笑顔の力
   高2 あかしか(akasika)  2025年2月4日

 筆者が大学生の頃、アメリカ人講師は授業の間いつも笑顔であることに違和感を覚えた。そこから十年以上が経ったある夏に女子大学の語学研修でアメリカへ行く機会があった。そこで出会う人も皆笑顔であった。その笑顔は意識的に作っているものだということに気がついた。アメリカは他民族国家であり、銃社会なので相手に敵意のないことを見せるために笑顔を作っていた。私は笑顔を大切にして生きていきたい。

 そのためには第一の方法として、相手に対して思いやりの気持ちを持つことだ。多くの小学校、中学校、高校では学年が変わるとクラスが変わり、これからの一年間を共に過ごすメンバーが変わる。新しいクラスにはすでに知っている人もいれば今まで全く関わってこなかった人もいるだろう。気の知れた友達と話して過ごすのも良いが、初めて出会った人と関わり、交友関係を広げるのも楽しい。私はクラス替えの後、自分の席の周りの人に積極的に笑顔で話しかけるようにしている。そうすると、相手の子も笑顔で話してくれて心の距離を縮めやすいからだ。高校2年生になった時、私は右隣の席の女の子に「おはよう、よろしくね」と笑顔で声をかけてみた。そうしたらとってもフレンドリーな人であったため、すぐにお互いを名前で呼ぶまでに仲良くなった。その子と友達になったことをきっかけに輪が広がり、クラスの女子は最初の一週間くらいで大体把握できるほどまでになった。笑顔があることで相手の子に仲良くしたいという気持ちを表すことができる。もしここで真顔で話しかけても相手にとっては冷たい印象になり、仲良くしたいとはあまり思わないかもしれない。自分が優しい気持ちを持って接すると、相手も優しい気持ちになり自然と笑顔が生まれるのだ。

 第二の方法は前向きな気持ちを持つことだ。前向きな気持ちを持って過ごすことで笑顔の回数が増えるだろう。笑顔でいれば自分だけでなく、自然と周りの雰囲気を明るくする。ヘレンケラーは幼い頃にかかった病気の影響で、目も耳も聞こえなくなり孤独の世界に閉ざされてしまった。しかし彼女はそこで全てを諦めたわけではなく、サリバン先生から言葉だけでなく、態度や考え方まで様々なことを教わり積極的に世界とつながろうとした。ヘレンケラーは努力を重ね、ラドクリフ・カレッジというハーバード大学とほぼ同じレベルの大学を卒業し、世界中の人々に希望を与える存在となった。ヘレンケラーは前向きな気持ちを持って笑顔で人と関わったため、達成できたことも多かっただろう。

 確かに常に笑顔でいることは難しく、自分の負の感情を出すことも大切だ。しかし、そういう時こそ笑顔が大事なのかもしれない。「辛い時こそ笑え」という名言があるように、たとえ大変な場面でも笑顔でいれば新たな解決策が見つかったり状況が変わったりする鍵となることもあるだろう。笑顔は人と人をつなぐ力を持っていることを信じて笑顔を大切にして生きていきたい。