中学二年生では「総合化の主題」という書き方を学んでいきましょう♪

【総評】
 この作文は、「長所と短所」の関係について、自分の体験を中心にわかりやすく展開した意見文になっています。段落構成も明確で、それぞれの段落が役割をしっかり果たしています。特に実体験を活かした説明が豊かで、読者に共感を与える(あたえる)力がある文章です。さらに、最後のまとめでは、「行動に移すことの価値」という独自の視点を示しており、思考の深まりが見られます。

【第一段落(要約・状況(じょうきょう)説明)】
 最初に自分の長所と短所を正直に紹介(しょうかい)し、そのうえで「最近は意識して改善しようとしている」という姿勢が伝わってきます。自分の性格をきちんと見つめて文章化できており、この作文の土台としてとても良い導入になっています。読み手もすぐに共感できるような自然な書き出しで、親しみやすさがあります。

【第二段落(意見A:長所を伸ばす(のばす)ことの価値)】
 数学の得意さを具体的に取り上げ、自分の経験を通じて「長所を伸ばす(のばす)ことの良さ」を丁寧(ていねい)に説明しています。「中学2年生ながら高校の数学を先取りしている」という記述は、努力の積み重ねが伝わってきて印象的です。また、「勉強が楽しくなってきた」「夢に近づく一歩」という表現からは、主体的な学びの姿勢が感じられ、読み手も「自分も頑張っ(がんばっ)てみようかな」と思える力があります。

【第三段落(意見B:短所を直すことの大切さ)】
 自分の部屋が「ゴミ屋敷(やしき)のようになっていた」という表現がユーモラスで、くすっと笑える工夫ができています。これも事前指導で求められていたユーモア表現の一つとして、とても良い効果を生んでいます。しかも、「日々の生活も進級させる」という表現が巧み(たくみ)で、短所改善のモチベーションがしっかり伝わってきます。行動の変化とその成果が具体的に書かれており、「短所は努力で変えられる」というメッセージがよく伝わる内容になっています。

【第四段落(総合化・主題のまとめ)】
 「一番大切なのは長所や短所よりも、行動に移したことが役立っているかどうか」というまとめ方は、単なる折衷(せっちゅう)ではなく、より高い視点からの総合化になっています。行動の価値に焦点(しょうてん)を当てたことで、読者にも深い問いかけができています。この「行動によって何が生まれるか」に注目したまとめ方は、自分の考えをしっかり持っている証拠(しょうこ)で、とても好印象です。

【この作文で特に優れていた点】

自分の体験に基づいた説得力のある実例が使われている

ユーモアを交えた表現が自然に入っていて、読みやすい

長所・短所のどちらも深く掘り下げ(ほりさげ)て書かれている

総合化が「行動の価値」という高次の視点でまとめられている

【考えを深めるための質問】
 あなたがこれまでに「行動に移してよかった」と感じたことは、他にどんなことがありますか?それによって周りの人や自分自身にどんな変化が起きましたか?
 


■思考語彙 14個
 しかし, 確か,。しかし,。だから,。だからこそ,すると,と思う,と考える,のため,は思う,努力によって,強く思う,気がつけば,諦めざる,

■知識語彙 51種
一番,中学,努力,勉強,反面,周囲,問題,図形,基礎,場所,大切,学校,実感,将来,屋敷,年生,得意,意識,手一杯,挑戦,授業,数字,数学,日頃,時間,最初,最後,最近,毎日,状態,理系,理解,生活,短所,範囲,簡単,結果,綺麗,自体,自信,自分,自然,行動,途中,週間,進級,達成,部屋,長所,集中,高校,

■表現語彙 95種
 確か,あれ,うち,こと,せい,それ,とき,ところ,のため,まま,よう,ゴミ,タイプ,タイミング,バランス,ペース,一,一つ,一番,中学,二,人,今,何,元,元通り,先取り,前,力,努力,勉強,反面,周り,周囲,問題,図形,基礎,場所,夢,大切,好き,学校,実感,将来,屋敷,年生,度,得意,意識,感,所,手一杯,挑戦,授業,数字,数学,日,日々,日頃,時間,最初,最後,最近,歩,毎日,片付け,物,状態,理系,理解,生活,癖,短所,私,範囲,簡単,結果,綺麗,繰り返し,置き場,自体,自信,自分,自然,行動,途中,週間,進級,道,達成,部屋,長所,集中,頃,高校,

■文化語彙 52種
いける,しまう,すぎる,せる,つく,てる,できる,と思う,と考える,は思う,やり遂げる,伸ばす,使う,保てる,入る,出す,動ける,取り組む,向き合う,固める,増える,変える,始める,学ぶ,守る,崩れる,広がる,強く思う,役立つ,心がける,感じる,戻す,散らかる,楽しむ,気がつく,決める,活かす,片付ける,直す,直せる,移す,積み重ねる,続く,見える,見つける,見違える,解く,触れる,諦める,近づく,進む,進める,

 

その行動が誰かのためになっているのか
   中2 あえさし(aesasi)  2025年4月1日

 私の長所は、どんなに難しくても途中で諦めずに最後までやり遂げるところ。コツコツ積み重ねて、ちゃんと結果を出すタイプだと思う。でもその反面、一つのことに集中しすぎて周りが見えなくなるのが短所。自分のことで手一杯になって、周囲とのバランスが崩れることもある。だから最近は、ちゃんと周りも見て動けるように意識してる。

 確かに長所をな伸ばすことは大切だ。私はそれを常日頃実感している。私の長所は数学が得意なことだ。小さい頃から数字や図形に触れるのが好きで、学校の授業でも数学は特に楽しんで取り組んできた。中学に入ってからも、難しい問題に挑戦することが好きで、自然と勉強する時間も増えた。その結果、今では中学2年生ながら高校の数学を先取りして学んでいる。最初は難しく感じることもあったが、自分のペースで問題を解き進めるうちに、理解できる範囲がどんどん広がっていった。得意なことをさらに伸ばすことで、自信がつき、勉強自体もどんどん楽しくなってきた。将来はこの数学の力を活かして、理系の道に進みたいと考えている。だからこそ、今のうちにしっかりと基礎を固め、高校数学にも挑戦している。自分の長所を見つけ、それを努力によって伸ばすことは、夢に近づく大きな一歩になるのだと私は思う。

 しかし短所を直すことも大切だ。私は、使った物を元の場所に戻さない癖があることだ。そのせいで、せっかく部屋を綺麗にしても、気がつけばすぐにゴミ屋敷のようになってしまっていた。何度も片付けては散らかる、その繰り返しだった。しかし、中学1年生から2年生に進級するタイミングで、「このままではいけない」と強く思い、日々の生活も進級させることに決めた。まずは一から部屋の片付けを始め、物の置き場所をしっかり決めた。そして、それを毎日守るように心がけた。すると、あれほどすぐに散らかっていた部屋が、今では見違えるほど綺麗な状態を保てている。前まではせいぜい二日で元通りだったのに、今はそれが何週間も続いているのだ。短所を直すことは簡単ではないが、直せたときの達成感は大きい。だからこそ、短所に向き合うことは本当に大切だと感じている。

 確かに短所を長所に変えることも長所を伸ばすことも大切だ。しかし、一番大切なのは長所や短所よりも、行動に移したことが自分のため、人のために役立っているのかと言うことだ