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● 11月の読解検定の問題文を送り直しました【送信指定】 (205字) 森川林 nane 2024年11月21日 11時24分
17010 (言葉の森オンライン新聞)
このメールは、11月の読解検定を受検される方にお送りしています。
先にお送りしました読解検定の問題文と解答用紙のうち、問題文の内容が10月のものになっておりました。
本日、正しい11月の問題文をお送りしました。
受検は、新しい問題文が届いてから行っていただくか、又は、ウェブで表示されている問題文を印刷して取り組んでくださるようお願いいたします。
(ホームページのトップに問題文の印刷リンクを載せてあります。)
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● 言葉の森新聞2024年11月3週号 通算第1827号 (2314字) 言葉の森事務局 jun 2024年11月20日 12時22分
16999 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2024年11月3週号 通算第1827号
文責 中根克明(森川林)
■■言葉の森の今後の展望―これからの教育の3つの柱
サーバー移転が、まだいろいろ手直しがあるものの、基本的には一段落したので、今後の展望を説明します。
言葉の森が考える教育の柱は、3つあります。
第一は、子供たちの学力をつけることです。
ただし、宿題やテストや競争で煽るようなやり方ではなく、子供たちが自主的に勉強に取り組むような方法でやっていきます。
そのために、考えているのは、今の学習グラフを更に見やすいものにし、毎回偏差値の推移のグラフなどが見られるようにすることです。
結果がビジュアルに分かれば、講師も生徒を褒めたり励ましたりしやすくなるので、保護者連絡もやりやすくなります。
成績が上がっている子は、褒めるだけでいいのですが、成績が上がらない子に対しては、単に注意をするだけでなく、自習室への参加を義務付けるようにしたいと思います。
自習室は、ブレークアウトルームを100個ぐらい作って、個人が1つのブレークアウトルームで勉強するようにします。
先生や親は、あとで自習の記録を見て、自習の内容を確認できます。
読書不足の子なども、自習室の10分間読書で対応できるようになります。
勉強は、方法がよければ、かけた時間に比例して成績があがるので、自習室での勉強は、すぐに成果に結びつくと思います。
ただし、自習室の参加義務付けは、中学2年生までとします。
中学3年生以上は、自分で自覚して勉強できるので、義務的なものはあまりやらないようにします。
第二の教育の柱は、創造力を育てる教育を行うことです。
主な講座としては、作文、創造発表、プログラミングですが、国語読解、算数数学、英語でも、できるだけ創造的な勉強を入れていくようにしたいと思います。
中根がやっているのは、国語読解では、問題文の要約・短歌・感想を書くこと、算数数学では、自分で面白い問題を作成すること、英語では、自分で面白い英作文を作ることなどです。
ただし、創造力を育てる教育は、教科の勉強のように成績がはっきりしないので、子供に意欲をもたせるが難しい面があります。
そこで、発表広場というページを作り、毎月4週目は、自分の作品をそこに発表するようにします。
これは、発表室への発表をそのまま自動的に発表広場にも入れられるようにすればいいので、子供にとっては手間はかかりません。
そして、発表広場に載った作品については、生徒や保護者や講師が1人何票かの票を持って投票できるようにします。
票が入らない子がいるとかわいそうなので、自分が誰かに投票すれば、その分だけ自分にも票が入るようにします。その際、ランダムにおまけの票もはいるようにします。
創造教育における意欲づくりは、この発表広場の投票と表彰によってやっていきたいと思います。
第三の教育の柱は、子供たちのコミュニティ作りです。
これは、まだ一部のクラスでしかできていませんが、同じクラスに参加する生徒どうしが仲よくなり、読書紹介や一人一言や質問感想などのやりとりを通して親しくなることが目標です。
子供たちの学校生活や日常生活であとまで残るのは、勉強の知識よりも、友達との交流です。
言葉の森は、場合によっては、小1から高3まで勉強を続けて、その間、同じ生徒と何度か一緒のクラスになって交流するということがあります。
こういう長期間の交流の可能性は、学校以外にはなかなかありません。
いずれ、言葉の森の生徒どうしが、一生の友だちになるようなケースも出てくると思います。
同様に、先生と生徒と保護者の関係も、子供たちが卒業したあとも、続く可能性があります。
私は、勉強で何かを身につけるのと同じかそれ以上に、こういう人間的なつながりが大事になると思います。
以上の教育の3つの柱をもとに、これから、講師と保護者の連絡を更に充実させていきたいと思います。
■■新しいAI森リン「森リー」の点数の付け方
AI森リン「森リー」のページがスタートしました。
ただし、森リンベストなどはまだ開けません。
作文を送信したあとのページ、又は、すでに「山のたより」に入っている作文のページに、☆という小さな星のマークがあります。
この星のマークをクリックすると、「森リー」のページに飛びます。
題名、本文、生徒コードなどが入っているので、パスワードを入れ直してそのまま「点数を見る」のボタンをクリックしてください。
本文と点数が表示されるので、そのあと、「講評を見る」のボタンをクリックしてください。
「講評を見る」は少し時間がかかりますが、送信が完了すると、講評と点数と字数などのグラフが表示されます。
今回、表示する点数は、まだデータが少ないため、仮の点数としています。
また、中高生を標準とした点数ですので、小学生の作文は点数が低くなっています。
今後、データが多くなれば、学年別の点数にする予定です。
■■11月23日(土)は「休み宿題」(再掲)
カレンダーに記載してあるとおり、11月23日(土)は「休み宿題」となります。
作文個別と作文クラスの生徒は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考に自宅でその週の課題を書いて提出してください。他の日に振替授業を受けることもできます。
「授業の渚」
http://www.mori7.com/nagisa/index.php
「ヒントの池」
http://www.mori7.com/mine/ike.php
作文以外のクラスの生徒も他の日に振替授業を受けることができます。
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● 言葉の森新聞2024年11月2週号 通算第1826号 (2895字) 言葉の森事務局 jun 2024年11月12日 18時04分
16759 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2024年11月2週号 通算第1826号
文責 中根克明(森川林)
■■11月23日(土)は「休み宿題」
カレンダーに記載してあるとおり、11月23日(土)は「休み宿題」となります。
作文個別と作文クラスの生徒は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考に自宅でその週の課題を書いて提出してください。他の日に振替授業を受けることもできます。
「授業の渚」
http://www.mori7.com/nagisa/index.php
「ヒントの池」
http://www.mori7.com/mine/ike.php
作文以外のクラスの生徒も他の日に振替授業を受けることができます。
■■サーバーの重要なところはほぼ直りました。現在、AI森リンを開発中です
10月末のサーバー移転から約2週間、いろいろご不便をおかけしましたが、重要なところはほぼ直りました。
ただ、言葉の森のサーバー内にあるファイルは大量ですので、手直しが必要なところはまだ残っていると思います。
お気づきの点があれば、ご連絡くださるようお願いいたします。
さて、過去をふりかえるようなことは、普通はしないのですが、一応経過を報告させていただきます。
サーバーの移転は、長年の懸案事項でした。
3年前に、サーバー移転を決心して、新しいサーバーを立ち上げて準備をしたのですが、少し移転を始めてみると、言葉の森のファイルのほとんどがそのままでは使えないことがわかりました。
そのため、3年間、準備だけで何もしなかったのですが、海外からのDDOS攻撃が急に増えたことと、これまで使っていたサーバーのOSやプログラム言語のバージョンが期限切れに近づいてきたため、やむを得ず10月末に移転することにしました。
そのときの見通しでは、移転はかなり難しいので、せめて最低限のところだけ、山のたよりやオンラインクラス一覧表だけ動かせるようにしておこうという悲壮なものでした(笑)。
しかし、ここで強力な手助けがあることがわかったのです。
それは、ChatGPTとPerplexityです。
ChatGPTは、それまでも、ちょっとしたことを調べるのに使っていましたが、今回のサーバー移転で、これほど強力なツールだったのだということが改めてわかりました。
何しろ、大きなことから小さなことまで、高度なことから初歩的なことまで、何を聞いても、同じように丁寧に優しく説明してくれるのです。
しかも、早いときは、朝の2時や3時から夕方まで、また、土曜も日曜も同じペースで、十数時間質問を続けても、嫌な顔ひとつせず(あたりまえか)わかりやすく説明してくれます。
その結果、移転作業を始める前までは、不可能だと思っていたようなことも、少しずつ解決することができました。
ただし、そのための時間はかなりかかりました。
一つのファイルを直すのに、2、3時間かかるということもよくありました。
今回の、ChatGPTの活用によって、私は、子供たちの勉強も、ChatGPTでやればかなり能率がよくなると思いました。
勉強や仕事で、いちばんのネックになるのは、わからないことがあったときに近くに聞く人がいないことです。
しかし、もし聞く人がいたとしても、朝から晩まで聞き続けるわけにはいきません。
また、人間相手だと、何度も同じ質問をしたり、あまりにも初歩的な質問をしたりすることははばかられるところがあります。
ChatGPTなら、そういうことはありません。
わからないところを聞く勉強で、いちばん効果があるのは、数学とプログラミングです。
これから、ChatGPTや他のAIを利用した数学やプログラミングの勉強は、広がっていくと思います。
さて、ここまでが過去の話で、このあとは未来の話です。
今回のサーバー移転のひとつの目標は、森リンをAI化することでした。
森リンがこれまで使っていた日本語形態素解析ソフトのchasenがmecabに切り替わっているので、移転を機会に、mecabを利用し、併せて森リンの採点の仕組みを根本から見直そうと思ったのです。
AIの利用というのは、森リンの集計した語彙の点数を参考に、ChatGPTがアドバイスをしてくれるという仕組みを作ることです。
ところが、ホームページとChatGPTをつなぐAPIがまだ不十分なようで、別途作っていたカスタムChatGPTとつなげることができませんでした。
また、ChatGPTのバージョンも3.5turboということなので、やや力不足の気がします。
しかし、実際に動かしてみると、作文を送信したあと、一応それなりのコメントを返してくれました。
今後、ChatGPTとのAPIが改善されれば、更にいいコメントが返せると思います。
語彙の集計の仕方も見直したので、これからは学年別の採点ができるようになります。
今までは、小学生から高校生まで同じ基準で評価していましたが、今後、学年別の評価にすれば、もっとわかりやすい評価の見方ができるようになると思います。
言葉の森のホームページとChatGPTをつなげるAPIができたので、今後は、作文の評価だけでなく、他の勉強についても、ChatGPTの利用ができるようになります。
この分野は、まだ未知の世界ですから、これからいろいろおもしろいことができると思っています。
さて、今回のサーバー移転をきっかけとしてChatGPTの利用を経験して、これからの子供たちの勉強も大きく変わると思いました。
私がよく言っていることですが、第一は、家庭での自学自習が勉強の中心になるということです。
第二は、家庭での学習は、基本的な学力をつけるためのもので、本当の勉強は、創造的なものになるということです。
第三は、勉強の目的が、大学に合格することではなく、社会に出て活躍することになるということです。
そして、その社会に出て活躍するというのは、必ずしもいい会社に入って仕事をすることではなく、自分の個性的な仕事を立ち上げるということです。
近い将来か遠い将来かわかりませんが、エネルギーが限りなくフリーに近くなり、収入のほとんどがベーシックインカムになるような時代がやがて来ると思います。
そういう社会で楽しい人生を生きることが、これからの子供たちの目的になっていくと思います。
■■合格速報
●フェリス女学院大学 グローバル教養学部
<担当講師より>
小学生から入会し、高3まで、毎週必ず提出、欠席連絡も必ずしてくれました。本当によく頑張られました。継続は力なりです。これから、培った力を発揮していってくださいね。
●立教大学 スポーツウエルネス学部
<担当講師より>
合格おめでとうございます! 何事にも全力投球、絶対にあきらめない強い気持ちで取り組む姿勢は本当に立派です。一回一回じっくり取り組んでいた、その地道な努力が大きく実りましたね。これから始まる大学生活でも、大きな目標に向かって一歩また一歩と着実に歩みを進めてください。応援しています!
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● 言葉の森新聞2024年11月1週号 通算第1825号 (2288字) 言葉の森事務局 jun 2024年11月05日 15時34分
16697 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2024年11月1週号 通算第1825号
文責 中根克明(森川林)
■■オンラインクラス一覧表が、開けるようになりました
11月1日にサーバーは、新しく更新されましたが、オンラインクラス一覧表は、生徒のみなさんには開けない状態が続いていました。
講師や事務局では開けるようになっていたので、事情がわからず、対応が遅れてしまいました。
ご迷惑をおかけして、申し訳ありませんでした。
現在、オンラインクラス一覧表は開けるようになっています。
作文の送信もできますので、よろしくお願いします。
原因は、次のようなことです。
言葉の森が、ホームページを作ったのは、1996年とかなり早い時期でした。
今回の新サーバーでは、プログラム言語がバージョンアップされていたため、昔の古いプログラムで使えない箇所が多数出てきました。
一応、一括で直したのですが、手作業で直さなければならないところがまだかなり残っています。
ただし、新しいサーバーと新しいプログラム言語にしたことによって、ChatGPTなどのAIが、ホームページの中で使えるようになりました。
当面は、AI森リンを作りますが、そのあとは、教科の勉強にもAIを使えるようにしていく予定です。
■■国語読解クラス、基礎学力クラス、総合学力クラスの生徒の読解検定のやり方
読解検定のページが直りました。
上記の3クラスの生徒は、ウェブで読解検定を受けることができます。
しかし、読解検定として申し込んでいない場合は、問題の郵送、結果の郵送はありません。
【読解検定のやり方】
1.オンラインクラス一覧表の「国語読解クラス」「基礎学力クラス」「総合学力クラス」のいずれかのタイトルをクリックする。
2.左上から2行目の「読解検定と長文」をクリックする。
3.自分の学年と月をクリックする。
すると、問題文が4ページ表示される。
画面で見るのでは読みにくいので、できるだけプリントするとよい。
4.左上の「読解検定送信フォーム」をクリックすると答えが入力できる。
5.点数はすぐ表示されるので、×だったところはその理由を考える。
6.考えてもわからないときは、国語読解の掲示板に書く。
https://www.mori7.com/ope/index.php?k=45
■■勉強の種類――知識の勉強、理解の勉強、身体化の勉強
現代の勉強の性格は大きく変わりつつあり、従来の知識中心の学びから理解、そして身体化へとシフトしています。
この変化は、時代のニーズやテクノロジーの進化によるものです。
勉強には大きく3つの種類があります。
それは「知識の勉強」「理解の勉強」、そして「身体化の勉強」です。
これらは、それぞれの時代において異なる役割を果たしてきましたが、今後は身体化の勉強が中心となっていくと考えられます。
まず、「知識の勉強」とは、従来の教育における基本的な学びの形態であり、単に情報や事実を記憶し、知識を蓄積することが目的です。
かつては黒板と教室、そして教師がこの学びの中心でした。
しかし、インターネットの発展により、知識の習得はより効率的かつ迅速に行えるようになりました。
例えば、オンライン辞書や動画講義、Eラーニングプラットフォームなど、様々なツールを使うことで知識を手軽に得ることができる時代になっています。
その結果、知識の勉強が個人の生活や仕事の基盤であった時代は終わりを迎えつつあります。
次に、「理解の勉強」とは、単なる知識の暗記に留まらず、情報を自分の中で整理し、納得することを目指す学びです。
特に、数学や理科のような科目では、理解が深まることで初めて応用力が身につきます。
この理解の勉強において、重要なツールは詳しい解法の書かれた参考書や個別指導の先生です。
しかし、近年ではAI(人工知能)の導入により、理解の学び方も変わりつつあります。
AIは24時間365日対応可能で、初歩的な質問から高度な質問まで受け付けてくれるため、学習者が「分かったふり」をする必要がありません。
さらに、AIはどれだけ同じ質問をしても、常に丁寧に答えてくれるという利点があります。
このような環境での学びは、学習者の遠慮や恥ずかしさを軽減し、より深い理解を促進することが期待されています。
最後に、「身体化の勉強」とは、知識や理解を超えて、習得したことを自然な行動や習慣として身につける学びです。
スポーツや音楽、図工といった分野はこの身体化の勉強の代表例です。
これらの分野では、知識や理解だけではなく、身体を使って経験を通じて学びます。
ここで重要なのは、日本語力の身体化です。
特に抽象的な概念を自然に使いこなすことができるようになることが、思考力の向上に繋がります。
言い換えれば、日本語力を身体化することは、他の勉強をする上でも重要な基礎となります。
このように、現代の勉強は「知識」から「理解」、そして「身体化」へと段階的に進化しています。
知識を学ぶだけではなく、それを理解し、さらに自然に使いこなせるようになることが求められているのです。
身体化の勉強は、反復練習と時間の積み重ねが欠かせません。
具体的には、日々の読書や暗唱、発表、そして対話を通じて、自分の中に取り込んでいくことが大切です。
これからの時代、勉強の中心となるのは身体化であり、日々の実践が重要な役割を果たします。
したがって、これからの学習者は知識の蓄積に留まらず、理解を深め、さらにその理解を身体化することに努めていくことが必要になるのです。
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● 言葉の森新聞2024年10月4週号 通算第1824号 (3910字) 言葉の森事務局 jun 2024年10月24日 10時27分
16627 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2024年10月4週号 通算第1824号
文責 中根克明(森川林)
■■10月29日(火)・30日(水)・31日(木)は休み
10月29日(火)・30日(水)・31日(木)は、第5週のため通年クラスの授業はありません。振替授業もお休みです。
なお、29日~31日は、サーバー移転のため、言葉の森のホームページは使えません。
■■第4週は清書。幼稚園生は作文(作文クラス)
幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。
小学1年生以上の生徒は、清書を行います。
■清書の意義と方法
清書とは、これまでに書いた作文の中で内容がよかったものを書き直すことです。
内容がよいとは、個性、感動、共感などがあるということです。
書き直すときは、次の点に留意してください。
(1)漢字で書けるところは漢字で書く。
(2)たとえや自作名言を工夫できるところがあれば工夫する。
(3)似た話や続きの話を書くことによって字数を増やす。
(4)作文用紙の空いているところに絵などをかいてもよい。
■清書の投稿
清書した作文は、小学生新聞や一般紙などに投稿してみましょう。
手書きの清書の原本を、新聞社に投稿したり、コンクールに応募したりする場合は、清書のコピーの方を先生に送ってください。
新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(2)学年(3)自宅の住所(4)自宅の電話番号(5)学校名とふりがな(6)学校所在地(町村名までで可)など。
投稿する際は、ペンネームを本名に訂正しておいてください。作文の中に友達の名前が固有名詞で入っている場合は、イニシアルなどに直しておいてください。投稿する作文の内容は、保護者がチェックしてあげてください。
同じものを複数の新聞社やコンクールに送らないようにしてください。これは二重投稿といって、もし両方に掲載されてしまった場合、掲載先に迷惑をかけることになります。
●小学生新聞の投稿先
■104-8433東京都中央区築地3-5-4 朝日小学生新聞「ぼくとわたしの作品」係
●新聞社に送る清書は市販の原稿用紙に
新聞社に送る清書は、市販の原稿用紙に書いてください。
その理由は、清書は個人で送るものなので、自分で用意した原稿用紙に書くのが、社会的なルールとなるからです。
※清書した作文を投稿しない場合でも、額などに入れて家の中に飾っておきましょう。
■■2024年10月保護者懇談会資料
●サーバー障害のお詫び
9月下旬から10月にかけて、サーバー障害によりホームページの閲覧や送信が大幅に遅れるようになりました。
ご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。
原因は、海外からのDDOS攻撃という手法で、膨大なアクセスを言葉の森のサーバーに送りつけサーバーをダウンさせ、サーバーの中に入ろうとしていたということのようです。
対策として、遅いクエリを修正することと、新しいファイアーウォールを設定することで、対応しました。
●11月から新しいサーバーに移転――しばらくの間、一部のページしか使えません
11月から新しいサーバーに移転します。
OSも、プログラム言語も新しいバージョンになるので、直すところがかなりあります。
現在、全ファイルの修正を行っているところですが、複雑な作業になるため、11月からは、一部の必要なページだけを稼働することになりそうです。
とりあえず、現在ほぼ直っているところは、
・ホームページの表紙・オンラインクラス一覧表・個別れんらく板・検索の坂
までです。
このあと、
・作文の丘・山のたより・発表室連絡・読書記録・自習記録・確認テスト・暗唱検定・教材注文・森リンベスト・絵の実・森の掲示板・受講案内・体験学習
などのページを直す予定ですが、1日に2つぐらいずつしか直せないので時間がかかります。
10月29・30・31日は、サーバー移転のため、言葉の森のページはどこも使えませんので、この期間に振替授業に参加される方は、27日までに予習メモ、読書記録などをアップロードしておいてください。作文の送信は、11月1日以降にお願いします。
●ChatGPTを活用した新しい勉強法
今後の勉強は、AIを活用したものになります。
ChatGPTは、まだ検索の代わりに使うような利用が多いと思いますが、実は、あらゆることを教えてくれる一流の家庭教師のような存在です。しかも、無料です。
より高度な利用をするなら月額20ドルの有料になりますが、普通に使うだけなら無料でいいです。
将来、中学生や高校生などで、学校の定期テストや志望校の模擬試験を、ChatGPTを使って作るような子も出てくると思います(笑)。
これまでの過去問を読み込ませれば、そういうこともすぐにできます。
また、自分が苦手な分野の問題と似た問題を、ChatGPTを使って大量に作ってもらうこともできます。
英語などでは、音声でChatGPTとやりとりをして、そのあと、自分の話のどこを直したらいいか教えてもらうこともできます。
言葉の森でも、サーバー移転が一段落したら、AI森リンをはじめとして、AIを利用した学習システムを作っていく予定です。
13歳からは、Gmailでメールアドレスを作れるので、そのメールアドレスで、ChatGPTの無料アカウントを作っておくとよいと思います。
13歳未満でも、保護者の監督のもとで生徒個人用のメールアドレスを作ることはできます。
今後、AIの利用によって、勉強の仕方は大きく変わってきます。
子供たちの適応力は高いので、新しい技術には早めに対応できるようにしていくといいと思います。
●吸収する勉強から発表する勉強への転換
これまでの勉強は、知識を吸収しそれをテストで再現するという勉強でした。
今でも、多くの学校の試験は、そのパターンです。
すると、記憶力のいい子か、勉強時間を長くかけた子が、いい成績を取るようになります。
昔は、そういう勉強にも意味がありました。
しかし、これからは、そうではありません。
大学入試の総合選抜、高校の授業の探究学習などに見られるように、勉強の方向が大きく変わってきています。
同じようなことを言っている人がいました。
「東大の入試問題を見れば「頭のいい子」の条件がわかる…名門進学校の教諭が最も重視する"学力以外"の能力」
https://president.jp/articles/-/86772
ここに書いてあることは、簡単に言えば、「吸収するよりも発表すること」「読むよりも書くこと」が大事だというようなことです。
東大の入試は、確かに国語の選択問題は1問もありません。すべて記述問題です。
選択問題は、大学入試共通テストまでです。
読む力、選ぶ力よりも、書く力、表現する力が評価されるようになっているのです。
しかし、発表型の勉強は、優秀で意欲的な生徒でないと、かつてのゆとり教育のような勉強になりがちです。
また、子供自身も、発表型の勉強よりも吸収型の勉強の方が、勉強した気がする面があります。
言葉の森では、今後、子供たちが意欲的な発表ができるような仕組みを作っていきたいと思っています。
その主なやり方は、表彰システムを大幅に拡大することです。
●家庭での自学自習が勉強の基本――自習室を活用しやすくする方法を検討中
勉強は、学校や塾でするよりも、家庭で自分ひとりでするのが最も能率のよいやり方です。
しかし、小学生や中学生は、まだ勉強の自覚がないので、ひとりではなかなか勉強に取り組めません。
そこで、自習室をもっと活用しやすくし、先生がその子の勉強の様子を見て、自習室での勉強を指示するというようなこともしていきたいと思っています。
国語、算数数学、英語の確認テストを見ると、成績の悪い子が時どきいます。
今後、それぞれのクラスの授業を受けない人でも、問題集さえ購入すれば確認テストができるようにして、勉強のトータルなアドバイスをできるようにしたいと思っています。
●読書のレベルが、将来の学力のレベルになる
中学生や高校生で、読書の質が低い生徒がいます。
また、物語の本しか読んでいない子もいます。
逆に、小学校高学年で、読書の質が高い生徒もいます。
子供たちは、学校の勉強を第一に考えがちですが、あとになって残るのは読書の力です。
読書の質が低い、または、読書の量が少ない生徒は、学年が上がるにつれて成績が上がらなくなります。
それは、読書とは、思考力をつけるものだからです。
そのためには、難しい本を読む必要があります。
小中学生のころは、勉強にまだ考える要素が少ないので、勉強さえしていれば成績が上がるように思いがちです。
しかし、高校生、大学生になると、考える力がなければ、勉強だけしていても成果を上げることはできなくなります。
中学生以上の生徒は、やさしい本や物語の本だけでなく、できるだけ難しい説明文意見文の本も取り入れて読むようにしていくことが大事です。
ただし、難しい本を読ませようとして、読書量が低下しては、かえって読書力がつかなくなります。
複数の本を並行して読むような方法で、読書量は低下させずに、少しずつ難しい本を読むことに慣れていくといいと思います。
複数の本を読むには、付箋読書が役に立ちます。
https://www.mori7.com/mori/hp_senn_husenn.php?table=beb_article
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● 言葉の森新聞2024年10月3週号 通算第1823号 (3948字) 言葉の森事務局 jun 2024年10月16日 12時45分
16596 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2024年10月3週号 通算第1823号
文責 中根克明(森川林)
■■【連絡】個別れんらく板の先生からの連絡は差し出し人が先生のペンネームとコードになります
個別れんらく板からの連絡について、これまで、先生からの連絡は、
「○○様←中根克明」などとなっていましたが、10月13日から、
「○○様←森川林(nane)」と、ペンネームと講師コードを併用したかたちになります。
■■【重要】受講停止・退会の連絡は、毎月15日までにお願いします
受講停止又は退会の連絡は、20日までに連絡があった場合、その月の末で終了としていました。
しかし、この日程ですと、受講料自動振替を金融機関に報告する日程とぶつかることがわかりました。
そこで、10月より、受講停止・退会の連絡は、毎月15日までとさせていただきます。
よろしくお願いいたします。
■■勉強の基本は、家庭での自学自習。家庭学習をやりやすくする新しい自習室のシステムを計画中
■ 家庭での自学自習の重要性
勉強の基本は、家庭での自学自習にあります。
現在、世の中には解法がていねいに説明された参考書が数多く出回っているため、自分で学ぶ環境は整っています。
そのため、答えが存在するような学習内容については、必ずしも塾や家庭教師に通い、人から教わる必要はありません。
しかし、学習を自ら進めるには自己管理能力が求められ、それが未熟なうちはなかなか独力では勉強が進まないのも現実です。
■ 子供にとっての学習環境と家庭の変化
子供が中学生までの年齢では、ひとりで勉強をする自覚がまだ育っておらず、教室のような仲間と一緒に学べる場があって初めて集中できることが多いものです。
高校生以上になれば、自己管理の意識が芽生え、自宅での学習もできるようになりますが、それまでは適切な環境づくりが欠かせません。
昔は、保護者や家族が家にいる時間が長く、子供が学校から帰宅した後、自然と勉強する習慣を家庭内で身につけやすい状況がありました。
しかし、現代では多くの家庭で保護者が仕事で帰りが遅くなるため、家庭内で子供の学習をサポートすることが難しくなっています。
■ 宿題とテストに依存しない自学の仕組み
その結果、子供の勉強は、宿題やテストといった「外部からの強制」に依存する傾向があります。
しかし、本来、学力を高めるためには、自分で選んだ教材を繰り返し学習することが大切です。
宿題やテスト対策のためだけに時間を費やしても、十分な力はつきません。
子供が自ら学ぶ習慣を身につけ、外部の強制ではなく、自己決定による学習を促す取り組みが必要とされています。
■ 言葉の森による自習室の活用と今後の展望
「言葉の森」では、自習室をさらに使いやすくし、家庭学習を支援する新たな方法を導入しようとしています。
具体的には、国語や算数・数学、英語などの授業で、生徒が次の週までに家庭で行う学習計画を立て、その計画を生徒・先生・保護者が共有します。
生徒は家庭でその計画に従って、自習室に入って勉強を進めます。
自習室では、Zoomのブレークアウトルームを利用し、100か所の個室で自由に学習ができます。
各個室はカメラをオンにした状態で利用し、他人の目を意識することで集中力を高めます。
しかし、もちろん他人に部屋の様子が見えることはありません。
このシステムでは、他の生徒とペンネームを通じて交流し、仲の良い友達と同じルームで勉強することも可能です。
学習の内容や時間は、事前に自習記録に登録することで、後から振り返ることができます。
また、タイマーを使って「この勉強は何分以内で終わらせる」といった時間制限を設けることで、集中力を高める工夫をすることが大切です。
ネットを通じた学習では、休憩の際に他のサイトを見ることもありますが、タイマーを使った計画的な休憩により、時間のコントロールができます。
このような自習室を小学校低学年から利用できるようにすることで、中学生や高校生になったときにも、同じように自学自習の習慣を続けられるようになります。
このような自習室を活用した学びのスタイルが、今後の勉強のスタンダードになると思います。
■■AI時代の教育は、積み上げ型から山頂型へ。学校は知識を蓄積する場ではなく、創造し発表する場に
● AI技術の進化と教育の変化
AI技術の発達によって、これからの教育は大きく変わっていきます。
従来の教育は、知識や記憶を積み重ねていく「積み上げ型」が主流でしたが、これからは「創造」と「発表」を重視する「山頂型」へと移行していくと考えられます。
積み上げ型の教育は、学んだ内容が次のステップの基礎となる一方で、学習の成果が見えにくく、達成感を得づらいという課題がありました。
しかし、AIの導入によって、教育のゴールを先に設定し、その後に必要な学びを補うという新しい学習の形が可能になります。
