ンギ 9.2週
1、村上陽一郎氏の文章は不必要に読みにくいので(笑)よく国語の問題に引用される。主題は、「科学技術が、高潔な目標のためではなく、専(もっぱ)ら生活の安寧のために発展していることに問題がある」。 第一段落は、状況実例と意見。「現代の科学技術をもってすれば、世界の貧困や無知の問題の多くは解決するはずなのに、科学技術の発展の方向は、より高度なゲーム機、より殺傷力を高めた兵器などに向かっているように思われる」など。 2、第二段落は、その原因と体験実例。「第一の原因は、科学技術の発展が、利益に基づいて行われていることである。貧しい人を助けるための科学技術は儲からないが、富める人にサービスするための科学技術は高い収益が見込まれる(とすれば、対策は政治によるコントロールということになる)。例えば、私もよく新しい機能の携帯を買うが、科学技術を携帯電話の進歩に向けるよりも、地雷の除去や伝染病の予防などの方向に向けた方がいいと思う」など。 3、第三段落は、原因2と社会実例。「第二には、科学技術に携わる者と社会との間に、技術の方向に関する対話や交流がないことである。科学技術者が社会の矛盾に直接触れ、また、社会の矛盾の中に生きている人が科学技術者にアプローチすることができれば、事態は改善する。(その意味では、優秀な人ほど困難な現場を見てくる必要がある)例えば、明治維新が短期間に成功したのは、当時のリーダーたちが自ら下級武士として社会の矛盾に触れていたからであり、その後の日本が方向を誤ったのは、リーダーが社会の矛盾を知らない英才教育を受けたためであった、と言われている」など。 4、第四段落は、反対理解と自作名言。「確かに、生活の安寧という目標を持つことによって、科学技術は大きく発展した。しかし、これからは……」。自作名言は、「真の生活の安寧とは、個人の安寧に留まるものではなく、社会全体の安寧に支えられたものであるはずだ」など。 |