あかしかさん、作文の提出ありがとうございます。

この作文において、あかしかさんが法律と道徳的共同体のバランスについて深く考え、それを論じた点は非常に印象的です。
孔子(こうし)逸話(いつわ)を引用し、歴史的な背景から現代社会における法律の役割と限界を考察している部分は、特に理解が深いと感じました。
また、大岡越前守(おおおかえちぜんのかみ)のエピソードを用いて、法律ではなく人間性が重要であることを説明した点も、説得力があります。

あかしかさんが、法律に囚われ(とらわれ)すぎず、より人間的な判断が求められる場面でどのように対処すべきか、具体的な事例を交えながら述べているのも良いですね。
「できあがった規則をなんとか守ろうとすることよりも、実態に合わせて規則を変えていくことが、真に規則を生かす道である」という引用は、あかしかさんの主張を強く支えるものであり、非常に適切です。

これからも、多角的な視点を持ち、柔軟(じゅうなん)な思考で物事を考えることができるよう、さらに学びを深めてください。

◎名言がよく書けています。
「できあがった規則をなんとか守ろうとすることよりも、実態に合わせて規則を変えていくことが、真に規則を生かす道である」という部分。 森リン評価 柔軟さ re 03月1週 あかしか
字数/基準字数:
1222字/1200字
思考点:70点
知識点:95点
表現点:93点
文化点:92点
総合点:87点
●語彙学年表
 小1小2小3小4小5小6中1中2中3高1高2高3  
思考点
知識点
表現点
文化点
総合点
●語彙の説明
語彙種類個数種類率点数説明
思考語彙 25個 70点考える言葉です。
理由、方法、原因などの説明の語彙。
多すぎると、説明の多い硬い文章になる可能性があります。
知識語彙77種121個64%95点難しい言葉です。
社会的な例や調べた例の語彙。
多すぎると、難しい言葉の多い重い文章になる可能性があります。
表現語彙132種225個59%93点豊かな言葉です。
話題の幅が広い語彙。
多すぎると、散漫な文章になる可能性があります。
文化語彙45種67個67%92点詳しい言葉です。
身近な例や経験した例の語彙。
多すぎると、身近な話の多い狭い文章になる可能性があります。
種類率は、60%以上が目標。70%以上の場合は多様な語彙が使われています。
1222字
 70点
 95点
 93点
 92点
字数 思考語彙 知識語彙 表現語彙 文化語彙

 


■思考語彙 25個
。しかし,そのため,に第,。しかし,と考える,られるから,。例えば,違うので,だろう,よると,ないので,認めよう,と思う,苦しいので,れざる,たから,だろう,知るため,だろう, 確か,。しかし,すぎると,守ろう,できると,を単なる,

■知識語彙 77種
一般,主張,事件,事柄,人数,人間,今日,以上,伝記,体現,優先,共同,共通,出来事,刑事,刑法,判断,制度,動機,原理,反映,同情,名言,国家,国民,大事,大切,大岡越前守,子供,孔子,完全,実態,対応,差別,当時,息子,感覚,批判,採用,故意,方法,施行,日本,明確,春秋,時代,柔軟,機械,正直,殺人,母親,決定,法律,無作為,父親,片方,特定,犯罪,生活,画一,異端,発想,登場,社会,経緯,背景,自分,裁判,裁判官,規則,視点,視野,証言,認知,過失,重大,量刑,

■表現語彙 132種
こと,これ,これら,さ,すぎ,そこ,ため,ところ,とっさ,どちら,はやり,ふつう,よう,わけ,アクセル,ブレーキ,ルール,一,一つ,一般,上,主,主張,事件,事柄,二,人,人数,人間,今日,以上,会,伝記,体,体現,何,例,優先,元,全て,八,共同,共通,出来事,刑,刑事,刑法,判断,制度,動機,十,原理,反映,同情,名言,員,国家,国民,大事,大切,大岡越前守,嫌,子供,孔子,完全,実態,対応,差別,当時,思い,性,息子,感覚,手,批判,採用,故意,方,方法,施行,日本,明確,春秋,時,時代,束の間,柔軟,様々,機械,正直,歳,殺人,母親,決定,法,法律,涙,無作為,父親,片方,特定,犯罪,生き方,生活,画一,異端,発想,登場,的,真,確か,社会,私,経緯,罪,考え方,背景,自分,葉,裁判,裁判官,規則,視点,視野,証言,認知,過失,道,重大,量刑,際,頃,

