ところで、今の入試は、中学入試でも高校入試でも大学入試でも、算数・数学の出来不出来が大きく合否を左右します。それは、算数・数学というものが、できる子とできない子の点数の差が大きい教科だからです。
これに対して、国語の成績は、できる子とできない子の差がそれほど大きくはありません。どんなにできない子でも、国語が0点ということはありません。また逆に、どんなにできる子でも、国語が100点ということはめったにありません。
これに対して、算数・数学や英語は、0点も可能ですし、100点も可能です。それは、算数・数学や英語は、勉強しないとできるようにはならない教科だからです。
国語は、勉強する教科というよりも、国語的な生活文化の中で実力が自然に育つ教科です。ところが、学校時代は数学又は英語の成績が合否を左右します。社会に出ると、数学や英語の出来はもうあまり関係がありません。社会で活躍している人の中には、数学や英語が得意でない人もいます。しかし、そういう人たちに共通しているのは、国語力があるということです。それは、国語の成績として表れるものとは多少違いますが、その能力は、難しい本を読む力、複雑な話を理解する力、自分の考えをわかりやすく述べる力などで、要するに、本当の意味での国語力なのです。
このような国語力は、頭のよさと同じです。数学や英語の成績は、頭のよさではなく、勉強の正しい方法論×かけた時間です。数学や英語の成績をよくするのはもちろん必要ですが、それよりも大事なのは、将来社会に出てから学力の中心になる真の国語力なのです。
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枝 6 / 節 13 / ID 17987 作者コード:
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