授業の渚 nnga-06-1


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高2 ガ 6.1週 ●能を見るとわかるが(感)
 第一段落は、状況実例。日本文化には、型が多い。例えば、あいさつの仕方。ぬいだ靴や服のそろえ方。食事のときのいろいろな作法。手紙やハガキの形式など。しかし、その型がくずれて自由に何でもしていいという風潮になったために、かえって中身がなくなっている。型にこだわらず自由にやれという文化の風潮に問題があるのではないか。
 第二段落は、その原因1。歴史的に見れば、敗戦による日本文化の否定と社会の自由化に一つの原因がある。昔は、「三歩下がって師の影を踏まず」などという形が優先されていた。現代は、尊敬とは心でするものだから、外側の形としては、「三歩下がって、師のハゲを笑う」ようなことがあってもよいとされている。形の否定の行き過ぎに一つの要因がある。ここで、体験実例。
 第三段落は、原因2。社会的に見ると、科学技術の急速な発展によって、日常生活が従来の型に収まりきらなくなったということがある。例えば、メールによるやりとりが盛んになるにつれて、従来の手紙の形式はかえって不便になった。年賀状なども、葉書で新年のあいさつを交わすという形が現代の情報化時代に合わなくなってきているように見える。中には、年賀状を添付ファイルで送り迷惑がられる人もいそう。このあたりでユーモア表現が書けるかも。
 第四段落は、まとめ。確かに、古い型にとらわれていては進歩がない。しかし、現代の社会には、現代にふさわしい新しい型が求められているのではないか。自作名言の例は、「型とは、中身に制限を加えるものではなく、実は中身の現れ方そのものなのである」。