毎月の森リン大賞

森リンの丘

 


11月の森リン大賞と上位入賞者(小1の部65人中)

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11月の森リン大賞と上位入賞者(小2の部84人中)

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11月の森リン大賞と上位入賞者(小3の部133人中)

順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1 買い物にスタスタ行ったこと はわせ 74 63141667895
2 50円くらい、いいじゃない。 ゆはる 72 68344617287
3 ドキドキなおつかい なゆは 72 115639666890
4 視力が上がったよ(清書) ゆきだるま 72 93649616289
5 雪の日の病院 イクラ 71 84537547593
6 入院生活こんなだよ ペンギン好き 71 107741547287
7 初めての玉子焼き まろそ 71 89038687180
8 相対性理論はやはり正しい 龍鳥 71 78639586987
9 ふわふわとろとろの卵やき ちゅらワラビー 70 57846537176
10 こわかったな さびしかったな なゆの 70 116343576981

 


11月の森リン大賞と上位入賞者(小4の部135人中)

順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1 いいとこいっぱいのおこめ きねと 81 78158778286
2 はじめての電車 天草四朗時貞 79 107841809279
3 巡り合った大好きなおやつ せなめ 78 78153697486
4 カタンコトン やまら 77 76449617386
5 あなたのお好きな果物は? なもい 77 115249637189
6 食のダイヤモンド ゆねち 76 122047636984
7 ぼうけん たろろ 76 86553506596
8 きんちょう!玉子焼き のんの 75 73143647687
9 レジうちのヒミツ プリン 75 85947566589
10 ひょろ長米より日本の米 ゴーゴーピーコちゃん 74 65048577289


11月の森リン大賞と上位入賞者(小5の部120人中)


育てキンカチョウ雛
かろけ
「やったね、ひび、こっちへおいで。キンカチョウの雛が生まれたよ。」
と、母が嬉しそうに大きな声で私を呼んだ。先週キンカチョウの雛が生まれた。このキンカチョウは、九月に友人の池さんからいただいた。メスはニコちゃん。オスは金太郎と名付けて育てていた。その二羽になんと雛が生まれたのだ。私は、卵が産まれると
「まぁ、多分ニコちゃんは今度初めて卵を産んだから孵化するのは難しいね。」
と、ケラケラ笑っていたのにその卵から雛が生まれたので、まるで目からパチパチと火がでるくらい驚いた。でも、私やお母さんも池さんから鳥をいただいたとき、
「雛が生まれたら、手乗りになったら嬉しいね。」
と、つぶやいていたので心の中では、ワーイワーイと、まるで祭りのように騒いでいた。そして雛が生まれたとなると、母も私もドタバタしていた。キンカチョウの雛は目がクルクルしていて産毛が少しあり、そのう、というピンク色の袋がふっくらとふくらんでいた。また、母がエサを与えるとブルブルっとふるえていた。多分、いつもエサを与えている人と違うからだと思う。
 雛を育てる中で特に大変なことは、温度管理とえさやりだ。キンカチョウは寒いのが苦手で毛がモコモコ生えている。オスもメスも、ピタッと寄り添って温かくしている。それが、一円玉くらい小さく、毛が一本も生えていないつるつるの雛はもっと温度管理が重要だ。必要な温度は最低三十度だ。二十九度になるとあまりの寒さに死ぬこともある。それに高ければ良いというわけでもなく。人間が手を入れ少し蒸し暑いくらいでないといけない。以前母が温度管理をしてい気温が四十度までいったとき雛がハアハアと肩から息をしていた。母はびっくりして慌てて雛を出した。多分そのとき雛は、何てここは暑いのだろう。出して出してと地獄にいる思いだったと思う。だから温度管理は大変だ。大変なこと二つ目のエサやりの難しいところは、二つあり、一つはエサの温度だ。四十度がいいといわれているが、中々温まらず雛は冷たいエサだと首をビュンビュンふって食べず、なかなか一定の温度にならず、でもお腹が空いたとピーピー鳴くから焦ってしまう。二つ目はエサのつぶし方だ。どうしてかというと、私の家では雛のえさは、フォーミュラーにあわだまを加えでいるが、粟玉をお湯で柔らかくしないと粟玉がのどにひっかかり死んでしまうからだ。だからいつもエサの状態と温度管理を気をつけないといけない。
 母も子供の頃ジュウシマツを飼っていたが、そのときは手乗りにすることも考えていなかったそうだ。しかし母が飼っていたキンカチョウと同じで小さく可愛かったみたいだ。私は、それをきいてジュウシマツの雛をみてみたかったなぁと思った。
 キンカチョウなど動物や雛を育てることは大変なことがわたしは分かった。「案ずるより生むがやすし。」ということわざがあるように、キンカチョウの雛を育てるときは、大丈夫かと心配していたがやってみると何とか育てることができた。これからも雛を大切にし、立派なキンカチョウにしたい。
「さっ、もうエサを食べ終わったね。よい子よい子。」
と、私はそっと雛の頭をなでてあげた。

