初めての
   小5 ことと(akakoto)  2025年3月1日

「調理実習、成功するといいね〜」

やっと、5年生になって家庭科が始まった。家庭科は、授業でご飯を作る時があるから4年生から楽しみにしている人が多い。皆、家庭科の最初の授業にやった裁縫でうまくできなかった子がいる中、運よく次の家庭科の授業は調理実習だった。料理は、男女関係なく家で、親の手伝いをしている人が多いからか得意な人が多い。私も裁縫と比べたら料理の方が断然得意である。しかも二日連続で一日目は、「米を鍋でたく」そして二日目が「お味噌汁を作る」だった。この内容を聞いた瞬間決して、得意な人が多いといえない裁縫から解放されたかのように皆嬉しがっていた。

 一日目、お米を炊く授業の日みんなが、料理に張り切っていて失敗しないようにと願っている一方で、私たちの班は大きな失敗を最後の最後に一つ、してしまった。失敗したのは、お米を鍋で作るときにする作業の一番最後が「蒸らす」という作業でこの作業をすることでお米に弾力ができて美味しくなるらしい。むらすという作業を簡単に言うと、

一,鍋がぶくぶくしてきたら火を弱める

二,七分ほど弱火で炊く

三,七分立ったら火を消す

四,七分経ったら蓋をしたまま置いておく

これが「蒸らす」の流れだ。私たちの班は、一〜三の前半まではとてもうまく行っていた。友達とお米のいい匂いがするたびに「うまくいくね!」とこしょこしょと話していた。だが、気分が上がっていて細かいところに気を配れていなかったからか七分経ってから火を消すのを忘れてしまった。班のみんなは気づくはずもなく弱火をつけたまま放置すると言う状態になった。放置し始めて五分ほど経ったときに先生がガスコンロの前を通り過ぎて、ふと話しかけてきた。

「ここ、火つけっぱなしになっているよ〜。もう一回蒸らす作業からやろうか。」

と言われ、私たちは初めてそこで火をつけっぱなしにしていたことに気づいた。火をつけっぱなしにしていた五分の分、他の班と比べて食べる時間が遅くなったが味と見た目には影響が出なかった。むしろおこげが増えたため、班のみんなと取り合いになったくらいだ。もし、あのとき、先生が気づかずにスルーしていたら焦げていただろうな。と私は思う。教室に家庭科室から戻ってから友達と話して、今日の調理実習はうまく行ったからよかった、という結果になった。

 友達に、今までやった調理実習の三回の中で(ほうれん草の炒め物・白ごはん・お味噌汁)得意だった或いは、楽しかった回はなんですかと聞いたら「味噌汁を作った時が面白くて楽しかった」と言っていた。友達に理由を聞くと、だしの味比べがあったからだと言う。出汁の味比べは、私も確かに面白かった。多分、私と友達に限らずクラスのみんなが面白かったと言うと思う。家庭科の授業は、先生が教えられないということから授業当日に予定が空いている生徒のお母さんたちにきてもらっていた。味噌汁の出汁を取る作業は、きてもらっていたお母さんたちがやってくれた。生徒のみんなが、席に着いたら昆布と鰹節の出汁が出された。先生が、

「二つの出汁を飲んで味を比べてみましょう。自分の好みがわかったら、そちらの方の出汁を使ってお味噌汁を作ってもいいですよ。」

といったので生徒のみんなはさぞ美味しいのだろうと思ってワクワクしていた。だが、出汁を飲むと意外と味が薄くてみんな首を傾げて「味がない!」と言いたそうな顔をしていた。でも、味がしないのは全員ではなくて薄い味の方が好きな子はおかわりをするほどだったらしい。

先生とお母さんたちが話しているのを聞いていると、「美味しい」と言う単語が何回か出ていたため大人には十分美味しく感じるのだろう。クラスの子たちは、想像したのと違うと言う顔を最初はしていたが改めて飲んでみると、美味しかったと思えたらしくおかわりをする子が増えていた。私も、二回目は美味しく感じたからもう一杯と思って、おかわりをしに行った。

 調理実習は、なかなか料理をしない人でも挑戦ができるいい機会だと改めて思う。白ごはんを作った時の失敗で、手順が正解だったら美味しくなるわけではなく注意深さなども必要だと言うことも分かった。もう少しで、クラス替えだが新しい学年で、クラスでの授業も楽しみたいと思う。それでは、

「手を合わせて、いただきます!」