先日、息子の学年最後の授業参観に行ってきました。授業の内容は、「みんな、大きくなったね」という題名で、自分が生まれてから今まで、どのように成長してきたかをまとめて、一人ずつ発表するというものでした。
みんな、お父さん、お母さんから生まれたばかりのころの話を聞いたり、初めて歩けた時にはいていたくつや身につけていた洋服、今までのアルバムなどを元にして、紙しばいや絵本などにまとめて発表しました。
ある生徒の発表の中に、こんなにかわいらしい文章がありました。
「ぼくは、大きくなって一人でおるすばんができるようになりました。一人ぼっちはこわくてさみしいけれど、大好きなゲームがやりたいほうだいなので。おるすばんは、うれしいのかうれしくないのかよくわかりません。」
他にも素晴らしい発表はたくさんありましたが、なぜかこの文章だけが心に残ってはなれませんでした。子供らしい心の中に、大人の気持ちがちょっと見えかくれしている様子が素直に表現されていて、キラリと光るビー玉を見つけたようにうれしく感じられました。
みなさんの作文を読んでいても、時々こんな宝物のような表現を見つけてうれしくなることがあります。どこか一カ所だけでも、このような表現が入れられたら、その作文は読み手にとって印象に残るものとなりますね。
もちろん、作文全体に心を配ってていねいに文章を考えることは、とても大切だと思います。でも、どの文も力の入ったものばかりでは、読んでいて少しつかれてしまうかもしれませんね。
低学年の人は、「会話」や、「たとえ」、高学年の人は、「書き出し」や、「結び」などの中に、「ここ一番!」と思えるような表現を使ってみましょう。むずかしい言葉やうまい言い回しを使わなくてもいいので、「一番伝えたい何か」を心をこめて書いてみてください。きっと、そこからは、ピカピカに光ったビー玉がコロンとこぼれ落ちて、読み手の心に届くと思いますよ。
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枝 6 / 節 11 / ID 9558 作者コード:itoyu
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