順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1 育てキンカチョウ雛 かろけ 80 130742719081
2 無類のかんきつ好き♪ みんみ 80 81643778976
3 ちょっとした態度 おかしもん 80 92344678680
4 読書をすると らめき 80 97743677392
5 思い出の味 なむな 79 90839799390
6 はまっている木登り レモン 79 109039599180
7 自分なり るりん 79 69742938787
8 水遊びのかわりの遊び 犬夜叉 79 84144788090
9 てっぺん→苦労&楽しみ クリーム 79 100249597986
10 好きな本 ゆとと 79 81952707887


11月の森リン大賞と上位入賞者(小6の部138人中)


私の絵本
ナナえもん
 「あぁ、こんな本があったなぁ、なつかしいなぁ。」うちにある古いものは、私が小さいころに読んでもらっていた絵本である。一番古い本は、一才のころから読んでもらっていた『いないいないばぁ』という本だ。昼間やねる前に母に読み聞かせをしてもらっていたそうだ。一才ぐらいまではゴロゴロしながら読んでもらっていて、一才を過ぎると座って読んでもらうことも多くなったそうだ。
 私は、家にある古いものを母といっしょに探していた。そして、家の中の物置みたいな部屋のたなから、小さいころ読んでいた本を見つけた。それをパラパラめくっていると、まるでその本を読んでいたときの年にもどったような感じがした。絵本のページは、ところどころ破れていて、テープではり直してあるところが多かった。その中で一番印象に残ったのは『くだもの』という絵本だ。その本は、ほとんど写真といっていいほどの果物の絵が書いてある。絵の大きさも本物とほぼいっしょだ。その本のところどころがビリビリと破れていてテープで修理してあった。私は、「なぜ、最後のページだけこんなに破れているの。」と母に聞いてみた。すると母は、「おいしそうだったから食べようと思って破ったんだと思うよ。」と言ってくれた。しかし、その返事を聞いていて私には不思議だなと思うことがあった。それはどのページにもおいしそうな絵がたくさんあるのに、なぜか最後のページしか破れていないことだった。そして、そのことをしばらく考えていた私はなぞが解けたような気がした。そして、「最後のページには、『バナナのかわむけるかな?』と書いてあったから、おいしそうな絵のバナナを破ったんだと思うよ。」と母に報告した。母は、なるほどという感じでうなずいていた。たぶん、こんななぞが解けたときの感覚を知った人は、なぞ解きが大好きになってしまうだろう。
 母にも似た話を聞いてみた。すると母からは、ようち園に行くときに毎日持って行っていた連らく帳入れを見せてもらった。それは、かたからななめにかけていたそうだ。おばあちゃんの手作りのかばんで、かわいい布があまりなかったから古い布で作られていた。それを見て私はとてもリサイクルしていたんだなと思った。母の名前の書いてある布は、はしの方から少しずつ黄ばんでいた。今よりも昔の方がエコな生活だったんだと私は思った。そのころは、一度物を買ったら何度もリサイクルしていたので、いつまでも使えて何百年も持ってしまうかもしれない(笑)。
 古いものとは人間にとって、いつまでも思い出として残っていて、今まで歩んできた人生をふり返る機会となるものである。「古きをたずねて新しきを知る」ということわざがあるように、古いことをふり返ってみると新しいことが発見できる。これから私は、過去のことをふり返り、知らなかったことや分からなかったことを知って、新しいことを見つけていきたい。
 「他にも、昔読んでいた本を探してみよう。」私と母は、張り切って本を探しだした。

