言葉の森新聞2025年2月2週号 通算第1838号
文責 中根克明(森川林)
■■2月11日(火)は「休み宿題」(再掲)
カレンダーに記載してあるとおり、2月11日(火)は「休み宿題」となります。
作文個別と作文クラスの生徒は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考に自宅でその週の課題を書いて提出してください。他の日に振替授業を受けることもできます。
「授業の渚」
http://www.mori7.com/nagisa/index.php
「ヒントの池」
http://www.mori7.com/mine/ike.php
作文以外のクラスの生徒も他の日に振替授業を受けることができます。
■■共通テスト国語第二問の解説――しかし、いずれ読解問題や記述問題はなくなる
●動画
https://youtu.be/wn_sW0AOnIs
▽第二問と解説
https://www.mori7.com/izumi/gazou/2025/2071222410.pdf
物語文の解き方のコツの第一は、問題文を味わって読むことです。
臨場感を伴って読むと、選択肢を見たあと、わざわざ問題文に戻らなくても答えることができます。
答えたあと、確認のためにもとの問題文を読めばいいのです。
PDFの問題文に傍線が引いてありますが、これは大事なところだから線を引いたのではなく、「へえ、そうなんだ」と心が動かされたから線を引いています。
このように、自分の感情をもとに読むことが大事です。
こういう読み方をする力をつけるためには、普段から味わって読む読書生活をしておくことが大事です。
表面的な知識として読むのではなく、自分がその場にいる登場人物であるかのようにハラハラドキドキしながら読むということです。
選択肢を選ぶときのコツは、
★合っていそうなものを選ぶのではなく、
★必ずしもそうは言っていない箇所のある選択肢を省き、省くところのない選択肢を選ぶ、
ということです。
PDFには、選択肢に×や?がついていますが、それは、その箇所が問題文にはそういうことが書いていないという意味です。
そして、最終的に×や?がない選択肢が○になるということです。
さて、話は変わりますが、このような読解問題はいずれなくなると思います。
こういう読解問題は、読む力のある生徒にどういうふうに差をつけるかという目的で作られています。
だから、問題をつくる人は、問題を解く人よりもずっと大変です(笑)。
なぜ、このような差をつけるための問題を出すかというと、国語力を測るほかの方法がないからです。
ところが、これから、国語力は、読解問題や記述問題ではなく、作文小論文で評価するようになります。
東大の国語の二次試験は、すべて記述問題です。
数年に一度、読解問題があるかないかというぐらいです。
それは、読解問題にすると、みんなできてしまうので差がつけられないからです。
しかし、その記述問題は、せいぜい60字とか120字とかの短い問題です。
なぜ、そういう短い記述問題を出すかというと、採点が大変だからです(笑)。
だから、読解問題でも、記述問題でも、ある程度以上の国語力のある生徒には評価の意味がないのです。
ところが、今後、言葉の森が作文検定を行うようにします。
ある問題について、その問題の内容を正確にとらえながらも、自分の独自の視点で文章を書くことができるかどうかを評価できるようになります。
すると、この作文小論文が、最も確実な国語力の測定になります。
しばらくは、まだ、微妙な読解問題や短い記述問題の試験が続きますが、やがてそういう試験はなくなり、作文小論文の力が国語力の評価になると思って、読書と作文の勉強を進めていってください。
■■【読解検定】1月の中1の問1のBが×の理由
中1の問題文「あなたはいい加減な人間だ」の前半には、
====
だが、どう考えてみても、この三つの意味のあいだには関連が見いだせそうにない。「適当」と「でたらめ」と「かなり」に、どんな共通項こうがあるのだろう。まったくニュアンスを異にする意味を三つもふくんでいるとすれば、「いい加減」という言葉は文脈で判断するほかない。
====
とありますから、「共通項が見出せそうにない」ということになります。
しかし、問題文の後半には、
====
私は『広辞苑こうじえん』にあげられている「いい加減」の三つの意味のあいだに何の関連も見いだせそうにないといった。だが、以上のように考えてくると、この三つの意味はやはり見えない糸で結ばれていることに気づく。
====
となっています。
だから、「共通項が見出せそうにはないが、見えない糸で結ばれていると気づく」となります。
したがって、「それらの意味には全く共通項がない。」の「全く」が×になるということです。
選択問題で、「全く」とか「絶対に」とかの言葉が使われていると、×になることが多いです。
■■【読解検定】中1の1月の問5のAの問題「昔、夏に食べたトマトは」
最初に書いてある「昔、夏に食べたトマトはおいしかった。」は、作者の主観的な思い出から来るおいしさです。
そのあとの、「あのころのトマトは臭かった。だから厳密にいうと、今のトマトと昔のトマトのどっちがおいしいかという話に簡単に答えは出せない。」が、客観的なおいしさの説明です。
だから、
「A 昔のトマトは青臭いがおいしかった。」
の「青臭いが」は合っていますが、「おいしかった」は必ずしもそうとは言えないので○ではないということです。
■■合格速報
●千葉県立千葉中学校 S.A.さん
<担当講師より>
算数数学クラス受講中のS.A.さん。
中高一貫で、倍率7倍の難関を潜り抜けての合格です!
小5・6年の受験問題集を、繰り返しコツコツ解いていました。
本当にがんばりました!
おめでとうございます!
●創価高校 T.R.さん
<担当講師より>
第一志望の創価高校に合格しました。
数学と英語だけの試験で、英語はほぼ完璧、数学は大問をちょっと落としたということでしたが、たぶん余裕の合格だったと思います。
受験が終わったので、3月いっぱいは、高校の数学の先取り学習をする予定です。
明るく真面目な性格で、定期テストのときも、いつも休まずに出席していました。
高校でも、楽しい学校生活を送れると思います。おめでとう!
●東京学芸大学附属世田谷中学校 M.M.さん
<担当講師より>
Mさんは、毎回丁寧に課題と向かい合い、おうちの方と対話を重ねて取り組んでいました。規定の文字数ぴったりで書くことを徹底し、よく頑張りましたね。本番では時間配分もうまくいき、実力を発揮できたようです。穏やかで凛としたたたずまいの中に力強さを感じるMさん。新しい出会いや環境を楽しんで、中学校生活を送ってくださいね。おめでとうございます!