● 各教科と積み上げ型学習の課題
積み上げ型の学びの代表的な教科として、算数・数学やプログラミングが挙げられます。
これらの科目は、基礎の積み重ねが大切ですが、その一方で、特に初期段階の学習が退屈であることも事実です。
算数や数学は四則計算のような基礎から順に学ぶカリキュラムが整備されているため、学習の初期段階で行き詰まることは少ないですが、プログラミングでは学習の進め方がまだ確立されていない部分もあります。
たとえば、ビジュアルプログラミングのScratchから、コードを書くJavaScriptに移行する際に、多くの学習者がつまずいてしまうことがあります。
英語は積み上げ型の側面を持ちながらも、生活の中で使う「手段」としての性格が強いため、将来的にはAIによる通訳や翻訳などのツールがこの役割を代替する可能性があります。
理科や社会科は、理解することで学びが完結するため、読書のように知識を吸収する科目と考えられます。
国語、つまり日本語の学習は、単なる知識ではなく、考える力や表現力を育む重要な教育であり、今後の学びの中心になると考えられます。
● AIによる学習スタイルの転換
従来の積み上げ型学習では、新しい知識を積み重ねても、なかなか目に見える成果を感じられないことが多くあります。
しかし、AIを活用することで、このような学びを「山頂型」に切り替え、まずは結果を出すことを優先し、その後で理由を学ぶという流れが実現可能になります。
学習途中でわからないことがあっても、AIに質問すれば解決でき、積み上げ型の学びに戻る必要はありません。
必要なときだけAIに頼り、より深く知りたい部分だけを掘り下げて学べば十分です。
このように、学習が山頂型に変わることで、教える先生や教科書、そして学校という「教える場」の存在意義が再考されるかもしれません。
AIを活用して、自学自習を進めることができれば、子供たちは自分のペースで学び、知識を活用する力を伸ばせます。
そして、学校は学ぶ場というよりも、創造したものを発表する場としての役割を果たすようになるでしょう。
● 反転学習の本格的な普及と創造的学習への移行
この新しい学びのスタイルは、かつて「反転学習」と呼ばれていたものの進化版ともいえます。
反転学習とは、授業で教えるのではなく、自宅で学び、学校ではその学びを深めたり発表したりする形の学習法です。
AIを利用することで、この反転学習はより意味のあるものとなり、子供たちは創造と発表を重視した勉強に取り組めるようになります。
ただし、多くの子供たちや学校がこの変化についていけていないのが現状です。
現在、中学生たちの学びの多くは、宿題をこなし、テストで良い成績を取るためのものであり、そのために時間をいかに効率的に使うかが求められています。
私自身も、かつて「1分1秒でも惜しい」と感じながら勉強に励んでいた記憶がありますが、それが知識と記憶の積み上げに基づく勉強だったからだと、今になってわかります。
本当の勉強は、何時間も何日もかけて考えるものです。
AIを活用した新しい学びのスタイルは、子供たちが創造的に考え、自分の考えを表現し、それを発表するものになります。
これからの教育では、知識を蓄えるだけでなく、考える力を伸ばし、創造力を育むことが求められるようになります。
● 未来の教育と学びの姿
AI技術を活用した教育の進化により、これからの子供たちの勉強は、知識や記憶のためだけのものではなく、創造と発表のための学びへと変わっていくでしょう。
自学自習のスタイルを確立し、AIにサポートを受けながら、自分のペースで学びを進めることが当たり前の時代が来るでしょう。
そして、学校は知識を教える場所ではなく、創造と発表の場へと変わり、子供たちは自らの考えやアイデアを発信する経験を積むようになるでしょう。
こうした変化が、これからの新しい教育のスタンダードとなっていくと思います。
■■【合格速報】上智大学 総合人間科学部心理学科
●上智大学総合人間科学部心理学科 M.R.さん
<生徒さまより>
長年の作文の経験は受験準備中も受験日当日も常に生きていると感じ、本当にやっていて良かったなと思っています。辞めるまで毎週作文を見てくれて、前向きなコメントをくれたH先生には、感謝してもしきれないくらいです。本当にありがとうございました。
<担当講師より>
書くことが大好きで毎週欠かさず取り組んでいました。レッスンでも課題はもちろんのこと、作文以外の話も分かち合ったりしていました。合格報告を受け、我が子のことのように嬉しく感じています。
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● 言葉の森新聞2024年10月2週号 通算第1822号 (4264字) 言葉の森事務局 jun 2024年10月09日 11時29分
16561 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2024年10月2週号 通算第1822号
文責 中根克明(森川林)
■■10月14日(月)は「休み宿題」
カレンダーに記載してあるとおり、10月14日(月)は「休み宿題」となります。
作文個別と作文クラスの生徒は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考に自宅でその週の課題を書いて提出してください。他の日に振替授業を受けることもできます。
「授業の渚」
http://www.mori7.com/nagisa/index.php
「ヒントの池」
http://www.mori7.com/mine/ike.php
作文以外のクラスの生徒も他の日に振替授業を受けることができます。
■■ChatGPTは、ワンポイントのアドバイスをしてくれる超一流の家庭教師――特に、数学の苦手な子にとっては新しい勉強法になる
中学生、高校生は、数学の勉強にChatGPTを活用しようという話です。
ChatGPTは、自分専用の超一流の家庭教師です。
どんなことでも、専門家として教えてくれます。
しかも、夜中に突然質問をしても、同じことを何度も聞いても、初歩的すぎて人には聞けないようなことも、いつでも丁寧に返事をしてくれます。
ChatGPTを使った勉強法は、まだあまり行われていません。
しかし、数年後には、ChatGPT勉強法が主流になります。
中学生以上のみなさんは、今からChatGPTを使った勉強に取り組んでいきましょう。
最初は、自分(森川林)の体験から話をします。
サーバーの障害と外部からの攻撃が重なって、言葉の森のホームページがなかなか開けない状態が続いていました。
そこで、ChatGPTに原因になりそうなことを聞いてみました。
すると、いろいろな原因の中に、データベースのクエリの中に重い動作をするものがあるということもありそうでした。
そこで、ChatGPTに、動作の遅いクエリをどう探すのか聞いてみました。
こういうことは、データベースの本を何冊か読まないとわからないことです。
それを、ピンポイントで焦点を絞って教えてくれるのです。
私は、このとき、ChatGPTの価値がよく理解できました。
2日間ぐらいのChatGPTとの対話で、問題点がほぼわかったのです。
もうひとつ、私の昔の話ですが、高校生のころ、数学の勉強をしてわからない問題があったときのことです。
私は、そういうときは、その問題を考えながら、夜の街を何時間も歩くことにしていました。
それで、わかるときもあるし、わからないときもありました。
私は、高校生のころ数学は得意だったので、数学はそういう勉強をするものだと思っていました。
しかし、これは、答えのある受験数学の勉強法としては、もっともよくない方法だったのです。
ということが、今はわかります。
わかるまで考えるというのは、答えのない数学に取り組むときの話です。
それは、数学者の仕事です。
受験の数学は、答えがあるのですから、考えるのは解法を理解するために考えるということでよかったのです。
数学の苦手な子供に、どういう勉強をさせるかというと、わかるところまで戻って教えるというのが、これまでのオーソドックスな数学の勉強の仕方でした。
しかし、これでは、成果が出るまでに時間がかかりすぎます。
これからのいい勉強法は、できない問題があったときに、ピンポイントでChatGPTに解き方を聞くのです。
それでわからなかったら、更に質問を続けてわかるまで聞けばいいのです。
更に、その解き方を身につけるために、似た問題も作ってもらいます。
同じような勉強法は、国語でも英語でも理科でも社会でもできますが、私は、数学の勉強に使うのが最も効果があると思います。
ChatGPTの活用法は、まだあまり出ていませんが、これからいろいろな工夫が生まれてくると思います。
中学生(13歳)以上の人は、自分のメールアドレスをGmailで作れます。
13歳未満であっても、保護者の監督のもとに、生徒個人のメールアドレスを作ってもらうことができます。
メールアドレスがあれば、ChatGPTのアカウントが無料で作れます。
ChatGPTで、プログラムを作るというような「作る」作業をするには、月20ドル(約3000円)の有料アカウントが必要になりますが、それはそういう「作る」作業をしたくなってからでいいです。
AIテクノロジーは、これから更に発展していきます。
生徒のみなさんは、ぜひ、こういう新しい技術を早く使えるようにしていってください。
■■プログラミングの学習も、数学の学習も、どの教科の学習も、やがて山頂型学習になる――AI時代の教育は大きく変わる
プログラミングの学習は、役に立ちます。
特に、自分で新しく何かを始めようとする人にとっては、ある程度のプログラミングの知識技能は必要です。
それは、自分で何かを始めようとする人にとって、車を運転できることがある程度必要であるのと似ています。
ところが、プログラミング学習の難しいところは、積み重ね型の学習であるために、最初のころの知識の習得に時間がかかることです。
見晴らしのいい尾根に上がるまでの間に、歩かなければならない単調なアプローチの距離がかなり長いのです。
その対応策として、プログラミング学習の導入部分を、興味の持てるゲーム作りにしたり、ロボット作りにしたりという工夫が数多く生まれました。
しかし、ビジュアルプログラミングで、自分なりのプログラミングを作れるようになった子も、その後、コードプログラミングに移行する段になると、その単調さに飽きてしまうことが多かったのです。
ところが、この積み重ね型のプログラミング学習が、大きく変わる可能性が出てきました。
それが、AIの活用です。
プログラミングの学習と似た事情は、数学の学習についても言えます。
子供がある時期に数学が苦手になると、それを得意教科にするまでがんばるということは、なかなかできなくなります。
それは、数学が、典型的な積み重ね型の学習だからです。
苦手になったときに、どこから手をつけていいかわからなくなるのです。
積み重ねが必要だということは、多かれ少なかれ、どの教科の勉強にもあてはまります。
しかし、それらが、AIの利用によって変わる可能性が出てきたのです。
積み重ね型の学習に対して、正反対の学習を山頂型の学習と呼びたいと思います。
スキーの練習のごく初期のころは、麓から山頂まで歩いて登る過程が必要でした。
今は、リフトで山頂まで行けますが、リフトのない山には行くことができません。
ところが、ヘリコプターで山頂まで行くという方法もあるのです。
スタートが山頂で、そこからゆっくり麓まで降りていくというスキーの仕方です。
プログラミングの学習における山頂とは、「こういうものを作りたい」というイメージです。
数学の学習における山頂とは、「この問題を解きたい」という目標です。
積み重ね型の発想をしているかぎり、そのイメージや目標を実現するためには、長い下積みの苦労をしなければならないというのがこれまでの考え方でした。
しかし、AIを利用すれば、すぐに自分の望むプログラミングを作ってもらえます。
数学でも、すぐに解き方を教えてくれます。
そのあと、そのプログラミングの詳しい意味を聞いたり、数学の解き方の更に詳しい説明を聞いたりしていけばいいのです。
聞くことにも、もちろん時間はかかります。
しかし、下から登っていく苦労に比べたら、上から下へ降りる苦労は、比較にならないぐらい小さなものです。
下から登るためには、麓を全部回る必要がありました。
上から降りるには、必要なところだけ下っていけばいいのです。
これが、山頂型学習の特徴です。
AIの利用によって、これからの勉強の仕方は大きく変わります。
AIは、答えを教えてくれるだけではありません。
もし、自分の苦手な問題があれば、それと似た問題を何問も作ってもらうこともできます。
英語の場合は、音声のやりとりもできるので、ヒアリングとスピーキングの勉強も同時にできます。
AIと英会話で話をしたあと、自分の言った英文のどこを直したらいいかを聞けば、丁寧に教えてくれます。
人間では、なかなかここまではできません。
AIは、勉強のすべての分野をカバーしている、自分だけの超一流の家庭教師です。
山頂学習ということで言えば、登りたい山の頂上にすぐに連れていってくれる空飛ぶ乗り物と言ってもいいでしょう。
では、実際に、プログラミング学習がどういうかたちになるかというと、まず、生徒は、自分の作りたいものをChatGPTに作ってもらいます。
すると、Pythonのプログラミングコードがわかります。
勉強好きな子なら、そのコードを読むために、AIに更に質問をするか、又は、Pythonの勉強を始めるでしょう。
この下り坂の勉強の仕方は、自分のしたかったことと結びついています。
ゲーム作りやロボット作りから、コードプログラミングに移り、長い登り坂を経て尾根に上がる勉強よりもずっと楽にできます。
しかし、そういうプログラミングの勉強をわざわざ始めなくても問題はありません。
こういう命令をしたら、こういうものができたから、次は、どういう命令をしてみようかと考えるようになればいいのです。
ちょうど、Midjourneyなどの画像作成ソフトの使い方と同じです。
言葉による入力と、画像による出力との間のブラックボックスがどうなっているかは誰にもわかりません。
作った人自身がわからないのが、深層学習の特徴です。
だから、わかることよりも、使えることが大事になるのです。
AIの活用に伴って、勉強のスタイルも変わってきます。
これまでは、答えのある知識を吸収することと中心に勉強が組み立てられてきました。
そのわかりやすい表現が、テストや宿題や点数や成績でした。
これからの勉強は、吸収するだけの勉強ではありません。
これからの勉強は、創造し発表することが中心の勉強になるのです。
言葉の森が今考えているのは、データベースとChatGPTを組み合わせ、山頂型学習で学力を身につけ、創造発表教育で、勉強の方向を吸収から創造と発表へと発展させる教育です。
これから、新しい勉強法を作っていきたいと思います。
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● 言葉の森新聞2024年9月4週号 通算第1820号 (8409字) 言葉の森事務局 jun 2024年09月22日 12時23分
16447 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2024年9月4週号 通算第1820号
文責 中根克明(森川林)
■■9月29日(日)・30日(月)は休み
9月29日(日)・30日(月)は、第5週のため通年クラスの授業はありません。振替授業もお休みです。
■■第4週は清書。幼稚園生は作文(作文クラス)
幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。
小学1年生以上の生徒は、清書を行います。
■清書の意義と方法
清書とは、これまでに書いた作文の中で内容がよかったものを書き直すことです。
内容がよいとは、個性、感動、共感などがあるということです。
書き直すときは、次の点に留意してください。
(1)漢字で書けるところは漢字で書く。
(2)たとえや自作名言を工夫できるところがあれば工夫する。
(3)似た話や続きの話を書くことによって字数を増やす。
(4)作文用紙の空いているところに絵などをかいてもよい。
■清書の投稿
清書した作文は、小学生新聞や一般紙などに投稿してみましょう。
手書きの清書の原本を、新聞社に投稿したり、コンクールに応募したりする場合は、清書のコピーの方を先生に送ってください。
新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(2)学年(3)自宅の住所(4)自宅の電話番号(5)学校名とふりがな(6)学校所在地(町村名までで可)など。
投稿する際は、ペンネームを本名に訂正しておいてください。作文の中に友達の名前が固有名詞で入っている場合は、イニシアルなどに直しておいてください。投稿する作文の内容は、保護者がチェックしてあげてください。
同じものを複数の新聞社やコンクールに送らないようにしてください。これは二重投稿といって、もし両方に掲載されてしまった場合、掲載先に迷惑をかけることになります。
●小学生新聞の投稿先
■104-8433東京都中央区築地3-5-4 朝日小学生新聞「ぼくとわたしの作品」係
●新聞社に送る清書は市販の原稿用紙に
新聞社に送る清書は、市販の原稿用紙に書いてください。
その理由は、清書は個人で送るものなので、自分で用意した原稿用紙に書くのが、社会的なルールとなるからです。
※清書した作文を投稿しない場合でも、額などに入れて家の中に飾っておきましょう。
■■2024年9月保護者懇談会資料
●動画
https://youtu.be/nmsN-X10L_c
●受験作文コースの勉強の仕方で重要なこと
通常の作文の勉強では、ご家庭では、子供の書いた作文を見て、いいところを褒めるだけがいいのですが、受験作文の場合は違います。
お母さんとお父さんが子供さんと一緒に、書き上げた作文を推敲します。
そして、もっといい実例はなかったか、感想をもっと深く書くにはどうするか、ということを検討します。
検討の結果、家庭で作文に赤ペンを入れ、推敲した作文を子供が毎日読めるようにします。
受験のときは、親が関わることが大事です。
子供も、受験のときは、そういう親の関わりを嫌がりません。
●読書のすすめ
中学生、高校生になると、本を読まなくなる子が増えます。
それは、小学生時代に物語文の本しか読まなかったために、中学生や高校生になっても読書というと物語文の本を考えてしまうからです。
物語文の本は、娯楽の本ですから、勉強が忙しくなると、自然に後回しになります。
しかし、説明文の本の面白さを知らないので、そのまま読書をしなくなってしまうのです。
対策としては、小学校高学年からは、物語文のほかに説明文の本を読む習慣をつけることです。
●いい本の選び方
全国学校図書館協議会のページに、例年の読書感想文の課題図書の一覧が載っています。
課題図書の今年の本ではなく、過去の本を見てみます。
https://www.j-sla.or.jp/contest/youngr/pastbook/612015.html
課題図書になっている本は、それなりに面白い本が多いです。
その本の署名をアマゾンで検索すると、多くが1円から数十円の中古品になって売られています。
中古品の本の送料は250円ですから、比較的手軽に良書を手に入れることができます。
近くにブックオフなどがあれば、そこで、過去の課題図書になったことのある本を選ぶこともできます。
子供には、良書をすすめることが大事です。
子供の好きな選択に任せていると、怖い本とか気持ち悪い本とかが中心になることがあります。
こういう商業主義で作られた本は、ほどほどにしておくことが大事です。
いずれ学校図書館協議会の本は全部リスト化して、スマホで検索できるようにしたいと思っています。
(GPTsを使うと、そういうことができるようなので)
●授業に遅刻、欠席する場合は連絡を
ほとんどの人が、遅刻や欠席の連絡を入れてくれます。
また、たまにどうしても事前の連絡ができず、あとから連絡を入れてくれる人もいます。
こういう連絡さえあれば問題ありません。
しかし、子供によっては、いつも漠然と数分の遅刻する子がいるようです。
日本の社会では、遅刻は信用をなくすいちばんの原因になります。
家庭でのしつけとして、遅刻や欠席をするときは必ず連絡を入れるということを子供さんに伝えておいてください。
●作文の準備をきっかけとして親子の対話を進める
小学3年生から、題名課題と感想文課題になります。
あらかじめ書く課題が決まっていますから、これを利用して親子の対話を進めることができます。
土日の家族のだんらんの時間に、次の週の作文の課題を子供に聞き、その課題について、お父さんやお母さんが自分の子供のころの体験談を話してあげるのです。
小学校中学年のころに、この親子の対話の習慣ができると、子供が小学校高学年になってもこの対話の習慣を続けることができます。
中学生になると、子供も反抗期になるので、対話はあまりできなくなりますから、小学校高学年のころの対話は貴重な機会になります。
この対話によって、子供の語彙力、思考力、題材力が育ちます。
作文の準備を生かして、親子の対話を進めていってください。
●子供の片付けと掃除の習慣作り
夏休みの宿題などで、早めに仕上げてしまう子と、ぎりぎりまで後回しをする子がいます。
私(森川林)は、ぎりぎりまで後回しにする子でした(笑)。
後回しにする子は、最後に爆発的な集中力で仕上げる力があることが多いのですが、社会生活では、いろいろ困ることが出てきます。
やらなければならないことは早めに済ませる習慣を子供のうちからつけておくと、生涯役に立つ習慣になります。
そのための方法としておすすめできるのは、掃除や片付けの習慣です。
「賢い子のそうじ力」
https://www.amazon.co.jp/dp/4534061072/
どこか、一か所でもいいので、毎日きれいに掃除をし片付けることを義務化しておくと、生活全体が早めに片付くようになります。
中学生高校生の定期テスト対策は、普通の子がテストの1週間前から勉強するところを、2週間前から始めることです。
掃除や片づけの習慣をつけておくと、こういう先取りの勉強が自然にできるようになります。
こういう習慣づくりは、小学生のできるだけ小さい時期から始めるといいと思います。
■■未来教育宣言(その1)――受験のための勉強を超えて、自分の向上のための勉強を
現在の教育の問題点の第一は、受験のための教育が中心になっていることです。
学校は、生徒に差をつけるために、間違えやすい問題を出します。
生徒の人生にとって重要な問題を出すのではなく、間違えやすい問題を出すのです。
すると、塾や予備校は、その入試問題に合わせて、間違えやすいところの勉強に力を入れます。
学校側は、塾や予備校の対策を上回るように、更に間違えやすい問題を出します。
子供にとって人生に役立つ重要な問題ではなく、試験をする側にとって選抜しやすい間違えやすい問題を出すことを中心に教育が行われているのです。
子供は、もっと本当に大事なことを中心に学ぶべきです。
そうすれば、今よりもずっと短時間で必要な勉強を身につけることができます。
では、どうしたらいいかというと、今の受験勉強を超える方法を考えるよりも、受験がいずれなくなるという未来を考えることです。
受験があるのは、受け入れる生徒に定員があるからです。
生徒に定員があるのは、限られた場所に、限られた机と椅子があり、限られた先生が勉強を教える仕組みになっているからです。
オンラインで勉強を行い、オンラインの友達どうしの自由な選択で一緒に学ぶクラスメイトを選ぶようになれば、受け入れる生徒の数を受験で選抜する必要はなくなります。
だから、今、受験に合わせて勉強している子供たちは、いずれ受験がなくなることを見越して、自分にとって大事な勉強に力を入れていくことです。
受験に合わせた勉強ではなく、自分自身の向上のために勉強するということです。
将来、世の中に出たときにどういう実力をつけていくかということを考えて勉強していくのです。
それには、幅広い教養も含まれます。
しかし、それは受験のための教養ではなく、自分の将来の人生のための教養です。
(つづく)
■■未来教育宣言(その2)――記憶力で知識を再現する勉強ではなく、思考力と創造力を使う勉強へ
現在の教育の問題の第二は、知識を記憶し再現するための教育が中心になっていることです。
その理由は、知識の記憶と再現は、答えがひとつしかないので採点がしやすいからです。
また、昔は、さまざまな知識を記憶しておくことが、生活する上でも勉強する上でも役に立ちました。
しかし、今は、ものの考え方と、そのために必要な知識の探し方を知っていれば、ほとんどのことは間に合います。
もちろん、身体化された知識は、ある程度は必要です。
それは、基本的な日本語力、計算力、数学力、そして、理科や社会の分野のさまざまな科学的知識です。
話は少し変わりますが、そういう知識を記憶する力をつけるのに役立つのは、小学校低学年からの暗唱です。
ところで、現在の学校教育で行われている知識の勉強は、子供たちにとって必要な知識の範囲を超えて、成績の差をつけるために行われているのです。
では、どうしたらいいかというと、テストには、教科書も参考書も辞書も電卓も、すべて持ち込み可で行うようにすればいいのです。
子供たちが社会に出てから何かを学ぼうとするときは、すべて持ち込み可で利用できます。
学校の中でだけ、子供たちが何も持たない原始人であるかのようにテストが行われているのです。
そもそも、記憶力で差をつけようとするところに、大きな問題があります。
記憶で差をつける勉強をさせられているので、子供たちの勉強も、一夜漬けのような記憶に頼った勉強になります。
今の勉強では、成績は、かけた時間に比例します。
しかし、かけた時間に比例するような勉強の内容そのものに問題があるのです。
本当に評価する価値があるのは、記憶力ではなく思考力です。
私(森川林)の教えている算数数学のクラスでは、子供たちに質問するときに、よくこう言います。
「この問題はどうやって解くの? 答えまでは言わなくてもいいから、考え方を言ってね」
問題の解き方さえわかれば、あとの答えを出すことは誰でもできるのです。
また、子供たちに解けない問題があったときは、こちらから教えることはせずに、こう言います。
「次の週までに、先生に説明できるように考えてきてね」
(つづく)
■■未来教育宣言(その3)――思考力、創造力を育てる、作文の勉強と国語の勉強
記憶力ではなく思考力を育てることが、今後の教育の重点になります。
しかし、今の子供たちは、記憶の勉強に適応しているせいか、考える勉強を負担に感じることがあります。
考えるよりも、作業的に行える勉強の方を好む面があるのです。
だから、私は、できるだけ思考力や想像力を使うようなかたちで勉強を行うように工夫しています。
思考力、創造力を使う勉強の代表は、作文の勉強です。
作文は、自分なりに考えていかなければ書けません。
だから、作文の勉強をするときには、精神的なエネルギーが必要です。
ほかの勉強の多くは、記憶を再現する勉強ですから、やろうと思えばすぐに始められます。
作文だけは、やろうと思い始めること自体が大変なのです。
これが、作文の通信教育で、提出ができなくなる大きな原因です。
言葉の森のオンラインクラスでは、同じクラスの4人から5人の全員が一斉に作文を書き始めます。
だから、全員、作文の提出ができます。
作文を書くエネルギーを出すためには、みんなと一緒に一斉に始めるという共通の場が必要なのです。
しかも、その人数は4~5人という互いの顔と名前のわかる少人数であることが必要です。
さて、言葉の森の保護者で、低学年から子供に作文の勉強をさせる人の多くは、こう考えていると思います。
「学校で教わる勉強は、誰でもできる。それを更に上乗せするような勉強ではなく、もっと子供が自由に考えるような勉強をさせたい」と。
だから、低学年で作文の勉強を始めた子は、中学生や高校生になっても作文の勉強を続ける子が多いのです。
思考力、創造力を使う勉強は、作文以外の教科でも考えられます。
私が教えている国語読解クラスでは、問題集の問題文を読んで、その問題文をもとに五七五七七の短歌を作るという勉強をしています。
今度から、短歌だけではなく、その問題文の150字要約と、自分なりの感想や意見も書くという勉強にしたいと思っています。
これまでに子供たちが作った短歌の例です。
米とみそ 互いの欠点 隠し合う 2つがあれば 完全食だ(小6)
ミツバチは 身体の中に 時計がね 確かにあるよ 間違いなしだ(小6)
日本語の 間(ま)という言葉 意味豊富 空間的や 心理的(中3)
文理の別 若者たちの 無知を助長 教養のない 抜け殻を生み出す(高1)
予定表は 白紙のほうがいいけれど 白紙だと 不安になるのが 人間というもの(中2)
短歌を作るには、うまく言葉を選ぶための語彙力が必要になります。
その語彙力を育てるものは、多様な読書です。
国語読解クラスでは、これまでは、読解問題とその問題の解説と、問題集読書のチェックをしていました。
しかし、こういう答えのある勉強では、考える力のある子にとってはものたりないと思います。
短歌、要約、意見という勉強なら、思考力と想像力を生かせます。
更に、ある人の意見に対して、ほかの人が質問や感想を言えば、ディスカッションをすることもできるのです。
(つづく)
■■未来教育宣言(その4)――算数数学、英語も、思考力と創造力を必要とする勉強で
これまでの勉強の多くは、覚える勉強でした。
テストに出る範囲をしっかり覚えれば、いい点数が取れたのです。
数学などは、考える勉強だと言う人もいますが、これも解法を覚える勉強でいい点数が取れるようになります。
覚える勉強で、いい点数が取れれば、確かに最初は勉強が面白くなります。
しかし、考える力のある子は、次第にそういう勉強に物足りなさを感じるようになるのです。
では、どういう勉強が面白い勉強かというと、それは考える勉強、作る勉強です。
私(森川林)の教えている算数数学クラスと総合学力クラスで、子供たちにオリジナルな問題を作ってもらうことにしました。
何の見本もなしに作るのは難しいので、自分がそれまでに解いた問題集の問題の中から、難しかった問題を参考にして作るといいと思います。
これは、考える勉強だから時間がかかります。
しかし、時間のかかった分だけ、その問題の理解が深まります。
また、それぞれの生徒の実力に応じて、多様な問題が作られます。
答えのある勉強は、家庭学習で毎日やっていくことができます。
しかし、それだけでなく、自分らしい思考力と創造力を生かす勉強もする必要があります。
これが、思考力、創造力を使う算数数学の勉強です。
【子供たちが作った算数数学の自作問題の例】
■問
長さが12センチの針金を2本に折りそれぞれ正方形を作ったところ2個の正方形の面積の和は8cm2になった。この時大きい方の正方形の一片の長さを求めなさい。(中2)
□答え
大きい方の正方形の一片の長さをxcmとする
大きい正方形を作るときに使う針金の長さは4xcmあるから、小さい方の正方形を作るときに使う針金の長さは12-4xcmであり
小さい方の正方形の一
片の長さは12-4x/4=3-Xである
x>0かつ3-x>0かつxーxであるから
3/2<x<3・(3) 定義域を定める!!!
二個の正方形の面積の輪について
x^2+(3-x)^2=8 x^2+(9-6x+x^2)=8
2x^2-6x+1=0
2x^2+2(ー3)x+1=0
解の公式2 ー(ー3)±√(ー3)^2ー2×1/2=3±√7/2・・・(4)
(3)(4)より大きい方の正方形の一片の長さは3+√7/2cm
■問
6人の生徒が1ヶ月間に読んだ本の冊数を少ない順に並べると、下のようになった。6人の生徒が1ヶ月間に読んだ本の冊数の平均値と中央値が等しいとき、aの値を求めてください。(中3)
1,3,5,a,10,12
□答え
a=8
解法
※上記のことから、5~10の値になるだろうと予想をしながら問題を解く。
1、6人の読んだ本の冊数の平均を表す。→31+a(1)
2、6人の読んだ本の冊数の中央値を表す。→6(全員)÷2(半分)=3(真ん中)
割りきれるので、3、4番目の本の冊数を割る2して表す。→5+a/2(2)
3、(1)と(2)を等式にして解く。
4、答えが分かる。
■問
6秒で、9999m走る人がいます。
この人は、分速何mですか。(小6)
□答え
6秒=6/60=1/10
9999÷1/10=9999×10/1=99990/1
=99990
A 分速99990m
思考力、創造力を必要とする勉強は、英語でもできます。
総合学力クラスの英語の授業では、英文の暗唱をしています。
しかし、この英文の暗唱も、本当は、自分の好きな英文を暗唱してもらうといいのです。
例えば、リンカーンの演説やキング牧師の演説は、YouTubeでも聴くことができます。
どうせ暗唱するのなら、自分が感動できる文章を暗唱する方がいいからです。
小学456年生のころは、耳の感覚が中学生のころよりもいいので、CDなどで聴いた音声のとおりそっくりに暗唱することができます。
英語の文法的な学習は、中学生になってから進めることにして、小学生時代はまず音声を中心に学習するのがいいのです。
英語の授業では、暗唱のほかに、自由英作文を作ってもらっています。
どうせ作るなら、なるべく面白い文を作ろうということでやっています。
【これまでの生徒が作った自由英作文の例】
コップの中に山の形をした電車が落ちています。
A mountain-shaped train has fallen into the cup.
チョコレートが溶けてココアになりました。
The chocolate melted and turned into cocoa.
自販機の下に落ちていた1円玉を拾う
Pick up the 1 yen coin that fell under the vending machine
熱が37度しかないにもかかわらず、兄は早退しました
Even though the fever was only 37 degrees, my brother left early
犬が白目を向いて寝ている。
The dog is sleeping with his eyes rolled up.
小さい「ぁ」ってなんて言うの?
How do you say small "a"?