順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1 私の絵本 ナナえもん 82 123744536693
2 更に良くなる古い物 ひかる 81 109449627781
3 さあみ 81 99252637786
4 古い物 きろせ 80 105146759092
5 私たちは長い間、木綿と  しろめウサギ 80 93444657692
6 最後の音楽発表会 はわの 79 1109399910489
7 とにかく自然はあなどれない まりて 79 101153909781
8 山神様・海神様のお怒り うおん 79 104744659586
9 心を清める手入れ 彌織 79 109448628596
10 思い出あふれる古い物 らころ 79 102147628589

 

11月の森リン大賞と上位入賞者(中1の部58人中)


縁の下の力持ちは、必要不可欠!
らふま
 ミミズがある生態系に生存することで、「自然の経済」にどんなかかわりを持つか例外はもちろんあるけれど普通のミミズは、土を豊かにする為に決定的に重要な動物である。ミミズは、毎日、土を食べて生きている。土はミミズの口から入って外へ出ると、また土になる。しかし、ミミズの口に入る前の土とミミズが外へ出した土とは、土の性質がまるで違っている。ミミズの場合は、人間の目に見える生態系だが、単細胞生物やカビのそれは、まだ研究し尽くされていない。私は小さなものの役割を見直すべきだと思う
 その理由は第一に人間が知らない、植物などの役割がまだたくさんあるからだ。例えば、アブラナなどの植物だ。それらは昼間日光が出ていれば、光合成を行っている。僕は前に「何の為に植物があるの?こんなのただ単に邪魔なものに過ぎないのに・・・」と感じたときがあった。でも今になって思う。植物は光合成をして、人間の呼吸に使われる、酸素を作ってくれていたのだ。それは人間にとってとても大切なので、これからも、大切に育てていきたいと思った。もうひとつある。それは、国算理社などの勉強だ。これは人間というよりは一部の人たちだけかもしれないが、何の為に「読解問題なんてしなくちゃならないのだ」と思う。何の為に「歴史のことを知っていなければならないのだ」と思う。でも僕は身近で役に立ったときがあった。友達と話しているときだった。勉強していないと分からない、慣用句などの言葉がすらすら出てきてとても話しやすかった。他にも、「○○君と藤原道長って似ているよね~」などと話していたときに、歴史を勉強していたから、藤原道長はこれこれこういう人だと分かるのだ。
 第二に縁の下の力持ちの人が見捨てられているときがあるからだ。例えば、組体操だ。二人以上の技になってくると、上の人・下の人がいる。見ていると、上の人の方にカメラのシャッターが切られていることが多いからだ。「下のほうの人だって何人もの体重がかかっているからきついんだ。」と土台の人も言いたいだろう。僕は、上のほうが多かったので、土台の人の本心は分からないが、やはり大変なのだろう。40代のストレス解消法の統計によると、1位買い物2位友達との会話3位長電話である。1位~3位いずれにしても、他人とのふれあいがある。他人に会うだけで、ストレスが解消されているのである。でも、ストレスが解消された女性たちはわざわざ他人に「ストレスの解消になったよー有難う」とは言わない。そのようなときでも、縁の下の力持ちは見捨てられている。「話して楽しかったよ」とくらい言ってあげればよいのにと僕は思っている。何も言わないのは、不自然だからである。
 確かにあまり細かいものばかりを気にせずに、一番目立っているところが大切かもしれないが、それが目立っているのは、縁の下の力持ちがいるからだということも見逃してはならないと思う。もともと地上に、道はない。歩く人が多くなければ、それが道になる。とも言うようになんでも自分ひとりでできるわけではない。他人と協力し合うから、できるのだ。それこそ、縁の下の力持ちがいないと成り立たないと思う。

