自然を愛すると言いながら(感)
   小6 すりりんご(akimano)  2025年2月2日

 雑草に対する人間の態度は、時と場所によってさまざまである。ハイキングに行けば、自然が豊かなことを喜ぶ人も、自分の庭に出てきた雑草は血眼で引き抜いてしまう。コンクリートには飽き飽きしていて、道ばたに草が生えている風景を心ひそかに楽しんでいた。数年たって路地全体に異変が起きた。車の震動で下水管がこわれぬようにしっかりとほそうされてしまった。私も、人工物より自然が好きだ。自然を楽しむことで、心もあかるくなる。

 以前、ダム建設予定地へ行ったことがある。そのダム建設予定地とは、長崎県川棚町川原地区というところだ。地区名の読み方は、川原で「こうばる」と読む。ダム建設予定地というと、何もない更地が思い浮かぶが、実際そこには、人々の暮らしがあった。そして、ただ暮らしているだけではなく地区の魅力を発信している人たちもいた。たとえば、作物の栽培、自然保護などがある。この地区を人が便利に暮らせるようにとダムにして水没させようとしているのだ。私は、そのような考えをしている県に、断固反対する。この県と町民の反対運動は四十年以上続いている。川原地区の魅力はホタルをはじめ百種類以上の生物の生息だ。その生存が危ぶまれている。この川原地区のダム予定地を知ったのは「石木の源流である虚空蔵山に登ろう!」というイベントに参加したことがきっかけだ。この虚空蔵山の麓、川棚町石木郷は、登山口へ向かう際に通るところであり、ダム建設予定地となっている。ダム建設が行われると水没してしまう。この動きは、住民の心を痛ませている。川原地区が故郷の人は特に、まるでダムの中に自分が沈んだように落ち込んでしまうだろう。自然にあふれた畑や田んぼ、住んでいた家が一気に沈んでしまうなんて…と私の心も沈んでしまった。ダム建設を提案した人には、虚空蔵山へ登ったり、稲刈り、田植えなどのイベントに是非参加してもらいたい。そして、人と自然が共存しているこの現場を壊そうとしていることをやめてほしい。この川原地区にダムができても、あまり利益はないらしい。私は、今よりも、未来のことを考え、人にも植物にも優しい人でありたい。

 今、地球にはたくさんの絶滅危惧種がいる。日本でも、残念ながら絶滅してしまった動物たちがいる。例えば、北海道に生息拠点を置いていたエゾリス、本州・四国・九州を生息本拠地にしていたニホンオオカミなどがいる。また、狩猟で数頭が少なくなっていたニホンカモシカは、特別天然記念物に指定されている。そして、ダム建設予定地にも天然記念物のカスミサンショウウオの卵のうが毎年春に見られるとのことだ。これらの生物たちは、私たち人間と同じく、酸素を吸い、二酸化炭素を出す生物である。この生物たちを絶滅させた原因は、人間である。「人間しか考えることはできない。」これは、国語の教科書でロボット学者の石黒浩さんの言葉だ。この言葉は確かに今の世界の困難を救助するための言葉だといえる。ロボットも動物も、この先の食料や栄養はどうしようか。この後は何をしようなどは考えていない。動物の中には考えている個種もいるかもしれないが、ほとんどの動物は考えることができない。考えることができるのは、人間だけなのだ。だから、自然保護、未来のために私たちは、地球を救い続けることを考えなければいけない。

 人間にとって自然とは、未来に貢献できるものである。一度失われると元通りにはならないことを肝に命じて、今ある緑をどう未来につなぐが、動植物たちの生存を守るための方法も知る必要がある。ダム建設はまさに人間が知恵を出し合う正念場だ。今だけを考え、自然を破壊するか、未来を考え、自然保護を考えるか。私は、未来ために自然を残したい。