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言葉の森新聞2022年12月1週号 通算第1733号 枝 0 / 節 1 / ID 印刷設定:左余白12 右余白8 上下余白8
  ■1.【重要】12月1週は次学期の進度の参考試験(作文)
  ■2.暗唱の意義――暗唱は創造性を育てる
  ■3.面白いことは、行動の中にある
  ■4.水をやらなければ木は枯れる、手入れをしなければ山は荒れる
  ■5.STEM教育から創造発表教育へ――創造発表クラスを新たに開設
  ■6.意味ある競争は、社会を進歩させる競争
  ■7.世の中で活躍するためには自信が大切――子供の自信をどう育てるか
  ■8.日本の教育を根本的に改善するオンライン4人クラス――対面式教育とオンライン式教育を超えた新しいオンライン教育のプラットフォーム
 
言葉の森新聞
2022年12月1週号 通算第1733号

https://www.mori7.com/mori

森新聞
枝 1 / 節 2 / ID
1.【重要】12月1週は次学期の進度の参考試験(作文)
枝 4 / 節 3 / ID 32911
 12.1週は、これまでの2ヶ月間の勉強の実力を見て、次の学期からの進度の参考にする実力試験として行います。
 ただし、今学期から受講を開始された方は、実力試験の結果にかかわらず原則として自動進級します。
【課題】 課題はその週の作文又は感想文の課題です。
【評価】 課題フォルダの構成・題材・表現・主題の★印と字数が全部できていることが評価の基準になります。(表現の項目などで二つ以上の項目が指定されている場合はどちらかができていればその項目は◎です)。
 キーワードと字数が採点の基準ですので、指定された字数以上で必要な項目が全部入る作文を書いてください。項目を入れたところには、項目マークを必ず書いておいてください。
【時間】 時間制限はありませんが、参考のためにかかった時間を作文用紙に記録しておいてください。時間は、課題を見てから書き終えるまでの時間です。
【締切】 作文実力試験の提出締切は、8日ポスト投函までです。(郵便に時間がかかるためオンラインでの提出をおすすめします。)
枝 6 / 節 4 / ID 32912
作者コード:
2.暗唱の意義――暗唱は創造性を育てる
枝 4 / 節 5 / ID 32889
●動画:https://youtu.be/EXKDWNIchX0

 暗唱をすると、言葉と言葉の関係の繋がり方が強くなります。
 ちょうど、よく知られていることわざや名言のように、ある言葉と他の言葉が結びつくようになります。

 言葉は、その言葉だけであれば、現実との関連を持つだけです。
 例えば、「犬」という言葉は、実在の犬と結びついています。

 しかし、「犬も歩けば棒に当たる」ということわざを知っている人には、「犬という言葉が、「棒」という概念が弱く結びつくようになります。
 同じように、「雀そこのけそこのけお馬が通る」という俳句を知っている人には、「雀」という言葉が、「馬」という概念と弱く結びつくようになります。

 ある言葉が、その言葉と直接の関係のない他の言葉と結びつくということは、言葉の持つ概念の手足が増えるということです。
 言葉の持つ概念の手足が増えるということは、その言葉が近い概念と結びつく手足だけでなく、遠い概念と結びつく手足も持つということです。

 言葉が狭い概念と結びつくだけでなく、広い概念と結びつくことによって、たとえやダジャレのような表現の工夫が生まれます。
 しかし、これは単なる表現の工夫だけではなく、ものごとの認識の仕方の広がりも生み出します。
 この認識の広がりが創造性です。

 よく「創造性を育てる」ということが言われますが、創造性を育てる具体的な方法については、ほとんど述べられていません。

 創造性を育てる方法は、次のようなものです。

 第一は、暗唱力をつけることによって、言葉の持つ概念の広がりを作ることです。
 第二は、難読によって、創造的なものの考え方を身につけることです。
 第三は、作文の構成、題材、表現、主題の項目によって、方向性を持ったものの見方の練習をすることです。
 第四は、創造発表の学習によって、個性と創造性を発揮する学習習慣を身につけることです。

 作文学習の持つ創造性とは、次のようなことです。
 構成で、例えば、「複数の理由」という項目に合わせて作文を書こうとすると、自然に新しい理由を考えるようになります。
 題材で、例えば、「昔話の実例」という項目を書こうとすると、自然に昔話のような実例の持つ新しい側面を見つけることができます。
 表現で、例えば、たとえや自作名言を書こうとすると、自然に新しい表現を作ることができます。
 主題で、例えば、「総合化の主題」という項目に合わせて意見を書こうとすると、自然に新しい考え方ができるようになります。

