努力の結晶
   小6 タカVSワシ(aenuyu)  2025年3月1日

 「用意・・・始め。」

試験開始の合図が教室に響き渡ると、隣も後ろの人も、シャープペンシルや鉛筆を持ちながら一気に問題用紙を開いて解き始める。僕の通う塾では二ヶ月に一回学力を測るテストが行われる。そのテストで高得点を獲得するために勉強を行っている。学問に王道はないので、とにかくたくさんのプリントを解きまくってテストの対策をしている。テストは国語、算数、英語の三つの科目が出題されるが、今年の四月以降からのテストには、五教科が出題される。今回から学力によるクラス分けテストで三つのクラスに分けられる大事なテストである。僕はそれを人生初の受験だと肝に銘じている。今までは理科と社会がテスト科目になかった。この二科目の勉強をおろそかにしていたので今一生懸命勉強している。僕には第一志望高校がある。高校受験では、ほんの一、二点の差で合否が決まるかも知れない。僕が現在行っている小学校では、僕と同じ第一志望の高校である子が三人居る。先程も述べた通り、クラス分けのテストが存在し、そこで高得点を取り、三クラス中の一番上のクラスに行かないと、僕が行きたい高校で合格するための道が閉ざされるのも同然だ。受験で一、二点の差でその子達に負けて、第一志望高校が落ちるなんて絶対に嫌なので、テストでなくても勉強をしている際は二科目を解いている時でも自分でも分かる程

「確かこうで合っているよな。間違うわけにはいかない。」

という気持ちだけで心の中がいっぱいになって心臓がバクバクしてしまう。だが、しっかり勉強をして、テストに臨めば試験中も焦ったりする事も無い。

 また、僕は学力を上げたい一心もあって、学力アップのための講座に入れる基準に達していたので、僕はそこに入ってみた。その講座にはなんと、同じ校舎の友だちがいて、

「どのくらい難しいのかな。宿題が多いって聞いたけど本当かなと授業が始まる前まで話していた。授業が始まり先生が教室に入って来ると、ちょっと前まで騒がしかった教室があっという間に静まりかえった。その授業の内容はとても難しく、僕と友達には全く分かりもしなかった。絶望はそれだけでなく、噂どうり宿題が一科目につき、最低で十ページ、基本的に十五ページ、最高で二十ページという、驚異の宿題量だ。ぼくはその難しさと、宿題の量に怯えながらも帰って早速宿題に取り掛かった。それは予想をはるかに超える難しさで、宿題が授業開始約三分前等に終わったこともあって、結構勉強したが、みんなに追いつくことはなく、自分のペースで勉強することにした。

 母は大学受験の面接の試験で面接官がまるで鬼の形相のようなキリッとした目つきとつり上がった眉毛をみた母は

「終わった。絶対落ちた・・・。」

と思ったそうだ。すごく心拍数が上昇していたらしいが、その大学受験は合格し、そこに入って面接官の講義を聞いて、元々顔に笑顔がない先生だったらしい。その事実は母を安心させたらしい。母が身勝手にも初対面の先生に「怖い」という第一印象を覚えてしまい、恥ずかしくなったそうだ。人間にとって、努力とはその過程で力をつけていくのに必要であり、夢の実現には欠かせないものである。

「よし。勉強再開。」