元の記事:小6 フジの山 10,.1週 「私の名前」 (1290字)
すずめ(miri)
2012/09/28 19:43:09 312 10 毎年、この課題の時は、みんなとても張り切って取材してきます。
おうちの方も10数年前のことを思い出し、いろいろ話してくださるようで、とてもよい作品が多いです。
よく「名前は親からの最初の贈り物」と言いますが、ほんとうに心のこもった贈り物ですね。自我が芽生え、思春期に突入し、他者との比較でコンプレックスを抱きやすいこの年代に、あらためて「自分の存在価値」を認識させてくれる、そんな課題だと思います。
おうちの方は、名前の由来はもちろんのこと、出生前後の思い出、まわりの方の様子、そして新生児だった本人のことを話してあげてください。
この課題を通じて、「自分が望まれてこの世に生を受け、大切に育てられてきた」ことをきっとあらためて感じることでしょう。
例1
「あの日は三月の終わりというのに、まだ肌寒い日で、途中から雪がちらついていたのよ。お母さんは、初めての出産なのに、お父さんは海外に出張中だし、おばあちゃんも入院していたので、とても心細かったの。でも、病室できれいな雪を見ていたら、心が落ち着いて、勇気が出たっていうのかな。そして、なんとなく、この雪のようにきれいな女の子が生まれるなあと思ったのね。」
「そうなの!? 大当たりだね! だから私、小雪っていう名前なの?」
「そうよ、前に決めていた名前もあったのだけれど、ほんとに色が白くてかわいらしかったので小雪ってね……。」
「わあ、そうなんだ。初めて聞いたなあ。」
例2
「おじいちゃんが晃助、お父さんが晃平、ときて、ぼくが晃汰。なんだか武家の血筋みたいでカッコイイって友だちに言われたよ。」
「そうかい。晃の字にはな、こういう意味があるんだ。晃って……。」
例3
「ソーッ!」
「え、なに」
「何じゃないでしょう、また玄関にカバンをおきっぱなし! 靴も脱ぎ散らかして!」
「えー、だってめんどうだもん」
「何度言ったらわかるの! まったくソーったら!!」
「まったく、ぼくには聡介という立派な名前があるんだからね。気安くソー、ソーって呼ばないでよ。」
「聡介の聡、ってどんな意味だか知ってるの!?」
「……。」
例4
「お父さん、どうしてうちは、健と康子なの? 康子、学校でお兄ちゃんの名前書いたら、ケンコーだ、健康だーってからかわれちゃったんだから。」
「それはね、お母さんが自分が小さいころ体が弱くて、運動や体育が人並にできなかったり、修学旅行や遠足に行けなかったりした悲しい思い出があるから、子どもには健康第一に大きくなってほしくてつけたんだよ。」
「そうなんだー。」
「自分の命をかけて生んだ大事な子どもたちに、願いをこめた名前をつけたんだよ。」
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「ふふふ、おかげさまで、あなたたちを生んだら、すっかり体も丈夫になったのよ。名前って大切ね!」
このような感動的な話でなくても、名前や出生にまつわるお話ならなんでもOKです。ぜひ、ちょっとタイムスリップして、あの瞬間のことを話してみてください。
授業の渚
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