私は正直なところ、サッカーのことはよくわかりません。家族が大きな声を出してテレビ観戦していても、何がそんなにおもしろいのだろうと思うことも多いですし、だいだい「オフサイド」というルールがよくわからないのです。そんな私でもさすがに日本代表には何人か顔を名前が一致する選手がいます。その一人が中田英寿選手です。
ワールドカップ開催を前に、家族が買い込んできたサッカー関連雑誌のひとつをぱらぱらと読んでいると、ある作家が中田選手について書いた文章がありました。その内容は彼のサッカーへの姿勢について書かれたものでしたがその中で特に印象に残った点が彼の語学力に関するものだったのです。よく知られているとおり、彼は英語もイタリア語も堪能なようです。それがとても大切なことだというのです。サッカー選手なのだから、サッカーで語ればよいのではないかと私は思っていました。しかし組織力も重要な要素となるサッカーでは、他のメンバーとの連携も大切なようです。そして、そのために語学は必須だというのです。
自分の考えを人に伝える。その大切さや難しさを中田選手はよく理解しているのでしょう。そしてそのためには通訳を介するのではなく、自分の言葉で話したいと思ったのでしょう。私達は国語と外国語について区別して考えることが多いのですが、日本語だろうと外国語だろうと人に自分の思いをつたえるものとしては同じはたらきをするものです。その言葉について考え、その力をたくわえ、自分をいかに表現するのかと言う点ではまったくかわらないはずです。
中田選手がなぜ外国で自分の力を出せたのか、その秘密は言葉のあったのかもしれません。そして、私達はその言葉を大切にして、しっかり自分のものにしていきたいものですね。
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枝 6 / 節 15 / ID 9766 作者コード:sumomo
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