10月27日から始まった「読書週間」 を前に、読売新聞社が行った全国世論調査のデータと、分析が新聞に載っていました。目をひくのは、
「1ヶ月間読まず」 男性49% 女性54%
の見出しでした。その理由は「時間がなかった」 49%でダントツ! 続いて「読みたい本がなかった」 20%、「読まなくても困らない」 18%。お年寄りの中には、「目の衰えなどで読書ができなくなった」 という理由もあるようでした。
「今こそ本を読むときだよ!」 と、先生はあなたたちに思うのです。だって、時間もあるし、目もだいじょうぶだよね?! 「読みたい本がなかった」 「読まなくても困らない」 という理由には、先生はなんだか寂しい思いがしました。「まずは読んでみる!」 「たくさん読んでみる!」 という姿勢はとても大事なものではないかしら…。本離れが定着する中で、本を読んで考え方や人生観に影響を受けたかどうかという質問に対して、「ある」 と答えた人は63%! そう思えるものに出会うためにも、「まずは読んでみる」 「これも読んでみる」 という考え方は必要だと思うのです。そういった余裕があるのは、あなたたちの今だと思うのです。
孔子は、書物を読むことの利益を、初めて説き示した東洋人であるといってよい。ところで、孔子は易を読んで、韋編三絶したということが、その伝記に見えている。韋編というのは、皮のひもという意味であって、当時の書物は、竹の札を一枚ずつ横に並べ、札と札とを皮のひもでくくりあわせてあったが、そのひもが三度も絶ち切れるほど、易の書物を、孔子はくり返しくり返し読んだというのである。
われわれも、何かそれぞれに好きな書物を、とじ糸が三度も切れるほど愛読したいものである。どの書物がそれであるかは、人々によってちがうであろう。しかし、何かそうした愛読書を、一生のうちにはみつけたいものである。
これは、「言葉の森」 の小学校5年生11月2週の長文の一説です。
生きていく中で、自分の愛読書を持てるってすばらしいことだよね。「葦編三絶」 の本を持ってみたいと思わない? そのためにもたくさん読んでみようよ!
データの中には、「活字離れ歯止め策」 もグラフになっていました。朝の始業前や授業時間などを利用して読書をさせている公立小、中がたくさんあるようです。「ああ、家に帰って早く本の続きが読みたい!」 と思える本はいっぱいあります。まずは、「これ読んでみよ!」 と臆せず手にとってみましょう。テレビや、インターネットでは、やっぱり得ることができないものが、本の中にはいっぱいありそうです。
先生は井上靖の自叙伝風小説、「しろばんば」 「夏草冬なみ」 「北の海」 が大好きでした。年を重ねてから読むとまたちがって楽しめます。10年以上も前ですが、井上靖が亡くなったことをテレビのニュースで聞き、ポロポロ涙が出たことを覚えています。
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枝 6 / 節 6 / ID 8746 作者コード:sarada
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