算数数学の自作問題にしても、英語の自由英作文にしても、答えのある勉強ではありません。
それぞれの生徒の関心と実力に応じて、自由に取り組むことができます。
それは、その勉強が、思考力と創造力を必要とする勉強だからです。
人間の頭脳は、自分が主体的に参加したときほど活性化します。
人の話を聞くだけなら、うたたねをしながら聞くこともできます。
しかし、自分が何かを作ったり発表したりするとなると、全身で参加しなければなりません。
こういう思考力、創造力を必要とする勉強がこれから必要な勉強になってくるのです。
(つづく)
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● 言葉の森新聞2024年9月3週号 通算第1819号 (3250字) 言葉の森事務局 jun 2024年09月20日 12時00分
16431 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2024年9月3週号 通算第1819号
文責 中根克明(森川林)
■■新学期の教材を発送しました(作文クラス)
9月19日(木)に新学期の作文の教材を発送しました。
国内の生徒で24日になっても届かない場合はご連絡ください。
■■子供を作文好きにさせる方法、作文嫌いにさせる方法
主に、小学生の子供の作文の勉強についての話です。
子供を作文好きにさせる方法の第一は準備です。
事前に課題を見て、お母さんやお父さんが自分の体験談から似た話をしてあげることです。
大事なことは、子供から作文を引き出すことではなく、お母さんやお父さんが自分の体験を楽しく話してあげることです。
その対話によって、子供の語彙力が伸び、題材力が広がります。
作文好きにさせる第二の方法は、読書です。
小学生のうちは、勉強よりも読書優先です。
勉強は、その勉強の成績を上げるだけですが、読書は頭自体をよくします。
だから、勉強だけをして読書をしない子は、学年が上がるにつれて成績が下がります。
勉強よりも読書を優先している子は、学年が上がるにつれて成績が上がります。
この読書の大切さは、中学生、高校生でも同様です。
子供を作文好きにさせる第三の方法は、書いたあとの作文を褒めるだけにすることです。
褒めるのは、何に対してもいいのです。
書いたこと自体を褒めるのでもいいのです。
褒めていれば、作文の勉強は長続きします。
長く続けた勉強は、必ず上達するのです。
次に、作文嫌いにさせる方法です。
それは、書いたあとに、アドバイスをすることです。
「もっとこんなふうに書いたらいい」というようなアドバイスは、たとえ善意から出たものであっても、子供の意欲を低下させます。
熱心なお母さんの中には、自分が作文に赤ペンを入れて、よりよい表現に書き直してあげる人もいます。
書くことに自信があるお母さんほど、そういうことをしがちです。
その結果、子供は一応素直にお母さんのアドバイスを聞きますが、心の中では不満を蓄積させていきます。
作文を書くということは、勉強の中でもかなり苦労することです。
そのいろいろな苦労の部分を見てくれず、たまたま自分が不十分な表現をしたり、まちがった表記をしたりしたところだけを指摘されるのですから、不満を感じるのは当然です。
そういう子の作文の勉強は、長続きしません。
長続きしないということは、結局上達しないということです。
子供に対していろいろな指摘をするお母さんは、どんなことに対しても、先に欠点が見えるのです。
他人に対しても、社会に対しても、先に欠点を見てしまうのです。
親のものの見方は、子供にも受け継がれます。
楽しい人生を歩むためには、ものごとの明るい面を見ることです。
子供の作文は、いつもいいところだけを見てあげるといいのです。
■■プログラミングの勉強の新しい展開、そして、いろいろな勉強もAIを利用したものになる
なぜプログラミングの勉強が大事かというと、それは、自分らしい人生を送るうえで、プログラミングの技術が強力なツールになるからです。
もし、人間が、会社などのある組織に入り、そこで自分に与えられた役割の仕事をするだけであるなら、プログラミングの能力は特に必要ありません。
しかし、自分が新しい何かを思いついて始めようとするとき、その思いつきが新しいものであればあるほど、賛同してくれる人はいません。
自分らしいことを始めるときは、誰でもたったひとりで始めなければならないのです。
上司も、同僚も、部下も、参考にする人もいないし、読むべき本もほとんどありません。
そういう中で、何かを始めるとき、自分の中で使える最も役に立つものがプログラミングの技術なのです。
しかし、それはプログラミングを仕事の手段にするということではありません。
プログラミングの仕事というのは、たぶん過酷なものです。
自分のしたいことではなく、ほかの人がしてほしいことをプログラミングするだけですから、心理的に消耗することが多いのです。
プログラミングを学習する意義は、プログラミングを仕事としてすることではなく、自分の本当にやりたいことをプログラミングの助けを借りてやることなのです。
しかし、世の中は、AI技術の進展によって大きく変わりました。
学校教育は、いつでも遅れがちなので、今は「情報」という教科を勉強し、それが大学入試にも出る時代になっています。
しかし、プログラミングを中心にした「情報」という授業は、もう時代遅れになっています。
江戸時代の終わりのころには、多くの人が馬術や剣術の練習をしていました。
今でも馬術や剣術の練習自体はなくなっていません。
それらは、オリンピックの競技にもなっています。
しかし、生活の中心ではなくなってしまったのです。
では、自分らしい人生を送るためのツールであったプログラミングは、これからどうなるかというと、それはChatGPTなどのAIを使える技術として変化していくのです。
子供たちが学ぶAI技術は、まだ成熟してはいません。
AIは、主にビジネスの用途として使われています。
しかし、それはやがて教育の場に降りてきます。
その活用の仕方は、AIに教えてもらうという受け身のやり方ではありません。
AIを知的な友達として、自分自身が主体的に何かをする際のツールとして活用することなのです。
このAI利用の方向に、プログラミングの学習もあります。
ChatGPTに、どういうことをしたいのか指示すれば、そのプログラムを作ってくれます。
そのプログラムを使うときに、ある程度のプログラミングの知識が必要になることもあります。
しかし、大事なのは、プログラムを読むことや書くことではなく、そのプログラムを使って自分のしたいことをすることなのです。
言葉の森には、現在、いろいろなクラスがあります。
それらのクラスで、それぞれにAIが使えます。
例えば、作文クラスでは、データ実例を探すときにChatGPTを使うことができます。
また、自分の書いた作文を批評してもらうこともできます。
国語読解クラスでは、自分向けの読解問題や記述問題を作って、自分の答えを評価してもらうこともできます。
算数数学や英語も同じです。
自分の苦手な分野の似た問題を作ってもらい、その答えを評価してもらうことができます。
ChatGPTの得意分野は、外国語です。
単語でも、文法でも、ヒアリングでも、スピーキングでも、AIはほぼ万能です。
数学は、LLM(大規模言語モデル)の苦手な分野と言われていました。
しかし、ChatGPTの新しいバージョンは、数学の問題も順を追って考えることができるので、数学が苦手だったAIは過去のものになりつつあります。
もっとよく活用できるのは、創造発表とプログラミングの分野です。
創造発表クラスは、自分の興味関心に基づいて、自由に研究し発表するクラスです。
しかし、子供たちの学習レベルが高くないと、かつてのゆとり教育と同じような学習になってしまいます。
自分の研究内容に知的な刺激を与えてくれるツールとしてAIを使うことが大事です。
AIに教えてもらうのではなく、自分のしたいことをAIとの対話によって深めることに使うのです。
プログラミングクラスでは、GPTsが使えます。
GPTsとは、GPTを特定の目的に合わせてカスタマイズできる機能です。
CPTsに、自分の使いたいデータを入れたり、自分なりのGPTを作ったり、それをプログラミングとして出力したりすることができます。
言葉の森の勉強の目的は、思考力、創造力、共感力を育てることです。
それは、旧来の、記憶の詰め込み、宿題の強制、テストによる競争と対極にある新しい学習の方向です。
その新しい学習に、今後ChatGPTをはじめとするAIテクノロジーを使っていきたいと思います。
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● 言葉の森新聞2024年9月1週号 通算第1817号 (3630字) 言葉の森事務局 jun 2024年09月01日 11時57分
16331 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2024年9月1週号 通算第1817号
文責 中根克明(森川林)
■■【重要】9月1週は作文進級試験
8月の保護者懇談会の資料に、次のような記事を載せました。
====
・作文の進級試験を厳密に行い、所定の点数に達しない場合は、進級できない場合もあるというふうにしていきます。
進級試験をきっかけに、字数も作文力も伸びるということが多いからです。
====
9月1週(9月1日~9月7日)は、作文試験の週になります。
この週は、これまで勉強してきた項目と字数が全部できるように書いてください。
また、項目は、ただ書いただけではわかりにくいので、自分が項目として書いたということがわかるように、項目マークを入れておいてください。
手書きの作文の場合は、項目マークは手書きで書いてくだい。
・構成 (枝の絵なら何でもいいです)
・題材 (葉の絵なら何でもいいです)
・表現 (花の絵なら何でもいいです)
・主題 (実の絵なら何でもいいです)
パソコン書きの場合は、全角山カッコ2つの間に文字を入れます。
・構成 < <構成> >
・題材 < <題材> >
・表現 < <表現> >
・主題 < <主題> >
(半角の二重山カッコではなく、全角の山カッコを2つつなげて入れるということです)
字数は、必ずその級の字数ができるように書いてください。
作文の提出の締切は9月8日です。
今回は、久しぶりの進級試験の実施なので、要領がわからない人がいることも考えて、厳しい採点はしません。
しかし、次回からは、進級試験の結果によって、次の級に進む場合は、現在の級を繰り返す場合にわかれるようになります。
今回は、進級試験の練習ということで、全項目が◎になり、字数ができるように作文を書いていってください。
■■これからの学力は創造力と表現力と読解力――創造発表と作文と読書の重要性
今、子供たちが学校や塾で勉強している国語、算数、数学、英語、理科、社会などの学力のほとんどは、AI、特にChatGPTのような技術が効果的に処理してくれる時代に突入しています。
AIは膨大な情報を瞬時に処理し、適切な答えを導き出すことができます。
このような状況では、従来の知識詰め込み型の学習がどれだけ将来に役立つか、疑問を感じる人も少なくないでしょう。
中学生の子供たちが定期テストのために何日も前から一生懸命詰め込んでいる知識の大部分は、大人になったときにはほとんど役に立たなくなることが多いのです。
これまでの教育では、知識を暗記し、それをテストで再現することが重視されてきましたが、これからの時代に求められるのは、そのような受動的な学びではありません。
今後ますます重要になるのは、人から教わった知識ではなく、自分で作り出した知識や、自ら挑戦して得た体験です。
たとえば、言葉の森の創造発表クラスでは、一人ひとりが5分から10分の発表を行い、その後に質問や感想を述べ合います。
自分が発表した内容は、ただ暗記した知識とは異なり、子供たちの頭に深く刻まれます。
自分自身で考え、整理し、発表したことは、確実にその子の記憶に残り、将来的にも役立つ財産となるのです。
このように、創造力や発信力は今後の教育において中心的な役割を果たすでしょう。
これは作文や読書にも同じことが言えます。
自分の興味関心に基づいて、自ら考えたり、書いたり、読んだりしたことは、その子の知識や思考力の基盤となり、将来にわたって活用できる力となります。
読書を通じて得た知識や、作文を通じて培った表現力は、その子の思考の深さや幅を広げ、他者とのコミュニケーションを豊かにします。
未来の教育の中心は、創造力を活かした発表、作文、そして読書になります。
これらの活動を通じて、子供たちは単に知識を受け取るだけでなく、自分の考えを整理し、表現し、他者と共有する力を身につけていくのです。
もちろん、今の国語、数学、英語、理科、社会のような基礎的な知識も重要ですが、それは創造的な活動を支えるための予備知識として位置付けられるべきでしょう。
さらに、オンラインクラスで行う創造発表や作文、読書、そしてディスカッションは、国境を超えた学びを可能にします。
日本と時差が大体一致しているアジアの国々、例えばベトナム、インドネシア、フィリピンの子供たちと、日本の子供たちがネットを介して一緒に勉強する未来が現実になりつつあります。
このとき、言語の壁を超えてコミュニケーションを取るために、ポケトークのような翻訳端末や、AI翻訳を組み込んだオンライン会議システムが役立つでしょう。
ポケトークはすでに世界74か国語に対応しており、このような技術があれば、異なる言語を話す子供たちが互いに理解し合い、共に学び、創造的なアイデアを共有することができるのです。
これからの時代、教育の場においてもグローバルな視点が求められ、世界中の子供たちが個性を活かして共に学び合うことが、創造力をさらに高める鍵となるでしょう。
■■読書に力を入れることによって勉強もできるようになる――小学生時代の勉強の最優先は読書
真面目にきちんとやっている子がいます。
しかし、勉強のスピードが遅いので、いろいろなことができません。
だから、ゆっくり本を読む時間がありません。
そういう子は、学年が上がるにつれて成績が下がっていきます。
成績が下がる教科は、国語だけではありません。
算数も理科も社会も、すべて成績が下がるのです。
読書は、日本語で文章を読むことです。
だから、日本語で考える力がつきます。
小学4年生までは、考える必要のない勉強です。
やり方がわかれば誰でもできる勉強なのです。
考える力が必要になる勉強は、小学5年生から始まります。
このときに、読書力の差が出てきます。
しかし、読書を始めてから、その効果が出るまでには半年かかります。
だから、気長に読書の習慣をつけておくことが大事です。
読書力による学力の差は、学年が上がるほど大きくなります。
小学56年生よりも中学生、中学生よりも高校生、高校生よりも大学生の方が、読書力による差が大きくなるのです。
だから、小学生時代の勉強の最優先は、読書の時間を確保することです。
読書の時間は宿題の時間よりも優先です。
宿題は、単なる作業ですから、何も身につきません。
できた問題は、やらなくてももともとできた問題で、できなかった問題はあとから繰り返しやるのでなければ、できなかっただけで終わります。
勉強の中心は家庭学習で、家庭学習の中心は読書なのです。
■■森リン点で思考語彙の点数が低いとき――中学生以上の生徒は、森リン点86点以上を目指して作文を書こう
作文には、実例や事実という題材の部分と、感想や意見という主題の部分があります。
思考語彙が低いのは、題材の部分のわりに、主題の部分が少ないことが原因です。
しかし、小学生の作文では、作文の課題自体が題材を中心としたものですから、主題が少なくなるのは当然です。
例えば、「私の友達」とか「私の宝物」などの課題では、友達や宝物が題材になるので、主題は当然少なくなります。
しかし、同じ課題を高校生が書くとすると、「人間にとって友達とは何か」とか「人間にとって本当に大切な宝物とは何か」と主題に重点を置いて書くことができます。
主題に重点を置くと、自分の体験実例に限らず、社会実例にも題材を広げていくことができます。
思考語彙は、その生徒の学年に応じて高くなっていくものなのです。
中学生のころは、題材中心の作文から主題中心の移行していく時期です。
中学生の生徒が、思考語彙の高い作文を書くためにはコツがあります。
例えば、次のような作文があるとします。
○第一段落
要約
意見
○第二段落
実例1
感想1→★
○第三段落
実例2
感想2→★
○第四段落
最後の意見→★★
★の部分をじっくり書いていくと、主題を重視した作文になります。
思考語彙が低い場合、★の部分をもっと書き込んでいくことが必要になります。
特に★★の第四段落の部分は、第一、第二、第三段落と同じぐらいの長さを書いていくことが大事です。
ただし、思考語彙だけが高くなると、バランスが悪いための減点になので、適度に書くことも大切です。
とりあえず、第四段落を、第一、第二、第三段落と同じぐらいの長さで書くということを目指していくといいと思います。
▽参考記事(ここに更に詳しく書いてあります)
「森リンの採点は、「森リン採点」ボタンで――小6以上は86点を目標に。90点以上は東大レベル」
https://www.mori7.com/as/4837.html
しかし、感想や意見の部分を長く書くためには、そのための語彙力が必要です。
その語彙力を高めるのが、普段の説明文読書と、国語読解クラスの問題集読書です。
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● 言葉の森新聞2024年8月4週号 通算第1816号 (8614字) 言葉の森事務局 jun 2024年08月22日 12時57分
16316 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2024年8月4週号 通算第1816号
文責 中根克明(森川林)
■■8月29日(木)・30日(金)・31日(土)は休み
8月29日(木)・30日(金)・31日(土)は、第5週のため通年クラスの授業はありません。振替授業もお休みです。
■■第4週は清書。幼稚園生は作文(作文クラス)
幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。
小学1年生以上の生徒は、清書を行います。
■清書の意義と方法
清書とは、これまでに書いた作文の中で内容がよかったものを書き直すことです。
内容がよいとは、個性、感動、共感などがあるということです。
書き直すときは、次の点に留意してください。
(1)漢字で書けるところは漢字で書く。
(2)たとえや自作名言を工夫できるところがあれば工夫する。
(3)似た話や続きの話を書くことによって字数を増やす。
(4)作文用紙の空いているところに絵などをかいてもよい。
■清書の投稿
清書した作文は、小学生新聞や一般紙などに投稿してみましょう。
手書きの清書の原本を、新聞社に投稿したり、コンクールに応募したりする場合は、清書のコピーの方を先生に送ってください。
新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(2)学年(3)自宅の住所(4)自宅の電話番号(5)学校名とふりがな(6)学校所在地(町村名までで可)など。
投稿する際は、ペンネームを本名に訂正しておいてください。作文の中に友達の名前が固有名詞で入っている場合は、イニシアルなどに直しておいてください。投稿する作文の内容は、保護者がチェックしてあげてください。
同じものを複数の新聞社やコンクールに送らないようにしてください。これは二重投稿といって、もし両方に掲載されてしまった場合、掲載先に迷惑をかけることになります。
●小学生新聞の投稿先
■104-8433東京都中央区築地3-5-4 朝日小学生新聞「ぼくとわたしの作品」係
■100-8051(住所はいりません毎日小学生新聞「さくひん」係(600字以内)
●新聞社に送る清書は市販の原稿用紙に
新聞社に送る清書は、市販の原稿用紙に書いてください。
その理由は、清書は個人で送るものなので、自分で用意した原稿用紙に書くのが、社会的なルールとなるからです。
※清書した作文を投稿しない場合でも、額などに入れて家の中に飾っておきましょう。
■■詰め込む学習から、創造する学習へ――小1から高3までのオンライン作文
●優秀な子供たちほど、詰め込みの勉強に飽きている。創造する勉強がこれからの本当の勉強。
小学校高学年から中学生になると、優秀な子供たちほど、詰め込みの勉強に疑問を感じるようになってきます。子供たちは、もっと自由で個性的な勉強をしたいと思っているのです。
その個性的な勉強のひとつが作文です。しかし、30人から40人学級の一斉指導の中では、一人ひとりの生徒に対応した作文指導はできません。
しかし、現在の大学の総合選抜入試にも見られるように、作文はこれから最も必要な勉強になってくるのです。
●言葉の森の作文は、43年の実績、毎週の作文提出率ほぼ百%、小1から高3までの一貫指導、読書紹介と対話のある授業。
言葉の森の作文教室は、1981年創設で、43年の実績があります。
オンラインクラスの作文の提出率は、毎週ほぼ100%です。
その場でみんなが一斉に作文を書くので、提出漏れがありません。
また、少人数クラスなので、毎回全員の読書紹介があり交流があります。
だから、言葉の森には、小学1年生から高校3年生まで作文の勉強を続ける生徒が何人もいるのです。
●小1から高3の作文一貫指導は言葉の森だけ。小学生で終わる作文指導ではほとんど何も身につかない。
言葉の森の作文指導は、小1から高3までの一貫指導です。
小学生から高校生まで、段階的に進むカリキュラムで指導を行っています。
言葉の森の作文指導では、小学5年生から、説明文の感想文が入るようになり、受験作文に対応できるようになります。
中学生からは意見文になり、更に高校生からは大学入試に対応した論説文になります。
作文の本格的な勉強は、中学生から始まります。小学生までで終わる作文指導ではほとんど何も身につきません。
●少人数のオンラインクラスだから、毎週、全員の読書紹介があり、毎月、全員の発表会がある。
言葉の森のオンライン作文クラスは、4人から5人の少人数で行っています。
毎週、クラス全員の読書紹介があるので、自然に読書の質と量が向上します。
また、毎月、クラス全員の作文発表会があるので、互いの作文のよいところを参考にすることができます。
これからの勉強は、先生からの一方的な授業と一律の宿題と一斉のテストによる評価ではなく、生徒一人ひとりの個性に応じた発表と対話が中心になってくるのです。
●実力のつく作文指導。作文コンクール入賞69名(2023年)。中学入試、高校入試、大学入試の作文試験にも多くの成果。
作文の勉強は、ほかの勉強に比べて上達に時間がかかります。
しかし、言葉の森で勉強を続けていれば、どの子も必ず作文が上手に書けるようになります。
言葉の森の生徒の中には、自主的にさまざまな作文コンクールに応募している人がいます。
2023年は、自治体レベル以上の作文コンクールで入賞者が69名でした。
また、小学校編入試験、中学入試、高校入試、大学入試などの作文小論文試験では、毎年多くの成果を上げています。
●小学校高学年、中学生、高校生の感想文学習では、難しい説明文を読み感想文を書くので国語読解力が伸びる。
言葉の森の作文指導は、小学5年生から説明文の感想文が勉強の中心になります。
小学校高学年の感想文の学習では、中学入試レベルの説明文を毎回読み、その説明文についての感想文を書くので、国語読解力が身につきます。
中学生の学習では、高校入試レベルの説明文を読み、高校生の学習では、大学入試レベルの説明文を読みます。
読む力と書く力を並行して進めるので、読解力と作文力の両方の力がつくのです。
■■保護者から、「小学生のカリキュラムまでしかない今の作文講座をやめて、高校生までの指導がある言葉の森の作文を体験したい」という話
ある日、小学校高学年の保護者の方から、
「小学生のカリキュラムまでしかない今の作文講座をやめて、高校生までの指導がある言葉の森の作文を体験したい」
という相談がありました。
これは、大事なことです。
小学生までの作文は、登山で言えば、麓(ふもと)近くのアプローチの部分です。
なだらかな道が続くだけですから、まだ山登りでも何でもありません。
だから、小学校低中学年の作文指導は、誰でもできるのです。
しかし、この時期に書き慣れておくことが、次の中学生高校生の作文の勉強を続ける土台になります。
小学生時代の作文は、その時代の勉強に意味があるのではなく、中学生高校生になったときの準備として意味があります。
それなのに、小学6年生で作文のカリキュラムが終わったのでは、何のために勉強していたのかわかりません。
小学4年生のころになると、読書力のある生徒は、作文もかなり自由にのびのびと書くことができるようになります。
それを見ると、保護者の方は、「作文はもう書けるから大丈夫」と思ってしまうことが多いのですが、それは勘違いです。
小学4年生で作文が上手に書けることと、中学生になって作文が上手に書けることとの間には、大きな質的な違いがあるのです。
それは、森リン大賞の、小学生の作文と中学生の作文と高校生の作文を比べてみてもらえばわかります。
https://www.mori7.com/oka/moririn_seisyo.php?nenn=2024&tuki=07
たまに、「うちの子はよく書けるから、学年の先取りで作文を書きたい」という保護者の方もいます。
学年の先取りができるのは、数学や英語など知識として理解することのできる勉強だけです。
作文のように思考力を必要とするものは、その学年にならないとできないのです。
小学生までのカリキュラムまでしかない作文の勉強は、作文の勉強とは言えません。
敢えて言えば、作文の準備段階の勉強です。
本当の作文(小論文)の勉強は、中学生の意見文の勉強から始まるのです。
■■小1の作文は親子作文として書いていく方法がある――小1のころの作文の勉強の仕方が大事。それは、中学生高校生の作文の土台となるのが小学生の作文だから
小1の平均的な字数は、100字から200字です。
しかし、生まれた月によっても、かなり個人差があります。
小1のころは指の力がないので、作文を長く書くのが難しいのです。
これが、小2のころになると、指の力がついてくるので、今度は長く書くことに喜びを見出すようになります。
この長く書くことに熱中するのは、小3までです。
小3になると、長さよりも、作文の中身の価値ということを考え出すので、長く書くことにはあまり気が向かなくなります。
そのかわり、自分なりに面白い話を書こうとするようになります。
この作文の中身に関心を持つのは、小4まで続きます。
だから、小3、小4のころは、子供が最も小学生らしい作文を書く時期です。
小5になると、主題を考えて書くようになるので、作文は急に難しくなります。
小5の感想文の課題は、中学受験の国語の説明文のレベルなので、読むこと自体が難しくなるのです。
さて、小1のころの作文指導で、どこに力を入れていくかというと、それは4つあります。
第一は、題材作りです。
子供に、自由に書かせるだけでなく、お父さんやお母さんが、子供が作文に書く題材を作ってあげるのです。
一緒に料理を作ったり、実験をしたり、虫や魚を捕まえに行ったり、植物を育てたり、生き物を飼ったりということをしてあげます。
そして、子供が、「今度の作文、何を書こうかなあ」と言ったら、「この前の○○なんて、いいんじゃない」とアドバイスをしてあげるのです。
小1や小2のころは、子供に自由に書かせると、毎日の学校生活の平凡なことを毎回書くようになります。
小1や小2の子供は、作文の中身の面白さということは考えていないので、保護者が題材作りを手伝ってあげるといいのです。
第二は、書いたあとの作文に、アドバイスをしたり、書き直しをさせたりしないことです。
親の善意のアドバイスであっても、子供はそれを自分の書いた作文が否定されたと感じます。
いつも、いいところだけを見て褒めてあげることです。
第三は、読書に力を入れることです。
読書には、読み聞かせも含みます。
作文の表記は、作文の上で直すのではなく、読む力をつけることによって自然に直るようにしておくことです。
作文は褒めるだけ、読む力をつけることによってよりよい作文を書けるようにするということです。
第四は、まだ書く力がない小1や小2の生徒の場合は、親子作文としてやっていくことです。
親子作文は、次のようにします。
1)お父さん、又は、お母さんが、子供と話をします。
「今度の作文どんなことを書くか教えて」という感じです。
2)親は、子供と話をしながら、それをメモします。
3)そのメモの中に、子供の話だけでなく、親の話も入れていきます。
「へえ、そんなことがあったんだ。実は、お母さんも小1のときね……」という話し方です。
子供から作文に書くことを引き出すのではなく、親が似た話をおもしろおかしく話してあげるのです。
この親からの対話によって、子供の語彙力と理解力が育ちます。
作文は、子供から書くことを引き出すものではないということをよく覚えておいてください。
子供の中には、まだ引き出す中身となるようなものはほとんどありません。
中身を付け加えてあげるのが、親からの対話なのです。
4)子供と対話をしながらメモを書く時間は15分程度です。
5)メモを書いたあと、子供はそのことを絵にかきます。
たまに絵をかくのが苦手という子がいます。
それは、小さいとき自分がかいた絵を否定されたことがあるからです。
子供は、本来絵をかくのが好きです。
その子供の絵心を引き出すには、親が、子供がかこうと思っていたことをかいてあげることです。
つまり、親が下手なりに楽しそうにかくことによって、子供は、「絵をかくというほ、そういう適当なことでいいんだ。そして、楽しいことなんだ」と理解するようになるのです。
6)子供が絵をかいている間、親はメモをもとに作文を書きます。
字数は、子供の書ける字数に合わせて100字から200字にとどめておきます。
大人が書く普通の漢字かな交じり文で書いて、漢字にはすべてふりがなを振っておきます。
親が書く作文には、できれば、ダジャレなどの楽しい部分も入れておけるといいです。
7)親が書いたふりがな付きの作文を子供に音読させてみます。
音読は、どんなにつっかえながら読んだり、読み間違えたりしても、褒めるだけにします。
音読は、褒めていれば、上手になります。
読み方を注意すれば、下手になります。
8)親子作文を続けていると、親が楽しそうに書いているのをみて、そのうちに、子供が、「自分も書きたい」と言ってきます。
そうしたら、最初は題名だけとか、最初の1文だけとか、途中までとか範囲を決めて子供に書いてもらいます。
大事なことは、子供が書いたものを直さないことです。
9)もし、お父さんやほかの兄弟も親子作文に参加できるようなら、親子作文のあとに、コメントを書いてもらいます。
つまり、家族全員の合作で親子作文を仕上げるのです。
10)親子作文には、子供の絵以外に、その話に関連する写真などがあれば、それもノートに貼っておきます。
以上が、親子作文の方法です。
このやり方なら、幼長の子でも、幼中や幼小の子もで、親子作文が書けます。
親子作文で書く練習をした子は、作文を書くことが好きになります。
楽しくて褒められるだけだから、好きになって当然なのです。
作文は、この最初の出発点で楽しい感覚を持つことが大事です。
▼親子で書く構想図の例
https://www.youtube.com/watch?v=DA3_a9F-ZSA
https://www.youtube.com/watch?v=RdLqUBxLc08
ところで、なぜ言葉の森が、小1の作文について、このように余裕を持った指導ができるかというと、それは、子供たちの作文を高3まで教えていく展望があるからです。
小学生の作文の範囲で上手に書かせることが目的なのではなく、中学生や高校生になったときの準備として小学生の作文を書くという目的で勉強をしているからです。
これが、小学生までの作文指導しかしていない作文教室や作文講座との大きな違いです。
■■2024年8月保護者懇談会資料
●受講料値上げのお知らせ
8月1日の「森からゆうびん」とホームページの記事で、受講料値上げをお知らせしました。
9月から、作文は、11,000円に、自主学習の講座(国数英、基礎学力、総合学力、創造発表、プログラミングなど)は、8,800円になります。
近年、新規の問合せ者が減少しているため、今後、言葉の森が新しい企画を行うためには受講料の改定必要だと判断して値上げを実施しました。
ご理解くださるようお願いいたします。
●新しい企画
今後、言葉の森は、次のような新しい企画に取り組み、充実した指導をしていく予定です。
・学習グラフで、生徒それぞれの現在の学習状況がわかるようにします。
字数、森リン点、読検点については、点数だけでなく偏差値も表示するので、成績の位置もわかるようになります。
https://www.mori7.com/gs/
・個別れんらく、発表室連絡を充実させ、生徒と先生だけの学習ではなく、生徒―先生―父母を三者の連係で学習を進めていきます。
・学習の基本は、事前の準備と毎日の家庭学習ですが、生徒によっては、授業に出ることだけを勉強のように考えている人もいます。
今後、予習と毎日の家庭学習を、先生の方で詳しくチェックしていきます。
・プレゼン作文発表会のように、全体で発表会を行う企画を再開していきます。
▽旧発表会のページ
https://www.mori7.com/hpk/
▽新発表会の予定のページ
https://www.mori7.com/pre/
・作文の進級試験を厳密に行い、所定の点数に達しない場合は、進級できない場合もあるというふうにしていきます。
進級試験をきっかけに、字数も作文力も伸びるということが多いからです。
・暗唱検定に英語の暗唱検定も取り入れ、暗唱力をつけていくようにします。
https://www.mori7.com/askt/
・森リン大賞などを更に充実させ定期的に発表していきます。
https://www.mori7.com/oka/moririn_seisyo.php
・コロナ以降、遠足やサマーキャンプはしばらく休んでいましたが、来年からは再開したいと思います。
現地で生徒どうしが実際の交流をすることで、よりより人間関係ができるようにしていく予定です。
サマーキャンプには、保護者の方も参加できます。
●小学校低学年の学習の重点
・自主性を育てるために、親は指示をしすぎない。
・ただし、家庭学習の習慣をつけるために、短い時間でいいので、自分で毎日決まったことを決まったようにできるようにしておく。
・家庭学習の基本は、簡単にできて習慣化しやすい百マス計算、漢字の書き取りなど。
