表現の工夫で上手になるが、長文音読で長期的な実力を。入選作品は「入選の滝」に。

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書いた人はnaneさん 2000/09/19 08:25:15

コメント先: 000904:新聞などに載った作品を紹介してほしい( (森川林 さん) 2000/09/19 08:25:15:

 小学生のころは、表現の工夫がうまくできると、時にすごく上手な作文を書くことがあります。例えば、「書き出しの工夫」「たとえ」「その人らしい会話」「結びの工夫」などです。
 しかし、これは実は表現の上だけでできる根の浅いもので、本当の実力は中学3年生ごろになってから安定したかたちで出てきます。その実力の支えになるのが、長文音読や読書などの「読む練習」の蓄積です。
 小学生のころは、「表現の工夫を理解できること」と「書き慣れる」ことを目標にして作文を書き、その一方で長文音読などの自習をこつこつと続けていくといいと思います。

 新聞に掲載された作品は、ホームページの「入選の滝」http://www.mori7.com/taki/kotaki/itaki.htmlに載せています。
 言葉の森で書く作文の課題は、1時間で800字程度の文章が書けることを前提にしているので、清書もそれくらいの字数のものが多くなります。このため1200字程度を掲載の基準にしている新聞(朝小)には載りにくい面があります。600字程度を掲載の基準にしている新聞(毎小)にはよく載ります。
 中学生以上は、投稿する新聞が限られているので、地域によって載りやすいところと載りにくいところがあります。中学生以上は、自分で投稿するということはまずないので、教室のほうでもう少し工夫していきたいと思います。
 新聞に投稿する基準は、「誤字がない」「雑に書いていない」「本人が投稿に同意している」「実例が個性的」「表現に工夫がある」「感想文のスタイルになっていない」「適当な字数である」などです。
 誤字については、明らかにうっかりミスとわかるような誤字が一つだけあるというような場合はこちらで直してから投稿することもありますが、そういう誤字が複数ある場合は投稿しません。
 内容のいい作文であっても、なぐり書きに近いものは投稿しません。選者に悪いからです。しかしそういう例はあまりありません。
 投稿の可否はアンケート葉書で集計しています。
 感想文のスタイルになっているもの、例えば「私はこの長文を読んで・・・」などと書いてあるものは、いい内容であっても投稿しません。作品としての完結性がないからです。言葉の森以外の人にもわかるように書き方になっているものは投稿します。
 字数があまりに短いもの(300字程度)や、中学生以上で字数があまりに長いものは投稿しません。

 普通に書ける子ですと、3ヶ月に1〜2回は新聞に掲載されるようないい作文を書きます。題材もよく表現もうまく感想もしっかりまとまっているというような作文です。しかし、新聞に掲載される人数は限られているので、これからは、言葉の森で独自に表彰するような仕組みを作りたいと考えています。

 ほかの人の入選作文などを読むときの注意ですが、子供に「この人上手ね。あなたもこういうふうに書いてごらんなさい」という励まし方はしないようにしてください。親は励ましているつもりでも、子供は自分がけなされているように感じます。また、ほかの人をほめるというのは指導にはなりません。子供自身その作文が上手なことがわかっていても、どうしたら自分もそのように書けるようになるかはわからないからです。



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