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書いた人はせきぐち on 2002/06/03 19:21:44:
畑正憲「ひと声」を読んで
授業を利用して、「ひと声」を読んだ。この文章は、沢に落ちっているアオという馬が救われた過程を描いた。アオが大きすぎて、ただ人の力で持ち上げることは不可能なので、主人公が急いで、いろいろな道具をさがした。最後にトラクターとアオの子供ランのひと声によって、アオガ救われた過程を述べた。なかなかいい文章だとおもう。次は、文体論の立場から、この作品を分析しよう。
この文章のテーマから見れば、いったい何を言おうか全然わからない。どうして「ひと声」を名づけた理由はずっと文章の最後まで出てきた。トラクターを使っても、なかなかアオを沢から引っ張られなった時、アオの子供ランのひと声で、アオを救ったと述べた。こいうふうに書いて、読者に一種の期待感を与えた。いったい何を書こうか、すぐ読み終わろうとする気持ちがある。
この文章の文末表現は、「歴史的現在」式の表現をとった。馬を救ったことを現在のときに変換して、現に今体験しているかのような感じを与えてくれた。たとえば、「桜のつぼみがそろそろ膨らみ始める」「日が暮れる」「夜が澱んでくる」など、時間に対する描写は、時間のたつの速さ、当時の緊張な状態が本当に目の前に現れたような錯覚を起こさせるほど、強い感銘を与えてくれた。読者は、アオを救う時の緊張感と臨場感を感じられるわけである。また、「春の五月」「せつなそうに目をしばたたくだけ」「星が一つ」「がばり」のような体言止と助詞止も、表現の簡潔さと余情の豊かさをよく浮き彫りにしていた。体言止と助詞止をとると同じに、「倒置法」も使って、さらに文脈に変化を与え、余情の表現あるいは強めの表現としての効果をあげた。
この文章のもう一つ重要な特徴は、「会話文」を主体とした、ドラマチックな表現になっているのである。「会話文」を入れることによって、文章を生き生きさせる役割を果たした。
例えば、「どうした?」「まさか。」「へんだな」「たいへんだあ。」「い、いたか。」「急げ。」などアオが家に帰らなかったときの主人公の心配した気持ちとアオを見つかったあとの慌てた様子をよく描いた。そして、この文章がとった「会話文」は、全部短くて、やはり読者に、はやくアオが沢から救われなくと、すぐ死んでしまうような緊張感をしみじみと感じさせる。そのほか、作者は、「地の文」をよく利用して、アオが沢に落ちた原因、沢で生きられる時間を述べた。この「地の文」を読んで、どうして主人公がそんなに慌てたのか、どうしてその緊張さを感じたのか、の原因をすぐわかった。
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