・低学年は、読書が最も大切。読書には、親の読み聞かせも含む。
●小学校中学年の学習の重点と受験勉強
・学校の勉強はまだ易しいので、引き続き勉強よりも読書が優先。
・ただし、算数は苦手にならないように、その学年の算数問題集は完璧にできるようにしておく。
・中学受験については、言葉の森では受験する人がほとんどだが、やりすぎの弊害を感じる人も多い。
▽参考図書
「「中学受験」をするか迷ったら最初に知ってほしいこと: 4万人が支持する塾講師が伝えたい 「戦略的高校受験」のすすめ」
https://www.amazon.co.jp/dp/4053059054/
●中学受験に関する中根の個人的な考え
・中学受験は、受験勉強のしすぎで、その後勉強に飽きる子がいる。
(高校入試、大学入試の場合は、子供が自覚しているので勉強のしすぎによる弊害はない)
・中学受験の勉強で特に算数は、難しすぎるがその後役に立たないことが多い。
・受験勉強のために、読書や好きな趣味をやめてしまう子がいる。
・公立中は荒れているところもあるが、それもひとつの社会勉強。また、人間はどんな環境でも自分次第で勉強できる。
・中学受験のよい点は、中高一貫校は数学の1年間以上の先取りをするので大学入試に有利。
・しかし、人間は本気になれば、成績は急上昇する。
(ビリギャルの例もある。ただし、成績が急上昇する力のある子は読書をよくしていることが多い)
・中学生ぐらいの子は、周囲に影響されるので、周囲が前向きな子が多ければ前向きになり、周囲に後ろ向きな子が多ければ後ろ向きになることが多い。
・大学入試でいい大学に入っておくと、就職時の幅が広がる。
・しかし、これからは、スタートアップ又は副業からの自立を目指す人が増えるので、就職先はむしろ自分の学べる場にする必要がある。
●小学校高学年の学習の重点
・小学5年生から、作文だけでなく、すべての教科に、抽象的な思考力が必要とされるようになるので、勉強は難しくなる。
・作文の準備としては、親子の対話の機会を作り、親が似た例や自分の感想を話してあげると、子供の語彙力、思考力が伸びる。
・勉強は、忙しくなるが、読書は必ず毎日続ける。
ほかの生徒の読書記録を見て、読書傾向を次第にレベルの高いものにしていけるようにする。
●中学生の学習の重点
・高校入試のある中学生は、中3になったら必ず過去問を自分なりにやって分析する。
・塾や予備校や学校に任せるのではなく、自分と家庭で高校入試を独自に取り組む必要がある。
・試験で間違えたところがあれば、今使っている問題集又は参考書のどのページを見ればできるようになるか分析する。
今使っている問題集又は参考書に載っていない問題はできなくてもよいとする。
●高校生の学習の重点
・高校の教科は、全教科できるようにしておく。これが、社会人としての一般教養になる。
受験に出る教科以外は手を抜くというのは駄目。そういう姿勢は、人生のほかの場面でも出てくるから。
今後は、文系でも数学が必要になるので、数学は1冊の問題集を完璧にという原則でやっておく。
総合選抜が増えているので、自分の好きな分野があれば、学問的に深めておき、発表できる資料を作っておくとよい。
こういう学習は、入試に使わなくても、将来の大学生、社会人になってからの生活に役立つ。
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● 言葉の森新聞2024年8月3週号 通算第1815号 (2147字) 言葉の森事務局 jun 2024年08月15日 16時57分
16294 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2024年8月3週号 通算第1815号
文責 中根克明(森川林)
■■お母さんは、子供の作文を直したりアドバイスしたりしない。することは、準備を手伝うことと、書いたあとは褒めるだけにすること
小学校低学年の子が作文を書いたものを見ると、直したいところがいくつも見つかります。
そこを直すと、作文はちょっとまともになります。
そして、子供もそれなりに納得します。
しかし、こういうことを続けていると、やがてお母さんは、「どこを直そうか」という目で子供の作文を見るようになります。
それは、子供にとって気分のいいものではありません。
それなりに一生懸命に書いたものを、書き終わった直後に、お母さんの冷たい目で作文を読まれることになるからです。
やがて、子供は、親に注意されないように先回りして、「次は、どうやって書くの」「これでいいの」などと聞くようになります。
オンラインクラスで、子供たちが自由に話をする時間があります。
真面目な子によくあるのは、すぐに親の方を見てから話すことです。
それは親がいつも子供に細かいことを注意しているからです。
子供たちの話の時間に、子供が時々親の方を見ながら話をしていることがあったら、親はもっと子供のいいところを見て、いつも褒めるような子育てに切り替えてください。
小学2年生のころまでは、子供は親の言うことを素直に聞きます。
その時期に、注意する子育てを続けていると、やがて子供が小学3年生になり、4年生になるにつれて、親の言うことを聞かなくなります。
作文の勉強で、親子の対話が重要になるのは、小学5、6年生の時期です。
この時期に、親子で自由に話し合うことができれば、子供の語彙力や表現力や思考力が著しく伸びます。
しかし、小学校中学年のころまで注意されながら育った子は、真面目で勉強はできても、親子の自由な対話ができません。
だから、親は、小学校低学年のころから、子供の自主性を尊重し、いつもいいところを見て褒める子育てをしていく必要があるのです。
■■作文力をつけるには、読書の質を上げる。読書の質を上げれば、学力全体も上がる
音楽やスポーツは、練習を積み重ねれば誰でも少しずつ上手になります。
英語も音楽やスポーツに似ています。
かけた時間に比例して上手になっていくのです。
実は、作文も同じです。
作文は、知識の勉強ではなく、本業音楽やスポーツと同じ身体的な勉強です。
かける時間に比例して上達する面があるのです。
しかし、作文だけをいくら書いても、それで単純に調達するわけではありません。
上達にはもう一つの要素が必要です。
作文はアウトプットです。
アウトプットをだけをいくら練習しても、そのアウトプットが自然に上達するのではありません。
良質のインプットを伴って初めてアウトプットが上達するのです。
その上質のインプットとは読書です。
小学校低学年のころ、上手な作文を書いていた子が、中学年高学年になったときにあまり上達していないことがあるとしたら、それは読書が低学年のままで終わっているからです。
小学校高学年のころ、上手な作文を書いていた子が中学生高校生になったとき、期待するほど上達していないとすれば、それは中学生高校生が読むのにふさわしいレベルの高い説明文を読んでいないからです。
レベルの高い文章を読むインプットの時間がなければ、アウトプットをいくら頑張っても上達には限界が出てくるのです。
時々、作文が書けないとか、書くことがないとか、何を書いていいかわからないなどという子がいます。
その子たちに共通しているのは、読書自体が不足していることです。
作文の上達は、読書力に支えられています。
そしてまた、読書には、作文の上達以外の効果もあります。
それは読書によって学力が向上することです。
読書とは一見関係のないように見える数学英語理科社会の勉強でも、読書力がついてくると成績が上がります。
それはなぜかというと、人間が物事を理解する力は、日本語を通して理解する力だからです。
子供たちがどういう読書をしているかというのは、読書記録を見るとわかります。
https://www.mori7.com/teraon/ds.php
1週間で読み終わらずに、何週も同じ本の記録している生徒は読書量が減っています。
毎日10ページの読書できれば50ページ以上の読書をすることと、説明文の読書を増やすことです。
付箋読書の方法は次の森から郵便で説明します。
小学校低学年の絵本のような本ばかり読んでいる子は、読書の質を上げる必要があります。 中学生で物語文の本ばかり読んでいる子も、読書の質を上げる必要があります。
それは質の低い本を読まないということではありません。
読書好きの子は一般に漫画も好きです。
難しい本も読むが、易しい方も読むというのが普通の読書の仕方です。
子供の読書の質を高めるためには、親が読書好きである必要があります。
親が小学校中学生のころに読んで熱中した本があれば、それをこの子供にすすめることができます。
また、日常生活の中でも、親が本を読んでいる姿を子供に見せていると、子供は自然に読書好きになります。
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● 言葉の森新聞2024年8月2週号 通算第1814号 (4131字) 言葉の森事務局 jun 2024年08月09日 11時13分
16280 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2024年8月2週号 通算第1814号
文責 中根克明(森川林)
■■8月11日(日)・12日(月)は「休み宿題」
カレンダーに記載してあるとおり、8月11日(日)・12日(月)は「休み宿題」となります。
作文個別と作文クラスの生徒は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考に自宅でその週の課題を書いて提出してください。他の日に振替授業を受けることもできます。
「授業の渚」
http://www.mori7.com/nagisa/index.php
「ヒントの池」
http://www.mori7.com/mine/ike.php
作文以外のクラスの生徒も他の日に振替授業を受けることができます。
■■国語読解、算数数学、英語、基礎学力、総合学力、全科学力クラスの生徒は、毎月の確認テストに取り組みましょう
確認テストを受けられる期間は、毎月、1日から末日までです。
いつでも受けられるので、国語読解、算数数学、英語、基礎学力、総合学力、全科学力クラスの生徒は、必ず毎月の確認テストを受けてください。
「確認テストの使い方」のページを更新しました。
https://www.mori7.com/kt/tukaikata.php
大事なところを再掲します。
■確認テストの取り組み方
確認テストの取り組みについて説明します。
1.確認テストを受けられる期間は、毎月1日から末日までです。
2.国語読解クラスの生徒は、毎月、国語の確認テストを受けてください。
算数数学クラスの生徒は、毎月、算数数学の確認テストを受けてください。
英語クラスの生徒は、毎月、英語の確認テストを受けてください。
基礎学力クラスの生徒は、毎月、国語と算数の確認テストを受けてください。
総合学力クラスの生徒は、毎月、国語と算数と英語の確認テストを受けてください。
全科学力クラスの生徒は、毎月、国語と英語と英語の確認テストを受けてください。
確認テストで、実力と弱点がわかるので、今後の学習と指導に生かせます。
3.自分の学年の問題に取り組むのが基本ですが、苦手な人は前の学年で、得意な人は後の学年で取り組むようにしてもいいです。
その場合、使う問題集もその学年に合わせて勉強するようにしてください。
4.解答は、できるだけテキスト入力で送信してください。
5.テキスト入力が難しい場合は、確認テストのページから画像でアップロードすることもできます。
6.確認テストの採点は、事務局で行います。
7.点数が確定すると、正解が見られるようになります。
8.正解を見ても、正解の理由が理解できない場合は、確認テストの掲示板で質問をしてください。
https://www.mori7.com/ope/index.php?k=kt
9.オンラインクラス一覧表の自分の名前の横にある学年をクリックすると、自分の確認テストのページに飛びます。
10.なお、確認テストの結果を見ると、生徒の実力がわかるので、言葉の森では、全国学力テストなどの取り組みは行いません。
全国レベルの実力を知りたい場合は、「小学生 模試」「中学生 模試」「高校生 模試」などと検索して、それぞれの模試に参加してください。
11.中学生の数学、英語は、まだ学校でその単元を習っていない場合もあると思います。
問題集は、自分で先に進めるので、学校の進度とは関係なく先の勉強をするようにしてください。
12.中学生は、学校の定期テストは全教科80点以上を目指して勉強をしてください。
13.中学生の勉強時間の目安は、平日1.5時間、土日2.5時間です。
定期テストの2週間前からは、平日3.5時間、土日6~8時間を基準にしてください。
14.家庭での勉強時間を確保するために、自習室を利用することができます。
■■ハイコミュニケーションの強化による学習の充実を
●動画
https://youtu.be/m9D_4gB0xvQ
言葉の森は、この8月から、保護者の皆さまへのコミュニケーションの強化により、子供たちの学習を充実させることにしました。
これを、頻度の高いコミュニケーションを行うということで、ハイコミュニケーションという名称で呼びます。
言葉の森の指導の特徴は、1クラスの人数が5人以内なので子供たちの勉強や生活の様子がよくわかることと、講師が担任制で固定していることです。
しかし、これまでは、この特徴を生かすための保護者の皆様と講師とのコミュニケーションが必ずしも十分ではありませんでした。
講師は、子供たちの指導には熱心であっても、それを十分に保護者の皆様にお伝えしていなかったように思います。
言葉の森は、この5月から、「森からゆうびん」というA4葉書で、生徒の学習グラフの一部を郵送することにしました。
海外の方には、オンライン通信でお送りしています。
学習グラフの詳細は、ウェブでごらんいただくことができます。
https://www.mori7.com/gs/
この学習グラフをもとに、講師から保護者の皆様への個別れんらくを随時行うことにしました。
言葉の森の勉強は、他の学習塾との勉強とは、性格が異なります。
学習塾では、子供たちの成績を上げて志望校に合格させることが目的ですから、合格させたらそれで指導は終わりです。
言葉の森の勉強の目的は、成績や合格の先に、子供たちがよりよい人間として成長し、将来社会に貢献できる人間として育っていくことです。
将来は、オンラインクラスで一緒に学んだ生徒どうしが、大学生になっても社会人になっても交流できる同窓会のような機会を作っていく予定です。
また、子供たちが大きくなっても、昔教えてもらった先生に、いつでも相談に来られる体制を作っていく予定です。
そのためには、子供たちの学習の中心は、毎週の授業ではなく、毎日の家庭学習にする必要があります。
週に1回の授業でどれだけ勉強するかではなく、週に1回の授業をきっかけに、毎日の家庭学習を定期的に行っていくことが学習の中身になります。
しかし、そのためには、講師と保護者の間で、日常的な連係が必要になります。
連係を進める手段としては、保護者懇談会、発表室連絡、個人面談などもありますが、最も使いやすいものは個別れんらくです。
そこで、今後、講師から保護者の皆様へ、必要に応じて生徒の学習状況をできるだけ頻繁に報告するようにします。
ただし、講師からの連絡に、保護者の皆様が、そのつどお返事を書くのは負担を感じることもあると思いますので、講師からの連絡に対するお返事は特に必要ありません。
お返事を書いていただくとしても、「わかりました」とか「了解しました」とかいう文面だけで結構です。
また、メールのやりとりでは不十分になりそうなことについては、随時個人面談をご希望いたただければ、授業のあと10分程度の時間で個人面談をいたします。
オンラインクラスの方は、ご希望の日時のクラスにある「面談」の文字をクリックすれば、面談の希望を送信することができます。
作文個別の方は、個別れんらくで講師に直接面談の希望日時をご連絡ください。
■■その子を、今の生徒の姿ではなく、社会人になったときの姿を通して見る
子供たちには、いろいろな個性があり、長所があり、また短所があります。
成績がいいときもあるし、悪いときもあります。
うまく行くことも、失敗することもあります。
身近に子供たちを見ていると、つい今のその姿しか見えません。
そのため、教育に携わる人の多くは、子供たちを成績という面からだけ見てしまいがちです。
よくできる子、あまりできない子、というような一面からだけの評価です。
しかし、子供たちは成長します。
お父さん、お母さん方も、次のような経験があると思います。
小学校や中学校のころ、こんな子だった子が、社会に出たらいつのまにかあんな子になっていた、ということです。
「こんな」や「あんな」には、いろいろな言葉が入ります。
小学校、中学校、高校のころには予想もできなかったような成長を、どの子も遂げるのです。
だから、私は子供たちを見るときは、その子の今の姿ではなく、その先にある姿、つまり、社会人になったらどういう活躍をするのだろうという目で見ています。
すると、どの子も、文字どおり予測を超えた無限の可能性があるのです。
そう考えると、おのずから子育ての重点がわかってきます。
目の前のテストの成績は、もちろん大切ですが、それよりも大切なのは、子供たちが人間として成長することです。
受験勉強に邁進しているときは、こういうことは頭ではわかっても、心から納得するところまでは行きません。
しかし、時がたつと、心から納得するときが来ます。
ごく身近な話で言えば、中学生、高校生はあまり本を読みません。
言葉の森のオンラインクラスでは、毎週の読書紹介があり、中高生には説明文読書を勧めていることもあり、それなりにみんな本を読んでいますが、全体に日本の中学生高校生の読書量は多くありません。
定期テストの2週間前や、中3生高3生の受検期間中は、読書はいったん休んでもかまいません。
もちろん、そういう時期でも、折に触れて読書をする子はいますが、とりあえず読書より勉強でいいのです。
しかし、テスト勉強と読書を比べた場合、ひとまとめに言うことはできませんが、テスト勉強はあとに残りません。
しかし、読書は、あとに残ります。
例えば、中学生の数学の因数分解は、頭脳のパズルというぐらいの意味しかありません。
面白い因数分解の問題はたくさんありますが、それらができたとしても、社会人になったとき何かに役立つということはありません。
二次方程式の解を求めたいなら、解の公式にあてはめれば十分だからです。
また、解の公式も、理屈がわかれば、暗記しなくても自分で作ることができます。
中学生、高校生のみなさんは、また、そのお父さんやお母さんは、目の前のいろいろな課題に流されず、人間として成長することが大事だという原則を持ち続けていってくださるといいと思います。
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● 言葉の森新聞2024年8月1週号 通算第1813号 (7492字) 言葉の森事務局 jun 2024年08月02日 11時06分
16270 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2024年8月1週号 通算第1813号
文責 中根克明(森川林)
■■【重要】9月から受講料引き上げのお知らせ
7月30日に、国内の生徒の保護者の皆様に、「受講料引き上げのお知らせ」をお送りしました。
海外の方には、オンライン新聞でお送りします。
この受講料引き上げに伴い、今後、講師・事務局と保護者の皆様とのコミュニケーションを充実させ、生徒の実力を更に向上させていきたいと思います。
急な受講料改定で申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。
■9月から月額1,100円の引き上げ
いつも、言葉の森の指導へのご協力ありがとうございます。
このたび、言葉の森は、指導の一層の充実のために、9月から受講料を引き上げさせていただくことにしました。
引き上げ額は、作文、作文以外の教科とも、1,100円です。したがって、9月から、作文の講座は月額11,000円、作文以外の教科の講座は月額8,800円となります。
■今後、頻度の高いハイコミュニケーションの運営を
この受講料引き上げに対応して、言葉の森は、今後、生徒の学習状況に関する保護者の皆様とのコミュニケーションに力を入れていきます。
具体的には、個別れんらく板で、その生徒が教わっている授業や、それ以外の勉強生活全般について、頻度の高いコミュニケーションを行っていきます。
保護者の皆様からのご質問やご相談については、担当の講師だけでなく、事務局でも対応させていただきます。
言葉の森の生徒は、小学生から始めて高校生まで続ける人が多いので、今の段階の勉強だけでなく、将来につながる勉強についてもアドバイスをさせていただきます。
■保護者の負担のないかたちでのトータルなコミュニケーション
ただし、コミュニケーションの頻度の高さが保護者の皆様の負担にならないように、講師や事務局からの連絡については、特に返信されなくても結構です。
また、「了解しました」のような簡単なお返事だけでも結構です。
負担の少ないかたちで、トータルなコミュニケーションを行っていきたいと思います。
■受講料引き上げ後も継続のお願い
退会の手続きは、その月の20日までの連絡でその月いっぱいでの退会となります。
受講料引き上げのために、受講を続けるのが難しくなる方もいらっしゃると思いますが、今後のことを考えて、できるだけ継続してご受講くださるようお願いいたします。
■■夏期講習のお知らせ――小12年は暗唱、小3456年は読書感想文、中123年はAI読書感想文ほか
2024年の夏期講習は、7月28日(日)からスタートします。
今のところ、下記の予定が決まっています。
●月 9:00~9:45 暗唱
・小学12年生対象
・受講:1回2,200円(9月の受講料と合わせて自振)
・回数:何回でも可。
・教材:暗唱文集を配布します。
・内容:暗唱文集の2級の1頁「矢ごろ少し遠かりければ」の暗唱
・準備:特にありません
●水 9:00~9:45 読書感想文
・小学3456年生対象
・受講料:1回2,750円(9月の受講料と合わせて自振)
・回数:できるだけ3回以上
・教材:本は指定されたものの中から選びます
予習シートを配布します。
宇宙人のいる教室(さとうまきこ フォア文庫)[小3~小6向き]
川は生きている(富山和子 講談社青い鳥文庫)[小4~小6向き]
道は生きている(富山和子 講談社青い鳥文庫)[小4~小6向き]
杜子春(芥川龍之介 講談社青い鳥文庫)[小5~小6向き]
モモ(ミヒャエル・エンデ 岩波書店)[小6向き]
・内容:毎回400字の感想文の一部を書き、最終日に1200字にまとめます
・準備:本を購入して読んでおいてください
●木 9:00~9:45 AI読書感想文
・中学123年生対象
・受講料:1回2,750円(9月の受講料と合わせて自振)
・回数:できるだけ3回以上
・教材:本は自由に選んでいいです
・内容:毎回400字の感想文の一部を書き、最終日に1200字にまとめます
・準備1:本を読んでおいてください
・準備2:ChatGPTを利用して実例を書くので、メールアドレスを取得し、ChatGPTのアカウントを作り、ChatGPTを使えるようにしておいてください。
申し込まれる方は、オンラインクラス一覧表で該当するクラスの○にチェックを入れて、送信してください。
授業当日の1週間前を過ぎたらキャンセルはできません。
例えば、7日に授業がある場合、1日からのキャンセルはできません。
参加者が少ない場合でも実施します。
参加者が多い場合は、新しいクラスを設けます。
■■漢字の勉強が苦手な子に、どのように漢字の勉強をさせるか
●動画
https://youtu.be/w3QkVyP9yy0
国語力の中心は、読解力と作文力です。
漢字の書き取り力や、文法の力や、古文漢文の力は、国語力の本質ではありません。
なぜなら、日本語を知らない外国人は、漢字も、文法も、古文漢文もできません。
しかし、日本語の文章は、その国の言語に翻訳すれば十分に内容が理解できます。
国語力とは、結局思考力のことなのです。
漢字力で大事なのは、漢字を読む力であって、漢字を書く力ではありません。
読書力のある子は、特に漢字の勉強をしなくても、学年相当以上の難しい漢字を読めます。
これが漢字の実力です。
しかし、漢字の書き取りは、書き取りの勉強をしなければ身につきません。
漢字を読む力は実力で、漢字を書く力は勉強力なのです。
ところが、今の大人は、漢字を忘れても困りません。
ネットで調べればすぐにわかるからです。
また、文章を普通に入力すれば、ソフトが自動的に漢字に変換してくれます。
昔のような漢字の書き取りの試験は、もう時代遅れです。
しかし、まだその時代遅れの漢字の書き取りは、しばらく続きます。
では、どういう勉強をしたらいいかというと、それは、
1.なるべく薄い漢字の問題集を使うことです。
いろいろな問題を載せている厚い漢字の問題集は、繰り返しの勉強がしにくいからです。
2.その問題集をもとに、ひとつの漢字を20回繰り返し書く勉強をします。
なぜ20回かというと、200字詰めの作文ノートの1行が20字だからです。
小学2年生までは150字詰めの作文ノートを使うことが多いので、その場合は、ひとつの漢字を15回書くと決めておきます。
3.大事なことは、お母さんが教えるのではなく、毎日の習慣として子供だけで勉強をさせることです。
なぜ、お母さんが教えないのがいいかというと、親は漢字をよく知っているので、つい子供にいろいろなことを要求してしまうからです。
「そこは、はねる」のだの、「もっと大きな字で書く」だの、子供の漢字の勉強を見ていると、ついいろいろなアドバイスをしたくなってしまいます。
子供にとっては、そういうアドバイスが嫌で、漢字の勉強を嫌がることも多いのです。
子供がひとりで毎日の習慣として、例えば、毎日5文字を20回書く勉強をすると決めておけば、すぐに終わる勉強なので、抵抗なく勉強が続けられます。
それぞれの学年で習う漢字は200字程度ですから、1か月半で一応全部の漢字の書き取りの練習ができます。
その練習を毎日続けていけばいいのです。
4.もうひとつ、漢字に興味を持たせる方法として、難読漢字の本を用意するということがあります。
漢字は、象形文字ですから、文字であるのに絵として読める性格を持っています。
例えば、「鷲」「鷹」「鯨」「猪」「猿」「鳶」「雀」などという漢字を見ると、学校でまだ習っていない漢字ほど、興味を持つことができるのです。
▽「ちびまる子ちゃんの読めるとたのしい 難読漢字教室」
https://www.amazon.co.jp/dp/4083140585/
しかし、国語力で大事なのは、漢字の書き取り力ではなく、読書力なのだということをいつも確認しておく必要があります。
読書によって読める漢字が多い子は、いざ漢字を書く勉強を始めると、短期間で書き取りの力もつくからです。
■■「言葉の森へのご質問やご要望」の記事
10年以上前に作った「言葉の森へのご質問やご要望」というページをアクセスした方がいらっしゃったので、内容を一部、現状に合わせて修正しました。
以下が、修正した記事です。
■言葉の森へのご質問やご要望
言葉の森の作文指導は、43年の実績があります(創設1981年)。作文教室としては、日本でいちばん古い歴史です。
しかし、常に新しい技術を取り入れ、新しい指導法を開発しています。
その言葉の森に対する、これまでのご質問やご要望の主なものをまとめて紹介します。
●ほかの作文通信教育講座とどこが違うのですか。
いちばんの違いは、歴史が長いことと、指導法がすべてオリジナルだということです。
ですから、他の作文通信教育講座では真似のできないものがいくつもあります。
例えば、毎週のオンライン対話指導、担任制、構成指導、項目指導、暗唱指導、自動採点ソフト森リンの開発などは、どこも真似ができません。
他の作文通信教育講座の中には、担任制や電話指導をうたっているところもありますが、実質的な担任制と個別の対話指導をしているのは言葉の森だけです。
●受講料が高いという人がいますが、どうなのですか。
言葉の森の受講料は、入会金11,000円、受講料は、全学年共通で9,900円/月(作文クラス)です。(2024年9月からは11,000円/月)
他の作文通信教育講座の中には、月2回や月1回の作文指導で受講料を低くしているところもあります。
しかし、月2回や月1回では実力はつきません。
また、言葉の森は、匿名の先生の赤ペン添削ではなく、担当の先生が毎週個別指導をするる仕組みにしています。だから、提出率は百パーセント近くあり、継続率も高いのです。
学習の充実度から言えば、言葉の森の方がずっとお得な受講料なのです。
更に、中学受験の作文指導、高校入試、大学入試の作文小論文指導については、一般にはもっとずっと高いのが普通です。
合格率から考えると、言葉の森の受講料は格安と言えるでしょう。
●月1回のコースや隔週1回のコースはないのですか。
言葉の森の授業は、毎週1回で月4回のペースで進めています。その理由は、子供たちの生活が1週間の流れになっているからです。
体力をつけるための運動でも、ある程度の間隔で行わないと体力が向上しないどころか、現状維持もできなくなります。
月1回や隔週1回の学習では、実力が向上することは期待できません。
1週間に1回のペースだから、作文の学習が生活習慣になり負担が少なくなるのです。
●個別指導でも作文が書けないときはどうしたらいいのですか。
作文の勉強は、きわめてメンタルなものです。いったん書けないと思うと、いくら時間をかけても書けません。
しかし、そのために個別指導があります。
作文が書けないときは、その場で追加の説明をします。追加の説明があれば、ほぼ百パーセントの子が書くことができるようになります。
●毎日の自習を続けるために、親の負担はありませんか。
自習の取り組みには、個人差がかなりあります。
言葉の森で取り組んでいる毎日の自習は、読書です。また毎週の予習は、対話です。
読書というのは、毎日10ページ以上本を読むことです。対話というのは、次の週に書くことを子供とお父さんお母さんで事前に話しておくことです。
それ以外の自習はオプションとして、希望に応じて自由に取り組めるようにています。
また、自習を続ける際のいろいろな相談も掲示板で受け付けるようにしています。
ですから、家庭の負担はほとんどありません。むしろ、読書や対話は、家族の楽しみとして取り組めると思います。
●作文の上達の度合いは、どのようにしてわかるのですか。
言葉の森以外の作文通信教育講座では、作文の確実な評価法はありません。ほとんどが、先生の主観的な評価に頼っています。
言葉の森の評価は、三つあります。第一は、構成ができたかどうかの評価です。第二は、項目ができたかどうかの評価です。そして、第三は、自動採点ソフト森リン(国際特許取得)による表現力の評価です。
小1から高3まで客観性のある作文の評価ができるので、長期間継続した勉強ができるのです。
●作文というのは、指導によって本当に上手になるのでしょうか。
算数数学や英語の成績は、早ければ一か月で大きな成果が出せます。しかし、国語の成績は、そういうわけには行きません。
国語の成績は、最初のうちは短期間で少しだけ上げることができますが、その後も継続して上げることはなかなかできません。それは、国語の力というものが、国語の勉強ではなく、その子のそれまでの国語的な日常生活を土台としているからです。
作文は、国語力の集大成です。ですから、最初のうちは短期間で上達させることができますが、その後も継続して上達させるには一般にかなり時間がかかります。
言葉の森の受験作文の場合は、どの生徒もほぼ1年間で急速に力をつけます。そして、その力は、受験に合格したあとも続きます。
●担任制の個別指導で先生によって指導の仕方にばらつきはないのですか。
言葉の森の講師は、全国に約60名います(海外在住も含む)。
いずれの講師も、言葉の森の試験と面接に合格していますから、指導の質は保証します。
しかし、講師によって、優しく説明する人、あっさりと説明する人、甘く評価する人、厳しく評価する人と、ニュアンスの違いはあります。
ですから、先生と生徒の相性のようなものも当然出てきます。
もし、先生が子供の性格と合わないという場合はご相談ください。しかし、ほとんどの場合、生徒は最初に指導してもらった先生に満足しています。
また、作文の勉強の充実度は、講師の役割以上に、家庭での読書と対話の蓄積が大きく影響します。
講師からの電話指導は、勉強のきっかけ作りとして考えていただくといいと思います。
●褒めるばかりの指導で上達するのですか。
言葉の森の褒める指導は、ただ褒めるだけの指導ではありません。
作文を書く前の事前に指導があり、その指導に即して褒める指導です。だから、心から褒めることができるのです。
作文が嫌いになるケースのほとんどは、指導していないことを注意されることから来ています。
例えば、会話を入れて書こうという指導で、子供が一生懸命会話を入れて書き、先生に褒められると思ったのに、先生から、会話が多すぎて段落ができていないと注意されるようなことです。
注意は、書いたあとにするのではなく、次の作文を書く前の指導として行う必要があります。
また、表現力は、読む力の基礎の上に成長します。
正しい表現ができないのは、直す指導がないからではなく、読む量が少ないからです。
長く続けてさえいれば必ず上達するのに、注意を繰り返すことによって作文が嫌いになり短期間でやめてしまうのでは、かえってマイナスなのです。
●塾の勉強が忙しくなったので、塾の方で国語の勉強をしようと思うのですが。
塾では、国語の成績は上がりません。かえって、国語の問題を解くような勉強をさせられて時間が忙しくなるだけです。
短期間だけ、国語の点数を上げるコツは、どこの塾でも持っています。
しかし、長期間にわたって国語力を上げるのは、家庭での自習以外にありません。その自習の中身が、暗唱、音読、読書、問題集読書、対話なのです。
●パソコンをあまり使えないのですが、勉強するのに差し支えありませんか。
言葉の森の勉強のやりとりは、Zoomと郵便です。
スマホで勉強することもできますが、これからの時代は、パソコンは必需品になります。
できるだけ早くパソコンを使えるようにしていくといいと思います。
●構成や項目が決められると、パターン化された書き方になることはないのですか。
作文の勉強の進歩は、ゆっくりとしたものです。次々に新しい書き方を教えていては、何も定着しません。
表現の工夫が定着するまでは、同じパターンの書き方が続くことがあります。
しかし、その勉強が終わると、今度は次の新しいパターンの勉強をしていきます。