順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1 縁の下の力持ちは、必要不可欠! らふま 89 130662728389
2 自然のありがたさに感謝して 零戦 84 101454758099
3 言葉の存在 やまり 83 99156808184
4 言葉に対する情熱 どろっぷ 82 135251818886
5 ミミズの力 ダイヤモンド 82 91356808389
6 宣伝のために七億円?! りなこ 81 108349596587
7 未来に向かって くるる 80 103147576790
8 詩的な言葉 まろえ 80 99658596589
9 小さいもの まるか 77 67247778483
10 自然のすごさ 海太郎 77 80746697586

 

11月の森リン大賞と上位入賞者(中2の部64人中)


保護・管理
りょうたろう
「そこに座っとき。今、ジュース入れるから。」
と僕の祖母が座椅子を指差した。学校が終わった後、祖母の家に寄るのは、僕の日課だ。
確かに、保護や管理は人間の生きる力を弱める点で良くないという意見がある。例えば僕にも似た経験がある。僕の家は祖母の家と近く、僕は頻繁にそこを訪れる。祖父は既に亡くなっているので、独り暮らしの祖母は、僕のことをいつも大歓迎してくれる。僕をこたつの特等席に座らせ、ジュースまで出してくれる。僕は祖母にとって、まるで王様のような存在なのだ。祖母は齢なので、僕はいつも、
「そんなことせんでええよ、ちょっと顔見せに来ただけやから。」
と言う。しかし、鹿児島出身で男尊女卑の考えを根強く持つ祖母は、僕を立たせようとはせず、何でもやってしまう。僕も表面的にはそう言っているものの、内心では祖母がしてくれることを期待してしまっている。いけないと分かっているものの、結局席から立ち上がらないことが多い。祖母の優しさにくるまれていたいという欲求が、理性に勝ってしまうのだ。このように、保護や管理は人間の自立を邪魔し、他人への依存を促進してしまう。僕は、いつも祖母の家を出ると、分かっていても動けない自分の甘さを後悔してならない。
 しかし、保護や管理が必要なことがあるという意見もある。当たり前のことだが、小さな赤ん坊は手厚い保護の下に置かなければ生きていくことができない。保護や管理をするからこそ、人間は無事に成長することができるのだ。皆さんは、「桃太郎」という昔話をご存じだと思う。桃から生まれた桃太郎は、おじいさんとおばあさんにそれはそれは大事に育てられた。そのおかげで桃太郎は立派に育ち、鬼が島に鬼退治に行く程になったのだ。このように保護や管理をされていたからといって、自堕落な人間になるとは限らないし、桃太郎のように立派な人間にだって成り得るのだ。もっとも、立派な人間になっても、全員が鬼退治には行かないと思うが。(笑)僕は、保護や管理をされ、正しい見本があるからこそ、素直な正しい人間になることができるのかなぁと感じた。
 保護や管理は、人間の生きる力を弱めると考えるのも良い。保護や管理をされるからこそ得られるものがあると考えるのも良い。しかし、一番大切なのは、保護や管理に、「甘え」ないことである。保護や管理は、人間が自立するための手助けであるということを常に意識すれば、「甘え」の入るすき間はなくなり、育てられる子供は立派に自立できる子供になるのだ。「人が旅行するのは、到着するためではなく旅行するためである」という名言がある。保護の本来の目的は、桃太郎のように立派に自立させることであるから、その保護にも「厳しさ」が含まれるべきだ。現代社会で問題になっている過保護など、もっての外だ。僕達はもう一度、「厳しさ」を含む保護の本来の意味について見つめ直すべきではないだろうか。これから僕は、「甘え」を捨て、祖母を立たせないぐらい祖母を労りたい。

