アイデンティティを見つける
中3 あえもも(aemomo)
2025年2月4日
現代はアイデンティティ不定の時代と言われている。これは近代社会が、前時代の共同性を解体させ、個人がある具体的な共同体に属することの内的な意味を希薄化させたことが要因だ。それは、大人であることが何を指すのかがはっきりしないことも意味する。近代以前の子どもは、早期から大人の集団に仲間入りしていたが、儀式によって子どもと大人がはっきりと分けられていた。ところが、近代は、その境目が「教育課程」という長いシステムで、子どもは子どもとしてあつかうようになったため、自分がどこで大人になったのかを曖昧にさせた。これらの側面から、近代になって子ども期は、いくつかの段階を抱え持ちつつ、次第に大人になる「過程的な」存在とみなされるに至ったのである。このことから私は、社会のなかで自分の役割を果たし、アイデンティティを持った人間になりたい。
その方法は第1に、家庭内でお手伝いをすることだ。近年、学力向上を重視する学校が増加し、勉強第一の考えが広まってきているように感じる。私の学校でも、「勉強」というワードは耳が痛くなるほど聞いているが、「お手伝いを率先してやりましょう。」とは、ほとんど言われない。修学旅行に行った時のことだ。私たちが利用した宿舎の寝室は、和式部屋で、自分達で床に布団を敷く形式だった。しかし、同部屋の生徒は、私語が絶えず、なかなか敷こうとしてくれない。結局私が、一番に敷き終わり、他人の分も手伝った。当時は、皆が布団を敷かないことが不服だったが、和風様式の我が家で、毎度床に布団を敷いている苦労が功を奏し、普段ベッドで寝ている生徒の分も手伝うことができたと言える。このように、家庭内の手伝いが、社会に出た時に、自分の役割やアイデンティティとなるのだ。何か傑出した天賦の才能がなくとも、自分の役割を持って、社会に貢献するための第一歩として、家庭でお手伝いをすることが大切だ。
第2の方法は、社会の一員として役割を与えることだ。私は習い事で、イベント委員会になり、その委員長に挑戦した。この委員会は、みんなのために、楽しいイベントを企画し、日々のレッスンの息抜きを作る委員会だ。私は、初めて委員長の立場に立ったため、何も分からない未知の領域に入った感覚だった。委員を集め、とりあえず「どんなゲームがしたい?」と聞いてみた。なかなかすんなりと案が出てこなかったが、やっと出てきた案は私には到底思いつかないような名案だった。また、イベントの進行にあたって役割を振ったのだが、まだ小学生の子たちも、イベントのお知らせや司会などの大役をしっかりと果たしてくれた。このように、「まだ小さいから無理かな。」という不安が一番に出てしまいがちだが、思い切って役割を与えることで、個々が使命感と責任感を持ち、物事と真剣に向き合うことができるとともに、役割を達成したときに大きな自信をつけられる。社会に貢献できる存在となるために、早期から様々な役割を経験しておくことが大切だ。
確かに、二度と戻ってこない子ども期を存分に楽しむのも良い。しかし、「勝負に勝つためには、苦手をなくすことよりも、得意技を持つことである。」というように、苦手を減らして、皆のレベルに追いつこうとするよりも、様々なことに挑戦し、アイデンティティを持つ方が、社会で自分らしく輝ける。まずは、自分はどうあるべきかを考えて、自分の特技、特性について知ることが重要だ。そして、自分のアイデンティティ確立には、他人との交流が必要不可欠であることを忘れず、自分の力を社会で発揮する時には、必ず利他の精神を持って行動することが大切である。
これからは私も、家庭内での手伝いや社会での役割を率先して行い、そこで身に付けた力で社会に貢献したい。