授業の渚 ra-05-1


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 ライラックの課題の説明だよ。ライラックはリラとも言う。ちょうど4月か5月ごろに咲くいい香りのする花をつける木だよ。公園にもときどき咲いているよ。
 今日は、オノマトペ、つまり擬声語や擬態語の話。
 第一段落には要約を書こう。要約のあと、生き方の主題で意見を書く。第二段落は、その方法1番、第三段落は、方法2番、そして最後の第四段落は、反対理解を入れながらまとめ。
 では、順番に見てみよう。
(1)
 第一段落の要約は150〜300字でまとめてみよう。そして、そのあとの意見は、「私は、音楽的な要素のある日本語を大事にして生きていきたい」。生きていきたいなんて、ちょっとオーバーだけどね。
 日本人は、擬声語擬態語をよく使う。みんなもよく、自動車のことをブーブーと言うでしょ。犬はワンワン、雨はザーザー、下痢はピーピー。あ、食事中の人、ごめんね。
 日本人がよく使う擬声語や擬態語を見て、外国の人は、こう言うんだ。「日本人って、幼稚」。うーん、確かに幼稚な気もするよね。みんなも、友達が、「ねえ、今日はブーブーで帰らない?」などと言ったら、思わず顔を見ちゃうよね。
 でも、こういう言葉を大事にするところに、日本語の外国語にはない可能性があるんだ。
(2)
 生き方の主題を書いたあとに、第二段落は、その方法1番。「そのためには、積極的に擬声語や擬態語を使っていく」というのはどうかな。例えば、「川が流れている」というときに、「サラサラ流れているか」「ちょろちょろ流れているか」「ゴーゴーと流れているか」で、だいぶニュアンスが違うよね。そういうニュアンスの違いを感じる心を持つということなんだ。
 そういう感性を身につけると、例えば、「グーグー」と言っただけで、お母さんはすぐに、「あ、おなかがすいたのね」と気がつくようになる。これは、外国の人には絶対に真似のできないことだよね。
(3)
 さて、第三段落は、方法の2番。「日本語の豊かな表現を読書を通して身につけていく」というのはどうかな。
 言語には、意味を伝える抽象的な役割のほかに、音楽的な面や絵画的な面もある。絵画的な面というのは、例えば書道だね。文字そのものが装飾性を持つということが、言語の絵画性だね。言語の音楽性というのは、例えば、57577のリズムなどは、音楽のリズムと似ているね。だから、よくコマーシャルにも七五調が使われている。例えば、「カステラ一番、電話は二番、三時のおやつは文明堂」なんてね。
(4)
 さて、第四段落は、反対理解とまとめ。「確かに、言語の主な役割は、その抽象性にある」。雨がザーザー降っているときに、「ギンギンギラギラ夕日が沈む」などと歌いだしたら、やはりちょっと違和感があるよね。それは、言葉には意味を伝える役割があるからなんだ。しかし、言葉の役割を意味伝達だけに絞ってしまうと、かえって言葉の豊かさが失われてしまうかもしれない。特に、日本語は世界でも珍しいほど擬声語や擬態語の豊かな言葉だから、言語の将来の可能性のためにも、こういう日本語を大事にしていく必要があるのかもしれないね。
(5)
 では、最後に問題。「オノマトペ」を頭文字にして、57577を作ってみよう。例えば、こんなふうにね。
「おとうさん、のんびりひるね、ママが来て、とうさん早く、ペットのさんぽ」
 季語は、「のんびりひるね」で、春ということだね。