 これらの創造性を発揮する土台となるものが、豊富な知識と幅広い語彙の概念です。
 幅広い語彙の概念とは、言い換えれば多様な手足を持つ語彙の力を身につけているということです。

 暗唱教育は、かつての日本の伝統でした。
 四書五経の素読などを、日本の子供たちはずっと行ってきました。

 しかし、戦後、GHQの改革によって、暗唱教育は行われなくなりました。
 だから、今の親の世代、更には、祖父母の世代も、暗唱の効果を知りません。

 暗唱を、単に記憶力を育てる学習としてではなく、創造性を育てる学習の土台として考えることが大切です。
枝 6 / 節 6 / ID 32890
作者コード:
3.面白いことは、行動の中にある 枝 4 / 節 7 / ID 32891
●動画:https://youtu.be/2CKABrlX88Q

 面白いことは、TwitterやFacebookやYouTubeやニュースの中にはありません。
 ただ、自分の行動の中にあるのです。

 ときどき、保護者の方から、「子供が暇さえあればYouTubeを見ている」という相談を受けることがあります。
 一昔前は、「暇さえあればテレビ」とか、「暇さえあればゲーム」でしたが、今はYouTubeを見る子が多いようです。

 これは、大人も同じです。
 スマホ中毒ということが言われることがありますが、暇さえあればスマホを見てしまうのです。

 暇さえあれば、画像や動画を見るとか、短い文章を見るだけというのは、積もり積もれば時間の無駄でしかありません。

 では、なぜそうなるかというと、本当の面白さは、見る中にはないということを知らないからです。
 見る面白さは、それはそれでいいのですが、本当に面白いのは行動と創造の中にあります。
 しかし、ほとんどの子供にとって行動と創造の時間は限られています。

 勉強は、ほとんどが面白くないものです。
 それは、与えられたものを消化するだけの時間ですから、創造的な子ほど勉強に熱中しません。
 それを無理に机に縛り付けるような勉強のさせかたをすると、子供は密度の薄い勉強の仕方をするようになります。
 密度の薄い勉強の仕方とは、できる問題を何問の解くような、考えずに手だけ動かすような勉強です。
 それは、YouTubeを見るよりも密度の薄い時間です。

 では、どうしたらいいかというと、いちばん取り組みやすい方法は、暇なときに本を読むことです。
 その読み方に、コツがあります。
 1冊の本を最初から最後まで読もうとすると、本を手に取ること自体が億劫になります。
 「暇があったら本でも読もう」という気になれません。

 そこで、小さい付箋を貼るのです。
 そして、1冊だけでなく、何冊もの本を並行して読むようにします。

 暇になったら、そのとき気になった本を、付箋を貼ってあるところから読み、飽きたら次の付箋の本に移ります。
 こういうふうに読んでいくと、時間がすぐたちます。
 これは、YouTubeを見続けるよりも、ずっと中身のある時間になるのです。

▽「付箋読書の仕方」
https://www.mori7.com/as/1367.html
枝 6 / 節 8 / ID 32892
作者コード:
4.水をやらなければ木は枯れる、手入れをしなければ山は荒れる 枝 4 / 節 9 / ID 32893
●動画:https://youtu.be/ihtIuAyPz3M

 子供は自然に成長していきます。
 それは、動物や植物が自然に成長していくのと同じです。

 しかし、人間らしい成長をするためには、毎日の水やりが必要です。
 その水やりが、躾と愛情です。

 日本のサッカーのサポーターが、自分たちの座席の後片付けをしたことで世界から称賛されています。
 なぜ、日本人だけがそういうことが自然にできるかというと、子供のころから身の回りをきれいにするという文化の水やりの中で育ったからです。

