夏越の祓(なごしのはらえ) (685字)
きっこ()
2014/05/12 13:32:43 6907
6月30日は「夏越の祓(なごしのはらえ)」の日です。「水無月の祓い(みなづきのはらい)」とも言われています。一年の折り返しにあたる6月30日に、半年の罪や穢れ(けがれ)をはらい、残り半年の無病息災を祈願する行事です。
京都の多くの神社では、茅の輪くぐりが行われます。一般的には、左回り、右回り、左回りと「8」の字を描くように三度くぐります。唱え言葉(「みな月のなごしの祓する人は千年の命のぶというなり」「思う事みなつきとて麻の葉をきりにきりても祓いつるかな」)を唱えたり、左足からくぐるとも言われています。
また、神社から授与される紙の人形(ひとがた)に氏名、生年月日を書き、身体を撫でてから息を吹きかけて身の穢れを移します。これを神社に納めると罪、穢れが祓われると伝えられています。
平安時代から室町時代には、宮中や幕府で旧暦の6月1日に「氷の節句」または「氷の朔日(ついたち)」と呼ばれる行事がありました。これは、「氷室(ひむろ)」の氷を取り寄せ、その氷を口にして暑気をはらうというものです。氷室とは、地下などの涼しい所を利用して作られた昔の冷蔵庫のような場所で、冬の氷を夏まで保存しておく所です。宮中ではこの氷室の氷の解け具合でその年の豊凶を占ったそうです。
しかし、当時は天然氷はとても貴重で庶民には簡単に手に入るものではありませんでした。そこで、見た目だけでも氷に似たお菓子として「水無月(みなづき)」が作られるようになりました。水無月の三角形は氷室の氷片を表したもので、上の小豆には悪霊はらいの意味があり、京都では夏越の祓の日にこれを食べる習慣があります。