そのようにして、いろいろなパターンを身に付けて自由に書くことができるようになります。
型に入り型から出ることによって自由な文章が書けるようになります。だから、ある期間、型の決まった作文を書くことが必要なのです。
●国語や小論文の模試で悪い点数を取ってきたときはどうしたらいいですか。
国語のテストで悪い点数を取ってきたときは、点数を見るのではなく、どの問題ができなかったかという内容をまず見ることです。
文法ができなかったとか、古文や漢文ができなかったというのは、国語の実力とは関係ありません。知識の勉強をすれば誰でもすぐにできるようになります。
読解の問題でできなかった場合は、その問題の答えを理詰めに考え直してみることです。それだけですぐに成績が上がる場合がほとんどです。
時間切れでできなかった場合は、読書量不足です。長い展望で、読む量を増やしていく必要があります。
テストは点数を見るのではなく、その内容を見ることが大事です。
作文小論文の模試の点数は、ほとんどあてになりません。そのときの課題と本人の知識との相性で、点数が毎回大きく変わります。また、点数をつける採点者自身が、かなり主観的な評価をしています。
そして、一般に実力のない指導者ほど、欠点を指摘する厳しい評価をします。だから厳しい評価をする先生に教えてもらって上達することはまずありません。
長年の蓄積のある言葉の森の評価が最も正確な評価だと考えてください。
■■【合格速報】ジャンドラフォンティーヌ中学校(フランス)
●ジャンドラフォンティーヌ中学校 K.Yさん
<担当講師より>
フランス在住で現地の学校に通っているため、日本語での授業がなく作文を書くことには慣れていませんでしたが、お母さまの励ましのもと毎週作文をがんばって仕上げてくれました。五年生になってかなり難しい長文の感想文にも果敢に取り組んでくれていました。作風はユーモアがあり、とてもよい作品が多いです。
中学に行ってもたくさんの文章を書いてがんばってください。
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● 【重要】9月から受講料引き上げのお知らせ【送信指定】 (967字) 森川林 nane 2024年08月01日 15時21分
16269 (言葉の森オンライン新聞)
このご連絡は、海外の受講生の方あてにお送りしています。
7月30日に、国内の生徒の保護者の皆様に、「受講料引き上げのお知らせ」をお送りしました。
海外の方には、オンライン新聞でお送りします。
この受講料引き上げに伴い、今後、講師・事務局と保護者の皆様とのコミュニケーションを充実させ、生徒の実力を更に向上させていきたいと思います。
急な受講料改定で申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。
■9月から月額1,100円の引き上げ
いつも、言葉の森の指導へのご協力ありがとうございます。
このたび、言葉の森は、指導の一層の充実のために、9月から受講料を引き上げさせていただくことにしました。
引き上げ額は、作文、作文以外の教科とも、1,100円です。したがって、9月から、作文の講座は月額11,000円、作文以外の教科の講座は月額8,800円となります。
■今後、頻度の高いハイコミュニケーションの運営を
この受講料引き上げに対応して、言葉の森は、今後、生徒の学習状況に関する保護者の皆様とのコミュニケーションに力を入れていきます。
具体的には、個別れんらく板で、その生徒が教わっている授業や、それ以外の勉強生活全般について、頻度の高いコミュニケーションを行っていきます。
保護者の皆様からのご質問やご相談については、担当の講師だけでなく、事務局でも対応させていただきます。
言葉の森の生徒は、小学生から始めて高校生まで続ける人が多いので、今の段階の勉強だけでなく、将来につながる勉強についてもアドバイスをさせていただきます。
■保護者の負担のないかたちでのトータルなコミュニケーション
ただし、コミュニケーションの頻度の高さが保護者の皆様の負担にならないように、講師や事務局からの連絡については、特に返信されなくても結構です。
また、「了解しました」のような簡単なお返事だけでも結構です。
負担の少ないかたちで、トータルなコミュニケーションを行っていきたいと思います。
■受講料引き上げ後も継続のお願い
退会の手続きは、その月の20日までの連絡でその月いっぱいでの退会となります。
受講料引き上げのために、受講を続けるのが難しくなる方もいらっしゃると思いますが、今後のことを考えて、できるだけ継続してご受講くださるようお願いいたします。
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● 言葉の森新聞2024年7月4週号 通算第1812号 (6591字) 言葉の森事務局 jun 2024年07月22日 10時51分
16252 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2024年7月4週号 通算第1812号
文責 中根克明(森川林)
■■7月保護者懇談会資料
●動画
https://youtu.be/UI1vWI7xQDs
●7月の「森からゆうびん」で学習グラフなどを送りました
4月から、生徒の学習状況がわかるように学習グラフをつけた「森からゆうびん」を発行しています。
6月は、いったん休んでしまいましたが、7月は先日発送しましたので、もう届いていると思います。
より詳しい情報は、ウェブのページでごらんいただけます。
https://www.mori7.com/gs/
・作文については、字数がほんの少しずつでもいいので、伸びていることが勉強が進んでいる目安になります。
目標は、学年の100倍から200倍が標準です。
例えば、小学4年生であれば400字から800字書くことです。
・森リン点については、小6以上は、56点以上取れればよくできています。
・読解検定については、平均点の60点以上になっていることが目標です。
読解検定は、言葉の森の生徒であれば誰でも受けられるので、機会があれば受検してみてください。(通常550円、国語読解、基礎学力、総合学力クラスの生徒は330円。国語読解、基礎学力、総合学力クラスの生徒はウェブでテストをするだけであれば無料)
読解検定は、大学入試の共通テストと同じ性格の問題ですから、読解検定で高得点が取れれば、大学入試の共通テストでも高得点が取れます。
ただし、読解力をつけるためには、問題の分析以前に、問題集読書をしっかりやって難しい文章を読む力をつけておくことが大事です。
●受験生は、過去問の結果をもとに重点的な学習を
夏休みは、自分で決めた重点科目に集中して取り組むことのできる時期です。
受験生は、すでに過去問をやり終えていると思いますが、もしまだ過去問をやっていないようであれば、夏休みの最初に必ず過去問を仕上げてください。
塾や予備校の先生は、過去問をやれなどということは言いません。
生徒が早めに過去問に取り組むと、一律の授業ができなくなるからです。
過去問は、家庭の責任でやっておくことが大事です。
●作文力はますます重要になる
総合選抜入試が一般化してくると、学力だけでなく、作文力が必要になります。
作文力はすぐにはつきませんから、毎週の練習で書き慣れておくことが大事です。
中学生以上の人は、毎週1200字以上の作文を書くことを目標にしてください。
●中学生以降の作文は、ChatGPTを利用して
13歳になると、Gメールのアカウントが取得できます。
メールアドレスがあると、ChatGPTのアカウントも取得できます。
作文を書くときに、社会実例を増やす必要がある場合など、ChatGPTを使えば、具体的な実例を見つけることができます。
言葉の森の教材には、データ集や名言集やことわざ集がついていますが、これはChatGPTなどの生成AIがなかった時代の名残の教材です。
これからは、自分でいろいろな実例や表現を見つけるようにしてください。
●国語読解の勉強は、読書、問題集読書、読検解説で十分に実力がつく
国語の勉強というと、問題集を解くような勉強を考えがちですが、問題集をいくら解いても力はつきません。
それは、勉強が、「当たった、外れた」というレベルで終始するからです。
国語の問題は、理詰めに解いて満点を取ることを目標にすることです。
そして、理詰めに解く以前の学力として、文章を読む力をつけることが大切です。
したがって、
1.中学生の読書は説明文を中心に毎日50ページを目標に。
小学生は、物語文でいいですが、文章がしっかり書いてある本をやはり50ページ以上を目標に。
2.問題集読書で問題文を毎日1~2編音読し、1冊の問題集を最後まで読んだらまた最初から読み直し、5回読むようにしてください。
3.読解検定の問題の正解を理詰めに分析する練習をしてください。
先日、あるクラスの生徒の話を載せました。
「国語読解クラスで成績急上昇の中学3年生。1年間でみるみる上達。」
https://www.mori7.com/as/5126.html
決められたことをしっかりやれば、誰でも実力がつきます。
これは、算数数学、英語でも同じです。
●創造発表は、これからの学力。
中根が担当している創造発表クラスは、小6から中3までの生徒がいますが、生徒の発表や質問感想を聞いていると、みんな個性的によく考えていると感心します。
学校での勉強は、答えが決まっている勉強なので、答えができるようになったらそれで終わりです。
しかし、本当の勉強は、自分の興味あることを深めていくものです。
こういう個性的な勉強が、これからの総合選抜(旧AO入試)時代の勉強になります。
「創造発表クラスの授業風景(小6と中学生)」
https://www.mori7.com/as/5111.html
●小学4年生までの本当の学力は読書力
小4までの勉強は、やれば誰でもできる基本的な勉強です。
この段階での成績の差は、本質的な差ではありません。
成績よりも重要なのは、読書の力です。
この読書力は、目に見えないように見えますが、読書力があれば、学年が上がるにつれて成績も上がります。
小学1、2年生で、自分から進んで本を読もうとしない場合は、お母さんが読み聞かせをしてください。
耳から入る読書が、目で読む読書の土台になります。
●小学1、2年生は、毎日の暗唱の習慣を
暗唱のよくできる子は、学年が上がるにつれて成績がよくなります。
小学1、2年生は、暗唱力が最もつく時期です。
小学校低学年の時期に、毎日の学習習慣として、朝ご飯の前の暗唱練習を決めておくといいと思います。
小学生時代に暗唱力がついた生徒は、中学生になって英語の教科書の暗唱も楽にできるようになります。
暗唱力は、記憶力だけでなく、読解力、表現力、思考力も伸ばします。
▼暗唱検定で5級の合格をした子が増えています。
https://www.mori7.com/askt/
●これから、個別れんらくなどで、保護者の皆様とのコミュニケーションに力を入れていきます。
保護者の方も、何かありましたら、お気軽に担当の講師や事務局にご連絡ください。
■■7月29日(月)・30日(火)・31日(水)は休み
7月29日(月)・30日(火)・31日(水)は、第5週のため通年クラスの授業はありません。振替授業もお休みです。
■■第4週は清書。幼稚園生は作文(作文クラス)
幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。
小学1年生以上の生徒は、清書を行います。
■清書の意義と方法
清書とは、これまでに書いた作文の中で内容がよかったものを書き直すことです。
内容がよいとは、個性、感動、共感などがあるということです。
書き直すときは、次の点に留意してください。
(1)漢字で書けるところは漢字で書く。
(2)たとえや自作名言を工夫できるところがあれば工夫する。
(3)似た話や続きの話を書くことによって字数を増やす。
(4)作文用紙の空いているところに絵などをかいてもよい。
■清書の投稿
清書した作文は、小学生新聞や一般紙などに投稿してみましょう。
手書きの清書の原本を、新聞社に投稿したり、コンクールに応募したりする場合は、清書のコピーの方を先生に送ってください。
新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(2)学年(3)自宅の住所(4)自宅の電話番号(5)学校名とふりがな(6)学校所在地(町村名までで可)など。
投稿する際は、ペンネームを本名に訂正しておいてください。作文の中に友達の名前が固有名詞で入っている場合は、イニシアルなどに直しておいてください。投稿する作文の内容は、保護者がチェックしてあげてください。
同じものを複数の新聞社やコンクールに送らないようにしてください。これは二重投稿といって、もし両方に掲載されてしまった場合、掲載先に迷惑をかけることになります。
●小学生新聞の投稿先
■104-8433東京都中央区築地3-5-4 朝日小学生新聞「ぼくとわたしの作品」係
■100-8051(住所はいりません毎日小学生新聞「さくひん」係(600字以内)
●新聞社に送る清書は市販の原稿用紙に
新聞社に送る清書は、市販の原稿用紙に書いてください。
その理由は、清書は個人で送るものなので、自分で用意した原稿用紙に書くのが、社会的なルールとなるからです。
※清書した作文を投稿しない場合でも、額などに入れて家の中に飾っておきましょう。
■■小学校低学年の作文は、お母さんが教えられるが、お母さんが教えると子供は作文が嫌いになり、学年が上がると作文の勉強をしなくなる
小学1、2年生のころの作文は、誰でも教えられます。
また、今は作文の書き方という本もいろいろ出ています。
そこで、お母さんが教えることがあります。
お母さんが教えると、子供の作文はいったん上手になります。
しかし、しばらくすると、作文が嫌いになってくるのです。
もちろん多くの例外はあります。
しかし、お母さんが教えると嫌いになるというのは、大きな傾向としてあるのです。
その理由は、親はつい教えすぎてしまうからです。
これが、算数の勉強や国語の漢字書き取りの勉強であれば、教えすぎても問題はありません。
勉強そのものがあまり負担のあるものではないからです。
しかし、作文は、子供がそれなりに気合を入れて書くものです。
その書いたものに、あとからアドバイスを受けると、自分が一生懸命にしたことが否定されたように感じるのです。
そういうことを積み重ねているうちに、子供は作文を書くことが嫌いになってきます。
よく、親に、「次、どうやって書くの」と聞く子がいます。
そういう子は、それまで書いたあとに、すぐ注意されてきたので、注意される前に親に聞いておこうと思うようになったのです。
こういうことが続くと、やがて作文を書きたくなくなります。
そのときに、作文を習うということを提案しても、子供は、作文に対する拒否感があるので、なかなかやろうとしません。
だから、小学1、2年生のうちに、作文を習うことがいいのです。
そして、お母さんの役割は、作文を直すことではありません。
作文の題材作りを手伝ってあげることと、子供が作文を書いたあとは褒めることなのです。
■■総合選抜時代の学力は、学力と実績と小論文
大学入試で、総合選抜の割合が増えています。
総合選抜入試に臨むには、どういう準備が必要かという私なりの考えを書いておきます。
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【大学受験】総合型選抜の効果を検証…文科省が報告書
https://reseed.resemom.jp/article/2024/04/30/8667.html
面接調査によると、大学が育成したい人材像、選抜したい人材像を明確にデザインし、学ぶ人材の多様性を担保するため「尖った人材」「伸びしろ(本質をとらえる能力)を感じられる人材」などに着目した選抜が展開されていた。入学後も丁寧に資質の深化、醸成に努めた結果、学生や就職先企業などの満足度が高いという事例報告があった。
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大学側は、自主的、意欲的に学ぶ学生を採用したいと思っています。
そのために必要な基礎学力は、わざわざ入学試験を課すよりも、高校時代の成績を見れば大体わかります。
特によい成績を取る必要はありませんが、全教科バランスよくできていることが大事です。
大学側は、成績で採用を決めるのではなく、成績は学力の参考資料として見るからです。
大学は、入学したあとも、自分なりの問題意識を持って意欲的に学ぶ学生を採用したいと思っています。
そのための基準のひとつは、高校生時代に、どういうことをしてきたかということです。
ところが、高校生の生活は勉強中心ですから、自分らしい個性的な実績を示せるようなことをする余裕はあまりありません。
数学コンクールで入賞したとか、読書感想文コンクールで入賞したとかいうことであれば、これは実績になりますが、そういう実績のある人は限られています。
そこで、ひとつの方法は、クラブ活動の中で、自分の好きな研究を積み重ねることです。
その際のクラブ活動には、学問的な要素があることが必要です。
音楽やスポーツは、熱中して取り組めますが、学問的な要素がないので、総合選抜入試に生かせる経験にはなりません。
音楽やスポーツなどの趣味は、趣味としてやっていけばいいのです。
クラブ活動には、科学部、地学部、生物部、歴史研究会などがあると思います。
こういうところで、自分なりの研究を深め、フィールドワークの実践をすれば、それがそのまま自主的、意欲的な学力の経験になります。
その経験を生かして、コンクールに入賞するなどができれば、それは本人の実力を示す確実な資料となります。
しかし、コンクールなどでなくても、実績を示す方法はあります。
それは、自分の研究結果をもとに、自分のホームページを作ることです。
そのホームページに、YouTubeの動画などを入れ、自分の実績を発表することができれば、それはインパクトのある自己アピールになります。
ちなみに、言葉の森のプログラミングクラスでは、ホームページ作りの授業を行っています。
ロボット作り、ゲームづくりなどは面白い学習ですが、その学習だけで閉じています。
その学習から、コードプログラミングに進むことはできますが、プログラマーになるような方向を目指す人はまずいません。
むしろ、コードプログラミングは、ホームページ作りに生かしていくということが、これからのプログラミング学習の中心になると思います。
さて、話をもとに戻して。
今の大人の世代は、勉強第一の学生生活を過ごしてきた人が多いので、勉強以外のことについては、特にしたいことがないという人もいると思います。
そういう人たちは、社会に出ても仕事第一の人生を送ります。
もちろん、仕事第一の人生は、いいことですが、本当に自分のしたいことがないと、自分らしい人生を歩んだことになりません。
定年になってから自分のしたいことをするという人もいますが、ある程度の蓄積がないことは、心から熱中できない面があります。
では、どうしたらいいかというと、中学、高校生の若い時期から、自分のしたいことをしていくことです。
そのしたいことと学問分野を結びつけていけば、特に意図しなくても、総合選抜時代の準備をしていることになります。
言葉の森は、そういう勉強のきっかけになるものとして、創造発表クラスを開いています。
個性的な興味関心は、自分ひとりでやっているだけではすぐに行き詰まります。
個性的な学力を持続させるには、創造発表クラスのように毎週みんなの前で発表の機会を作ることか、高校のクラブ活動のように自分の好きな分野を友達と一緒に勉強する機会を作るとかの工夫が必要です。
これからの時代は、勉強は普通にできていればよい、そのかわり自分らしい自主的、意欲的なことができるかどうかが大事という新しい学力の時代になります。
これからの子育ても、こういう長期的な展望で考えていくことが大切です。
さて、もう一つ。
総合選抜時代の学力として必要なものは、基礎学力、自主的意欲的な学力のほかに、小論文の学力があります。
言葉の森の小学4年生までの作文は、生活作文ですから、小論文の学力ではありません。
小学5、6年生の作文は、説明文ですから、半分小論文の学力です。
中学生高校生の作文は、意見文ですから、これが小論文の学力です。
小論文を書く力をつけるには、長い時間が必要です。
なぜなら、文章を書くには、読むこと、考えることのほかに、書き慣れることが必要だからです。
今、言葉の森で作文の勉強をしている人たちにとって、いちばん大事なのは、毎週1本の作文を書くことによって、書き慣れる練習を自然にしているということなのです。
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● 言葉の森新聞2024年7月3週号 通算第1811号 (4179字) 言葉の森事務局 jun 2024年07月16日 16時40分
16239 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2024年7月3週号 通算第1811号
文責 中根克明(森川林)
■■作文力は、自分では評価できない。他の人に見てもらうことが大事。
●動画
https://youtu.be/CluYXjEUvlU
国語、算数数学、英語なら、答えがあるので、自分で評価することができます。
しかし、作文は、自分で自分の文章を評価することができません。
これまで、体験学習に来た子供たちに、作文が得意かどうかを聞いてみると、共通する傾向がありました。
「作文が嫌い」というのは普通に書ける子です。
「作文は普通」というのは、よく書ける子です。
「作文は好き」というのは、あまり書けない子でした。
作文力は、自己評価はできないのです。
答えのある勉強であれば、解答を見て自己評価ができます。
答えのない勉強は、他人に見てもらわなければ自分の実力がわかりません。
東洋経済オンラインに、わかりやすい記事がありました。
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高3までに得たい「文章力」磨くための重要なコツ
「総合型選抜」「公募推薦」で難関大学目指すなら
https://toyokeizai.net/articles/-/662595
「なーんだ、そんなことは学校で習ったし、うちの子も学校で習っているはずだから大丈夫。日本語は書けるわけだし、問題ないでしょ」
とおっしゃる親御さんもいます。それでも、まずは一度、だまされたと思ってお子さんに文章を書かせて、それを見てみてください。十中八九、その期待は裏切られることになると思います。
この中でも特に注意が必要なのは、「『です・ます調』と『だ・である調』の混在と、「話し言葉や若者言葉」です。
====
「ですます体」と「である体」の混在の作文を書く子は時々います。
小学5年生以上は、「である体」で書くのが基本です。
小4までの課題は、「私の好きな食べ物」のような身近な課題が多いので、「ですます体」でいいのです。
小5からは、「読書の大切さ」のような説明と意見が中心になる課題が多いので、自然に「である体」で書くようになります。
「ですます体」は、話しかける文章で、「である体」は、内省する文章です。
「ですます体」は、手紙や志望理由書などのように、相手に語りかける文章のときに使います。
論説文を「ですます体」で書く人はあまりいません。
「ですます体」と「である体」を意識的に混在させて書く人もいます。
野坂昭如さんは、そういう文章を書いていたと思います。
しかし、作文試験で、「ですます体」と「である体」を混ぜて書くと、それだけでボツになります。
それは、読み返すときに、文末の違いがあったらおかしいと思うのが普通だからです。
つまり、作文力以前に、読む力がないとみなされるからです。
作文力に、正解はありません。
だから、他人に見てもらうことが必要です。
昔、慶應義塾大学に、志望理由書を書いて1回落ちた子が、2回目の挑戦のために志望理由書の添削を頼んできたことがありました。
一読して、自分のことしか書いていないことがわかりました。
相手にアピールするための文章ではなく、自分のために書いた文章になっているのです。
それで、内容を添削して直してあげたら、今度は無事に合格しました。
文章というのは、他人に見てもらわないとわからないのです。
■■子供を低学年のうちから読書好きにさせるためには、親が楽しく本を読んでいる姿を見せること
●動画
https://youtu.be/gZ41EWpUP7M
小学1、2年生の子供たちは、親のしていることを模倣しようとします。
この時期は、何事もそのままに吸収する時期です。
暗唱も、小学1、2年生の子供であれば、すぐにできるようになります。
小学3年生以上になると、暗唱は「覚えるもの」という意識ができてくるので、かえって暗唱はしにくくなります。
この小学1、2年生の何でも模倣できる時期に、親が見本を見せることが大事です。
その見本のいちばん大事なものは、読書です。
親が本を読んでいる姿を身近に見る子供たちは、自分も、ああいうふうに本を読む人になりたいと思うのです。
ところが、多くの親は、仕事でくたびれて帰ってくると、スマホを見たり、パソコンでYouTubeを見たりしています。
すると、子供は、自分もそういう人になりたいと思うのです。
大事なことは、習い事をさせたり、宿題のプリントをさせたりすることではなく、家庭の知的な文化を作ることです。
家庭の知的な文化のひとつは、食事のときは、テレビやパソコンやスマホは消すということです。
食事の時間は、家族の対話の時間にするのです。
もうひとつは、読書の時間を作ることです。
例えば、夕飯のあとは、10分間の読書時間とするのです。
そのときは、お父さんも、お母さんも、10分間本を読みます。
本をまだ読めない幼児には、親が読み聞かせをする時間にします。
こういうことができるのは、子供が小学1、2年生の間です。
この時期に、家庭の文化を作るのです。
ただし、お父さんとお母さんで方針が異なる場合もあります。
大人は、自分の習慣を変えられないので、テレビを見ながら食事をする習慣があった人は、それを今更変えることができません。
そこは、ある程度の妥協が必要になります。
お父さんとお母さんが仲よく暮らすことも、家庭の文化だからです。
読書に関する記事がありました。
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子供を本好きにする3つの柱とは 東大発1万人が読書にハマったメソッド【書評】
https://news.yahoo.co.jp/articles/13f586c3f7e345799467e1cc67e4cc183dcd2d05
2022年に行われた内閣府の調査では、小学生のインターネットの利用時間は1日あたり平均213.7分で、2014年に行われた同調査の83.3分と比べて3倍近く伸びているという。
つまり、本より手軽に楽しめる存在が身近にあることで読書をしなくなるのは現代では自然な流れであり、だからこそ子どもが本の魅力に気づける環境づくり、楽しく読んで読書を習慣化できるようサポートする必要があるという。
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インターネットを見ることが悪いのではありません。
読書をする時間を作ることが大事だということです。
■■言葉の森の作文指導で、なぜ作文が上手に書けるようになるのか。事後の添削ではなく、事前の項目指導が書く力を引き出す。自動採点ソフト「森リン」による評価が中高生の目標になる。
●動画
https://youtu.be/YqoYGKnXjXY
言葉の森の作文指導の特徴は、事前指導です。
学校などで行われる作文の授業は、とりあえず生徒に作文を書かせて、そのあとで添削をするというのが通常のやり方です。
書いたあとに添削をするので、生徒は、何のためにどう書いたらいいのかという目標がありません。
とりあえず自由に書いて、そのあとに添削を受けるのです。
これは、数回の授業であればできる方法ですが、毎回、このような事後添削だけの指導では、生徒には作文を書く意欲がなくなります。
褒められる子は、いつも褒められますが、ほかの生徒は、自分がどう書いたら褒められるのかわかりません。
それで、作文指導に熱心な先生に教わるほど、作文嫌いの子が増えるのです。
では、どうしたらいいかというと、子供に、事前の指導をすることです。
例えば、「会話を入れよう」とか、「たとえを使おう」とか、「書き出しを工夫しよう」とか、「書き出しと結びを対応させよう」とかいう指導です。
目標があれば、子供たちはがんばります。
そして、先生は、その目標ができたかどうかだけで生徒の作文を評価すればいいのです。
大人の人は、事前の目標以外のところで、子供の作文を評価しがちです。
「字をもっとていねいに書きなさい」とか、「漢字を使って書きなさい」とかいう評価がそうです。
事前の指導として、そういうことを言うのはいいのですが、事前の指導なしで、事後の評価だけがあると、子供はがっかりします。
だから、作文の指導は、事前指導が基本なのです。
言葉の森は、更に、自動採点ソフト「森リン」による評価があります。
これは、語彙の多様性を中心にした評価で、中学生や高校生は、この評価を基準にして自分の作文力を評価することができます。
▽学年別の森リン大賞
https://www.mori7.com/oka/moririn_seisyo.php
小学生の森リン点は、主に語彙の多様性です。
中学生、高校生の森リン点は、語彙の多様性に加えて思考語彙があることです。
このように文章力のある子供たちは、みんな勉強もよくできます。
将来、社会に出ても立派な仕事をしていくと思います。
■■国語読解クラスで成績急上昇の中学3年生。1年間でみるみる上達。
作文クラスと国語読解クラスを受講している中学3年生の生徒です。
中3になってから初めての定期テストで、国語がクラス2位、学力調査で学年3位だったそうです。
中学2年生のときに国語読解クラスに入りましたが、そのころは読解検定で8問中1問も正解にならないことがありました。
1年で、大きく変わったのです。
国語読解クラスで、ほかの生徒の問題の解説を聞いていると、解き方がわかったと言っていました。
その後、どんどん成績を伸ばし、今では満点を取ったり、ミスも1問か2問だったりと、実力が安定していると思っていました。
今回の飛躍的な成績の伸びには、本人も驚いていたようです。
読解検定の解説も上手になり、作文もかなり上達してきました。
国語読解クラスに入るまでは、家でほとんど読書をしなかったそうですが、最近は毎回よい本を上手に紹介してくれます。
思考力と表現力の伸びが著しいです。
これまでの経験では、作文や国語の成績がよくなるときは、他の教科の成績のすべてよくなっていることが多いです。
こういう例は、保護者のみなさんもいろいろ経験があるでしょうから、お名前は匿名でいいので、ぜひお子さんの例を紹介してください。
コメント欄か、個別れんらく板で、又はお電話で、又は担当の先生にお願いします。
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● 言葉の森新聞2024年7月2週号 通算第1810号 (9718字) 言葉の森事務局 jun 2024年07月08日 15時23分
16213 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2024年7月2週号 通算第1810号
文責 中根克明(森川林)
■■7月15日(月)は「休み宿題」
カレンダーに記載してあるとおり、7月15日(月)は「休み宿題」となります。
作文個別と作文クラスの生徒は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考に自宅でその週の課題を書いて提出してください。他の日に振替授業を受けることもできます。
「授業の渚」
http://www.mori7.com/nagisa/index.php
「ヒントの池」
http://www.mori7.com/mine/ike.php
作文以外のクラスの生徒も他の日に振替授業を受けることができます。
■■【無料体験学習受付中】小学123年生のための作文クラス、基礎学力クラス
◆作文力発表力がこれからの学力
知識の詰め込みの学力の時代は、もう終わりました。大学入試の総合差選抜型入試が50%を超えたように、個性と思考力と作文力と発表力が問われる時代になっています。
◆小学生のうちに暗唱力をつける
基礎学力クラスでは、暗唱の授業があります。暗唱力をつけると、すべての勉強がうまく行くようになります。言葉の森の暗唱は、記憶力だけでなく、読解力、表現力もつける学習です。
◆読書紹介で読書力をつける
言葉の森のクラスでは、毎週全員の読書紹介があります。読書紹介によって本を読む習慣がつくとともに、みんなの前で発表する力がつきます。読書力と発表力が、これからの学力になるのです。
★無料体験学習受付 電話 045-353-9061平日7:00-17:00土日7:00-12:00
■■受験生は、まず志望校の過去問を夏休み前に。過去問は、答えを見ながら解いてもよい。傾向を知れば、勉強の焦点がおのずから絞られる。一般的な学力をつけるのではなく、その学校に受かる学力を身につけることが大事
●動画
https://youtu.be/yKZOGG9DnIo
受験生のお母さんは、まず過去問を買ってあげてください。
これが、受験勉強のスタートです。
そして、生徒は、夏休み中に、自分が力を入れようと思う教科を集中して勉強するのです。
勉強時間は、よく1日8時間と言われていますが、私は6時間でもいいと思います。
朝2時間、午後2時間、夕方2時間です。
受験の1年間は、どんなにがんばっても弊害はありません。
早くから長時間やりすぎることが問題なので、1年間であれば、どんなにがんばってもいいのです。
塾や予備校に通うと、能率が低下します。
そこに通うことが勉強のように思ってしまうからです。
しかし、勉強に対する自覚のない小学生は、自分だけで家庭で勉強するのは難しいと思います。
中学生は、自分だけで勉強できる生徒とそうでない生徒が半々です。
高校生は、自分だけで勉強ができると思います。
過去問対策の必要性を伝える記事がありました。
====
東大合格者語る「過去問は後回し」超キケンな訳 受験や資格試験でも効率性を考えて勉強を
https://toyokeizai.net/articles/-/768083?utm_source=rss&utm_medium=http&utm_campaign=link_back
■基礎を固めてから過去問は遅い!