 日本の里山も、日々の手入れの中で維持されてきました。
 ほったらかしでは、荒れ果てた山になります。

 もちろん、荒れ果てた山でも、自然のままに維持されていくことはできます。
 しかし、その自然は、人間とは共存できない自然です。

 現在のお母さんは、仕事をしてくたびれて家に帰ってきて、やっと子供と一緒にわずかの時間を過ごします。
 だから、手を抜くのは仕方がないというのではありません。
 子供の小さいころの時間は、二度と帰ってきません。
 この時期に、親はがんばって、子供への日々の水やりを続けねばならないのです。
枝 6 / 節 10 / ID 32894
作者コード:
5.STEM教育から創造発表教育へ――創造発表クラスを新たに開設 枝 4 / 節 11 / ID 32895
●動画:https://youtu.be/_yE86s9HfTU

 日本の受験教育の中ではまだあまり話題になっていませんが、世界の教育の潮流は、個性と創造性を生かす方向に進んでいます。

 そのひとつの流れがSTEM教育です。(Science、Technology、Engineering、Mathematics。)
 言葉の森は、このSTEM教育が話題になる前から、同じようなことを目指す教育を行ってきました。
 それが創造発表クラスの教育です。

 創造発表クラスは、科学・技術・工学・数学に限らず、人文科学的なことにも、社会科学的なことにも、又は勉強以外の遊びにも範囲を広げた創造的な発表を目的としています。

 しかし、自由な創造発表ということで、学習や研究の方向が絞りにくい面もあったので、今後、創造発表のカリキュラムを作ることを目指していこうと思います。

 一昔前に比べて、理科実験や自由研究や遊び方に関する情報は、かなり多くなってきました。
 小学生新聞の記事などにも、「こんなことを家庭でやってみよう」という実験の話題が増えてきました。

 しかし、ほとんどの場合、それらの記事や情報は、読み物として読まれているだけで、実際にやってみる人は少ないと思います。
 その理由は、子供がやりたいと思っても、そのための材料の準備などで親の関わる面が大きいからです。

 今のSTEM教育と言われるもののほとんどは、一律のお仕着せの企画です。
 学校での理科実験なども同じです。
 数十人の子供にまとめて指導するために、一見面白くてやりやすい実験や工作に絞って授業が組み立てられています。

 本当のSTEM教育は、個々の生徒が自分の興味に沿って取り組むものです。
 しかし、それでは、大人数の一斉指導を前提としている学校教育では対応できません。
 だから、今の学校の理科実験は、一斉にやりやすいものだけに絞って行われています。

 誰でも経験があると思いますが、アサガオの葉っぱの一部をアルミニウム箔で覆い、ヨウ素液に浸してでんぷんができたかどうかを調べるという光合成の実験が、何十年も同じように行われています。
 それが悪いというのではありませんが、一斉指導の理科実験では、そういうことしかできないのです。

 子供たちが自分の興味や関心に従って実験や観察や工作や自由研究をするためには、家庭での取り組みと、それを発表する場としての少人数クラスの反転教育が必要です。
 これが創造発表クラスの学習の意義です。

 創造発表クラスでは、結果は二の次です。
 子供が興味をもってやりたいと思うようなものは、大抵難しい取り組みになるものがほとんどです。
 それでもやってみると、うまく行かないことがよくあります。
 しかし、大事なのは、結果ではなくそれに取り組もうとした意欲と途中の過程です。
 子供たちは、こういう取り組みを通して、科学や事実の面白さを実感していきます。

 「日本のロケットの父」と言われる糸川英夫氏は、子供のころ、ベーゴマで相手に勝つために、両親が寝静まったことを見計らって、ベーゴマに溶かした鉛を盛り込み、最強のベーゴマを作りました。

 こういう発想が、大きくなってから、戦闘機隼(はやぶさ)を改良したり、宇宙ロケットの前身となるペンシルロケットを作ったりする土台になったのです。


 来年1月から、森川林の創造発表クラスが、土10:00にスタートします。
 参加を希望される方は、体験学習においでください。
 対象学年は、小1~中3です。

 創造発表クラス全体の一覧表は下記のページをごらんください。
https://www.mori7.com/teraon/shlist.php?kjb=20221210&gs=&ks=&zs=%E5%89%B5%E9%80%A0%E7%99%BA%E8%A1%A8
枝 6 / 節 12 / ID 32896
作者コード:
6.意味ある競争は、社会を進歩させる競争 枝 4 / 節 13 / ID 32897
●動画:https://youtu.be/pvd2LDJgesA

 スポーツは、人間を熱狂させます。
 野球でも、ゴルフでも、バスケットボールでも、また、ボクシングや格闘技のようなスポーツでもそうです。
 それは、肉体が動くことによる競争なので、人間が自分の感情を移入しやすいからです。

