愛情と躾の大きな効果
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本質的な問題に気付くためには様々な要素があるが小さい頃からの物の考え方や家庭内での躾が大切だ。たとえ小さなことでも自分の立場を家庭の躾や親の愛情から感じさせることも可能だ。家族や友人との日々の出来事の中で将来の判断の一端が育つ。これこそが本当の、そして人間的な愛情だ。どんなに貧しくとも温かい家族的な愛情のある家は幸福である。私は、子供には家庭での愛情と躾の両方が大切だと考える。この理由は二つある。
第一に、愛情と躾により大切に育てられた子供は素晴らしい人材となるからだ。私が考える「素晴らしい人材」とは困っている人々を助け、人間の発展に貢献するような人物、つまり他人を愛情や教養で包み込むような人のことを指す。このことは日本の有名な人物からも言えるだろう。日本紙幣に選ばれた一人、野口英世は周りの協力や愛情、そして教育という躾によって歴史に残る医者となった。英世は、幼いときに囲炉裏に落ち左手に大火傷を負った。このことが原因でいじめにあったものの勉強に励み成積は常に上位だったそうだ。周囲の援助によって受けた手術で左手が少し動くことを見た英世は感動し、医者として働くようになったのだ。医者としてノーベル賞候補となるほど細菌に関して詳しく研究した人である。彼はまさしく愛情と躾によって育った人だ。子供の頃に親や周囲の無償の愛と教育を受けた人間はその大切さを知り、他者にも優しく接することのできる人へ成長するのではないか。視点を変え虐待について捉えるとよりこれが明らかになるだろう。国立精神・神経医療研究センターによると子供の頃に虐待を受けた人の約30%が成人後に精神的健康問題を抱えるというデータがあるそうだ。私が以前、子供の権利に関して学んだ家庭科の授業で知った「子ども」という詩は「可愛がられ抱きしめられた子どもは、世界中の愛情を感じとることを覚える」という言葉で締め括られている。教育を中心とした躾と愛情の両方を受けて育つことで人間は人生において永遠に必要な考え方を知ると共に大きく未来へ羽ばたくことのできるようになるのだ。
第二に、自分がどのようにするべきかの判断力が養われるからだ。子供は生まれた後は無の状態である。だからこそ人間の基礎となる愛情と躾が大切なのだ。以前私は「とわの庭」という本を読んだ。主人公のとわは視覚障害者にも関わらず、幼い頃に親が家を出ていき、とわは一人家に取り残される。他の子供に比べわずかな躾や愛情などはどう生活していくべきなのかという判断のきっかけとならず彼女は長年ゴミや物に溢れた家に一人住み続ける。とわの親の行動に大きな問題があることは確かだが、もしとわが愛情や教養の多い生活をしていれば、その中でも彼女はより豊かな人生について自ら判断することができていただろう。幼年時代の出来事は一生を左右する力を備えている。だからこそ、小さい頃にどう親に接してもらうかはとても重要なのだ。
確かに人間には先天的な才能がある。しかし「ロバが旅に出たところで、馬になって帰ってくるわけではない。」という言葉がある。人間は生まれた後家庭の中でどう育てられるかがカギとなる。愛情と躾の両方を子供に与えることによって、大人になっても正しい道を進むことのできる人間になるのだ。私はこれからも愛と教養を込めて育ててくれた家族に感謝し真っ直ぐ生きていきたい。このことから子供には家庭での愛情と躾が重要だと私は考える。