利用の意義、他ソフトとの比較
森リンを作文指導に利用する意義
小学校低学年のころまでの作文指導は、比較的行いやすいものですが、学年が中学・高校と上がってくると、次第に作文指導が困難になってきます。
その大きな原因は、採点の負担が大きすぎることにあります。
森リンを利用することによって、まず指導者の負担が大幅に減少します。採点に追われない分だけ指導に力を入れることができます。
更に、生徒が森リンの評価をもとに、自力でよりよい文章を書こうとする姿勢になってきます。
子供たちは、評価に明確な基準を求めています。森リンは、その子供たちの期待にも、教師の期待にも応えることのできるソフトです。
先行する米国の事情
小論文の自動採点では、米国が先行していました。既に2001年に実用可能なソフトが開発され、2004年には、インディアナ州で全高校生4万8500人の卒業試験に小論文の自動採点が導入されました。同様な試みを全米18州のうち10州が検討しています。また、このソフトは、現在、TOEFLの英作文の採点にも利用されています。
日本で小論文の自動採点が遅れた原因は、一つは分かち書きをしない日本語という技術的特性から、もう一つはパソコン利用が一般化していないという社会的な問題からでした。しかし、ここに来て条件は大きく変化しています。
インディアナ州で高校の小論文試験にコンピュータ採点
インディアナ州は、全米で初めて高校生の小論文試験にコンピュータでの採点方式を導入した。4万8500人が受験した。
全米18州で現在、小論文試験の合格が高校卒業に義務付けられており、2005年からは大学入学試験のSATとACTの両方に小論文が含まれる。インディアナ州の成功如何が、他州のコンピュータ採点導入に大きく影響しそうだ。現時点では少なくとも10州が、実験段階に入っているという。
オンラインでの採点は、従来の紙と鉛筆の採点方式にかかる費用を大幅に削減する。またテスト用紙の配布、回収といった手間も省ける。結果が即時にわかるのもその利点だ。
インディアナ州の小論文試験は合否を大きく左右するものではないが、州の学習課程「コア40」における生徒の成績評価の一部となる。同課程では、今年初めて英語と代数の点数が発表されたが、その得点によって生徒の大学進学や成績が評価される。
同州の2年間の試運転期間中、生徒たちの小論文採点はコンピュータと、研修を受けた試験官による二重体制で行われた。人間の評価プロセスを真似た人工知能を搭載した自動採点エンジンは、6段階方式で生徒の小論文を採点したが、その採点は、試験官が採点したものとほとんど同じだった。
しかし、コンピュータ採点に疑問を持つ人も少なくない。「つづりや文法といった間違いは正確に指摘できても、内容をきちんと評価できないのでは」という懸念も多い。
他州がインディアナ州に続いて早期導入するかどうかは、人間による評価と比べ機械がどこまで正確に採点できるかどうかにかかっている。オレゴン、ペンシルべニア、マサチューセッツ、サウス・ダコタの各州は実験を行ったが、結局導入を断念している。
また、コンピュータへのアクセス率もオンライン採点の要となる。インディアナ州はパソコンの導入率では全米10位内に入り、生徒の3人につき1人が使用できる環境だ。また、同州内のすべての公立高校が、高速インターネット接続環境にある。(ニューヨーク・タイムズ紙より)
森リンと他のソフトとの比較
| 森リン | 米国のソフト |
利用料 | 1人1月200円 | 1人1年1500円 |
利用期間 | 1ヶ月単位 | 1年単位 |
利用人数 | 40人以上 利用者が40人に満たない場合、複数団体で合同して利用することもできます。 | 50人単位 (50、100、150人……) |
記録 | 1人につき毎週1作品を保存 (年間48作品) | 1人につき課題ごとに最初と最後の作品を保存 (年間10作品程度) |
その他 |
日本・米国・中国・韓国に特許出願中。
|
15人の開発者が100万ドル以上の経費をかけて開発。
全米200以上の中学・高校で5万人以上の生徒が利用。(2001年)
高校の卒業小論文試験に採用。
|
※大学での授業利用は無料です。