ンジ 9.2週
1、中世の身分制社会から、近代は個人の自由な自己実現を可能にする社会を生み出した。企業や学校などの組織による個人の序列化は、それなりの安定を生み出していた。しかし、組織の影響力が後退し、個人が社会に直接接触するようになると、自己実現を迫られる個人の不安が増大した。解決の道は、他人との比較や序列による自己実現ではなく、表現による自己実現である、というような内容。 この長文の意見はそのとおりだが、この意見を更に拡大していった場合の未来の問題を予測する。 「表現による自己実現という考えが進んだ場合、苦しい修行や訓練を避けた手軽な表現者ばかりが増えるのではないか」など。もちろん、この長文の延長で問題を考えてもよい。 2、第二段落は、対策と体験実例。「第一は、表現を支える教育体制の充実である。(対策)日本の社会は、これまで工業化時代の価値観に沿った教育を行ってきた。そこでは、自分が表現するよりも、既にある知識や技術を習得することが優先されていた。その教育を、自己表現をするための知識や技術の習得という方向に変える必要がある。例えば、音楽の時間は、鑑賞中心ではなく、カラオケ中心にするなど……」。 3、第三段落は、対策2と社会実例。「第二は、多数の表現者が正しく自己評価できる仕組み作りである。現代のようにマスメディアが情報の大半を占める社会では、マスメディアに取り上げられる少数の人だけが勝者で、それ以外の大多数は敗者となる。中間の人もその中間度に応じて受け入れられる仕組みを作れば、表現社会は安定する。その点で、インターネットは一つの活用できる技術を提供している。例えば、youtubeは、テレビ局と個人のビデオ撮影の中間に位置する媒体になりつつある」など。 4、第四段落は、反対理解と自作名言。「確かに、表現による自己実現は、個人の不安の解決策だ。しかし、その表現を支える基盤を作ることが、今の一番大きな問題なのではないか」。自作名言は、「表現とは、自分が表現することによってではなく、その表現が他者に受け入れられることによって初めて安定したものとなる」など。 |