国語力と読書とは関係がないという人がいます。
そう言えるのは、第一に短期間のことについてです。
第二に、読んでいる本が易しすぎる場合についてです。
国語力を建物にたとえると、その建物は、小高い丘の上に建っています。
国語の成績を上げるコツは、短時間で説明でき、ほとんどの子はすぐに成績が上がります。
国語力の建物は、すぐに建つのです。
しかし、問題は小高い丘の方です。
その建物が建っている丘は、その子のこれまでの読書や経験が積み重なってできたものです。
小学生の場合は、大きく言えばそれまでの読書の量です。
読書量が丘の高さになり、それはその上に建つ建物の高さよりも決定的なものなのです。
中学生や高校生になると、丘はだんだん大きくなります。
それはやがて小さな山のようになり、そこに、裾野、中腹、山頂などの区別ができるようになります。
易しい本ばかり読んでいると、裾野だけが広がり、中腹や山頂が形成されません。
しかし、易しい本がよくないというのではありません。
易しい読書の裾野があるからこそ、中腹や山頂につながる道ができるからです。
山頂近くの読書とは、入試問題の国語の文章と同じぐらいのレベルの読書です。
そこまで読んでいる子は、建物をわざわざ建てる必要がないぐらい、読書力だけで国語力をカバーできるのです。
9月27日の「子育て講座」は、読解力のつけ方についてでした。
そこで出された質問のひとつが、上の「国語力と読書は関係があるか」ということでした。
約1時間、実際の国語問題をもとにして長々と話をしたので、聞いているお母さん方は眠かったと思います。
でも、このわずか1時間ぐらいの説明を、子供の実際の国語のテストにあてはめて話してあげると、すぐに成績が上がるのです。
その効果は、中学生や高校生という学年が高いほど顕著です。
それは、既に小高い丘ができている年齢なので、建物の高さがすぐに国語の成績につながるからです。
ただし、その場合でも、全体の高さを決めるのは、丘の高さと建物の高さの合計です。
だから、第一に読書、第二に読解力をつけるコツという順番なのです。
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枝 6 / 節 16 / ID 18158 作者コード:
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