小学校最高学年になりました。充実(じゅうじつ)した一年になりますように!

【総評】
 この作文は、受験勉強という身近で切実なテーマを通して、「目標に向かう努力」について深く考え、自分の体験を交えて丁寧(ていねい)に書かれた力作です。文章構成もしっかりしており、段落(だんらく)ごとに話題が明確で、読み手が内容を追いやすく、共感しやすい工夫がされています。また、書き出しと結びに呼応(こおう)する言葉を使っている点や、作文全体を通して一貫(いっかん)した主題が保たれている点も素晴らしいです。

【第一段落(いちだんらく)(書き出しを工夫する/体験実例)】
 「宿題、多いな。」というセリフから始まる書き出しは、読み手の関心を引く効果的な導入です。自分の置かれた状況(じょうきょう)(受験生としての忙し(いそがし)さ)をわかりやすく書き、体験にもとづいたリアリティのある内容になっています。「あきらめてはいけない」「大きな目標がある」と、自分の気持ちがしっかりと語られているところも良いです。

【第二段落(だんらく)(体験実例/一般(いっぱん)化/努力の工夫)】
 勉強のやる気が出ないという正直な気持ちや、それに対してどう工夫して乗りこえているのかを、紙に計画を書くことや図書館で勉強することなど具体的に書けています。また、「人間にとっての目標とは……」という一般(いっぱん)化されたまとめは非常に高学年らしく、深みのある結び方です。

【第三段落(だんらく)(呼応(こおう)した結び/前向きな意志)】
 最初の「宿題」に対応するように、最後も「計画を紙に書き」「鉛筆(えんぴつ)を力強く握っ(にぎっ)た」と呼応(こおう)する表現で締めくくら(しめくくら)れており、作文全体にまとまりがあります。意志の強さと前向きな姿勢(しせい)が伝わってきて、読み終わったあと、こちらも応援(おうえん)したくなるような気持ちにさせられます。

【この作文で特に優れ(すぐれ)ていた点】

書き出しと結びの呼応(こおう)ができている(指導項目(こうもく):書き出し・呼応(こおう))

体験に基づいた内容で説得力がある(指導項目(こうもく):体験実例)

主題の一般(いっぱん)化ができている(指導項目(こうもく):主題を一般(いっぱん)化)

努力の工夫が具体的に書かれている(指導項目(こうもく):工夫)

【考えを深めるための質問】
 あなたにとって「理想の自分」とは、どんな自分ですか? その理想に近づくために、これからやってみたいことはありますか?
 


■思考語彙 11個
。だから,いるため,だから,つながるはず,で第,と思う,ならざる,なると,はかどるから,やると,人間にとって,

■知識語彙 41種
一生懸命,中学,人間,今日,以上,休憩,休日,刺激,努力,勉強,受験,問題,図書館,土曜,大変,学童,宿題,平日,年生,志望校,成績,成長,文庫本,時期,毎日,無駄,特訓,理想,理科,目標,科目,種類,結果,維持,自分,計画,通常,週間,達成,鉛筆,集中,

■表現語彙 76種
いくら,いるため,こと,それぞれ,つながるはず,みんな,やる気,スイッチ,チャレンジ,テキスト,ページ,一,一生懸命,三,上,中学,二,人,人間,今日,以上,休憩,休日,何,六,刺激,前向き,努力,勉強,十,受験,周り,問題,回,図書館,土曜,塾,大変,学童,宿題,平日,年生,度,志望校,成績,成長,手,文庫本,方,時,時期,本,机,様々,毎日,無駄,特訓,理想,理科,用,目標,私,科目,種類,紙,結果,維持,自分,計画,近く,通常,週間,達成,量,鉛筆,集中,

■文化語彙 32種
あきらめる,いける,かなう,がんばる,しまう,すぎる,せる,つながる,できる,とく,と思う,はかどる,やる,上がる,伸びる,入る,出る,取る,受かる,合わせる,向かう,握る,書く,積み重ねる,終わる,置く,落ち込む,読む,調べる,近づく,限る,頑張る,

 

目標とは
   小6 あきあぬ(akianu)  2025年4月1日

 「宿題、多いな。」

私は、塾から出た宿題を机の上に置いた。六年生になり、受験が近いとはいえ、この宿題の量は多すぎる。特に理科は、一週間に二回の通常用や土曜特訓用のテキストが合わせて三種類ある。それぞれのテキストは、十ページ以上ある。だからといって、あきらめてはいけないのだ。私には、中学受験で第一志望校に受かるという大きな目標があるのだから。



 私は、勉強のやる気が出るスイッチがなかなか入らない。勉強をやる気になった時は、集中して問題をとくが、いざやるとなると鉛筆を置いてしまう。だから、毎日、何の科目を何ページまで終わらせるかという計画を紙に書き、勉強している。六年生になり、みんなが努力しているため、だんだんと成績が伸びなくなってきた。それどころか、成績を維持することさえも大変である。私は、平日は学童、休日は図書館に行って勉強している。周りで勉強している人からの刺激があった方が勉強がはかどるからだ。図書館には様々な本があり、調べたり、休憩に近くにある文庫本を手に取って読んだりすることがある。一生懸命勉強しても、なかなか成績が上がらないこともあり、落ち込む時期もあった。それでも目標に向かって前向きに頑張りたいと思っている。目標は、必ずかなうとは限らない。いくら努力したって、結果が出ないこともある。けれど、人間にとっての目標とは、何度もチャレンジや努力を積み重ねていき、理想の自分に近づくことである。たとえ、目標を達成できなくても、そのチャレンジしたことや努力したことは、決して無駄にはならず、成長につながるはずだ。



 「今日もがんばるぞ。」

私は、計画を紙に書き、鉛筆を力強く握った。