「どうせ今やっても点数が取れないのはわかっているから、しっかり基礎を固めてからやりたい」という人もいますが、これはタイパの面では悪手です。
……
最初に過去問を解いておけば、自分が今やっている勉強が本番の問題とどう関係しているのか、何のためにやっているのかがわかります。
====
タイパというのは、タイムパフォーマンス、時間あたりの効果のことです。
こんな略語使うなよと言いたいところですが(笑)、しかし内容はそのとおりです。
初心者は、最初に「まず実力をつけてから」と思いがちです。
目的は、受験に合格することなのに、一般的な実力をつけることが目的になってしまうのです。
昔、数学の苦手な高校生がいました。
その生徒が、何の勉強をしていたかというと、夏休み中図書館に通って、熱心に計算の練習から始めていたのです。
同じようなことをしている人は多いと思います。
まず過去問を解き、自分の実力がどの程度か知り、今後の対策を決めることが基本です。
しかし、私はこのことを昔からずっと言っているのに、実行できる子はほとんどいませんでした。
みんな、秋ごろになってから、力試しのつもりで過去問をやってみるのです。
なぜかというと、塾や予備校も、過去問対策の重要性を言わないからです。
その理由は、春から生徒が過去問に取り組むと、問題の傾向が多様なので講師が対応できないからです。
だから、過去問対策は、家庭でやるのが基本です。
こんな当たり前のことを、これまで何度も書いてきました。
でも、最近やっと前述のような記事が出てきたので、これから少しずつ改善されるかと思います。
過去問が基本ということを、保護者の方はよく覚えておいてください。
■■勉強力の基本は読書力。読書力のある子は学年が上がるにつれて成績が上がる。
●動画
https://youtu.be/qhtrEMrrLfg
言葉の森の生徒は、読書をよくしている子が多いです。
しかし、中に、読書が苦手な子もいます。
読書量が少ないと、学年が上がるにつれて成績が低下します。
参考になる記事があります。
====
「自分で勉強する子」の親がやっている意外なこと
https://diamond.jp/articles/-/346288
自分で勉強できる子には「読書力」が身についています。活字に対する抵抗感が少なく、自主的な意欲で教科書や問題集に向き合うことができ、書かれている内容を読み解く力が育っています。だから人の助けを借りることなく、自学自習で学力を積み上げていくことができるのです。
====
算数数学も、小5以上になり課題が難しくなると、解法を理解するための読解力が必要になります。
読解力がないと、算数数学の問題が解けなくなるのです。
英語も同じです。
説明文の英語になると、日本語の理解力がなければ内容を読み取ることができなくなります。
ただ英語の文章が読めればいいのではないのです。
小学校低学年の読書力は、音読でわかります。
本をすらすら読める子は問題ありません。
つっかえながら読む子は、読書の面白さがわかりません。
ただし、読書力を見るために、子供に音読をさせたとき、もし子供がつっかえながらで読んでいたとしても、その音読を褒めるだけにすることが大事です。
子供は褒められることによって進歩するからです。
音読が普通にできる子の場合、必要なのは読書量を増やすことです。
そのためには、面白い本を与えることです。
ただし、子供が興味を持つからといって、おばけの本や殺人の本のような気持ち悪いものは避けることです。
そういう本は、無明によって子供を引き付けているだけです。
読んで心がすがすがしくなるような本で面白い本を与えることが大事です。
▽「どんな本を読むか。その前に読まない方がよさそうな本」
https://www.mori7.com/as/3312.html
本がよく読める子については、説明文や意見文の本を読む方向に進めることが大事です。
そのためには、図書館のノンフィクションコーナーで、その子の興味のありそうな説明文の本を見つけることです。
アマゾンなどのネットショップでも、「ちくまプリマー新書」「岩波ジュニア新書」などで検索すると、中高生が読むのにふさわしい説明文の本が見つかります。
しかし、子供の読書力がないうちに、難しい本を読ませようとすると、読書量が減ります。
それは、かえってマイナスです。
そのためには、複数の本を並行して読むようにすることです。
付箋を貼って読んでいけば、何冊もの本を並行して読むことができます。
▽「付箋読書の仕方」
https://www.mori7.com/as/1367.html
子供に読書をさせるために費やす費用は、学習のために必要な経費と考えて、倹約などを考えないことです。
図書館で借りて、子供が面白いと言った本は、その本を実際に買ってあげることです。
同じ本を手元に置いておけば、繰り返し読む機会があります。
同じ本を繰り返し読むことが、子供の読書力の質を高めます。
そのためには、家に、子供専用の本棚を作ってあげるといいと思います。
kindleで読む方法もあります。
kindleはどこでも読めます。
また、日中でも夜中でも、歩きながらでも寝ながらでも読めるので便利です。
しかし、本の内容を情報として読む感じなので、1冊を読み終えたという感じがあまり残りません。
いい本は、リアルな本として購入しておくといいと思います。
例えば、ミヒャエル・エンデの「はてしない物語」の単行本などは、本として家に置いておくのがいいと思います。
■■読書感想文の宿題は無意味。それは、宿題として出すのではなく授業の中で指導するのが本筋。先生が指導できないから宿題として出しているだけ
●動画
https://youtu.be/QzDd199tLqc
私は、昨年の5月に、「読書感想文コンクールは、たぶん今年で終わる――ChatGPT時代の教育は、新しい形にならざるを得ない」という記事を書きました。
https://www.mori7.com/as/4751.html
しかし、その年も、やはり読書感想文の宿題を出すところがありました。
また、依然として今年も読書感想文の宿題を出すところがあるようです。
読書感想文の宿題が出たら、気の利いた子供は、ChatGPTで感想文を作って提出しておしまいです。
すると、そのうち、そのChatGPTの作った感想文が入選作品になるでしょう。
それで、混乱して本格的におしまいになるのです。
どうして、こういうことがわからないのかと思います。
読書感想文は、宿題として出すものではなく、授業の中で指導するものです。
宿題としてではなく、授業として行うものなのです。
なぜ、学校で読書感想文を宿題として出すかというと、国語の先生が、授業の中で指導することができないからです。
言葉の森は、もう何十年も前に、たぶん日本で初めて読書感想文の夏期講習を行いました。
そこで、何人もの子が、入選してしまったのです(笑)。
だから、その後、読書感想文の指導は控えめにすることにしました。
それでも、毎年、何人もの子がコンクールに入選しています。
だから、指導の方法はあるのです。
しかし、そのような宿題をこなすための勉強をしても意味がありません。
子供は、ちゃんとした勉強をするべきで、宿題のために勉強するのではありません。
言葉の森は、小3から感想文の指導をしています。
本当は、感想文がしっかり書けるのは、考える力がついた小5になってからです。
しかし、学校などで感想文の宿題が出されたときに困らないように、小3から感想文の指導をしているのです。
夏休みの読書感想文の宿題が出たら、いつも書いている感想文の勉強のパターンで、1日400字を書けば、3日で1200字の感想文が書けます。
しかし、本当は感想文を書くことで苦労して時間を費やすことよりも、夏休みは、自分の好きな本をたっぷり読んでおく方がいいのです。
読書感想文の書き方については、次のカテゴリーの記事を見てください。
https://www.mori7.com/beb_category.php?id=28
■■これからの教育は、オンライン少人数クラスのコミュニケーション性を生かした作文教育と創造発表教育
●動画
https://youtu.be/Daj1eLCBYyY
勉強の目的は、どこかに合格するとか、成績を上げるとかではなく、将来日本を支える子供たちを育てることです。
そのために、思考力、創造力、共感力を育てる教育を行っていくことです。
もちろん、言葉の森で勉強している子供たちは成績が上がり、いろいろなところに合格しています。
「合格情報」
しかし、それよりももっと先にあるものが大事なのです。
それは、自分の個性を生かして社会に貢献することです。
言葉の森は、最初は作文教室としてスタートしました。
日本で初めて作文指導を始めた教室です。
他のいろいろな作文通信講座などは、すべて言葉の森のものまねです(笑)。
ただ、私は、作文を教えている中で、勉強面でのアドバイスが必要な子がいることもわかりました。
例えば、国語の勉強は、難しい文章を繰り返し読み、読解問題の解き方を身につければすぐにできるようになるのですが、そういうことをせずに、国語の問題集だけを解いているような子が多かったのです。
算数数学も同じです。
1冊の問題集を完璧に仕上げればいいのに、いろいろなプリントを次々とやるような勉強の仕方をしている子が多かったのです。
また、私は、作文と同じように重要な勉強として、個性的創造的な自由な勉強をする必要があると思っていました。
今は、高校で探究学習などが行われるようになりましたが、それをもっと個人ベースで行う必要があると思っていたのです。
2020年にコロナ禍があったことをきっかけに、作文以外の講座を大幅に増やしました。
それが、今の国語読解、算数数学、英語、基礎学力、総合学力、創造発表、プログラミングなどのクラスです。
そして、それらの講座の教え方の特徴として、先生が一方的に講義をするような形式ではなく、子供たちが自分で考え、発表し、質問や感想を述べ合うスタイルの教室にすることにしました。
それが、今のオンラインクラスです。
オンラインクラスの人数は4人から5人です。
こういう少人数で、全員に発表の時間が取れることを生かして、毎週、読書紹介もすることにしました。
この結果、毎日本を読む習慣が新たにできた子も多くなりました。
読書記録のページを見ると、同じ学年なのに、かなりレベルの高い本を読んでいる子もいます。
https://www.mori7.com/teraon/ds.php (現在16,000件)
(学年のところをクリックすると、その学年の生徒の読んでいる本が表示されます。)
この読書力が、学力の土台です。
小学生は、本当は、勉強などは学校でやっていればいいだけで、あとは家庭で読書と対話に力を入れていくのがいいのです。
読書力のある子は、受験などでいざ勉強を始めるようになるとすぐに成績が上がります。
学力とは、結局日本語で思考する力だからです。
現在の学校教育は、いろいろな面で行き詰まっています。
第一は、集団一斉教育になっていることです。
できる子も、できない子も、同じペースで退屈な勉強を聞かなければなりません。
第二は、生徒を点数で評価し、競争で煽ることが教育の方法になっていることです。
先生の仕事が、生徒に点数をつけて評価をするようなことになっているのです。
第三は、答えのある知識を詰め込む勉強になっていることです。
答えのある勉強は、基本だけができていればいいのですが、生徒に点数の差をつけるために、社会に出てからも必要のない知識を詰め込む勉強になっています。
しかも、教える先生自身がそういうことを自覚していません。
これからは、生成AIの時代です。
先生のような職業は、もう必要なくなります。
だから、授業のような勉強法も必要なくなります。
では、教育において、何が必要になるかというと、基本的な学習は一応するとしても、それ以上に大事なのは、自分の個性を生かし、みんなの前で発表し、他の生徒とのコミュニケーションを楽しむという生きた勉強です。
そのために必要なプラットフォームは、今の学校にはありません。
オンラインで少人数の生徒が交流しながら勉強することが必要なのです。
そして、勉強の内容は、知識の詰め込みの評価のような勉強ではなく、個性的、創造的なものである必要があります。
そういう教育が、言葉の森の作文であり、創造発表であり、プログラミングであるのです。
ただし、国語、算数数学、英語も、勉強の仕方を身につけておく必要があります。
それぞれの講座とともに、それらをまとめてやる講座として、言葉の森では、基礎学力、総合学力、全科学力の講座も作っています。
今の子供たちは、無意味な競争の環境に置かれています。
それは、勉強だけでなく、音楽やスポーツや芸術の世界でも同じです。
音楽やスポーツや芸術は、ただ楽しめばいいものを、順位をつけたり、賞を出したり、勝敗を競わせたりするものになっています。
私は、個人的には、将来、オリンピックのようなものは、いずれなくなると思います。
楽しむためのオリンピックならいいのですが、金メダルを競わせるようなオリンピックは、人類にはもう必要ありません。
参加者全員に金メダルをあげればいいと思います。
金メダルは高いから、月桂冠をあげるだけでもいいです。(お酒ではないです。)
未来の日本の社会を担う子供たちには、知識の競争の教育ではなく個性と創造の教育が必要になります。
これからの言葉の森の展望は、オンライン少人数クラスのプラットフォームを生かして、創造的な少人数のコミュニケーションのある教育を作っていくことです。
■■国語の読解問題は、合っているものを選ぶのではなく、合っていないものを選ばないこと。国語読解は、解き方のコツがわかれば、すぐに成績が上がる。ただしその前に、読む力をつけることが大事
国語の勉強で、読む力はあるのに成績が悪いという生徒がたまにいます。
そういう生徒に共通しているのは、読書量もあるし、文章を読むのも好きだということです。
だから、逆に、選択問題を選ぶときに、自分の読み方で選択してしまのです。
国語の問題は、算数数学や英語の問題と同じように、一種のパズルだと考えることです。
本当の学力は、そういうパズルを解く力ではありません。
しかし、受験の国語、算数数学、英語は、そのパズルを解くコツが問われることがあるのです。
ただし、読む力のある生徒の国語力はすぐに伸びます。
私が教えていた中学生や高校生も、1時間か2時間、解き方の説明をしただけで、次の週から国語の成績が急上昇しました。
それぐらい、解き方のコツは簡単なのです。
ただし、その説明は、その生徒の解いた問題についての説明なので、一人ひとりにしかできません。
一般的な説明では、わかった気がするだけで、実際にはわからないのです。
▽参考図書
「小学生のための読解・作文力がしっかり身につく本」
「小学生のための」と書いてありますが、これは高校生まで使えます。また、子供が読むものではなく、保護者が読むための本です。
さて、国語読解の話を探していたら、東洋経済オンラインにいい記事があったので、よく読んでみたら、自分の記事でした(笑)。
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国語の「読解が甘い子」が激変する具体的な方法
https://toyokeizai.net/articles/-/338023
「正解以外の選択肢がそれぞれどんな理由で不正解なのか」を論理的に理解することが大切です。
読解問題は、合っていそうなものを選ぶのではなく、間違っていないものを選ぶことが大事です。「こういうことを言っている」というのではなく、「こういうことは言っていない」というものを消していって、残ったものが正解です。
そのためには、すべての選択肢を読み取るための「読むスピード」が必要です。
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しかし、本当に大事なのは、こういう解き方のコツを身につけることではなく、しっかりした本を読む力をつけることです。
言葉の森の読書記録のページを見ると、中学生や高校生でも、かなり難しい本を読んでいる子がいます。
▽中1の読書記録
https://www.mori7.com/teraon/ds.php?gakunenn=%E4%B8%AD1
目の前の成績を上げることよりも、こういうしっかりした本を読むことが大事なのです。
■■中学生からの作文が難しくなるのは、論理的な考え方が必要になるから。小学生までの作文は事実だけで書けるが、中学生、高校生の作文は、事実の背後にある論理が必要になる
●動画
https://youtu.be/ebSB9FAEKcM
作文には、算数力が必要とする記事がありました。
これは、そのとおりです。
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作文は「理系だと苦手」「文系が得意」という大誤解
算数が得意な子は大概「作文もうまい」納得理由
https://toyokeizai.net/articles/-/766692
2つの条件p, qについて、命題「pならばq」が成り立つ時、pはqの十分条件、qはpの必要条件である。
具体例として、「冷奴」で考えてみましょう。目の前になにかの料理があります。もし、この料理が冷奴であれば、その料理は豆腐料理ですよね。
つまり、「冷奴?ならば?豆腐料理」が成り立ちます。
……
逆に、目の前の料理が冷奴かどうかを判別したいとします。このとき、その料理が冷奴なのか麻婆豆腐なのか味噌汁なのかはわかりませんが、少なくとも豆腐料理であることが必要です。このことから、「豆腐料理」であることは、「冷奴」であることの必要条件だとわかります。
====
必要条件とか十分条件とかいう漢語で説明するからわかりにくいだけです(笑)
A→B。「十分条件=それは必ずそう言える」「必要条件=それは必ずしもそうは言えない」と和語で考えればいいのです。
しかし、こういう論理的な考え方ができない生徒が多いのです。
小学生のときまで、事実中心の楽しい作文を書いていた子が、中学生の意見文の課題になると、急に書けなくなることがあります。
「複数の理由を書く」という項目なのに、理由ではなく単なる実例を書いてしまう子が意外と多いのです。
それは、実例を理由というレベルまでに高めるための考える力がないからです。
例えば、「テストはよいか悪いか」というテーマの作文のときに、「私は・テストが嫌いです。この前……」と、実例を書いてしまうというようなことです。
同じようなテーマで、「宿題はよいか悪いか」「人助けはよいか悪いか」「ポイ捨てはよいか悪いか」「クジラを食べるのはよいか悪いか」などがあります。
そのときに、「私は、クジラを食べたことがありません」というような実例を書いてしまう子も多いのです。
どんな意見には、正解はありません。
どういう意見も、成り立ちます。
しかし、その意見の裏付けになる理由が必要で、また、その理由の裏付けとなる実例が必要です。
「意見←理由←実例」という関係です。
理由を述べる際に、「好き」とか「嫌い」とかいう言葉は、論理になりません。
ところで、話は変わりますが、女の子が愚痴をこぼしたとき、それ聞いている女の子は、その話に共感して対応します。
だから、話がはずみます。
ところが、女の子の愚痴を聞いた男の子は、原因や対策を考えるのです。
それで、話がつまらなくなります(笑)。
一般に、女の子がお喋りなのは、実例中心に話をしているからです。
男の子も、実例中心の話をしますが、本当は実例の話には飽き飽きしていることが多いのです。
ところで、また、話は変わりますが、ディベートという授業があります。
私は、日本人には、ディベートは必要ないと思います。
他人を論理で批判しても、なにも得るところはありません。
それよりも、他人の意見に共感して、その共感と自分の考えをすり合わせるのが日本文化です。
論理は必要です。
しかし、その根底に、異なる意見に対する共感が必要なのです。
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● 言葉の森新聞2024年7月1週号 通算第1809号 (5950字) 言葉の森事務局 jun 2024年07月01日 14時44分
16198 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2024年7月1週号 通算第1809号
文責 中根克明(森川林)
■■電話の受付は、朝7時からになります。欠席連絡、振替連の仕方
これまで、電話による受付は、朝10時から夕方17時までにしていました。
これを、7月から、朝7時から夕方17時までにします。
ただし、電話ができないときでも、個別れんらく掲示板でご連絡くだされば対応できることが多いです。
https://www.mori7.com/teraon/hkei.php
連絡のほとんどは、遅刻や欠席の連絡ですので、下記に、ウェブからの連絡方法を載せておきます。
【欠席連絡の仕方】
1.検索の坂(「よく使うリンクの5番)を開くと、担当する先生に欠席連絡を送ることができます。
2.オンラインクラス一覧表で、自分の生徒コードの横にある△印をクリックすると欠席連絡ができます。
https://www.mori7.com/teraon/shlist.php
【振替授業の受け方】
振替は、当日は、講師が対応できませんので、翌日以降の日程にしてください。
振替をしたい日程のオンライクラスの「振替」という文字をクリックすると、振替のフォームが開きます。
振替は、そのクラスの生徒が指定人数以下のクラスにしてください。
また、開設したばかりの、まだ生徒がいないクラスには振替はできません。
■■活字をしっかり読む力をつけること――読書は長い文章の本を読み切ることが大事
子供たちの読書記録を見ていて、少し気になるのは、「5分後にどうなった」のような短編が集まった本を好む子が多いことです。
もちろん、短編でもいいのです。
芥川龍之介の短編集は、読んだあとも印象に残ります。
https://www.amazon.co.jp/dp/4061471619/
ただ、そういう短編の文章だけ読んでいるのでは、ものたりないと思うのが普通です。
椎名誠さんは、活字中毒で、小さい活字でびっしり書いてある文章を見るとうれしくなったそうです。
私も、昔読んでいた新聞で、1面だけでなく2面も、場合によっては3面も活字だけが書いてある記事を見ると、「わあ、得した」と思ったものでした。
しかし、今はそういう人はまずいません。
短い文章でわかりやすく書かれていたり、途中で挿絵が入ったりしていないと、読む気が起きない人が多いのです。
本は、もともとの原典を1冊読み切ることが大事です。
「○分間で読める○○」のような本をいくら読んでも、身につくのは雑学的な知識だけです。
難しい本であっても、1冊を最後まで読み切ると、その本で自分が何を得たかがわかります。
それは、その本がわかるということよりも、そこから自分が何を得たかということがわかるということです。
そういう自分なりにわかったことが、その人の蓄積になります。
それは、雑学の知識の蓄積とは違うものです。
だから、中学生や高校生の人は、いい本を読む時間を作ってください。
そして、大学生になったら、原典をしっかり読んでください。
そういう本を読めるのは、20代で、たぶん20代の前半までです。
読書が大事だということを言う人はあまりいません。
お父さんも、お母さんも、学校の先生も、成績がどうしたということしか、たぶん言いません。
しかし、あとに残るのは、今やっている勉強ではありません。
残るのは、自分の読んだ本と、自分のした体験だけです。
だから、あえて、読書が大事だということを書きました。
■■基礎学力クラス(小123対象)体験学習受付中
◆国語力をつける
読む力さえつけておけば、解くコツはあとからすぐに身につきます。読む力は、毎日の読む練習でつきます。基本は問題集を毎日読むことです。
◆算数力をつける
算数は、新しいプリントの問題を次々とやるよりも、1冊の問題集を完璧に仕上げることが基本です。勉強法は1冊の問題集を繰り返すことです。
◆暗唱力をつける
暗唱力がつくのは、小学123年生の時期です。暗唱力を育てれば、勉強が苦にならなくなり、その後の勉強が楽にできるようになります。
◆読書力、発表力をつける
小学123年生対象の基礎学力クラスは、5人以内の少人数のクラスです。そこで、毎週、全員の読書紹介と全員の自由な発表の機会があります。
受講料:月額7,700円
■■創造発表クラスの授業風景(小6と中学生)
●動画
https://youtu.be/-Cqd5YdJWxg
6月4週の創造発表クラスの授業の様子です。
それぞれ自分の好きな分野を研究して発表しています。
個人別の発表なので、分野はまちまちです。(まちまち過ぎ(笑))
発表のあとの質問と感想の時間では、それぞれの生徒がお互いに自分なりの考えを発表していました。
みんな、ほかの人のジャンルの違う発表をよく聞いていました。
この創造発表の授業が、これからの勉強の中心になります。
今はまだ、高校で探求学習の授業がある程度ですが、今後、大学の総合選抜型入試が広がるにつれて、個性と思考力と発表力が重視されるようになります。
言葉の森の生徒は、作文を書くことには慣れているので、小論文は大丈夫です。
自分らしい勉強をすることが、これからの子供の学習で大事なことです。
創造発表は、答えのない勉強なので、従来の考え方では不安を感じる人もいるかもしれませんが、未来の勉強と考えてやっていくことが大事です。
創造的な勉強の励みになるのは、一緒に勉強する友達の存在です。
創造発表クラスは、5人以内のクラスなので、全員に発言の時間があります。
学校の探究学習では、グループ単位の学習で、ひとりの発表時間もわずかです。また、質問や感想の時間も限られています。
5人以内の少人数で、発表と交流のある授業が重要なのです。
【みんなの発表】
あかかのくん 小6
「太平洋戦争のミッドウェイ海戦」
https://youtu.be/zqazi3fosGs
あおひたくん 中2
「小笠原諸島と小笠原丸」
https://youtu.be/6AGRu2aY87o
まむあんさん 中1
「ロシア・ウクライナ戦争」
https://youtu.be/eM4Csg8sMtU
あうえあさん 中2
「波動について」
https://youtu.be/2m365K86APA
■■英語力よりも日本語力――基本になるのは、親子の知的な対話、読書、作文、暗唱と音読
●動画
https://youtu.be/r0M7XdhE5z8
英語の勉強を悪く言うわけではありません。
言葉の森でも、総合学力クラスや英語クラスで英語の学習をしているので、英語の勉強はもちろんいいのです。
英語の勉強の基本は、野口悠紀雄さんの言う英文の丸ごと暗唱です。
https://www.mori7.com/izumi/gazou/2022/7201500140.jpg
しかし、今、保護者の学習志向を見ると、子供に英語を習わせようとする家庭が多すぎると思います。
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小学生の習い事、親世代から大きく変化…ベネッセ調査
https://resemom.jp/article/2024/04/04/76663.html
アンケート結果によると、小学生が現在している習い事でもっとも多いのは「水泳」(31%)で、以下「英会話などの語学」(21%)、「学校の予習・復習」(20%)、「ピアノ・電子オルガン」(20%)、「習字」(12%)、「サッカー・フットサル」(12%)と続いた。
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英語力の前提になるのは、考える力つまり日本語力です。
日本語力は、普通に日常会話ができるから問題がないと思われがちですが、しかし、この日本語力の差が実は大きいのです。
お父さん、お母さんが、英語に力を入れたくなる理由はわかります。
まず、自分が英語で苦労した経験があるからです。
子供に英語を習わせたくなる背景に、親の英語に対する劣等感があります。
特に、帰国子女の子供たちと接すると、英語力の差は歴然とします。
だから、もっと小さいころから英語をやっておけばよかったと思うのです。
自分が英語がもっとできていたら、もっといい人生を歩めたかもしれないと思うのでしょう。
しかし、そんなことはありません(笑)。
人生は、むしろ思考力と共感力と創造力に左右されます。
その基本になるのは、日本語力です。
では、日本語力をどのようにして身につけるかというと、それは、
・親子の知的な対話
・読書
・作文
・暗唱と音読
です。
知的な対話とは、親子の楽しい対話の中に、理由や方法や原因や対策が自然に盛り込まれているような対話です。
また、親の実際の体験談をもとにした対話です。
単に知識を伝達する対話ではありません。
暗唱と音読で、どちらが大事かというと暗唱です。
音読は、達成感がありませんが、暗唱はやり遂げた感じがあります。
暗唱の勉強が最もしやすい年齢は、幼長から小学2年生にかけてです。
もちろん、それ以上の学年でも暗唱はできます。
大人でも、何歳になっても、暗唱は十分にできます。
しかし、年齢が上がると、暗唱のための音読をするよりも、理屈で覚えようとしてしまうことが多いのです。
だから、小学校高学年、中学生、高校生になると、暗唱はなかなかできなくなります。
英語の勉強法で最もいい方法は、英文を丸ごと暗唱することです。
そのためには、小学校低学年のうちに、日本語の暗唱に慣れておくことです。
基礎学力クラスでは、暗唱の授業がありますが、子供が暗唱の練習をしているときは、ぜひお母さんも一緒に暗唱の練習をしてください。
毎日の暗唱の時間は、わずか10分ほどです。
シャワーを浴びながらでも、通勤途中の道を歩きながらでもできます。
お母さんが暗唱をしていると、子供が暗唱をするときの気持ちがわかります。
これが大事です。
例えば、子供が九九の練習をするとき、お母さんは自分も九九の練習をしたことがあるので、子供の気持ちがわかります。
だから、的確なアドバイスができます。
読書も、作文も同じです。
親が、その読書や作文の勉強をするときの気持ちをわかっていることが大事なのです。
ただし、作文については、親が子供と一緒に作文の勉強をしようとすると、まず親が途中で挫折します。
毎週、作文を書くというのは、大人にとってはかなり大変なのです。
しかし、そうすると、子供に対する説得力がなくなります。
だから、親子で一緒に作文の授業を受けようとする人には、「子供だけにしてください」といつも言っています。
■■作文の字数の目標は、学年の100倍から200倍。小6以上は、1200字の作文を60分から90分で書けることが目標
●動画
https://youtu.be/GoWo5YTCgtc
作文の字数は、学年の100~200倍です。
小学3年生では、300~600字です。
小学6年生以上では、600~1200字です。
この字数を書く力は、作文の実力に比例しています。
600字までしか書けない生徒は、いつも600字で止まってしまいます。
字数を伸ばすことが、作文学習の最初の目標となります。
1200字をコンスタントに書けるようになった生徒は、森リン点を伸ばすことが目標となります。
森リン点を伸ばすためには、語彙を多様にして、感想や意見を長く書く力が必要になります。
では、字数を増やすためには、どうしたらいいのでしょうか。
それは、根性です(笑)。
学期ごとの作文の実力テストで、「今日は、必ず○○字まで書かないと合格できないよ」と言うと、子供は、その字数を目指してがんばります。
そして、いったんその字数まで書くと、その後は、その字数が楽に書けるようになるのです。
字数を増やす方法は、いくつもあります。
そのひとつは、実例の中に、自分の体験以外に、調べたデータを入れることです。
もうひとつは、結びの感想のあとに、「例えば」と言う言葉を使って、その感想の裏付けとなる実例を入れ感想を伸ばすことです。
小学6年生以上の人は、いつでも、どんなテーマでも、1200字は楽に書けるという実力をつけていきましょう。
■■記述問題の解き方のコツ。問題文の言葉を使って字数いっぱいまで書くこと。作文を書き慣れていれば記述はできる
●動画
https://youtu.be/oKirn-A41e0
記述問題に関する記事がありました。
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国語の記述問題で点数を取る方法・コツ【現代文の解答対策】
https://allabout.co.jp/gm/gc/439258/
記述問題の答えはほとんど文章中に書いてあるので、文章を考えるというよりは、「答えが書かれている部分を探す」だけの「作業」に過ぎません。
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国語の読解問題でも同じです。
選択肢がいくつかあった場合、選択肢の内容が正しいかどうかではなく、問題文にそのことが書いてあったかどうかが選択の基準になります。
記述問題も同様です。
自分で考えてオリジナルに書くのではなく、もとの文章の言葉を使って書くことが基本です。
それは、採点者が内容まで読み込む余裕がないので、使われている言葉をもとに評価するからです。
そして、大事なことは、指定の字数いっぱいまで書くことです。
これは、作文の試験でも同じです。
「600字から800字で書きなさい」という課題があったら、800字ぎりぎりまで書くことです。
その理由は、採点するのは人間ですから、同じような内容なら、たくさん書いてある方を評価したくなるからです。
また、実際に、文章力のある生徒のほとんどは、字数いっぱいまで書きます。
記述の力をつけるためには、文章を書き慣れておくことが大事です。
その練習は作文です。
自分の考えたことを文章に書き表す練習をしておけば、記述の問題にも対応できます。
また、作文の効用は、ほかにもあります。
それは、会議の司会をするときに、理路整然と論点をまとめることができるようになることです。
作文が上手に書ける子は、話も上手にできます。
それは、頭の中で、自分の言いたいことが構造化されているからです。
説明文や意見文を書く練習をしていると、話をするときも、図解するようにわかりやすく話をすることができます。
東大の国語の問題は、すべて記述式です。
選択肢を選ぶような問題はありません。(たまに1問あるかないかぐらい)
選択肢を選ぶ問題は、大学入試の共通テストまでです。
作文の勉強をしていると、記述問題も楽にできるようになります。
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● 言葉の森新聞2024年6月4週号 通算第1808号 (8626字) 言葉の森事務局 jun 2024年06月22日 12時00分
16173 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2024年6月4週号 通算第1808号
文責 中根克明(森川林)
■■6月29日(土)・30日(日)は休み
6月29日(土)・30日(日)は、第5週のため通年クラスの授業はありません。振替授業もお休みです。
■■第4週は清書。幼稚園生は作文(作文クラス)
幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。
小学1年生以上の生徒は、清書を行います。
■清書の意義と方法
清書とは、これまでに書いた作文の中で内容がよかったものを書き直すことです。
内容がよいとは、個性、感動、共感などがあるということです。
書き直すときは、次の点に留意してください。
(1)漢字で書けるところは漢字で書く。
(2)たとえや自作名言を工夫できるところがあれば工夫する。
(3)似た話や続きの話を書くことによって字数を増やす。
(4)作文用紙の空いているところに絵などをかいてもよい。
■清書の投稿
清書した作文は、小学生新聞や一般紙などに投稿してみましょう。
手書きの清書の原本を、新聞社に投稿したり、コンクールに応募したりする場合は、清書のコピーの方を先生に送ってください。
新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(2)学年(3)自宅の住所(4)自宅の電話番号(5)学校名とふりがな(6)学校所在地(町村名までで可)など。
投稿する際は、ペンネームを本名に訂正しておいてください。作文の中に友達の名前が固有名詞で入っている場合は、イニシアルなどに直しておいてください。投稿する作文の内容は、保護者がチェックしてあげてください。
同じものを複数の新聞社やコンクールに送らないようにしてください。これは二重投稿といって、もし両方に掲載されてしまった場合、掲載先に迷惑をかけることになります。
●小学生新聞の投稿先
■104-8433東京都中央区築地3-5-4 朝日小学生新聞「ぼくとわたしの作品」係
■100-8051(住所はいりません毎日小学生新聞「さくひん」係(600字以内)
●新聞社に送る清書は市販の原稿用紙に
新聞社に送る清書は、市販の原稿用紙に書いてください。
その理由は、清書は個人で送るものなので、自分で用意した原稿用紙に書くのが、社会的なルールとなるからです。
※清書した作文を投稿しない場合でも、額などに入れて家の中に飾っておきましょう。
■■国語は、読む力をつけるのが第一。みくに出版の『中学入学試験問題集 国語編』の音読もいいが、それでは、1回読んでおしまいになる。受験問題集レベルの文章を何度も繰り返し読むためには、もっと薄い問題集で音読を
●動画
https://youtu.be/43zQ3ei2GI0
国語の速読力をつけるための記事がありました。
国語力のない子は、よむスピードも遅いのです。
だから、ここに書いてあることは、ほぼ当たっています。
しかし、言葉の森の指導法とは、少し違います。
そのことを書いておきます。
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【子どもの国語】「読むスピードが遅い子」が「スラスラ読める子」に変わる習慣・ベスト1
https://diamond.jp/articles/-/345050
……子どもに関しては「中学入試レベルの文章に読み慣れること」が重要になります。
音読する対象は、みくに出版の『中学入学試験問題集 国語編』がおすすめです。『銀本』と呼ばれているものです。
ここに出てくる文章が中学受験の目標となるレベルなので、これに慣れないといけません。
いつも生徒には「本は読まなくてもいいけれど、これは読んでね」と伝えています。
なぜなら、中学受験の国語は1万字程度の文章が読めれば充分で、1冊読み切るほどの力は必ずしも必要ないからです。
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これは逆です(笑)。
国語の問題集を読むよりも、しっかりした読書をすることの方が大事です。
勉強は、成績を上げるためにするのではなく、自分の成長のためにするのです。
さて、昔、国語が苦手だという高校生に、「全国大学入試問題正解 国語(国公立大編)」を5回読むようにと伝えました。
すると、急に国語の成績が上がったのです。
大事なことは、1回ではなく5回読むことです。
ちなみに、「私立大編」は無意味に難解な文章が載っていることがあるので、おすすめしません。
これは、小学生でも中学生でも同じです。
小学生の場合は、中学受験用の問題集、中学生の場合は高校入試用の問題集を読むのです。
みくに出版の「中学入学試験問題集 国語編」も、もちろんいいのですが、ページ数が多すぎるので、1回読むのがやっとになります。
中の問題は解く必要はありません。
ただ、問題文を読むだけです。
問題文を読むときに大事なことは、小さな声でいいので音読をすることです。
それは、なぜかというと、音読によって文章のリズム感が身につくことがひとつ、もうひとつは斜め読みにならないためです。
同じ文章を繰り返し読んでいると、まだ勉強の自覚のない小学生や中学生は、だんだん斜め読みになります。
音読をすれば、文章をきちんと読むことができます。
このときに大事なことは、そばで、もしお母さんやお父さんが聞いていたら、読み方の注意は一切しないことです。
読み方の注意をすると、子供は、次第に音読を負担に感じるようになります。
そして、「自分の部屋で読む」などと言って、親のいないところで読むようになったら、結局音読はしなくなります。
小学生、中学生は、居間で、親のいる場所で音読を続けることが大事なのです。
さて、なぜ1回ではなく5回読むことが大事かというと、問題文に書かれている文章だけでなく、その文章の背後にあるものの考え方、別の言葉で言えばその文章の思想がわかるようになるからです。
ただし、繰り返すと言っても、同じ文章を続けて5回読むのではありません。
そういう苦行のようなことは、誰もやりたがりません。
1冊を最後まで読み終えたら、また最初のページに戻って読むというかたちで1冊を5回読むのです。
繰り返し読んでいると、国語の問題文には、同じような思想があることがわかってきます。
すると、新しい文章を読む場合でも、そこに盛り込まれている思想を予測して読むことができるので、読むスピードが上がるのです。
私も、初めての国語の問題文を読むとき、最初の数行を読むと、「ああ、これはたぶんこういうことを言うんだな」と予測できることがあります。
実例には多様性がありますが、主題にはそのような多様性はありません。
ほとんどの文章は、同じような主題で書かれているのです。
話は変わりますが、これは、作文を書くときも同じです。
例えば、高校生の作文の課題で、「複数の原因を通して考える」という項目があります。
すると、どういうテーマで考えても、同じような原因を複数書くようになることが多いのです。
しかし、その原因の裏付けとなる実例は多様になります。
実例は多様でも、主題は共通していることが多いのです。
さて、同じ問題文を繰り返し読む練習をするためには、問題集は薄くなければなりません。
銀本で5回読むとしたら、1年以上かかります(笑)。
薄い問題集で、5回読む練習をする方が効果があるのです。
ただし、昔からある問題集というのは、主題が古いことが多いです。
内容が時々改訂されるような、つまり常に新しい話題が入っているような問題集を読んでいくのがいいのです。
銀本を使って読む場合は、この銀本をバラして分冊にし読むのがおすすめです。
「国語力をつける根本的な勉強法 7『問題集読書の方法』」
https://www.mori7.com/as/1775.html
一時期、銀本の分冊化という方法をみんなに勧めましたが、そういう手間をかけられない人もいたので、今は誰でもできる普通の受験問題集の音読にしています。
しかし、いまだに音読は嫌だという子がいます。
その際、親自身が子供時代に音読の勉強をしたことがないので、そのままずるずると黙読になり、結局斜め読みになってしまうことがあります。
口の中でつぶやくような読み方でもいいので、音読を続けることが大事です。
高校生は、勉強の自覚があるので、心の中で音読するかたちでもいいです。
言葉の森が昔、音読の勉強をするようにしていたころ、ほとんどの保護者が、「なんで音読をするのですか」と言っていました。
しかし、その後、学校でも音読の宿題が出るようになったので、今は、そういう質問をする人はいません。
学校の宿題の音読と、言葉の森の長文音読が重なると、子供は負担に感じます。
学校の宿題は、夕方にやるようにして、言葉の森の音読の自習は、朝ご飯の前にやるというようにすれば、両方できます。
■■作文を書くときに、接続語をしばしば使うような文章であれば、それはよく考えている作文
●動画
https://youtu.be/2u-KhddO9l8
次の記事の漫画は、面白いですが、読む必要はないです。
こういう接続語の話を知っても、読む力は何もつきません。
また、読書をよくしている子は、国語問題の接続語の選択などは自然にできています。
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漫画でわかる!中学受験国語の読解力を上げる方法
接続語を意識すると読むスピードが一気に上がる
https://toyokeizai.net/articles/-/762132
接続語の前をA、後をBとすると、「だから」「したがって」「そこで」「それで」「すると」「ゆえに」は、Aは原因・理由、Bは結果・結論、「つまり」「すなわち」「ようするに」はA=B、BはAのまとめ。「たとえば」は、BはAの具体例。「また」「並びに」「および」「そして」はABは同じレベル・似た事柄となります。
これらの接続語の典型的な用法を意識して文章を読めば、ABの一方から他方の意味を推測しながら読むことができます。この読み方によって読むスピードが一気に上がり、意味がわからない部分がなくなるという意味で正確性も増します。
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こんなことはないです(笑)。
読むスピードを上げるには、入試問題集にあるような文章を読む量を増やすだけです。
接続語を分析して考えるような人はいません。
ちなみに、普通の読書スピードは、1分間600字です。
多くの本は、1ページ600字程度ですから、10ページ読むと決めて、タイマーをセットし、10ページ読み終えたときの時間を計算すれば読書スピードがわかります。
接続語は、読むときではなく、書くときに必要になります。
森リンベストのページで、小学生よりも、中学生、高校生の方が点数が高くなることが多いのは、学年が上がるにつれて接続語を使うような文章を自然に書くようになるからです。
これは、課題の種類も影響しています。
「私の家族」というような身近な題名では、接続語はあまり出てきません。
しかし、もし「(人間における)家族の役割」というような題名で書くとすると、いろいろな接続語が必要になります。
だから、接続語が必要になる作文ほど、上の学年の作文になるのです。
ただし、文章力のある人は、逆に、接続語をあまり使わなくなる面があります。
接続語が入ると、わかりやすくなるが、その分わざとらしくなる気がするからです。
日本には、説明しすぎないことをよしとする文化があります。
「古池や蛙(かわず)飛び込む水の音」という俳句を見て、「どこの池で、どうしてカエルが飛び込んで、それがどうしたの」と聞くような人はいません。
説明を付け加えれば、俳句の味がなくなるからです。
だから、接続語は、使いすぎない方がいい面もあります。
ただし、中高生の書く作文には、接続語が必要になるような内容を書いていくことが大事です。
それは、考えながら書く作文になるからです。
■■作文力がこれからの学力の中心になる。そのためには、読書と親子の対話が必要。対話は、子供から聞き出すことよりも、親が話してあげることが大事
●動画
https://youtu.be/qWXt8ltO5oI
AIでいくらでも文章を作れる時代になりました。
そこで、2023年の5月に、「読書感想文コンクールは、たぶん今年で終わる――ChatGPT時代の教育は、新しい形にならざるを得ない」という記事を書きました。
この記事には、読書感想文の書き方も載っています。
https://www.mori7.com/as/4751.html
ところで、この記事を参考に、学校の宿題をChatGPTでこなす子もいたようです。
しかし、勉強というのは、先生に褒められるためにやるのではなく、自分の成長のためにやるものです。
だから、文章を書く力は、AIの利用とは関係なく必要なのです。
同じようなことを書いている記事がありました。
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AI時代に、なぜ「作文力」が重要視されるのか?
