「直感の重要性」を主題に、論理的かつ説得力のある展開がなされており、とても優れた文章です。

 第一段落では、日本文化における直感の特徴(とくちょう)を説明し、和歌や俳句を例に挙げることで、日本人が直感的な表現を重視してきた背景を示しています。「理屈(りくつ)ではなく直感に訴えよ(うったえよ)うとする日本的なコミュニケーションの取り方はよいと思う」と明確に主張しているため、文章全体の方向性が読者に伝わりやすくなっています。

 第二段落では、「直感は相手の感情に寄り添う(よりそう)ことができる」という理由を具体的な体験談を交えて説明しています。友人の悩み(なやみ)相談の場面を取り上げ、「直感で大丈夫(だいじょうぶ)だと感じた」と筆者自身の経験を述べることで、直感が対人関係において重要な役割を果たすことを説得力のある形で示しています。また、「悩み(なやみ)をすべて言葉にされたわけではないが察した」という表現から、直感が言葉以上の理解を生み出すことが伝わります。

 第三段落では、「直感は論理的な思考を経ずに物事の核心(かくしん)に近づける」という視点から論じられています。ダニエル・カーネマンとエイモス・トヴェルスキーの研究を引用し、人間がリスク判断において直感を重視することをデータとして示している点は、非常に説得力があります。また、「結果的に直感とは挑戦(ちょうせん)することの一環(いっかん)だ」という筆者の考えがしっかり述べられており、単に直感を肯定(こうてい)するだけでなく、挑戦(ちょうせん)の重要性と結びつけている点も魅力(みりょく)的です。

 第四段落では、反対意見に触れ(ふれ)ながらも直感の必要性を再確認しています。「慎重(しんちょう)になることや理屈(りくつ)で考えることも大切」としつつも、「直感的なコミュニケーションの取り方は必要だ」と結論づけています。また、「辞書のような人間になるのではなく、辞書をうまく使えるような人になることが勉強の目的である。」という名言を引用し、直感の大切さを印象的にまとめています。このように、主題を再確認する形で文章を締めくくっ(しめくくっ)ているため、全体としてまとまりがあり、読後感も良いです。

△直観→直感

 


■思考語彙 26個
n第,。だから,。つまり,。なぜ,あると,あるまい,あれば,だろう,て思う,て考える,できるから,と思う,と考える,ないため,な場合,のちがい,はいえ,は思う,人にとって,寄り添うため,思い浮かべるため,経ざる,考えるため,訴えよう,話すと,近づけるから,

■知識語彙 67種
人間,人間味,以上,会話,体験,内容,内心,処理,判断,勉強,参加,友達,名言,因子,大丈夫,大切,失敗,女性,実験,左右,強力,影響,必要,思考,感情,感覚,慎重,成功,挑戦,提示,日本,核心,活用,無意識,物事,犠牲,理屈,生活,男性,目的,直感,直観,相手,相談,瞬時,知識,研究,確実,確立,経験,結果,結論,背景,自分,行動,複雑,観点,言葉,説得,論理,質問,辞書,過去,選択,重要,非常,風土,

■表現語彙 130種
いくつ,いっかん,うえ,こと,ごと,さ,じゅう,すべて,それ,たしか,たち,とき,ところ,ないため,なん,な場合,のち,のちがい,ひつ,ほう,もの,よう,わが国,わけ,コミュニケーション,ダニエル,ツール,データ,ドル,パーセント,リスク,一,一つ,中,二,人,人間,人間味,今,以上,会話,体験,何,八,内容,内心,処理,判断,力,勉強,十,千,参加,友達,名言,因子,大丈夫,大切,失敗,女性,実験,寄り添うため,左右,年,強力,影響,心,必要,思い浮かべるため,思考,性,悩み,感情,感覚,慎重,成功,挑戦,提示,方,日本,昔,時,核心,歌,活用,無意識,物事,犠牲,理屈,生活,男性,百,的,目的,直感,直観,相手,相談,瞬時,知識,研究,確実,確立,私,経験,結果,結論,考え,考えるため,者,肩,背景,脳,自分,行動,複雑,観点,言葉,説得,論理,豊か,質問,軽はずみ,辞書,過去,選択,重要,非常,面,風土,

■文化語彙 47種
あふれる,いふ,かえりみる,かける,きく,たよる,つかめる,て思う,て考える,できる,と思う,と考える,ならべる,はいえ,は思う,ほす,まかせる,もとづく,もらう,られる,れる,わかる,わかれる,使える,出す,出来る,取る,基づく,寄り添う,察す,導く,広げる,思い浮かべる,感じる,打ち明ける,持つ,残す,用いる,異なる,経る,聞く,訴える,話す,貰う,近づく,近づける,驚く,

 

直観と挑戦
   中2 あえさみ(aesami)  2025年3月2日

日本人が淡白であるかわりに持続力にかけているといわれるのも、生活感覚に左右されているところが少なくないのではあるまいか。わが国では千年ちかい昔でも、女性は男性と肩をならべて名歌を数多く残している。やはり風土的因子によるものだと考えられる。「いひほせ」ないためには論理でもなんでも犠牲にしてかえりみない。私たちは自分が経験してきたいくつかの観点で物事を見る。直観は生活していくうえで無意識に活用されるものだ。複雑な場合でも私たちは直観にたよることが多々あると感じる。感覚は人にとって大切で、非常に強力なツールとなる。理屈ではなく直感に訴えようとする日本的なコミュニケーションの取り方はよいと思う。

第一に直感は相手の感情に寄り添うことができるからだ。直観にまかせて話すほうが人間味あふれる会話になると思う。コミュニケーショは人の心を豊かにし、相手にまで影響する。それは相談されているときもだと感じる。私は友達に悩みを打ち明けられ、内心驚いたとは思うが、直観で大丈夫だと感じた。聞いて思ったことを話すと心が少し軽くなったといわれた。悩みをすべて言葉にされたわけではないが察した。直観は自分の経験したことを思い浮かべるため、とても説得力があると改めて感じた。直観はコミュニケーションにおいて言葉以上のちからを持ち、相手に寄り添うために必要なことだと思った。

第二に直観は論理的な思考を経ずに物事の核心に近づけるからだ。その背景には、脳が過去に経験した知識を瞬時に処理し、感覚的に正しい結論を導くことが出来る。つまり、人間の直観は自分の今までの体験を用いて考えるため核心に近づくことができるということだ。それはとても重要なことだと思っている。ダニエル・カーネマンとエイモス・トヴィルスキーの研究では人間の直観的判断と論理的判断のちがいについての研究をした。その中の一つに直観的判断の大切さがわかるデータがあった。実験内容としては、実験の参加者に異なるリスクを提示し、百ドルあればもらうか、もらわないかという質問を出した。確実にもらうといった人の確立が八十パーセント、貰わないといった人の確立が二十パーセントとわかれた。なぜかときいたら、直観的な判断のほうが自分の経験にもとづき、確実性をじゅうししていて、感情的な面もあるとかえってきた。このように人間は感情や経験に基づいて選択することが多い。結果的に直観とは挑戦することのいっかんだと私は思う。もし、失敗したとしても挑戦しなくては成功も何もつかめないだろう。だから直観は大切だ。



たしかに、ものごとに慎重になり、理屈で考えを広げることも大切な時はある。軽はずみな行動は、良いとはいえない。だが、「辞書のような人間になるのではなく、辞書をうまく使えるような人になることが勉強の目的である。」という名言もあるように直観的なコミュニケーションの取り方はひつようだと感じる。