有名な詩人「まど みちお」さんは「ぞうさん」や「やぎさんゆうびん」などの童謡でもおなじみですね。
しおり学級の最年少になほみちゃんというかわいい幼稚園生がいます。出会ったころは年中さんで、小さな四角い作文用紙のますににたどたどしいひらがなをかいてくれました。お話しをすることは得意でも、言葉で書いて表現することはこれからといったところでした。真っ白なキャンバスに真新しい絵の具をぬるような新鮮な気持ちで取り組んだ一年・・・気がつけば数字も点や句読点、かぎかっこも使いこなせるまでに成長しています。子どもの成長は本当に目を見張るものがあります。なほみちゃんから私も教えてもらったことがたくさんあります。中でも作文を読んでいると、キラリと輝く言葉にドキリとします。まどさんの詩集を開いた時と似た感動を受けます。
「ほって ほって すると ぐうのおいもと ちっちゃいおいもがでた。」
これはなほみちゃんの今月の作文の一説です。おうちの方は「まるで○○のように、と変えた方がいいでしょうか。」とおっしゃってくれましたが、むしろ素直な感性が光る「ぐうのおいも」の方を大事にしましょうということになりました。だって、あんまりかわいらしいんですもの。
子どもたちは、大人には見えない角度から物事をとらえることができます。小さな目の高さにしゃがんだとき、そこには異次元の世界が広がっているような錯覚を覚えます。こうだからこう、と決めつけるのではなく、また上手な表現を背伸びすることなく、言葉を操ることができたらすばらしい成長の記録になるなあと感心しきりです。大人の私は、ときどきそんな柔らかな感性を閉ざし、生き急いでしまっているなあと感じます。車で通るとなんでも無い道も、子どもの足でてくてく歩くと小さな出会いが待っているんですよね。大人であって子どもの目線を忘れない人、それがまどみちおさんだと感じています。時々開く詩集は短い言葉がブラックホールのような奥深さをたたえているようです。ちょっとつかれたなあと思ったら、詩の世界も探検してみませんか。※我が家の三兄弟の一番お気に入りは「はなくそ ぼうや」という詩なんですが・・・気になる人は探してみてくださいね。(笑)
『ねむり』 まど みちお
わたしの からだの
ちいさな ふたつの まどに
しずかに
ブラインドが おりる よる
せかいじゅうの そらと うみと りくの
ありとあらゆる いのちの
ちいさな ふたつずつの まどに
しずかに
ブラインドが おりる
どんなに ちいさな
ひとつの ゆめも
ほかの ゆめと
ごちゃごちゃに ならないように
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枝 6 / 節 1.015 / ID 11404 作者コード:siori
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