自分の価値を言語化できる子がこれからの優秀児
https://toyokeizai.net/articles/-/741136
これからの時代は、AIに真似のできない、人間ならではの思考力・表現力・創造性を発揮して文章が書ける子が、優秀児と評される時代です。そんな時代の流れを受け、新傾向といわれる近年の中学入試では、全教科を通じて記述問題がすごく増えていますし、作文一教科入試の中高一貫校も出てきました。大学入試でも「総合型選抜」などの新入試は、高校の評定平均と外部試験の英語スコア以外、ほぼ国語一教科入試となっています。
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では、作文力をつけるための勉強として何が必要なのでしょうか。
第一は、読書です。
読む力に応じてしか、書く力は伸びません。
第二は、対話です。
しかし、対話というと、多くのお母さんは、子供から何かを聞き出すことが対話だと思ってしまうようです。
そうではありません。
子供から何かを聞き出すのではなく、親が話してあげるのが対話です。
だから、場合によっては、お父さんとお母さんが対話をして、子供はそばで聞いているだけでもいいのです。
作文の勉強というと、出力を中心に考えがちです。
そのため、作文の添削を受ければ、作文が上手になると考えがちです。
そうではなく、作文の勉強のためには入力が大事なのです。
対話も同じです。
対話で大事なことは、出力よりもやはり入力です。
ほかの人の話を聞くことによって、対話をする力がついてくるのです。
■■さまざまな勉強の中で、作文と読書が最も大事。書く力、読む力、考える力がすべての学力の土台になる。小5から急に難しくなる作文に対応するには、低学年のうちから書くことに慣れておくことが必要
作文力と読書力のある子は、算数数学も英語も理科も社会も、必要に応じてすぐにできるようになります。
だから、作文と読書が大事なのですが、作文も読書も点数がつきません。(森リンは点数がつきますが)
そのため、点数がつく勉強の方を優先して考え、作文と読書を後回しにしてしまう子がいるのです。
作文力が大事という「東洋経済オンライン」の記事がありました。
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作文力を鍛える「タイムリミット」は何歳なのか
大人になってからクセを直すのは大変だ
https://toyokeizai.net/articles/-/755177
「勉強するにも、頭の中で準備ができていなければなりません。視野を広く持ち、見識も広げるべきです。読書や作文は、この勉強の下地作りにもっとも有効な手段です。下地がうまくできれば、それまでバラバラだった知識がひとつに結びついていきます。そのためにも正しく読み、スピーディに書けることが不可欠です」
韓国屈指の漢学者であるチョン・ミン教授の言葉です。多くの専門家が、幼いうちから作文に取り組ませることで、子ども自身が自分で考えて、その考えを整理し、表現して伝達することに慣れていくと述べています。
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言葉の森の作文は、小5から急に難しくなります。
小5は、抽象的な思考力が育ち始める学年ですから、国語も、算数も、理科も、社会も、すべて少しずつ難しくなります。
外国人で日本語のあまり得意でない子も、小4までは友達に聞きながらでもやっていけますが、小5からは自分で読む力がなければ勉強についていくことが難しくなります。
中学生になると、思考力の差は更に大広がります。
思考力の土台になるものは、読書力と作文力です。
だから、小学校低学年のうちに、書くことと読むことに慣れておく必要があるのです。
作文の勉強というと、子供が書いたものを添削することのように考える人がいますが、添削で作文が上手になることはありません。
最初に書いた作文の土台が大事なのです。
作文の勉強は、すべて事前の準備です。
小学1、2年生であれば、親が題材を工夫してあげることです。
小学3、4年生であれば、親が作文のテーマに関して、自分の子供時代の体験を話してあげることです。
小学5、6年生であれば、作文の主題に関して、親が自分の考えと自分の体験を話してあげることです。
そうして、毎週作文を書く練習をしておくことによって、作文を書くことが毎日の生活習慣となります。
この蓄積が、子供の作文力ととして残ります。
言葉の森の作文は、小1から始めて高3まで続けられます。(幼長と社会人の生徒もいますが)
小3や小4までの作文は、生活作文ですから、考えなくても書けます。
この時期に書き慣れておくことによって、小5からの作文の準備をすることが大事なのです。
■■総合学力クラスには、小学456年生の、中学受験はしないが学力のある子たちが勉強している
今は、小学生のよくできる子は、中学受験をするのが一般的です。
しかし、中にはそうでない子もいます。
学力は十分にあり、勉強もよくできるが、特に中学受験をしないので、時間的に余裕のある子供たちです。
そういう子供たちはみんな、読書をしっかりしています。
だから、話すことも上手だし、話すときの語彙も豊富です。
学力の上では、十分に実力があるのです。
ところが、同じ学校の友達の多くが中学受験をするのに、自分は受験をしないとなると、ふとおいていかれたような気になることがあります。
小中学生は、まだ自分に対する自信がないので、不安になることがあるのです。
実は、そんなことは全然ありません。
中学受験をした子も、受験をせずにのんびり過ごしていた子も、本当の勉強が始まるのは高校生になってからです。
高校生になってからの勉強次第で、小学生、中学生のころの勉強はすぐに逆転してしまうのです。
だから、大事なことは、高校生になってからの勉強を進めるための本当の学力をつけておくことです。
本当の学力のひとつが読書、もうひとつが作文です。
ただし、算数数学や英語は、積み重ねの必要がある勉強なので、いったん苦手意識を持つと、そのまま本当の苦手になってしまうことがあります。
だから、小学456年生は、一応、算数数学と英語だけは、コンスタントに勉強しておく必要があります。
そのために作ったのが、総合学力クラスです。
週1回の授業で、国語、算数、英語、発表の勉強を順番にします。
それらの教科の中で、もっと力を入れたい教科があれば、それぞれ国語読解クラス、算数数学クラス、英語クラス、創造発表クラスに追加で参加すればいいのです。
総合学力クラスと同じような趣旨で作っている小学123年生用のクラスは基礎学力クラスです。
中学生用には、全科学力クラスがあります。
総合学力クラスの子供たちも、基礎学力クラスの子供たちも、みんな例外なく優秀です。
そして、中学受験の塾の勉強に追われていないので、読書についても、趣味についても、取り組む時間が十分にあります。
小学生時代には、こういう自由な時間の蓄積が大事なのです。
特に、今後、大学入試は、知識中心の一般入試よりも、総合選抜型の入試が主流になります。
社会でも、総合選抜型の人材を求めるようになっています。
入社試験の入口では、まだ学歴が基準になっているところがほとんどですが、いったん仕事を始めたら、学歴と実力は全く関係がないということは、多くの人が感じていることたと思います。
本当に求められているのは、総合選抜型の実力なのです。
ところで、話は少し変わりますが、保護者の方は、子供が暇そうにしていることに不安を感じることが多いようです。
塾に行かないので時間はあるが、果たしてそれでいいのだろうかという不安です。
そこで、スポーツや音楽やダンスに取り組ませることもあります。
それらは、身体を使うので、子供にとって楽しいことなので、それはそれでいいのです。
しかし、その一方、今のスポーツ、音楽、ダンスなどは、競争と勝敗というところに向かいます。
楽しむための趣味ではなく、勝つための趣味になるのです。
私は、子供は、暇そうにしているのが最も自然だと思います。
その暇そうな時間の中で、次第に自分らしい個性を育てていくのです。
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● 言葉の森新聞2024年6月3週号 通算第1807号 (9642字) 言葉の森事務局 jun 2024年06月16日 10時35分
16156 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2024年6月3週号 通算第1807号
文責 中根克明(森川林)
■■読書を阻むものは、肉体労働、スポーツ、くたびれる日々の生活。読書の習慣は、1日でも途絶えるとそのままなくなることが多い。何しろ毎日読むことを目標に。そのための方法として役立つタイマーと付箋読書
●動画
https://youtu.be/mJc1dvk1f7A
子供たちの勉強の様子を見ていると、スポーツの好きな子は、あまり読書をしない傾向があるように思いました。
もちろん、例外はたくさんあります。
スポーツも読書もという人は多いです。
しかし、そのとき思ったのは、肉体労働が続くと、本を読みたくなくなるという自分の体験でした。
学生時代、アルバイトで、マンションの4階まで重い荷物をいくつも運ぶという仕事を何日もしていたとき、仕事が終わって下宿に戻っても、本を読む気が起きませんでした。
時間はたっぷりあるのに、読書をしようという気にならないのです。
「重力と恩寵」を書いたシモーヌ・ヴェイユも、工場労働の経験のあとに、確かそのようなことを書いていました。
激しい肉体労働は、人間から、読むことや考える時間を奪うのです。
もちろん、スポーツは、いいものだと思います。
努力や向上心や目標など、人間の成長に役立つ面を持っています。
しかし、今人気のスポーツは、競争で勝つことを目的にしているので、かえって人間の成長にとって歪んだ面を持っています。
スポーツは、楽しくやればいいのであって、競争に勝つためにやるものではありません。
そのスポーツに少し似ているのが受験勉強です。
小学生時代に、よく本を読んでいていい作文を書いていた子が、受験勉強をしている間に本を読む時間がなくなり、その後、受験に合格したあとも本を読む習慣がなくなったということがありました。
読書は、生活習慣のようなものですから、読まない日が何日か続くと、その習慣が途絶えることがあるのです。
そして、本を読まないということは、考える時間がなくなるということです。
次のような記事がありました。
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週5フルタイムで働き、疲れ、本を読みたくてもSNSやYouTubeをぼーっと眺めてしまう、そんな生活おかしくないか?
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/81348?page=3
(この記事は、面白いのですが、ログインを強制されるので読まなくていいです。私はここに登録したことがありますが、そのメールとパスワードが認証されませんでした(笑)。)
正直、本を読む時間はあったのです。
電車に乗っている時間や、夜寝る前の自由時間、私はSNSやYouTubeをぼうっと眺めていました。あるいは友達と飲み会で喋ったり、休日の朝に寝だめしたりする時間を、読書に充てたらいいのです。
だけど、それができなかった。本を開いても、目が自然と閉じてしまう。なんとなく手がスマホのSNSアプリを開いてしまう。夜はいつまでもYouTubeを眺めてしまう。
あんなに、本を読むことが好きだったのに。
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仕事に追われる人、勉強に追われる人、ほかの何かに追われる人は、本を読む時間がなくなります。
そして、その空白な時間を、YouTubeを見たり、SNSでやりとりをしたりするようになるのです。
YouTubeは、役に立つ情報も多いので、いいメディアだと思います。
しかし、昔のテレビに似ています。
テレビは、特に見たいものがないときでも、漠然とつける家庭が多かったのです。
では、どうしたらいいかというと、具体的には2つの方法があります。
第一は、タイマーをセットして、
「ちょっとYouTubeでも見て息抜きをしたいから、10分だけ見てみよう」
という時間制限をすることです。
もちろん、面白い番組であれば、もう一度10分のタイマーをセットし直せばいいのです。
大事なのは、タイマーをセットすることによって、本来の自分を取り戻すきっかけがつかめるということです。
第二は、読書は、付箋読書で読むことです。
説明文の難しい本は、読むきっかけがつかめないと、読みかけで終わってしまいます。
しかし、読んだところまでに付箋をつけておくと、すぐに読み続けることができます。
そして、ある程度読んだあとに、また付箋をつけておけばいいのです。
人間は、身体を持っているので、手に触れる世界(タンジブルな世界)で生きています。
例えば、時間というものは、本来はあるかないかわからないものですが、人類はその時間を触れることのできる時間とするために時計を発明しました。
現在は、情報のメディアが次々に押し寄せてくるので、そのままでいると、情報に流されてしまいます。
情報に流されないためのひとつの方法が読書で、もうひとつの方法が文章を書くことで、第三の方法が発明や発見という自分なりの創造です。
■■毎週作文を書くのが大変というのは、根性なさすぎ。本多静六は、毎日原稿用紙3枚の文章を書いていた
●動画
https://youtu.be/y-7zD_aDz5Y
たまにですが、「毎週作文を書くのが大変」と言う人がいます。
もちろん、作文を書くというのは大変です。
だから、学校で作文の宿題があった日に、もうひとつ新しい作文を書くというのは、子供にとってかなり負担です。
しかし、1日に1つの作文を書くというのは、がんばれば誰でもできることです。
まして、週に1回の作文を書くのが大変というのは、根性がなさすぎです。
1200字の作文を書くのは、早い人で60分、普通は90分はかかります。
書くことに慣れないうちは、3時間ぐらいかかります。
その時間は、ずっと考えを集中させて文章を埋めていかなければなりません。
しかし、だから、考える力がつくのです。
本多静六は、人に読ませられる文章を、毎日、原稿用紙に3枚書くことを自分に課していました。
毎日ですから、風邪などで休んだときは、次の日に、その休んだ分を取り戻すために何日分も書きました。
ただし、これは、やりすぎだと思います(笑)。
休んだ分は、休んだことにしておしまいにしておけばいいのです。
過去はふりかえらずに、今日から先のことをがんばることです。
しかし、毎日、文章を書くというのは、やろうと思えば誰でもできます。
週に1回の作文も、当然、やろうと思えば誰でもできます。
私も、学生時代、マスコミの入社試験を受けるときは、1年間、毎日1200字の文章を書くことを日課にしていました。
近所の喫茶店に入り、1200字書き終わるまでその店を出ないということにしていたのです。店にとってはいい迷惑です。
その結果、作文だけは上達しましたが、試験には面接で軽く落とされました(笑)。
理由は、学生運動をがんばってやっていたからです。
しかし、今は、落とされてよかったのだろうと思っています。
「毎週、作文を書くのが大変」などというのは、根性がないだけです。
普通の大人は、「毎日、仕事をするのが大変」などと言いません。
みんな、大変だと思っても続けています。
ところが、最近の保護者は、子供に甘いところがあり、子供に我慢させるということをあまりしません。
これは、戦後の教育のマイナス面のひとつだと思います。
親が必要と思ったことは、子供が嫌がってもさせることです。
ただし、そのときの「必要」の基準が大事です。
受験に合格するために必要というような外面の基準ではなく、人間として生きるために何が必要かという内面の基準としてその基準を考えることです。
内面の基準に基づいた強制は、たとえそのとき子供嫌がったとしても、それがその子を成長させることになるのです。
■■本当の勉強は、高校生になってから始まる。小学生、中学生のうちに勉強に消耗しないことが大事。勉強の目的はもっと遠いところにある
●動画
https://youtu.be/PUxtQwUTXBw
次のような記事がありました、。
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「都立トップ高校」と「中学受験御三家」はどちらが難しい? 高校受験塾講師が語る、都立高校の最新事情
https://dot.asahi.com/aerakids/articles/-/223254
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これは、いい記事です。
しかし、大きく見れば、こんなことはどうでもいいのです。
これは、ガラパゴスの世界だからです。
しかし、今、小学生や中学生の子供を育てている保護者にとっては、重要なことだということもわかります。
これまで、多くの子供たちを見ていて、私は勉強のやりすぎの弊害というのをしばしば感じてきました。
人間が自覚して勉強を始めるのは、中学3年生の15歳ぐらいになってからです。
それまでは、勉強に対する自覚も、人生に対する自覚もないのが普通です。
だから、15歳までは、楽しく過ごしていればいいのです。
ただし、一応毎日の家庭学習をして、毎日の読書をすることが前提です。
そして、普通に生活していれば、本人の自覚が生まれたときに、誰でも猛烈に勉強するようになります。
小中学生までの勉強は、登山で言えば、まだ麓(ふもと)近くのなだらかなアプローチの部分です。
そのあと、本当に差がつくのは、高校生になり、山道の斜面が次第に急になってからです。
そこで逆転が起こるのです。
低山のアプローチでがんばりすぎた子が、息切れをしてしまうことがよくあります。
そして、それまでのんびりやっていた子が、先を歩いていた子を次々と追い越していくのです。
だから、大事なことは、子供の自然な成長を大事にすることです。
それは、無理をしないということです。
無理をさせる方法は、いくらでもあります。
競争させたたり、賞を与えたり、罰を与えたりする仕組みはさまざまに工夫されています。
子供は素直ですから、それらの方法にすぐに乗ってきます。
しかし、それが、子供の自主性を失わせてしまうのです。
子供たちの勉強の目的は、いい学校に入ることやいい会社に入ることではありません。
ここが難しいところですが、自分の力でいい仕事を作り出し、世の中に貢献することが本当の目的です。
私は、自分が教えている子供たちを見るときに、その子の今の成績がどうだとか、どこの大学に入るかということは考えません。
考えるのは、その子が将来どういう仕事をして社会で活躍するのだろうかということです。
すると、みんな大きな可能性を持っていることがわかるのです。
文字どおり無限の可能性です。
だから、今の学校のテストが何点だったかということは、どうでもいいことです。(とは言わないけど(笑))
保護者の方は、子供に密着しているので、つい明日のテストの成績というようなところに目が向きがちだと思います。
だから、意識的に、遠い未来を見て子供たちを育てていく必要があります。
そのために、競争の世界ではなく、創造の世界を目指すことです。
競争で、1位になるとか2位になるとか、賞を取るとか、誰かに認められるとか、勝つとか負けるとかいうことは、古い時代の価値観です。
新しい時代の価値観は、言葉で言えば、幸福、向上、創造、貢献です。
その中のひとつ、子供の幸福に関して言えば、いちばんの基礎は、お母さんがいつも笑顔でいることです。
向上に関して言えば、作文と創造発表を通して親子の対話を楽しむことです。
■■夢のない子供たち。新しい野心的な目標を持つために、まず難しい本を読むこと
●動画
https://youtu.be/t1XSyOyt8a8
子供たちの勉強を見ていて疑問に思うのは、みんなの目標が、次のテストをどうするとか、次の試合をどうするとか、次の発表会をどうするとかいうことばかりなことです。
そういう当面の目標は、もちろん大事です。
しかし、私は、当面の目標だけでなく、もっと大きい目標があるべきだと思うのです。
今の子供たちの大きい目標は、せいぜいどこの大学に入りたいとか、どういう職業につきたいとかいうことになってしまいます。
それよりも更に大きい野心的な目標を持たなければなりません。
それが、若者の役割です。
目先の目標だけでは、日本はよくなりません。
戦後の日本は、国自体が発展していました。
国の成長に乗れば、それが自分も社会も発展させることになりました。
しかし、今は日本の国そのものが低下しています。
沈みつつある船の上で、既存の仕組みに乗るのではなく、新しい船を作ることが若者の役割です。
そのために必要なのは、考えることと読書をすることです。
それが、そのあとの挑戦につながります。
中学生や高校生のみなさんは、難しい本をがんばって読み続けてください。
毎日50ページが目標です。
そして、毎週1200字の作文を書いていきましょう。
今は、中高生向けの読みやすい説明文の本があります。
https://www.amazon.co.jp/s?k=%E3%81%A1%E3%81%8F%E3%81%BE%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%9E%E3%83%BC%E6%96%B0%E6%9B%B8
こういう本を出発点にして、自分の関心のある分野を更に深めていってください。
宇宙戦艦ヤマトの歌を聴いて元気にやっていきましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=iBVMVbLAISw
私たちは、みんなが楽しく暮らせる世界を願っています。
しかし、もし、その平和を脅かすものがあればいつでも戦うことができます。
それが日本人です。
やがて、こういう無意味な戦いの時代はなくなります。
しかし、今はまだ、その時代の一歩手前なのです。
私は、松本零士さんは、そういうことを知っていたのだと思います。
3番の歌詞がいいです。
【「宇宙戦艦ヤマト」の歌詞】
さらば地球よ 旅立つ船は 宇宙戦艦ヤマト
宇宙の彼方 イスカンダルへ 運命背負い 今飛び立つ
必ずここへ 帰って来ると 手を振る人に 笑顔で答え
銀河を離れ イスカンダルへ はるばるのぞむ 宇宙戦艦ヤマト
さらば地球よ 愛する人よ 宇宙戦艦ヤマト
地球を救う 使命を帯びて 戦う男 燃えるロマン
誰かがこれを やらねばならぬ 期待の人が 俺たちならば
銀河を離れ イスカンダルへ はるばるのぞむ 宇宙戦艦ヤマト
さらば地球よ 緑の星よ 宇宙戦艦ヤマト
花咲く丘よ 鳥鳴く森よ 魚(うお)棲む水よ 永久(とわ)に永久に
愛しい人が 幸せの歌 ほほ笑みながら 歌えるように
銀河をはなれ イスカンダルへ はるばるのぞむ 宇宙戦艦 ヤマト
さらば地球よ 再び遭おう 宇宙戦艦ヤマト
戦いの場へ 旅路は遥か 命の糸が 張りつめている
別れじゃないと 心で叫び 今 紫の 闇路(やみじ)の中へー
銀河をはなれ イスカンダルへ はるばるのぞむ 宇宙戦艦 ヤマト
■■国語力は、テクニックの前に読む力をつけることが大事。テクニックは短期間で身につくが、将来本当に役に立つのは難しい文章を読み取る力
●動画
https://youtu.be/3nfxpe9dxfU
読書と国語について、次のような記事がありました。
タイトルが中身と合っていませんが(笑)。
====
「読書習慣のある子」が“国語が得意な子”ではない…国語講師が語る「納得の理由」
https://news.yahoo.co.jp/articles/e30c2b4ed98fb84d63d61176afb6c00eb10e87b7
とはいえ、読書習慣自体が悪いものかと言えばそんなことは全然ありません。本好きという特性は国語を得意教科にしてくれる力があります。
もし、お子さんに読書習慣があるならば、さきほどお伝えしたように、まずは「客観的に読むこと」を教えてあげましょう。
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取材した記者が、自分の子供が本を読まないけれど、国語力を上げるにはどうしたらいいかという問題意識で記事を書いたのだと思います。
国語力は、読む力と解く力の総合力です。
読む力があっても、解く力のない子は、点数が上がりません。
しかし、これはすぐに改善できます。
読む力さえあれば、解く力は短期間で身につくのです。
しかし、逆の場合で、読む力がない子が解く力をつけるのは、ある程度までしかできません。
易しい文章は、解く力だけで解けますが、難しい文章になると、解く力では解けないのです。
「客観的に読むこと」と言っても、読む力のないうちは、客観的にさえ読めないからです。
そして、もっと大きな問題は、何のために国語の勉強をしているのかということです。
国語の成績を上げるための国語の勉強などは、子供が将来社会に出て仕事をするときに、何の役にも立ちません。
役に立つのは、読む力です。
しかし、その「読む力」とは、小説を読む力ではありません。
しっかりした説明文や意見文を読む力です。
目の前の国語の成績にとらわれることなく、子供の本当の成長のために読む力をつけていってください。
ただし、小学校低中学年で、難しい説明文や意見文を無理に読ませようとすると、読書の量自体が減ってしまいます。
小学生の読書量は、1週間に2冊が目安です。
中学生は、1週間に1冊です。
基本は、楽しい読書をすることですから、物語文の読書でもちろんいいのです。
しかし、子供が小学校高学年、中学生、高校生になるにつれて、次第に説明文や意見文のある程度難しい本が読めるようにしていってください。
これは、国語の成績を上げることよりもずっと大事なことなのです。
■■子供の語彙力を育てるのは、学習まんがでも、子ども新聞でも、図鑑でも、辞典でもなく、親子の知的な対話。そのために必要なものは
●動画
https://youtu.be/qWQpx_8C0Qg
面白い記事がありました。
基本は合っていますが、ちょっと違うと思ったことがありました。
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「語彙力がある子」たちの習慣…国語講師が見つけた「例外なき共通点」とは?
