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AI森リン「森リー」
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AI森リン「森リー」
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もっとも肉食がぜいたくだといいだせば、本来なら、欧米諸国でも事情は同じであり、いくら一人当たり農用地面積がひろくとも、土地からの第一生産物を直接人間の口に入れるほうが、はるかに安上がりなことに変わりはない。にもかかわらずヨーロッパのあいだでは、栄養問題がたいしてやかましくない古い時代から、なぜ不経済な肉食が高い比率を占めてきたのであろうか。それは、日本とは、だいぶ事情がちがい、もとはといえば、日本では考えられないほど家畜飼育の容易な、牧畜敵地だったからである。ヨーロッパ人の肉食率が高いのは、考え方によってはけっしてかれらがめぐまれていたためではなく、風土的条件が、かれらに穀物で満腹することを許さなかったのである。現代でも、我々はとかく欧米のほうが優れていると考えがちであり、日本の伝統的なものを軽んじる傾向にあることは問題だ。 その原因としては第一に、戦後日本人は欧米の文化に憧れを抱くようになったからだ。私もそのうちのひとりである。ハリウッド映画を見たり、トップレベルの洋楽を聴くと、やはり欧米と日本とでは次元が違うのではないかと思ってしまう。語学研修中、カナダのバンクーバー市内でハリウッドの撮影用のトラックを見た。非常に大きなトラックが十台ほど、車道の脇に駐車しており、同行していたガイドの方も規模の大きさに驚いていた。日本ではありえないような車の大きさ、数だった。撮影の機材も見えただけでもかなりの量だった。ハリウッドの映画は桁が違うと友達も皆話していた。音楽の面でも、人口の違いからかもしれないが、ステージは非常に広く客席数も非常に多い。テレビでしか見たことはないが、それでもアメリカでのライブの規模はすごいと思う。ピアノなどの世界的なコンクールが開催されるのはヨーロッパだ。また、いまや世界中で愛用されているアイフォンもアメリカからである。そう考えると、欧米の進んだ文化に憧れる人が多いのは分かるだろう。 また第二の原因としては、日本人が自国の文化の素晴らしさに気付いていないことだ。これほど沢山の種類の魚を生で食べられるのは日本くらいではないだろうか。和食は、世界無形文化財となっており、寿司の店も世界各国に広がっている。畳の独特の香り、自然の香りに包まれた木造の家、色鮮やかな着物。日本特有の文化は外国人にも愛されている。外国に憧れを持つことも良いが、日本にも沢山の美しい文化があるということに気付き、大切にしていくべきだという考え方ができるようになれば、安易に欧米文化に流されず、自国の文化に誇りを持つようになるのではないか。 確かに、海外の優れた文化を吸収することは大切だ。しかし、文化とは、他国との違いを見比べるものではなく、理解しあい自国のカラーにしていくものである。だからこそ、欧米の方が優れていると考え日本文化を軽んじる傾向にある現代の日本社会は問題だ。もっと自国の文化を愛し、これからもその国らしく育んでいくべきだ。
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