書いた人は森川林 on 1月 21, 1998 at 20:12:11:
国語の力をつけるには、二つのことが必要です。
ひとつは、速読力をつけることです。国語が苦手な子の多くは、問題
文自体をすばやく読めないという共通点を持っています。音読のときに
つっかえるような読み方をしている生徒は、設問を読んでも、問題文を
読みかえす気力がわかないようです。そこで、あてずっぽうな答え方を
して、「当たった」「はずれた」というような結果だけを気にする勉強の
仕方になってしまいます。
速読力をつけるには、小学校中学年のころまでにある程度の多読をし
ておくことが必要です。ところが今は、勉強的なことに追われてたっぷ
りと読書をする習慣をつけられない子も多いようです。また、テレビや
漫画などの影響で、読書のおもしろさを味わう前に、読書は面倒で退屈
なものだと思ってしまう子も増えています。
読書のおもしろさを感じるようにさせるには、まず何しろ本を読むと
いうところから始めることが必要です。最近、高校で朝の10分間読書
というのを取り入れるところが増えているようですが、何を読むかとか
どう読むかという以前に何しろ何でもいいから読む時間を作る、という
ことが大事です。
速読力と並んでもうひとつの重要なことは、難読力をつけることです。
受験に出てくる問題はどれも、その年代の子が日常生活で自然に接する
ことのできるものより一段階か二段階難しいものです。こういう文章に
なれていないと、学年が上がるにつれて国語が苦手になってきます。
中学生までの国語の勉強は、それほど難読力は必要としないものです
が、高校生からの国語力の中心は難読力そのものになってきます。
難読力をつけるためには、国語の問題集に出てくる程度の文章を何度
も繰り返し読む練習が効果的です。
これは、中学受験を控えた5、6年生の勉強としても効果があります。
国語の勉強の仕方がよくわからないという人は、まず、国語の長文の問
題集を一冊用意して、その中の問題は解かずに問題文だけを読書がわり
に毎日5〜10ページ読み、その問題集を全体で4、5回繰り返し読む
ようにしてみましょう。問題を解かないのは、問題を解くという作業は
時間がかかりすぎるからです。問題を解きながら1時間勉強するよりも、
問題文を読むだけの簡単な勉強で同じ文章を何度も繰り返し読んだほう
がずっと密度の濃い勉強ができるからです。