 しかし、その熱狂の結果、何が生まれるかというと、ほとんど何も大したものは生まれていません。
 せいぜい、そのスポーツによって作られた経済の広い裾野のようなものだけです。

 技術の競争は、そうではありません。
 F1レースの競争や、スパコンの競争は、その競争の副産物として技術の進歩を生み出します。
 こういう競争が、社会を進歩させる競争です。

 これからの競争に必要なのは、創造の競争です。
 創造はそれ自体面白いので、特に競争で煽る必要ありませんが、創造に取り組む厚い層を形成するために、創造に競争が加味される必要があります。

 創造の競争に似ているのが、ノーベル賞のような科学技術の競争です。
 しかし、これは、頂点が限られているので、ノーベル賞を目指す厚い層が形成されるということはありません。

 競争の裾野を広げるためには、小学生の子供から参加でき、社会人になっても更に頂点が高くなる創造の賞を作ることです。

 その賞が広がるかどうかは、単純に賞金の額にかかっています。
 だから、これは国策として行う必要があります。

 今ある競争の多くは、欧米のペースで作られた競争です。
 日本発の新しい競争を作り、それを世界に発信していく必要があります。
 それが、創造の賞です。

 ノーベル賞を上回る質と量と多様性を持った、定期的な創造の祭典を日本から行っていくことが、競争を意味ある競争に発展させるひとつの道になると思います。

 言葉の森の作文発表会や創造発表クラスも、このような見通しで行っています。
枝 6 / 節 14 / ID 32898
作者コード:
7.世の中で活躍するためには自信が大切――子供の自信をどう育てるか 枝 4 / 節 15 / ID 32899
●動画:https://youtu.be/gl5alDckQgA

 世の中で活躍した人の話を聞くと、母親が優しかったということが多い気がします。
 父親は、いい場合も悪い場合もありますが、総じてあまり関係ないようです。

 子供にとって、小さいころ、母親は世界のすべてです。
 小学生になっても、母親は世界のかなりの部分を占めています。
 その母親が優しい母親だったら、子供は世界に対して自信を持つのです。

 しかし、今の母親は、子供を競争社会の落伍者にしないために、厳しい態度で子供に接することが多くなっています。
 躾の原則が厳しいということは大切ですが、勉強に対して厳しくなると、注意の回数が自然に増えます。

 そのように注意を受けて育った子は、小さいころは成績もよく、躾もよくできていて、いい子になるでしょう。
 しかし、その子が、世界に対して自信を持つかどうかはわかりません。

 その自信が出てくるのは、勉強生活が終わった社会人になってからです。
 社会人になると、言われたことがきちんとできるかどうかは基本の基本であって、それ以上のものではありません。

 社会人になって必要になるのは、言われたことをきちんとすることではなく、積極性や挑戦の意欲です。
 その土台になるものが、自分に対する理由のない自信です。

 お母さんは、いつも子供を褒めて育てることです。
 子供が普通に成長していれば、叱って育てる場面はほとんどないはずです。
 たまに大きく叱るのは、お父さんにやってもらえばいいのです。
枝 6 / 節 16 / ID 32900
作者コード:
8.日本の教育を根本的に改善するオンライン4人クラス――対面式教育とオンライン式教育を超えた新しいオンライン教育のプラットフォーム 枝 4 / 節 17 / ID 32901
●動画:https://youtu.be/vmCwxnwgblU

 現在の教育には、学力格差、不登校の増加、読解力の低下、創造力を伸ばさない教育など、数多くの問題があります。
 オンライン4人クラスの教育であれば、これらの問題の多くは、コストをかけない形で改善されます。

 逆に言えば、現在の教育問題のほとんどは、そして、解決策の多くが理屈倒れになっている原因は、教育が次のような前提で考えられているからです。

 第一は、リアルな教室で行うことを前提にしていることです。
 第二は、大人数で一斉に行うことを前提にしていることです(大人数とは10人以上)。
 第三は、人間の関わりのない形で、能率のよい教育を目指そうとしていることです。

