よく、高校3年生の子が、「昔、小学生のとき言葉の森で作文を教えてもらっていたのですが、今度大学の小論文の試験があるので、○○先生にまた見てもらえますか」と、電話をしてくることがあります。
予備校などにも小論文講座があるはずですが、そういう講座ではなく、言葉の森の作文指導を受けないと安心できないというのです。
同じ作文指導や小論文指導という名前であっても、その指導の厚みが、学習塾や予備校や他の通信教育とは全く違うからです。
だから、学習塾との両立で迷われている方は、塾の作文コースで間に合わせるよりも、言葉の森の作文を続けていった方がもちろんいいのですが、受験の1年間は、誰でもかなり多忙になります。
その多忙の時期に、いくつかの習い事を辞めざるをえないということは当然出てきます。
受験の真っ最中にも言葉の森を続けて御三家と言われるようなところに合格する子もいますが、学習塾の体制によっては、両立ができなくなることもあります。
その場合は、もちろんいったん言葉の森を辞めていいのです。
そして、受験が終わったらまた再開すればいいのです。
学習塾や予備校や通信教育の作文指導と、言葉の森の作文指導はもともと目的が違うのですから、柔軟に考えて、言葉の森の勉強を高3の続けられるところまで続けていくといいと思います。
中学入試で塾で作文指導を受け、高校入試でまた別の塾で作文指導を受け、大学入試で別の予備校で小論文指導を受け……という形で細切れの作文小論文指導を受けるよりも、小学生から高校生まで言葉の森で作文小論文の勉強をしていく方がずっと多くのものが身につくからです。
中学受験は親の受験と言われますから、迷わない親はまずいません。
特に、公立中高一貫校を受験する場合は、実力よりも運の要素が強いので、更に迷いは深くなります。
最近は、公立中高一貫校向けの勉強をしてきた人向けの試験をする私立中もあります。
塾によっては、公立中高一貫校の滑り止めに私立の受験をすすめるところもありますが、それなら初めから私立を目指していた方が能率のよい勉強ができます。
ですが、自分の子が信頼できるのであれば、どこをどう転んでも行き着く先は同じです。
特に最近は、ネットを利用した先取り学習ができるので、どの高校に行こうがあるいは行くまいが、ネットで数学の1年間先取り学習をすれば、公立高校であっても、私立の中高一貫校と同じレベルで大学入試に臨めます。
そして、これからはいい大学に入ったからおしまいというのではなく、大学で更に自分の学問と個性を深め、世の中で第一人者として立つ準備をすることが必要になるのです。
昔は、入試の結果でその後の人生が左右されるということがありました。
今でも、就職に有利なのは、有名大学を出た人です。
しかし、どんな大企業でも、先の見通しは持てない時代になりました。
一生同じ仕事を続け、次第に役職が上がるというのは、かえって非現実的な前提になっています。
大事なことは、たとえ会社を辞めても通用するような一流の実力と個性と創造力とコミュニケーション力を育てていくことです。
今の勉強も、この長い展望の一部として考えていくといいのです。
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枝 6 / 節 10 / ID 28419 作者コード:
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