授業の渚 ya-05-4


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 ヤマブキ5月4週の説明をします。

 今週は、5月1週から3週の作品の中でいちばんよく書けていると思うものを清書します。個性的な体験実例が書けているものを選ぶとよいと思います。誤字や脱字がないように気をつけましょう。パソコン入力の人は、カッコ書きなどで入れたキーワードを削除するのを忘れないようにしてください。

 ヤマブキの課題は、総合化の主題がポイントです。二つの対照的な意見、AとBをCという別の次元から導き出した結論でまとめます。

 この総合化の考え方について、四つのパターン別に説明します。

◆総合化の考え方 その1

「Aという方法もよい。Bという方法もよい。しかし、大事なことはCという目的である。」

 つまり、大事なのは方法ではなく、目的だというまとめ方です。たとえば、

「一夜漬けで集中して勉強するのもよい。計画的にこつこつと勉強するのもよい。しかし、大事なことは知識を身につけるという目的である。」

 どちらの方法がよいかではなく、「目的」という別の観点から結論を持って来るわけです。

◆総合化の考え方 その2

「Aという目的もよい。Bという目的もよい。しかし、大事なことはCという手段である。」

 目的より手段という考え方です。たとえば

「ゆっくり時間をかけて国内旅行を楽しむのもよい。海外まで足を伸ばして異国情緒を味わうのもよい。しかし、大事なことはお金を貯めるという手段である。」

 お金がなければどこにも行かれません。

◆総合化の考え方 その3

「Aという相手もよい。Bという相手もよい。しかし、大事なことはCという自分である。」

 相手を変えることはできませんが、自分は変えられます。たとえば

「厳しい先生もよい。優しい先生もよい。しかし、大事なことは自分がその先生の教えをいかに生かすかである。」

 相手のことをあれこれ言う前に自分の問題として考えることが大切です。

◆総合化の考え方 その4

「Aという見方もよい。Bという見方もよい。しかし、大事なことはCという実行である。」

 あれこれ考えるよりも実行あるのみという結論です。たとえば

「物事を多面的に見ることもよい。ある角度からじっくり掘り下げて見ることもよい。しかし、大事なことは実際にそのものを見てみることである。」

 どういう見方がよいかと考えているだけでは机上の空論となってしまいます。実際に行動に移すことが大切というわけです。

 どんなふうに総合化したらよいか迷ったときは、これらの四つのパターンにあてはまらないかどうか考えてみてください。それでも、総合化しにくいときは、折衷案のようにまとめてもやむを得ません。「Aもよい。Bもよい。だから、時と場合に応じてAとBを使い分けることだ。」というかたちです。折衷案は、どんな場合でも使えます。だからこそ、本当に困ったときだけにしましょう。

 以上で説明はおしまいです。では、5月の清書、がんばってください。