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   中3 あえとく(aetoku)  2025年4月1日

  

土曜日の朝八時。窓の外から、ゴミ収集車の軽やかな音楽が聞こえてくる。今日は缶やビン、ペットボトルなどのリサイクルゴミを出す日だ。玄関先には、透明な袋にまとめられたペットボトルが並んでいる。昨日までは不要なゴミだったものが、今日からは新たな資源として生まれ変わるのだ。私は、この光景を見ながら考えた。ゴミが役立つものに変わるように、人間の経験や失敗も、生かし方次第で価値のあるものになるのではないか。私は、この、ゴミのようなものも生かせるような人間になりたいと思う。

一つ目の方法として、ものごとのよい面を見るように心がけることが大切だ。たとえば、私は部活でバスケットボールをしているが、チームプレーがうまくいかず、試合でミスをしてしまうことがある。あるとき、パスを受けた仲間がシュートを決めることができず、私はそのことを責めてしまった。しかし、後になって気づいたことがある。その仲間はシュートの精度は低いものの、パスのセンスがあり、周りをよく見ていたのだ。私は、彼のシュートのミスばかりに目を向けていたが、実は彼の強みを生かせば、チームのプレーがもっと良くなるのではないかと考え直した。そして、次の試合では彼にアシスト役を任せると、チーム全体の流れがスムーズになった。

 二つ目の方法として、今の社会の「減点主義」的な考え方を変えていくことが必要だ。現在の教育や社会では、どうしても人のマイナス面を直すことに重点が置かれがちである。テストでは間違った部分に赤ペンでチェックが入るし、学校でも会社でも「失敗しないこと」が求められる。しかし、本当に大切なのは、「どうすればその人の持ち味を生かせるか」を考えることではないだろうか。たとえば、学校の勉強が苦手な子どもがいたとする。今の教育では、その子の弱点を補うために補習を受けさせたり、苦手な科目を克服させようとする。しかし、その子が実はスポーツが得意だったり、絵を描くことに才能を持っていたりする場合、それを伸ばすことのほうが、その子の将来にとっては有意義かもしれない。ゴミのリサイクルと同じように、「捨てるべきもの」ではなく「活かせるもの」として考える視点が、社会全体にもっと広まるべきではないかと思う。

 確かに、欠点を直すことは大事である。しかし、ものごとのよい面を生かしていくことが、それ以上に大切なのではないだろうか。ゴミのように思えるものの中に宝物を見つけられるような広い心を持った人間になりたい。

 世の中には、成功だけでなく失敗や無駄に思えることがたくさんある。しかし、それらをどのように活かすかによって、人の成長や可能性は大きく変わる。ゴミがリサイクルされて新しい形に生まれ変わるように、私もまた、どんな経験も糧にして前向きに生きていきたい。