新学期になりました。「生き方の主題」という書き方を学んでいきましょう。
 4.1週は課題意見文なので、長文の要約ではなく、状況(じょうきょう)説明で書き出すといいですよ。

【各段落の講評】
第1段落:話題の提示と考えの中心(第1段階:表現の明確さ・考えの中心)
「学問は世の役に立つか」という問いかけから始まり、天動説と地動説という歴史的な事例をもとに、「一見無駄(むだ)に見えることの中にも価値がある」という考えを提示しています。これは【第1段階】の「考えの中心」にしっかり合致(がっち)しており、自分の考えがぶれることなく展開される基盤(きばん)になっています。また、最後の「ごみのように思えるものの中に宝物を見つけたい」という比喩(ひゆ)表現も、【第2段階】の「たとえを使う」に該当(がいとう)し、印象的な表現として効果的でした。

第2段落:自分の体験を通しての気づき(第2段階:体験・気づき)
 陸上競技という自分の具体的な経験から、「長所を見つけて生かすこと」の大切さに気づいたという流れは、【第2段階】の「体験・気づき」の項目(こうもく)にしっかり対応しています。主張に説得力があるのは、自分の実体験を通して考えを深めているからです。このように「自分にしか書けない内容」があることで、読み手の印象にも強く残ります。

第3段落:社会との関わり・意見の広がり(第3段階:考えの広がり)
 教育制度の採点方法を例に挙げて、「減点方式から加点方式へ」という社会全体の課題に意見を広げている点は、【第3段階】の「考えの広がり」に当たります。実際の社会に目を向けて、自分の考えを社会課題と結びつけている点が優れており、論理性も高く保たれています。

第4段落:まとめと意志の表明(第4段階:まとめ・自分の生き方)
 最後の段落では、「確かに~しかし」という対比表現を使いながら、まとめとして自分の生き方の指針を示しています。これは【第4段階】の「まとめ・自分の生き方」に合致(がっち)しており、説得力と締まり(しまり)のある結びになっています。引用の使い方もうまく、読者に印象づける効果を生んでいます。

【この作文で特に優れていた点】
第1段階:考えの中心
 →地動説と天動説という例を用いて、自分の意見の出発点を明確にしていた。

第2段階:体験・気づき
 →陸上競技を通しての実体験が、自分の考えの土台になっていた。

第3段階:考えの広がり
 →教育制度への視点を通して、社会全体への意見に広げることができていた。

第4段階:まとめ・自分の生き方
 →最後のまとめで、自分の価値観をはっきりと表現し、前向きな姿勢が見られた。

【考えを深めるための質問】
 これから出会う「役に立たなそうに見えること」の中で、どんなものが実は価値があるかもしれないと思いますか?
そのとき、どのようにして「ごみの中の宝物」を見つけていけると思うかな?

【時間】50分

<<え2022/24pみ>>
 


■思考語彙 10個
n確か,n第,、つまり,。しかし,。だから,と思う,と考える,に思える,生活にとって,覆すため,

■知識語彙 43種
中心,主義,加点,協会,原点,地上,地動説,地球,基本,大事,大切,大勢,天動説,太陽,学問,学者,宝物,年間,弾圧,形態,把握,採点,探究,教育,方式,方法,欠点,減点,満点,点数,物事,現代,生活,直接的,確立,社会,競技,自分,追及,重要,長所,陸上,風土,

■表現語彙 78種
n確か,お金,こと,これ,ごみ,さ,それ,たち,とき,どれ,ひとつ,もの,よう,テスト,ポジティブ,マイナス,ヨーロッパ,一,一つ,世,中,中心,主義,事,二,人,今,個々,値打ち,僕,加点,協会,原点,地上,地動説,地球,基本,大事,大切,大勢,天動説,太陽,学問,学者,宝物,年間,強み,弾圧,形態,把握,持ち主,採点,探究,教育,方式,方法,欠点,減点,満点,点数,物事,現代,生き方,生活,目,直接的,確立,社会,私,競技,自分,覆すため,追及,重要,長所,陸上,面,風土,

■文化語彙 29種
く,しまう,できる,と思う,と考える,に思える,られる,れる,下げる,使う,切り替える,動く,取る,変える,奪う,役に立つ,心がける,思い浮かべる,持つ,気付く,活かす,生かす,用いる,直す,続ける,習う,耐える,覆す,見つける,

 

ポジティブな生き方
   中3 あおやの(aoyano)  2025年4月1日

 学問は世の役に立つかと考えるとき、よく私が思い浮かべるのは、天動説が覆され地動説が確立されるまでのヨーロッパの学者たちの探究である。いうまでもなく、太陽が動くか地球が動くかは、私たちの地上生活にとってどうでもいいものだ。天動説、つまり地球中心主義を覆すために、協会の弾圧に耐え、ずいぶんお金も使いながら、大勢の学者が執念深く追及してきたことは、直接的には「世の役に立たないこと」だ。僕はごみのように思えるものの中に宝物を見つけられるような、広い個々の持ち主になりたい。



第一の方法としては、やはり物事を良い面でみるように心がけることだ。僕は陸上競技を10年間習い続けていて、その中で一つ気付いた事がある。それは長所の大切さだ。



第二の方法としては、今の減点主義の教育のような、マイナス面を直すことを中心とした社会風土を変えていくことだ。現代社会では原点方式が教育の基本として取られている。そのひとつがテストだ。テストの点数は満点からどれだけ点数が下げられるかという採点方法で、これではマイナスな面ばかりに目を奪われてしまう。だから今の社会の形態を減点方式から加点方式に切り替えることが重要になってくると思う。そうすることで自分がどのような面で強みを持っているのかを把握することができるのだ。



確かに、欠点を直すことは大事である。しかし「人の値打ちは、長所をどう用いるかである」というように物事の良い面を活かしてくことも大切だ。だから僕は自分の長所を生かしたポジティブな生き方をしたい。