゆかない。算数・数学の文章題を解くには、必要にして十分なことしか、問題文には書いてないので、一字を読み落としたり、読み誤ったりしたら、解けなくなります。
海外から帰国した子らがよくつまずくのは、算数・数学の文章題だそうです。読む、書く、話す、聞く、が全教科の中心ということなのですね。
文科省が小中学生の学力テストをしたときに、子どもたちが特異な間違いをした問題が一つあります。小学6年の社会の問題です。こういう問題です。
わが国が輸出している自動車の台数について、円グラフがあります。全部で441万台あって、これは1999年の統計ですが、アメリカ35%、オーストリア7%、ドイツ6%、イギリス4%、その他48%というグラフですね。
問いは、わが国が輸出している自動車の台数は、アメリカをはじめ上位3か国で、全体の何%を占めていますか、というものです。これが100人中45人しかできなかった。
正解は48%なのに、ばらばらの数字なのです。
なぜなのか。問題の意味が分からない子がいるのです。つまり、アメリカをはじめ上位3か国の、「はじめ」がわからない、という驚くべき結果が判明するわけです。
「はじめ」を、アメリカを除く、と解してしまうのです。
あるいはアメリカを入れて、その下の3か国を考えてしまう。そういう結果なのです。ですから、文科省は、子どもはそういうことが分かっていない、という報告書は作りましたが、では、どうすればいいか、ということは、特に何もしないのです。学校の先生に、もう少し、うまく教えるように、と言うような程度です。
では、どうすればいいのか。「言葉の森」をしっかりやること、これに尽きるのです。
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枝 6 / 節 10 / ID 8599 作者コード:kamono
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