6月に行った学力テスト(希望者のみ)の採点結果を7.1週の山のたよりと一緒に返却しています。
■点数が悪くても気にしない
テストの見方で大事なことは、点数にとらわれないということです。
一般に、模擬試験のようなテストでは、平均点が60点ぐらいになるように作られています。そして、点数の分布が正規分布に近くなるように、易しい問題と難しい問題のバランスを考慮しています。ですから、難しい問題の中には、解けなくてもいいような問題も含まれているのです。全部解けなければいけないというのではなく、解けなくてもいい問題もあると考えてください。
したがって、実際の入試などでは、解けなくてもいい難しい問題は後回しにして、確実にできる問題を優先して解くというような時間配分も必要になってきます。模試や入試のような試験問題は、差をつけることを目的としたテストですから、小学校で通常行われるような到達度を評価するテストとは性格が違うと考えておく必要があります。
■点数が悪い方がテストを受けた価値がある
今回の学力テストのような模擬試験の場合は、点数が悪い方がテストを受けた価値があります。
それは、悪かったところを見ることによって、これからどういう勉強をしていけばいいのかがわかるからです。ですから、模擬試験の場合は、曖昧なところは答えを書かずに×にしてもらうぐらいの方が実力がつきます。
そして、×のところを中心に、なぜ×だったのか、これからどういう勉強をすればいいのかということを考えることが大事になります。
■点数が悪かったときほどお母さんの態度が大事
子供は、テストの評価を自分自身の評価のように考えるので、点数が悪いとがっかりします。
そのときに、親も子供と同じように点数に左右されることのないようにしてください。点数が悪かったときは、にっこり笑って、「大丈夫。あなたは実力があるんだから、こういう点数がそのうちいい思い出になるんだよ」と言ってあげてください。小中学生のころの成績は、その後の勉強次第でいくらでも逆転します。大事なことは、子供にいつも自分というものに対する自信を持たせておくことです。
■できなければいけない問題か、できなくてもいい問題かを見きわめる
テスト問題の中には、できなければいけない問題というものがあります。例えば、算数数学の問題で基本的な計算や公式ができていなければ、それはこれからじっくり時間をかけて練習する必要があります。また、国語で、読み取れていて当然なところが読み取れていなければ、それはもっと読書や問題集読書に力を入れていく必要があります。
しかし、中にはできなくてもそれほど問題でないものもあります。例えば、算数数学でちょっとひねった問題は、受験対策でそのひねった問題を集中して取り組めばすぐに成績が上がります。また、国語で文法や漢字や古文などの知識の問題は、集中して知識的な勉強をすれば成績が上がります。その見きわめをすることが大事です。
時間不足のために、あとの方の問題の出来が悪かったという場合は、今後の対策として、テストを始める前におおまかな時間配分をすることです。時間配分をしてもなお時間不足になるという場合は、実力不足と考え、計算や問題集読書などの基本的な練習を時間を測りながらやるようにしていきます。
■小学校高学年や中学生は、子供が自分で間違えた理由を説明できるように
テストの見直しをする場合、お母さんやお父さんが間違えたところを全部チェックするのでは時間の負担が大きすぎます。小学校高学年や中学生では、生徒が自分で間違えたところをチェックして、なぜ間違えたのかを説明できるようにします。お母さんやお父さんはその説明を聞いて、納得できないところだけチェックするようにします。
こういう事後チェックができるようにするために、特に国語の選択問題では、自分がどういう理由で選択したかがわかるように×や○や?などの記号をつけて問題を解いておく必要があります。模擬試験のような問題は、漠然と解くのではなく、根拠をはっきりさせて解くことがあとからの見直しに役立ちます。
■勉強の中心は、基本となる1冊を繰り返す
勉強の仕方で大事なことは、基本となる1冊を繰り返し学習するということです。特に、理科や社会の勉強では、教科書そのものがかなり充実しているので、教科書を繰り返し読むことが中心になります。
算数数学の場合は、自分の実力に応じた1冊の問題集を、その問題集の中の問題が100パーセントできるようになるまで繰り返し解くことです。
英語の場合は、教科書を1ページ20回以上音読し、毎日1ページを暗唱できるようにすることが基本の勉強になります。
国語の場合は、普段の読書、言葉の森の課題の長文の音読、問題集読書などで、特に長文や問題集の文章のような難しい文章は繰り返し4回以上読むようにすることです。
こういう基礎的な学習ができていれば、受験前に実際の入試問題に対応した勉強をすることで実力がつきます。
基本となる学習は、塾や通信教材に任せるのではなく、家庭で毎日の自習としてやっていくことが大事です。
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枝 6 / 節 13 / ID 19445 作者コード:
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