 これらの考え方に対置させて、オンライン4人クラスは次のような方針で教育を行っています。

■オンラインであること

 第一は、オンラインであることです。
 現在のオンライン教育は、ZOOMなどのウェブ会議システムを使うことによって、リアルな対面教育以上に、参加者どうしのコミュニケーションが深められるようになっています。
 言葉の森のサマーキャンプに参加する子も、その多くが、オンラインクラスで知り合った子供たちです。

 オンライン教育のよいところは、ロングテールを生かせるということです。
 逆に言えば、対面教育の悪いところは、ロングテールがないことです。
 リアルな教室は、物理的に通学できる範囲が限られているので、同質の少人数クラスを作ることが難しいのです。

 オンラインクラスであれば、日本中から、更には世界中から、同じ年齢、同じ学力、同じ興味関心を持った生徒が、少人数で集まることができます。
 そういう同質の少人数だから、勉強もはかどり、雑談も話が弾むのです。

 もちろん、言葉の森は、まだそのロングテールを十分に生かし切れていません。
 それは、まだ言葉の森の規模が小さいからです。

 しかし、理論的に可能なことは、時間の経過とともに実現します。
 今は既に、特定の学年の生徒だけのオンライン4人クラスが、作文や他の教科で次々に作られています。
 このクラス分けが進めば、将来は、進度別、興味関心別、相性別などのクラス編成が柔軟にできるようになります。

■超少人数であること

 オンライン4人クラスの教育で、第二に大事なことは、4人という少人数のクラスだということです。超少人数と言ってもいいでしょう。
 超少人数の基準は、4~5人です。せいぜい6人までです。
 10人以上のクラスは、超少人数とは言えません。大人数の枠の中の普通の少人数です。

 超少人数と大人数や少人数との違いは、全員に発表する時間と質問感想を述べる時間があるかどうかです。

 学校の30人から40人のクラスで、生徒が発表する授業の場面を見ることがありますが、発表できるのはごく少数の子供だけです。
 もし全員が発表するとしたら、1人1分というような時間的制約のある、形だけの発表しかできません。
 しかも、そういう発表も、たぶん年に何回もできません。

 オンライン4人クラスであれば、全員の発表と質問感想の時間を毎回確保することができます。しかも、それらの発表や質問感想と並行して、生徒一人ひとりの学習時間も確保できます。
 実際に、言葉の森のオンライン4人クラスでは、どの教科も、授業の最初に全員の読書紹介があり、授業の最後には、一人一言の時間があります。
 授業の間も、先生が話をするのではなく、生徒が説明をしたり話をしたりする形が中心になっています。
 家庭での自主学習と結びついた反転学習の授業なので、このような形の運営ができるのです。

 超少人数クラスで、主体的な参加者として授業に出席することが、子供たちの学習意欲のもとになります。
 学習で最も大事なものは、よい教材でも、よい先生でもなく、生徒本人の意欲だからです。

■個人でも団体でもどこでもすぐに始められる

 オンライン4人クラスは、パソコンの端末さえあれば、すぐに始められます。
 今は、家庭から参加する生徒がほとんどですが、学童クラブから参加することも、学習塾から参加することも、学校から参加することも、いずれもすぐにできます。

 オンライン4人クラスの教育を、リアルな集団指導の教室の中で行う場合は、一種のブレンデッド教育という形になります。
 例えば、学年も進度も教科も異なる生徒が数人から数十人いるリアルな教室で、それぞれの生徒が個別の端末を使い、自分の学年と進度と教科に合ったオンラインクラスに参加します。
 一人ひとりの生徒がヘッドセットを使えば、狭い教室の中でも、全員が個別のニーズに対応した自分だけの少人数クラスに参加することができます。

 これを発展させれば、現在多くの学校で増えている日本語の不自由な外国人生徒の教育も能率のよい形で行うことができます。
 例えば、ベトナム国籍の小学4年生で日本語の不自由さが同じぐらいの生徒が4人で集まれるオンラインクラスなどを、日本全国の学校を対象にしたブレンデッド教育で作ることができるということです。

■人間の関わりがあること

 オンライン4人クラスの教育で、第三に重要なことは、少人数であることとも関連しますが、先生と生徒、生徒どうし、先生と保護者の個別のコミュニケーションがあり、人間的な関わりがあることです。

 今の教育は、答えの決まった問題をいかに早く正確に解くかということで行われています。
 先生の教えることは同じ、生徒の勉強することも同じ、親がその路線に沿って子供をがんばらせることも同じです。

