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AI森リン「森リー」
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AI森リン「森リー」
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長かった夏休みも終わり、学校が始まりました。そろそろいつものペースに戻ってきたころでしょうか? 新学期早々、東海地方から北は、台風にみまわれました。わお学級のみなさんは、ほとんどが関東周辺に住んでいる人たちばかりなので、テレビの台風情報も他人事ではなかったことでしょう。 みなさんのおうち同様、我が家も、夜中の雨と風の激しさは、すさましいものでした。ザーザーザザッと雨戸に打ち付けるリズミカルな雨の音、ヒュンヒュンと電線がうなる音、ガタガタと雨戸がゆれる音。布団に入ってすぐは、外の音が気になって、なかなか眠れませんでした。今夜は怖くて眠れないかもしれない、そんな風にさえ思えるほどのすさまじさ。でも、いつの間にか眠ってしまっていたようでした。 眠ってから、どれくらいの時間が経過したのでしょうか。夜がまだ明けないうち、突如、異変を感じて、目が覚めてしまいました。何かおかしい。何がおかしいのだろう。ぼんやりする頭で考えながら、よく耳をすましてみました。寝る前、あれだけ外がうるさかったというのに、いつの間にか、あたりは静かになっているのです。「ああ、もう台風は行ってしまったんだ。速度が速くなったのかな。」と思い、また眠りに落ちました。 翌朝、起きてみると、まだ雨と風はおさまっていませんでした。おかしいなあと思って、テレビの気象情報を見てみました。すると、番組の中で気象予報士が、台風は八王子を通過したと言っているじゃありませんか! これには驚きました。夜中、急に静かになったのは、台風の目が、我が家の上を通過していたからだったのです。そのことを息子に話すと、「起こしてくれればよかったのに。台風の目、見たかったなあ。」と残念そうでした。 私が小学生のとき、大型台風が我が家の上を通過していったことがあります。学校はたしか臨時休校でした。家では、1日中テレビにかじりつき、台風情報をチェックしていました。時間が経つにつれ、どうも台風が真上を通過するらしいということがわかり、だんだんとワクワクしてきました。台風の目って、どんな風になっているんだろう、雨も風もおさまると聞いたことはあるけれど、本当なのだろうか? 衛星写真では、ぽっかり穴が空いているけれど、空が見えるのだろうか? あれこれ思い巡らしていくうちにも、雨と風はどんどん強くなっていきます。なんだか家が飛ばされそうで、ワクワクする気持ちが薄れ、だんだんと怖くなってきました。 恐怖が頂点に達したころ、突然、あたりが静かになりました。ハッとした私は、あわてて外に出ました。そこで目にしたのは、あたり一面の青空。雨もなく、風もなく、空気はしめっぽいものの、気持ちいいくらい晴れ渡った青空です。ただ1つ、いつもの晴天の日と違うのは、あたりが静まり返っていることでしょうか。通る車は1台もなく、歩く人も、もちろんいません。さっきまで、風の音と雨の音がものすごかったのに、ピタッとそれらがやみ、動いているのは自分だけ。まるで時間がとまったかのようでした。これが台風の目か。なんとも言えない感動でした。台風の目という言葉からは、何かが存在するかのような感じがしますが、実際は、まったく逆です。何も存在しないのです。空っぽそのものが台風の目なのです。 この話を私から聞かされていた息子は、今回の台風の進度がとても気になっていたようです。「聞いたことはあるけれど、1度、自分でも、その何にもないという台風の目をみてみたい。」そんな気持ちが息子の中にあったのでしょう。6日木曜日の午後は、台風情報に釘付けになっていました。あの小学生のときの私のように。それだけワクワクしながら待っていたのに、夜中に通過していった台風。「台風の目、見たかったなあ。」と、がっかりする息子の顔がとても印象的でした。 <<え87み>>
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