順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1 保護・管理 りょうたろう 89 123558738290
2 中身と表面の両立 あよあよ 87 127553767992
3 潤滑油 いなりずし 87 129852737592
4 言語の伝達 いゆん 86 123753728193
5 支えられる側から支える側へ れたす 86 151767667284
6 野生児的生き方 ぎんぎつね 83 104052677290
7 楽しい会話の中に 四葉のクローバー 82 124148647883
8 点数について ゆへぬ 82 102058757781
9 言葉の力 かこちゃん 82 107047737396
10 流行と古典 アルセウス 81 109047697484

 

11月の森リン大賞と上位入賞者(中3の部60人中)


にほん けなしばなし「ひねくれにいさん」
にゃぱ
 今回のテーマは「昔話」というべきものが大いに関連してくるそうだ。まず始めに一つ、僕はこの昔話に文句を言いたい。なぜ、日本の昔話はこうも良いおじいさんと悪いおじいさん(おばあさん、鬼でも可)を対比したがるのだろう。「はなさかじいさん」なり、「舌切り雀」なり、「桃太郎」なり、限定せずとも、昔話のほとんどが善悪の対比というもので示されているのは、ちょっと乏しい気がする。もう少しバラエティ性に優れているといいのに、と思う。
 ひねくれ者の僕だからこそ、心温まる日本昔話にもケチをつけているわけだが、なかなか幼い子供に日本昔話はうってつけだ。なぜなら、物語の真意を相手に伝えるときは、二つに対比させて描いたものが一番分かりやすいからだ。そして善悪という対比がよく用いられる日本昔話は、幼い子供によいことわるいことを教えるのに有効であるといえる。中でも、「よくばりじいさん」の出てくる話はなかなかポピュラーだ。僕は「花さかじいさん」を読んで、「よくばりするといいことがおこらない」ということを小さい頃学んだ。まだ僕もかわいいもので、「よくばりしたら罰が当たる」と信じていたが、それが習慣化したのか、ひねくれ者となった今でも、「余計なものはいらない」と考えている。特に、娯楽系統でお金を使うことに、僕は一切興味を持っていない。カラオケやゲームセンターや携帯はもっての外、僕の娯楽は読書かPCか家にあるゲームソフトをやるかのいずれかしかない。そして、それで充足する自分がいる。さすがに「よくばりすると罰が当たる」という昔話の仮説はさらさら信じてはいないが、その教えは、ただ言葉が少し変わっただけで、今も僕の心に宿っているのだ。
 このように、昔話にはよく人生の教訓や知恵が載っている。僕はそれらも含めた昔の文化を大切にすべきだと思う。例えば、「モノの有効活用」は今昔で大きく違っている。現代の僕の印象としては、人々はモノを無駄遣いしているように思う。使えなくなったものはすぐ買い替えたり、またすぐ壊したり、食べ物はよく残したりと、「もったいない」の言葉が身にとても沁みる。昔の人がこの姿を見たら、絶句するか、義憤するか、羨望でもするだろう。なぜなら、昔の人はとにかくいろいろなものをリサイクルしていたからである。江戸の町人がすることといえば、壊れたものはすぐ修理屋へ出し、食べ物などには厳しく、将又みんなのうんちを畑の高価な肥料にし、とにかくケチ臭かったという。でも、ものが自由に変えるような時代にとうとうなり、そのもったいない文化は逆に極端に薄れてしまったように感じる。もったいないという意識を持つことは社会において本来重要なものではなかろうか。同様に、昔の文化には、現代に必要だというのに、不足している昔の教訓や知恵が堆く積もっている。情報化機械化する現代が今学ぶべきは、そういった昔の文化や思想ではなかろうか。
 僕がひねくれ者として、冒頭で文句をつけたのは、あくまで日本昔話の設定や構造である。もう少し別の描き方があれば、さらにいろいろな知恵を伝えられたのに、と思っている。幼い子供になぜ昔話を話すのか、なぜ昔話が重要なのか、それは、現代社会を表現する現代小説とは違い「一人の人間であること」を表現しているからだと僕は思う。そのような教育が幼くして行われているから、日本の治安は良いのかもしれない。そして、そういった日本の温かき文化を現代の手によって冷めさせぬよう、みんなが考えるべきである。