 こういう教育のもとでは、点数や偏差値が共通の話題になります。
 勉強ができたかどうかだけが、先生と生徒と保護者の共通項で、それ以外の子供の個性のさまざまな面は、子供の個人的な問題となってしまいます。

 しかし、4~5人という少人数で、生徒どうしや生徒と先生が話をすると、そこに必ず個性的な関わりが出てきます。
 生徒も自分の個性を出し、先生も自分の個性で対応します。
 それは、成績という共通項を離れた、人間の個人性に基づいた関わりになります。

 言葉の森の作文教室で、これまで、小学1年生から高校3年生まで作文の勉強を続ける子が何人もいたのは、そこにこういう個性的な関わりがあったからです。

■真の個別対応

 現在、教育のDX(デジタル・トランスフォーメーション)で、子供の学習について個別に対応する仕組みが作られています。
 それぞれの子が、どこでつまずいているか、どのように学習が進んだかを個別に把握できる仕組みです。
 これは、デジタル化のひとつの進歩なので、これからもっと活用されていく必要があります。

 しかし、その個別対応は、学力の到達目標というひとつの枠に収まるための個別対応です。
 これまでの教育で、人間が時間をかけて個別に対応していたものをデジタル化することによって能率よくしたものがDXの個別対応ですが、それは人間でなければできなかったものを取り除いた上での能率化です。

 例えば、生徒が「今日はちょっとやる気が出ないんですけど」と個人的な相談した場合、AIは、アレクサ(アマゾンが開発したAI音声対応サービス)が答えるように、「その場合は、こんなことをするといいです」とパターン化した答えをすることはできるかもしれません。
 しかし、その個別対応は、人間が阿吽(あうん)の呼吸で対応する個別対応とは本質的に異なります。

 人間の個別の問題は、決められた枠のない問題ですから、人間の関わりの中でしか答えることができません。
 もちろん、その個別対応は、誤解や間違いや未熟さを含んだ個別対応です。
 だからこそ、その個別対応の中で、人間どうしは成長していくのです。

■大事なのは教育の理念

 オンライン4人クラスの教育を行っているのは、今のところ言葉の森だけです。

 いずれ、このオンライン4人クラスの教育プラットフォームを見て、大手の通信教育や学習塾が同じようなことをすると思います。
 しかし、このプラットフォームのシステムよりも大事なことは、どういう教育をするかという理念です。

 言葉の森の教育理念は、子供たちの思考力、創造力、共感力を育てることです。
 他の通信教育や学習塾は、受験競争に勝つことが教育の目的です。
 言葉の森は、思考力、創造力、共感力を育てる結果として、受験競争にも勝つということで勉強を進めています。

 だから、言葉の森は、成績を上げるための無理な詰め込みはしません。
 しかし、小学校高学年や中学生ぐらいになると、ほとんどの子はがんばって勉強するようになります。
 普通に育っていれば、子供たちは中学3年生になるころには、自然に自分の意思でがんばるようになります。

 大事なことは、知識の詰め込みを先取りすることではなく、子供たちの自然な成長を育てることです。
 今は、人為的な環境が多いので、自然に育てることをまず意識的に行っていく必要があります。
 自然に育てるということは、楽しく遊び、楽しく学ぶ環境を作るということです。

 将来、現在のような受験競争を中心とした勉強はなくなります。
 それに代わって登場するのは、子供たちの個性を伸ばし創造性を育てる教育です。
 大人は、今の価値観で子供の教育を考えるのではなく、子供たちが成長する時代の価値観を想像して子供の教育を考えていく必要があります。

 未来の子供たちは、すべての子が、それぞれ一国一城の主(あるじ)となるような形で成長します。
 だから、今から、子供たちが、将来、ひとりの主となるように育てる教育をしていく必要がありますす。
 それが、思考力、創造力、共感力を育てる教育なのです。

■オンラインクラスの詳細

 言葉の森が行っているオンラインクラスの簡易一覧表は、こちらにあります。
https://www.mori7.com/mori/online_class.php?kid=all

 無料体験学習は、こちらからお申し込みできます。
https://www.mori7.com/ftaikenn.php
枝 6 / 節 18 / ID 32902
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枝 6 / 節 19 / ID 32903
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枝 6 / 節 20 / ID 32904
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枝 6 / 節 21 / ID 32905
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枝 6 / 節 22 / ID 32906
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