■文化語彙 45種
しまう,すぎる,せる,つぶす,できあがる,できる,もらう,よる,られる,れる,争う,出す,受け取る,合わせる,基づく,変える,始める,守る,引き寄せる,引っ張る,持つ,指す,挙げる,捉える,殺す,殺める,決まる,決める,泣く,犯す,生かす,生きる,知る,縛る,考える,至る,訪れる,認める,譲る,起きる,踏む,違う,選ぶ,間違える,離す,

 

柔軟さ
   高2 あかしか(akasika)  2025年3月1日

 今日では、道徳的共同体をつぶしてきた法的社会がふつうの社会となり、国家となっている。しかし、今日、共同体が完全につぶされたわけではない。孔子が生きていた時代は法が登場し始めた頃であり、当時、法を優先するのは異端の発想であった。孔子が葉を訪れた時、自分の父親の犯罪を証言した正直な息子を批判した。法がしだいに社会的に認知されつつあった春秋時代に共同体原理を体現したのが孔子であった。私も孔子のように共同体的な生き方をしていきたい。

 そのために第一に、法律よりも事柄をみることだ。日本の法律にある刑法では殺人罪の刑の重さは殺めてしまった人数で決まる。しかし、これだけでは判断できないことも多い。その殺人の背景は様々だと考えられるからだ。例えば、何もかも嫌になって無差別に人を殺すのか、何か強い思いがあって特定の人を殺めてしまうのかやアクセルとブレーキを踏み間違えるなど故意ではなく過失で殺人を犯してしまったのかなどが挙げられる。これら全て「人を殺している」ということは共通しているが、動機が全く違うので人数だけで機械的に量刑を決定するのは難しいだろう。

 また、法律を施行する人の人間性も大事だ。伝記によると、大岡越前守は、子供を争う二人の母親が来た時にどちらも主張を譲らないので、「子供を引っ張って自分の元に引き寄せた方を母親として認めよう」と言った。実際に引っ張らせてみたら子供が痛くて泣き出した際に片方の母親が思わず手を離したのであった。引き寄せた方の母親はその子供をもらったと思ったのも束の間、大岡越前守は、「母親というのは自分の子供の涙を見るのは苦しいのでとっさに手を離した母親が真の母親だ」と言った。これは大岡越前守がルールに縛られずに柔軟に対応したから子供は真の母親のところへ行くことができたのだろう。もう一つの例として、裁判員制度がある。裁判員というのは裁判官とは違い、十八歳以上の国民から無作為に選ばれた人のことを指す。主に重大な刑事事件で一般の人はどのようにこの事件を受け取っているのかなどを知るために採用される。これも法だけに従って量刑を決めるのではなく、同情したりこれではやりすぎなどの一般の感覚を裁判官の判断に反映させるいい方法だろう。

 確かに、法律に基づいた考え方の方が明確で良いという考え方もある。しかし、生活していく上で法やルールに縛られすぎると画一的な考え方しかできなくなってしまう。「できあがった規則をなんとか守ろうとすることよりも、実態に合わせて規則を変えていくことが、真に規則を生かす道である」という名言があるように、起きてしまった出来事を様々な視点から捉えていかに柔軟に対応していくかが大切である。共同体的な生き方ができると罪を単なる罪として見るのではなく、そこに至った経緯や人間性を判断できるのではないか。私は共同体的な生き方をしていく上で広い視野を持つことを大事にしていきたい。