順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1 にほん けなしばなし「ひねくれにいさん」 にゃぱ 91 144569938887
2 昔話を教訓に はるりん 84 13645610210492
3 二つの良いところ そうき 83 100958768584
4 学び クッキー 82 106749657693
5 発想に必要な要素 ポケット 82 102454817387
6 物まね上手 いちご 80 108251889286
7 昔の昔話 カツ丼 79 133749819590
8 アナログとデジタル ブレイド 78 73443968890
9 使い分ける まかじろう 78 76551777684
10 模倣がもたらす効果 きふう 75 77949686592

 
 1位の作品は、要約の部分が多かったため代表作品にはなりませんでした。

11月の森リン大賞と上位入賞者(高1高2高3社の部129人中)


知性の使い道
ピルル
私たちは、他を理解し、様々なものを共有するために知性や能力を使うべきだ。
 そのための第一の方法は、自分が優位に立つことだけを考えないことだ。赤黒ゲームという遊びがある。これは集団を二つのグループに分けて行うゲームだ。最初に両方のグループに赤と黒の札を配り、グループの皆で相談してどの札を出すかを決めて、両方のグループが同時に札を提示する。その二つの札の色の組あわせで、各グループの得点が決まるという流れを数回繰り返す。もし両方が赤を出したら両方ともマイナス3点、一方が黒でもう片方が赤なら赤を出した方がプラス5点で黒を出した方がマイナス5点、両方黒なら両方ともプラス3点となる。結果的には点数がプラスに近い方が勝ちとなるが、勝ったといってご褒美があるわけではない。私のクラスでも一度このゲームをしたことがある。そしてこのゲームが学ばせてくれたことは、勝ち負けの大事さではなく世の中の無意味な勝負事や何でも人の上に立って優越感を感じたいという心理についてだった。このゲームでは赤を出し続ければ勝つことができる、しかし両方が赤ばかりではどんどんマイナスへと向かい、一方が相手を信頼して黒を出しても片方がそうでなければひらきは大きくなる。このゲームのように、いつも自分が優位に立とうとすれば、だれかを信頼する気持ちは薄れる。そして勝ち負けの関係のない場面でも勝とうとして、全体で良い方向へ向かってゆこうとする流れはつくれない。その結果たとえ自分が他者より勝っているように見えても、両方が赤札を出したときのように、いつのまにか自分は心が狭くなり、社会の状態は悪くなってゆく。しかし、自身の向上には全体の向上が近道であることを知っていれば、互いに信頼し合い、手を取り合って進むことができるのだ。
 第二の方法は、相手の持つものを尊重することだ。相手のもつ「もの」とは、物質的なものに限らず、思想のような概念の場合もある。個人だけでなく集団や一つの共同体を相手とするならば、彼らの文化であったり、習慣が「もの」であることもある。そこにはそれぞれが自分とは違った経験によってつくられたもの、自分の世界にはあてはまらないものもあるだろう。しかし、どちらの経験が優れているかどうかなどということは比べられないことだ。比べられないからこそ、相手が持つ自分にないものは、偏見のない目で見つめるべきだ。オーストラリアの原住民はマオリ族と呼ばれる人々だ。彼らはマオリ語という言語を使っていた。しかし、オーストラリアがイギリスの植民地となり、白人が入ってくると、すぐにマオリ語は禁止となってしまった。植民地の宗主国にとって、原住民の文化や言語は、その地の支配、管理には邪魔である場合が多い。だから植民地となった地の言語が禁止されたり、文化の担い手が排除されたりすることは珍しくないのである。そして、マオリ語が禁止とされた後は英語が導入され、マオリ語が喋れる話者は急激に少なくなってしまった。しかし現在オーストラリアではマオリ族の文化を見直そうとする動きが盛んであり、マオリ語を学校でも教えているそうだ。自分の知る世界しか受け付けない狭い視野でいては、立派な文化を持っていた人々を虐げる宗主国のようになってしまう。けれども、相手の築き上げてきた経験は自分のそれと同等の価値があるという見方ができれば、周囲の多様性から多くのことを学べるのだ。
 確かに、いつも周囲に気をとられていれば自分のことがおろそかにもなるし、自分の意見を主張することも大事だ。しかし、知性とは、それを振り回して自己中心的になるためではなく、共有し合って更なる全体と自分の向上のために使われるものだ。知性が正しく使われるためには、落ち着いて目の前にあるものを受け入れ、理解しようと努めることがたいせつなのだ。

