「読書の秋」、「スポーツの秋」、「芸術の秋」、秋にもいろいろありますが、私にとっての秋は、やはり「食欲の秋」でしょうか。
9月の3連休を利用して、私の家族、主人の母、主人の妹夫婦の総勢7名で神奈川県の丹沢渓谷にキャンプに行ってきました。紅葉にはまだ一足早かったようですが、川辺の風がとても心地よく、体中に自然のパワーを充電して帰ってきました。
大人数だったので、毎回の食事の用意が大変でしたが、アウトドアで食べるごはんは本当においしいので、張り切っていろいろなメニューをそろえました。その中で、とても好評だったのが、義母の作ったビーフシチューです。
義母は、主婦歴40年、仕事でときどきお料理教室を開いているほどの料理の達人です。私は、側でアシスタントをしながら、しっかりとその腕前を拝見させてもらうことにしました。
きっと、鼻歌など歌いながら手際よく作り上げてしまうのだろうなと思っていたら、義母は「ちょっと待ってね。」と言ってデミグラスソースを手に取りました。そして、パッケージの裏に書いてある「ビーフシチューの作り方」を熟読し始めたのです。
「あれれ?」肩すかしをくらったような気持ちで様子を見守る私に、義母は
「料理で一番大事なことは、レシピどおりに作ることなのよ。」と、微笑みました。
「へぇぇ〜っ!」と、私はビックリ。何せ私の料理ときたら、食材の切り方「ま、適当に」、調味料の量「まぁ、これくらいで」、火にかける時間「おいしくなるまで」と本当にいい加減で、レシピなどあまり見たことがなかったからです。そのため、作るたびに料理の味がちがい、「この前の方がおいしかったのに。」と子供たちに文句を言われることもよくあります。
義母は、計量カップで水や赤ワインの量をきっちりと計り、煮込む時間を時計でチェックしながらシチューを仕上げていきます。夕暮れどきのキャンプサイトには、おいしそうなにおいがたちこめて、通りすがりのキャンパーたちがのぞきこんでいくほどです。
そして、できあがったシチュ−は、牛肉や野菜のうまみが引き出されていて、まるで三ツ星レストランで食べるような完璧な味でした。自己流のアレンジもいいけれど、まずは基本に忠実にというのが大切なことなのだと実感しました。
さて、10月になってみなさんが作文を書くときの「項目」が変わりましたね。この「項目」は、言わば料理のレシピのようなものです。1つ1つの項目にそって書いていくことで、みなさんの作文を書く力を引き出すことができるように作られています。しっかりと項目を確認しながら、作文の達人を目指してがんばってくださいね。
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枝 6 / 節 10 / ID 11632 作者コード:itoyu
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