書いた人は森川林 on 98/05/01 19:12:01:
コメント先: 言語の誕生について posted by 小島 由香 on 98/05/01 10:12:01:
聖書に「はじめに言葉ありき」という言葉があるけど、人間がコミュニケーションの道具として音や身振りを使う前から、言葉のもとのようなものはあったような気がするなあ。
スピノザという哲学者の言葉に「あらゆる否定は規定である」という有名な定義があるけど、(全然、有名じゃないかも^_^;)、ものごとが「ある」とか「ない」とかいうかたちで現れたとたんに(「ない」というのも「ある」のひとつのかたちだと考えられるから)、ものごとは規定されて、その規定されたということが言葉のもともとの姿なのだと考えてもいいんじゃないかなあ。
だから、言葉で言い表されたとたんに、ものごとは輪郭がはっきりすると同時に貧困になってしまう。何か得体のしれないピンク色の風に揺れる小さなものがあって、それを「あ、チューリップが咲いている」と言ったときに、その得体の知れないものの得体の知れない部分はすべて捨象されて、チューリップという狭く限定された概念が手に入るわけだね。(ほんまかいな)
それが言葉の強力なところであるとともに、言葉のマイナス面でもあると思うよ。
だから、深く感動したことは、あまり言葉にしない方がいいときもある。そうすると、作文は書けなくなっちゃうけどね。