順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1 パーソナリティーの形成 はるかぜ 91 1222721089887
2 知性の使い道 ピルル 89 157661738589
3 休息 アホ神God 88 108566768586
4 成長 なるか 86 1345639310895
5 上を目指して きらり 85 1089621049492
6 自分を知るということとは ききか 84 156154687190
7 客観視のメリット ポンピー 83 89554757997
8 自分の生き方を恥じる ももねこ様 83 110647727386
9 アバログとデジタル 森?外 82 117651969795
10 夢を売るもの きとみ 81 16585311410897



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2015年12月の森リン大賞 |  2015年11月の森リン大賞 |  2015年10月の森リン大賞 |  2015年09月の森リン大賞 |  2015年08月の森リン大賞 | 
2015年07月の森リン大賞 |  2015年06月の森リン大賞 |  2015年05月の森リン大賞 |  2015年04月の森リン大賞 |  2015年03月の森リン大賞 | 
2015年02月の森リン大賞 |  2015年01月の森リン大賞 |  2014年12月の森リン大賞 |  2014年11月の森リン大賞 |  2014年10月の森リン大賞 | 
2014年09月の森リン大賞 |  (2014年7~8月は未集計) |  2014年06月の森リン大賞 |  2014年05月の森リン大賞 |  2014年04月の森リン大賞
2014年03月の森リン大賞 |  2014年02月の森リン大賞 |  2014年01月の森リン大賞 |  2013年12月の森リン大賞 |  2013年11月の森リン大賞
2013年10月の森リン大賞 |  2013年09月の森リン大賞 |  2013年08月の森リン大賞 |  2013年07月の森リン大賞 |  2013年06月の森リン大賞
2013年05月の森リン大賞 |  2013年04月の森リン大賞 |  2013年03月の森リン大賞 |  2013年02月の森リン大賞 |  2013年01月の森リン大賞
2012年12月の森リン大賞 |  2012年11月の森リン大賞 |  2012年10月の森リン大賞 |  2012年09月の森リン大賞 |  2012年08月の森リン大賞
2012年07月の森リン大賞 |  2012年06月の森リン大賞 |  2012年05月の森リン大賞 |  2012年04月の森リン大賞 |  2012年03月の森リン大賞
2012年02月の森リン大賞 |  2012年01月の森リン大賞 |  2011年12月の森リン大賞 |  2011年11月の森リン大賞 |  2011年10月の森リン大賞
2011年09月の森リン大賞 |  2011年08月の森リン大賞 |  2011年07月の森リン大賞 |  2011年06月の森リン大賞 |  2011年05月の森リン大賞
2011年04月の森リン大賞 |  2011年03月の森リン大賞 |  2011年02月の森リン大賞 |  2011年01月の森リン大賞 |  2010年12月の森リン大賞
2010年11月の森リン大賞 |  2010年10月の森リン大賞 |  2010年09月の森リン大賞 |  2010年08月の森リン大賞 |  2010年07月の森リン大賞
2010年06月の森リン大賞 |  2010年05月の森リン大賞 |  2010年04月の森リン大賞 |  2010年03月の森リン大賞 |  2010年02月の森リン大賞
2010年01月の森リン大賞 |  2009年12月の森リン大賞 |  2009年11月の森リン大賞 |  2009年10月の森リン大賞 |  2009年09月の森リン大賞
2006年9月~2009年8月までの森リン大賞


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