知人に大分名物「やせうま」とざぼんの砂糖漬けを頂きました。ざぼんの包装の表に「一村一品運動」とありました。そういえば、大分県はこの一村一品運動が知られていますね。この運動が全国的にどのくらい広まっているのか、社会的なことは知らないのですが、群馬県に行ったときも、道の駅のおみやげ屋でこのような言葉に出会いました。
一つの地域でひとつの名産品に絞って力を入れる、というのは、とてもよい発想だと思います。地域を挙げて集中的に生産、販売をすることで、よりよい物を供給できるでしょう。また、その産品によって、地域の特性を表して、人々に覚えてもらいやすいと思います。 でもその利点がそのまま欠点にもつながります。一品に特化することで、他のものを新しく開拓することが難しくなり、地域のイメージが悪い意味で固定化してしまうでしょう。
ただ、旅をする者にとっては、「土地の品物」という響きはこの上なく魅力的です。日本中どこでも同じようなものが簡単に手に入る昨今だからこそ、この土地ならではのおみやげは嬉しいものです。牧ノ原のお茶、野田のしょうゆ、栃木のかんぴょう・・、こういう固定イメージは、そこに行ったら手にしたい、というような気持ちを起こさせてくれます。
話が飛ぶようで似たようなところですが、大学の「一芸入試」というのも耳にします。自分のこれ一番の売りをアピールするものだそうです。この一芸が通らなかったらどうするのか、通ったとして入学後、このイメージで固定化されることはないのか、などと部外者として色々考えます。大学側は旅行者と同じように、「この人間を合格させたらこの点がよい」という魅力的な響きを感じるのでしょうか。それとも、「一芸にここまで秀でているなら、他の分野でもがんばれるだろう」と、「のびしろ」を評価してくれるのでしょうか。
前者なら、名産品と同じような商品価値、後者なら、とても人間的な価値観を持たせてくれそうです。みなさんも、文章力があるのですから、言葉の森の小論文指導を受けて、論文と面接だけで一発合格を目指してください!
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枝 6 / 節 15 / ID 11965 作者コード:hamura
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