https://news.yahoo.co.jp/articles/d11b4d1a5874e4d2b36dd31851e944e1ae9e9a95
一方で、「語彙が乏しい子」に共通する点にも少し触れたいと思いますが、これは「家庭が言葉に触れられる環境になっていない」ことがあげられると思います。
当然ですが、親の語彙力は子どもに影響します。いつも同じ言葉で話しかけていては、語彙は伸びていきません。お子さんには、ぜひいろんな言葉で話しかけてみてください。
====
この話は、本当です。
親が子供にいろいろな話しかけをすることが大事です。
しかも、その話しかけは、単なるお喋りでも、単なる知識の伝達でもなく、知的な話しかけであることが必要です。
昔、横断歩道で信号待ちをしている親子の、お母さんが子供に、
「赤が止まれで青が進めよ」
と言っているのを聞きました。
そのとき、そういうことを言うなら、
「赤の止まれが青になるときはすぐ青なのに、青の進めが赤になるときは途中に黄色が入るのはどうしてかなあ」
などと言えば面白いのになあと思ったことがありました。
別に、それは答えを要求するための話しかけではありません。
正解を求めるような話しかけではなく、親子の対話を楽しむ話しかけなのです。
同じことを感じたのは、ドクター・中松さんの「お母様」を読んだときです。 中松さんの母親が、折に触れて、知的な対話を楽しんでいたのです。
「『語彙力がある子』たちの習慣」の記事の最初の方に、次のような話があります。
「(毎年一番勉強できる子に勉強の仕方を聞いて)その結果わかったことは、ひとりの例外もなく全員、語彙や言葉に関する「学習まんが」で学んでいたということです。」
これだけ読むと、では、子供に「学習まんが」や「子供しんぶん」や「図鑑」や「辞典」をたくさん与えておけばいいと思うかもしれませんが、そうではありません。
そういうものに関心を持つ土台として、最初に親子の知的な対話があるのです。
そして、親子の知的な対話があれば、「学習まんが」や「子供しんぶん」や「図鑑」や「辞典」は、特になくても何も問題ありません。
「学習まんが」や「子ども新聞」は、結果であって原因ではありません。
では、親子の知的な対話をどうしたら進められるのかというと、それは作文です。
これまで、勉強のよくできる子は、お父さんやお母さんと、作文の課題を通していろいろな話をしていました。
例えば、「がんばったこと」という題名では、親が子供時代にがんばったことを話して聞かせてあげます。
「友情について」という題名でも、親が子供に、子供時代に友情を感じた経験を話してあげます。
「自然の多様性」という題名でも、親がこれまで経験した多様性の考えを子供に話してあげます。
こういう話が、毎週できるのが作文です。
もちろん、その話が、作文に出てこなくてもいいのです。
親子で話した言葉は、そのまま子供の語彙力になっていきます。
そして、子供は単に語彙力を伸ばすだけでなく、お父さんやお母さんの生きた人生も学んでいくのです。
■■遅刻や無断欠席は厳禁。日本社会で暮らすには、こういう常識以前のことは守るのが当然。遅刻や欠席をしないことは、勉強よりも成績よりも大事なこと
●動画
https://youtu.be/3cJEt7Q-nJY
たまたまですが、私の担当しているクラスの生徒が、ちゃんと欠席連絡を入れてくれた人もいますが、欠席連絡もせずに休んだ子がいました。
欠席だけでなく、遅刻も同様です。
たまに、いつも1、2分遅れて入る子が、クラスによってはいるようです。
こういう子は、社会人になっても遅刻します。
日本では、遅刻や無断欠席は、信用を失ういちばんの原因です。
遅刻しそうなときや欠席しそうなときは、どういう方法でもいいので連絡を入れることが当然の責任です。
ホンダの創業者のひとりである藤沢武夫は、何かの会合で乗り物が遅れ、遅刻しそうになったときに、会場まで走って行ったそうです。
自分が副社長で、会場にいるのは、みんな自分の部下であるにもかかわらずです。
これが、普通の行動です。
こういうことは、親がやることではありません。
小学校高学年や中学生であれば、自分でパソコンの操作ができるはずですから、本人が、遅刻や欠席の連絡をしなければなりません。
それを子供に教えていないのは親の責任です。
こういう遅刻や欠席の生活を続けていると、子供は、厳しい先生にはちゃんと連絡して、厳しくない先生には連絡しなくてもいいという裏表のある人間になります。
どんな人に対しても、自分なりの基準で行動することが大切です。
私の個人的な話ですが、昔、言葉の森がビルの3階にあったとき、エレベーターがないので階段で大量の紙を運んでもらうことがありました。
今は1階なので、そういうことはなくなりましたが。
私は、配達の人が、重い荷物を3階まで何箱も運ぶのが大変だと思ったので、いつも一緒に荷物を運ぶのを手伝いました。
「仕事だから、社員が運ぶのは当然だろ」というのは、同じ人間の発想ではありません。
もし、自分の子供がそういう仕事をしていれば、誰でも必ず手伝うはずです。
遅刻や欠席の連絡にしても、ある人には連絡するが、ある人には連絡しないということではだめです。
どんなときでも、自分の基準をもって生きていくことが大事です。
遅刻や無断欠席をしたことがある人は、この文章を読んで猛省してください。
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● 言葉の森新聞2024年6月2週号 通算第1806号 (12378字) 言葉の森事務局 jun 2024年06月10日 11時29分
16133 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2024年6月2週号 通算第1806号
文責 中根克明(森川林)
■■答えのない勉強――創造発表クラスの授業の様子 2024/5/22
●動画
https://youtu.be/44iqYCkJtuw
創造発表クラスは、答えのない勉強です。
作文クラスも、プログラミングクラスもそうです。
答えのある勉強は、100点を取った人は、みんな同じ100点です。
個性も何もありません。
しかし、勉強の中には、答えのない勉強もあります。
それが、創造発表クラス、作文クラス、プログラミングクラスなどの勉強と、読書紹介です。
これからの世の中で必要になるのは、この答えのない勉強に楽しく取り組める力です。
身近な例で言えば、大学入試の総合選抜の基準は、個性と思考力と表現力です。
与えられた知識を覚える力より、自分らしい問題を創造する力た求められるようになっているのです。
言葉の森は、もともと「創造性を育てる作文」という目標でスタートしました。
しかし、作文以外にも、創造性を育てる勉強はあります。
そのひとつが創造発表で、もうひとつがプログラミングです。
答えのある勉強は、AIテクノロジーの時代には、技術を補助的に使えば誰でもできるようになります。
例えば、計算練習のかわりに電卓を使ったり、漢字の書き取りを思い出すのに検索エンジンを使ったり、英文の翻訳をするのに翻訳サイトを使ったりすることです。
人間がクイズ番組で優勝しても、もう誰もあまり感心しません。
人間がやることは、機械のやることとは違います。
その違いが、個性と思考力と表現力です。
水曜日19:00の創造発表クラスには、中学生が多く参加しています。
創造発表クラスの授業は、発表に頭を使うばかりでなく、質問や感想を言うこともかなり頭を使います。
この自分なりに考えて表現する力がこれから重要になってくるのです。
ただし、学校のカリキュラムの決められた勉強も、ひととおりはやっておく必要があります。
それをするのが、基礎学力クラス、総合学力クラス、全科学力クラスなどです。
5月の創造発表クラスの発表を2つ紹介します。
カメラをオフにして発表してもらっているので、発表者の顔は出てきません。
学校の答えのある勉強を物足りなく思っている人は、この創造発表クラスの勉強に参加してください。
▽マレーシア航空370便
https://youtu.be/GI-eYW5TrmQ
▽スピンランチ
https://youtu.be/izxf0p5-Qrg
■■自習室の利用の仕方
●動画
https://youtu.be/W0GKQ_Njq4o
子供が自習室を利用しようとする場合、お母さんは、つい、たっぷりやらせてしようと思いがちです。
それが、いちばんよくないことなのです。
犬を飼っていて、面白い遊び、例えばボール遊びをしてやると、犬は喜んで遊びます。
しかし、遊ばせすぎると、犬はやがて飽きます。
そして、ボール遊び自体をしなくなります。
単に飽きるのではなく、その遊び自体に飽きるのです。
犬がまだ遊びを続けたいと思っているときにこそ、切りのいいときにその遊びを止めて「また、明日ね」と切り上げることが大事なのです。
子供の勉強も同じです。
子供は、時に、勉強に熱中するときがあります。
算数の面白いプリントを何枚もやろうとしたり、作文の字数を長く書こうとしたりするときです。
そのとき、近くで見ているお母さんは、子供が「まだやり続けたい」と思っているときにこそ、「また、明日ね」と止めておくのがいいのです。
これが、勉強を続けるコツです。
ということを、これまで何度も書いてきましたが、理屈の上ではわかったように思っても、実際には実行できないお父さん、お母さんがほとんどです。
これは、親が、子供の気持ちになれないからです。
親は、長い間、親の人生観で生きてきたので、子供に合わせた人生観になれないのです。
だから、少なくともそういうことを自覚して、子供に接するときは、子供の立場になって考えようとすることが大事です。
具体的には、自習室の利用の仕方は、
・毎日同じ時間に、
・短い時間で済ませる、
・つまり、やらせすぎない、
ということです。
▽自習室
https://www.mori7.com/teraon/js.php
■■国語の読解検定は、プリントした紙媒体でやってください。国語読解問題は、ウェブで見て適当に解いても力はつきません
●動画
https://youtu.be/-fNGBkG3Z-Y
国語読解クラスと、基礎学力クラスと、総合学力クラスの生徒は、特に読解検定の申込みしなくても、ウェブの問題を表示して、いつでも無料で解くことができます。
また、14日までの申込みに間に合わなかった生徒も、ウェブの問題を表示して28日までに問題を表示して解くことができます。
しかし、そのときの点数が、実は悪い生徒が多いのです。
それは、ウェブで文章を読んで、ウェブで選択肢を選んで答えているからです。
つまり、じっくり問題文に戻って読み直すことをしていないからです。
国語読解の成績が伸びない生徒に共通しているのは、適当に解いていることです。
適当に解いているので、結果がわかっても、「当たった」「外れた」で終わってしまうのです。
国語読解問題は、100点を取ることが目標です。
国語読解力のある生徒は、よく質問をしてきます。
「どうして、この問題がこの答えなのですか」
という質問です。
また、お母さんが、子供と一緒に間違えた問題の解き直しをしていることが多いです。
こういう生徒は、国語以外のすべての教科の成績が上がります。
繰り返しますが、国語読解問題は、100点を取ることが目標です。
少なくとも80点以上を取ることが必要です。
平均点は60点ですから、最低でも60点は取らなければならないということです。
学校の国語の読解問題であれば、適当な解き方でも◎になります。
しかし、読解検定の問題は、大学入試の共通テストと同じような、緻密に解く解き方で解くようになっています。
家庭で、ウェブの読解問題をやる場合は、必ず事前に印刷して取り組むようにしてください。
家庭での印刷ができない場合は、14日までにその月の読解検定に申し込んでください。
そうすれば、当日までに郵送で問題文が届きます。
読解検定の受検料は通常は550円ですが、国語読解クラスと基礎学力クラスと総合学力クラスの生徒の場合は330円です。
問題を適当に解いて悪い点数になっても、何も力はつきません。
よく考えて解くことが大切なので、必ず紙にプリントした文章をしっかり読んで解くようにしてください。
▽読検ランキング
https://www.mori7.com/dokken/dk_rank.php
▽自分の点数は「学習グラフ」で確認してください。
https://www.mori7.com/gs/
■■クリティカル・シンキングよりも、クリエイティブ・シンキング。ディベートよりも共感の対話を
●動画
https://youtu.be/WYg7Xc2UOXg
少し前に、ディベートをいう勉強法がはやったことがあります。
しかし、これは普及しませんでした。
当然です。
日本には、論争するという文化がないのです。
必要に応じて論争することはできますが、その論争で勝っても負けても、面白くも何ともありません。
あとに、虚しさが残るだけです。
それは、論争が何かを生み出すわけではないからです。
同じような言葉に、クリティカル・シンキングがあります。
欧米には、弁証法的な思考法があり、それは、ある意見に対する反対意見があると、それらを止揚して新しい意見が生まれるという考え方です。
言葉の森の中学生の作文の課題も、複数の意見→総合化の主題ですから、こういう弁証法的な考え方の練習です。
これは、頭の体操としてはいいのですが、日本人は普通、批判を通して総合化するという考え方をしません。
では、どうするかというと、まず共感するのです。
相手の意見に、とりあえず共感したあと、自分だったら更にどうするか考えるというのが、日本的な思考法です。
このときに必要なのは、創造的に考えるということです。
批判を通して創造的に考えるのではなく、共感を通して創造的に考えるということです。
言葉の森のオンラインクラスの授業の中では、読書紹介や、発表会や、一人一言の発言という時間があります。
不思議なのは、それらの質問感想の時間のときに、相手の言っていることを批判するような意見を言う子がひとりもいないことです。
文字どおり、ひとりもいません。
別に、先生や親がそうしろと言ったわけでもないのに、どの子も、相手のいいところを認めるような発言をします。
これが日本文化です。
では、そこからどういう創造が生まれるかというと、自分とは異なる他の意見に共感した子は、自分がその意見を受け入れたあと、自分の中で新しい創造を始めるということです。
批判を通しての創造ではなく、共感を通して自分の中で創造するです。
だから、学校教育でのやり方としては、相手の意見を聞いたあとに、批判するところを探すのではなく、まず共感するところを探すことです。
その共感の上に立って、自分だったら更にどうするかと考えるのが創造的な考え方です。
言葉の森の意見文には、反対理解、複数の実例、複数の理由、複数の方法、複数の原因、複数の対策などのいくつかの項目があります。
ある人の意見に対して、共感しつつ、別の反対理解、別の実例、別の理由、別の方法、別の原因、別の対策などを考えることはいくらでもできます。
それは、単に相手の意見を批判することよりもずっと頭を使う創造的な考え方になるのです。
■■リアルな通学教室とオンラインクラスの違い――これからの教育は、教える授業から発表する授業へ。そのために必要なのは、少人数の固定したオンラインクラス
●動画
https://youtu.be/fqt7azcMR_4
対面式の教室とオンラインの教室の違いということを聞かれることがあります。
しかし、その対比は、もう古いのです。
2020年のコロナ禍のとき、即席で作られたオンラインの教室は、古い時代のオンライン教育でした。
それは、授業をただ動画で流すようなオンラインだったからです。
また、双方向性をうたっているところでも、先生がみんなの顔を見えるとか、生徒が先生に質問をすることもできるという程度の限られた双方向性でした。
これが、レベルの低いオンライン教育です。
しかし、言葉の森のオンラインクラスは、違います。
まず4人から5人以内の少人数で授業をしています。
また、そのクラスは、固定したメンバーと固定した先生です。
更に、生徒全員に発言する機会があります。
先生が生徒に一方的に教える授業ではなく、生徒が発表する授業を目指しているのです。
そのため、小学校低学年から同じクラスで勉強していると、友達のような関係ができます。
通学式の塾でも、子供たちの楽しみは、行き帰りの道で友達とお喋りをすることです。
オンラインの教室でも、楽しさの中身は、自分が発表し、その発表を通して友達の質問や感想を聞く機会があることなのです。
★そこで、言葉の森のオンラインクラスは、今後、授業の中だけでなく、授業の前後にも生徒どうしが自由にお喋りを楽しめるようにしたいと思います。
お喋りは自由ですから、気の合った生徒どうしで話をしたいときに話をするということです。
ただし、時間制限として、授業の前の15分以内、授業のあとの15分以内とします。
それは、時間制限をしないと、惰性で話をしてしまうことがあるからです。
授業の前は、メインルームに入り、先生の授業が始まるまでは自由にお喋りをしていいです。
授業のあとは、ブレークアウトルームがいくつかできていますから、その中の使われていないブレークアウトルームに移動しお喋りをしていいです。
ただし、繰り返しますが、いずれも時間は15分以内です。
この時間制限がないと、互いに相手に遠慮して、だらだら話してしまうことがあるからです。
お喋りを始める前に、「じゃあ、私は、今日は○分までいるからね」というようなことを予め言っておいてもいいと思います。
大人の中には、子供たちをブロイラーのように教育することが能率的な教育だと思っている人がいます。
真面目な大人の人は特にそうです。
しかし、子供は生き物です。当たり前ですが。
時々は息抜きをしながら、しかし、集中するときには集中するというムラのある生き方をするのが人間の自然な生き方です。
以前、子供がパソコンで勉強しているときに、YouTubeを見ていたというので、子供を叱って、もうパソコンは使わせないというお母さんがいましたが、そういう脱線は、どの子もやっています。
むしろ、そういう子の方が人間らしい生き方をしています。
言葉の森の昔の通学教室でも(今は、通学教室はすべてオンラインに切り替えたので通学教室はありませんが)、中学生や高校生の生徒は、自分の席に着くと、パソコンに入っているゲームをひとしきり楽しんでから、と言っても数分ですが、それから勉強に取り組んでいました。
人間は、ニワトリではないのです。
今、YouTubeやゲームに熱中している子供もたくさんいると思いますが、それは、その子が、YouTubeやゲームに対する免疫を獲得する時期だからです。
やがて、YouTubeやゲームの遊びはほどほどにやっていればいいのだという感覚が生まれます。
それが免疫です。
そういう免疫の感覚が生まれるまでの期間は、熱中しすぎるということは誰でもあります。
では、免疫を早めに獲得するにはどうしたらいいかというと、それは読書です。
伝記や歴史の本を読むと、自分の生き方をより大きい視野で見ることができるようになります。
すると、目の前の興味に夢中になっていることが、軽いことのように思えてくるのです。
子供の教育法は、「△△をしない」ということではなく、「○○をする」ということで進めるといいのです。
「漫画を読まない」ということではなく、「いい本を読む」ということです。
「ゲームをしない」ということではなく、「自分でプログラミングをする」ということです。
子供が普通に成長していれば、親は、その子の自然な成長力を信頼していればいいのです。
■■国語力はテクニックでつける前に、読む力をつけることが大事。そもそも何のために勉強しているのかという原点を考える
●動画
https://youtu.be/Vpov9E_N_2E
学校で行われる国語の問題は、易しいものが多いです。
難しい面があるのは、国語の問題が先生の趣味で出されている場合があるからです。
受験の国語は、長文を読ませるものが多くなります。
学校の国語とは、レベルが違います。
その受験の国語を解くテクニックというものが紹介されていました。
====
「国語ができない子ども」他の科目も伸び悩む根拠
英語・社会・数学…国語はすべての科目に通じる
https://toyokeizai.net/articles/-/757205?page=7
(読む必要はないです。)
====
タイトルはいいのですが、中身は、単なる解き方のテクニックです。
例えば、こういう説明です。
====
選択肢の中に「絶対」「例外なく」「必ず」なんて表現があったら、それは断定的な表現なので、×になることが多いです。
====
このようなレベルで解ける国語の読解問題というのは、「ちょっと難しい」という程度の国語問題です。
こういうテクニックを覚えても、国語の力はつきません。
もうひとつ、こういう記事もありました。
====
【超人気国語講師が教える】子どもの「国語力」をあげるために親がすべきことベスト・1
https://news.yahoo.co.jp/articles/05647ab61955a56a8132aa5dbeefd17973f18114
(これも、読む必要はないです。)
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この記事には、こういうことが書いてあります。
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ちなみに、「本を読まない子」でも中学受験の国語は突破できます。
お子さんが読書をしないということで心配される親御さんが多いのですが、中学受験の国語に関しては、「教材」をしっかり勉強すれば充分合格できます。
中学入試では「1万字を読む力は必要」とされていますが、これはおよそ新聞の1面に相当する文字数です。
さきほどお伝えした「言葉に触れる環境作り」でこのレベルにまで到達していれば、「中学受験の国語」を戦う土台はあると考えてOKです。
あとは講師がしっかりテクニックを教えれば結果はついてきます。
「1万字を読む力」は育むべきですが、「数万字の本を1冊読み切る力」はマストではありません。
お子さんが読書することはもちろんよいことですが、読書体験を重ねることが国語力アップの最短ルートではないという点は意識したほうがいいでしょう。
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この記事を書いている人は、国語力不足に悩んでいるお母さんやお父さんを安心させてあげたいという気持ちで書いていると思うので、いい人だとは思います。
しかし、私がいつも疑問に思うのは、子供が何のために勉強するのかという原点が、「成績を上げるため」や「受験に合格するため」になっていることです。
大事なのは、子供が人間として成長することです。
その途中の過程で、成績を上げることや合格することが目標になります。
もちろん、受験のときには、それは当然目標になっていいのです。
しかし、本当に大事な国語力とは、考える力をつけること、感じる心を育てること、表現する力をつけることです。
これらの国語力が、国語以外の、数学、英語、理科、社会の勉強にも生きてくるのです。
そのためのいちばんの近道は、読書と対話と作文です。
そういう近道が遠回りだと思って(変な言い方ですが)、解き方のテクニックを先に考えるのでは、道の行く先が違ってきます。
解き方のテクニックなどは、ほんの数時間で身につきます。
私が昔、高校3年生の子供たちに、大学入試共通テストの解き方を説明したときは、数時間の説明で、次の週からほとんどの子が、平均点から満点近くになりました。
中学3年生の国語が苦手という子に、国語の解き方も教えたときもそうでした。
その子は、そのうち国語がいちばん得意と言うようになりました。
しかし、本をあまり読んでいない子は、解き方のテクニックを教えても、ある程度の点数までしか成績が上がりません。
解き方のコツがわかっても、もともとの読む力がないと、ある段階までしか成績が伸びないのです。
では、読む力をつけるためには、どうしたらいいかというと、それは難しい説明文や意見文の本をばりばり読むことなのです。
「読書をしなくても国語の成績は上がる」というのは、少しは上がるかもしれない、ということです。
こういう安易な記事に惑わされずに、本道の勉強をしていくことが大事です。
本道の勉強とは、難しい文章をしっかり読むことです。
もうひとつ、面白い記事がありました。
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子どもの読解力は家族との会話の中で養われる
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2024/06/post-104669_3.php
(特に読まなくてもいいです。)
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対話と国語力には、幼児期や小学校低中学年の時期には、特に高い相関関係があります。
小学校低学年の子供たちの作文課題は、自由な題名です。
小学校中学年の子供たちの作文課題は、身近な事実文です。
この時期に、その作文の準備として、親子でたっぷり話をするのです。
その話とは、親の体験談をおもしろおかしく話してあげることです。
だから、お母さんやお父さんの小学校時代の失敗談などを話してあげるといいのです。
この親子の対話の中で、子供たちの語彙力と思考力が育っていきます。
それが、その後、中学生や高校生になってからの子供の読書力につながっていくのです。
■■国語読解クラスの勉強は、読書の記録、国語問題集の読んできたところを聞くこと、読解問題の×のところの説明をすること(その1)
●動画
https://youtu.be/aDQ4pkeDNFU
国語力とは、つまるところ読解力です。
漢字を書く力とか、文法とか、古文とか漢文とかいう力は、知識の力ですから、国語力の本質とは少し異なります。
難しい文章を読みこなせて、質問に的確に答えられるというのが国語力です。
ただし、漢字を読む力は、読解力との相関が高いです。
漢字を書く力は、漢字の書き取りの勉強をすることによって身につきます。
しかし、漢字を読む力は、読書力のある子であれば、自然に身につくのです。
将来、社会人になって必要なのは、漢字を書く力よりも漢字を読む力です。
書く力は、今は、漢字変換ですぐに出てきます。
しかし、読む力は、その言葉の意味がわからないということですから、国語力という点ではより重症です。
試みに、中学生の子に、中学生用の国語問題集の問題文を読ませてみるとわかります。
ほとんどの子に、漢字の読み間違いがあります。
それは、そういう漢字のある文章を読んだことがないからです。
つまり、難しい文章を読んだ経験がないということです。
昔、「術語集(岩波新書)」という本が、高校生によく読まれていたことがありました。
術語という言葉の意味は、「学術上、特に定義して使う専門語」です。
要するに、難しい語彙の解説の本です。
例えば、その中に「恣意的(しいてき)」という言葉がありました。
これは、中高生の難しい国語の文章にはよく出てきます。
しかし、「恣意的」という言葉の読み方も意味もわからないという中学生高校生は多いと思います。
それでも、そのような語彙のある文章を読んでいると、大体のニュアンスはわかってきます。
術語として覚えるよりも、文脈として理解することが大事なのです。
現在、この「術語集」に似ているのは、語彙力の本です。
検索すると、「語彙力図鑑」とか「語彙力アップ」とかいう本がいろいろ出てきます。
もちろん、こういう語彙力の本を読むのはいいことです。
しかし、語彙力の本を読んで、語彙力がつくわけではありません。
語彙力は、知識として身につけるものではなく、文章を読み、その文脈の中で身につけるものです。
ことわざなども、「ことわざ辞典」などでの意味は仮の知識です。
本当のことわざの理解は、日常生活で、お父さんやお母さんが、あるいはおじいちゃんやおばあちゃんが普段の会話の中で使うことわざとして身につきます。
国語力の根底には、読書と対話があるのです。
だから、家庭でできることは、子供の読む本に、説明文や意見文の本を取り入れること、親子の対話で高度な話をすることです。
高度な対話は、小学5年生からの感想文の課題に合わせて、親子で話し合う機会を作れば、自然にできます。
小学5年生からの作文は、抽象的なテーマが出てくるので、急に難しくなるからです。
小学5年生以降の作文の勉強は、親子の対話とセットにして進めるといいのです。
その対話は、子供にとってだけでなく、親にとっても楽しい時間になると思います。
(つづく)
■■デジタル教科書ではなく紙の教科書を。読書も、紙媒体の読書で読む力をつけるのが先
●動画
https://youtu.be/jRhA6w2OlCo
紙の本と電子の本とどちらがいいかという記事がありました。
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本を読むなら「紙」と「電子」、どっちが正解?
https://diamond.jp/articles/-/345052
……「内容を深く読み込む力については、電子よりも紙媒体の方が身につけやすい」といった見解がでてきます。
したがって、「幼少期の絵本の読み聞かせなどは、デジタル媒体ではなく紙媒体でやった方が良い」とも書かれていて、実際にわが家でもこうした知見に基づいた子育てを実践してきました。
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言葉の森では、国語や数学や英語の問題集は、紙媒体で渡しています。
デジタル化することはできますが、勉強は、紙媒体ですることが大事だと思っているからです。
かつて、デジタル教科書という構想がありました。今でもあるかもしれませんが。
これは、子供の勉強の仕方をよく知らない人の発案です。
大人は、デジタルでもいいのです。
しかし、それは、紙媒体で身につけた読書の蓄積があるからです。
子供は、最初は紙媒体で読書を身につける必要があるのです。
もちろん、単に知識や情報として読むだけのものであれば、紙媒体でも電子媒体でも変わりません。
しかし、ずっと読み続けたい本や、教科書や参考書や問題集は、デジタルではなく、紙で読む必要があります。
例えば、「はてしない物語」の本は、作者のミヒャエル・エンデが、挿絵にこだわりを持っていました。
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wikipediaより
父親が著名な画家だったエンデは自身も絵を描いており、本の装丁にもこだわりを持っていた。17年にわたりエンデの編集者を務めたローマン・ホッケは「エンデは、この本を『魔法の本』と言っていました。だから装丁も、中に独立した世界があるような、特別なものでなければならない、と」と語っており、出版された本はその言葉通り表紙に二匹の蛇が描かれた布張りの本として装丁され、物語に入り込む入り口としての装置となった。読者は自身が手にした本が、作中でバスチアンが読んでいるものと同じものであると悟り主人公と一体化していくのである。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%AF%E3%81%A6%E3%81%97%E3%81%AA%E3%81%84%E7%89%A9%E8%AA%9E
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教科書や参考書や問題集は、1回だけ読むものではなく、何度も繰り返し読むものです。
何度も読むものは、読み返すときに、「あの話は、たぶんあの辺のページのあそこら辺に書いてあったなあ」という感覚で読み返すことができます。
これがタンジブル(触れることできる)ということです。
機械が情報を読み取るときは、情報をそのままコピーするので、タンジブルである必要はありません。
しかし、身体を持つ人間が情報を読み取るときは、その情報の媒体にタンジブルに接する必要があります。
大人の場合は、デジタルでもかまいません。
しかし、子供の場合は、本はデジタルではなく、手で触れることのできる本として読んでいく方がいいのです。
だから、教科書や参考書や問題集も、もちろん紙媒体である必要があるのです。
■■これからはベンチャーの時代。与えられた勉強を真面目にして、与えられた仕事を真面目にこなす時代から、自分がわくわくできる仕事を作り出す時代に
「これからはベンチャーの時代」という言葉は、多くの保護者には受けいられないと思います(笑)。
ほとんどの保護者は、真面目に勉強して、真面目に仕事をしてきた世代に属しているからです。
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「学生ベンチャー」が1200社近くまで増加 東大生「学生にとって『起業』は当然の選択肢」
https://dot.asahi.com/articles/-/223905?page=1
2022年の東京大学の入学式。藤井輝夫総長の祝辞に衝撃が走った。3分の2が起業の話だったからだ。
「東大関連ベンチャーの支援に向けた取り組みを積極的に進め、30年までにその数を700社にするという目標を掲げています」
「少しでも関心があればぜひ勇気を出して、本学での起業をめぐるポジティブな語りと対話の輪のなかに一歩足を踏み出してみてください。そこにはきっと、教室での学びとはまた違った新しい世界が広がっているはずです」
世界にインパクトを与えるベンチャー企業を生み出そうと、国や大学は今、様々な支援に乗り出している。
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これから世の中は大きく変わります。
例えば、今進んでいる核融合エネルギーの開発が進めば、エネルギーコストは大きく低下します。
物やサービスの価格は、つきつめれば、使ったエネルギーの価格です。
その価格に、人件費が加わるだけです。
だからこそ、これまで、ドルは、金とリンクするのでなくペトロダラーとして生き延びてきたのです。
と考えれば、エネルギーが無償に近くなれば、それは、あらゆるものの価格が無償に近づくということです。
残る価格は人件費だけです。
その一方で、人の行う仕事は、ロボット化やAI化で次第に少なくなっていきます。
物やサービスが無償に近くなる一方、人間の働く仕事が減り、収入が少なくなれば、これまでのお金を基準にして回っていた経済は回らなくなります。
そこで、長い目で見れば、ベーシックインカムの時代になるのです。
長い目と言っても、私は、じきにそういう時代が来ると思っています。
地球の自然界は、太陽のエネルギーで生きています。
太陽のエネルギーは、無償です。
中村天風は、
「太陽の光線は、美人の顔も照らせば、犬の糞も照らしている」
と言いました。
太陽は、分け隔てないのです。
太陽の無償のエネルギーによって、植物が水と空気を使って光合成を行い、その植物によって草食動物が生まれ、やがて肉食動物が生まれ、やがて人間が生まれ、やがて人間の文化が生まれました。
すべての出発点は、太陽の無償のエネルギーでした。
そう考えると、人工の太陽とも言われる核融合のエネルギーは、人間のすべての社会生活に影響を与えます。
その影響のひとつが、人間はもう収入のために働く必要がなくなるということです。
しかし、日本には、昔から働く文化があります。
何のために働くのかと言えば、これからは、ほかの人を喜ばせるために働くのです。
勉強と仕事は、収入のために行う勉強と仕事ではなくなり、自分自身の幸福と向上と創造と貢献のために行うものになります。
これからの若者が目指すベンチャービジネスも、この方向で行う必要があるのです。
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● 言葉の森新聞2024年6月1週号 通算第1805号 (9544字) 言葉の森事務局 jun 2024年06月02日 11時02分
16118 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2024年6月1週号 通算第1805号
文責 中根克明(森川林)
■■日本を復活させるために、創造教育文化を育てる
●動画
https://youtu.be/3a-9iX31TBE
工業化の時代が、終焉を迎えようとしています。
もちろん、いろいろな例外がありますが、歴史的に見れば、工業化の時代が終わりを迎えつつあるということです。
工業は、これまで世界の経済を牽引してきました。
しかし、多くの国では、すでに工業生産物が行きわたるようになりました。
一方、工業の供給先は、多くの国に広がっています。
これまでのように、旺盛な需要が新しい供給を引き出すというような関係ではなくなってきているのです。
現在の軍需産業や医薬品産業の需要は、作られた需要であって、本当の需要ではありません。
しかも、工業生産による環境破壊さえ問題になっています。
一方、情報産業は、GAFAとかFAANGとか呼ばれる頭文字の一部のメガテックが独占しています。
しかし、この繁栄は一時のあだ花です。
必要な情報は、今後、個人間のやりとりで行われるようになります。
そして、人間は、興味本位の広範な情報に興味を持つよりも、自分のしたいことに興味を持つようになるのです。
新しい時代の人間の関心は、物でも情報でもなく、自分自身になります。
最初は、健康とか美容とかファッションとかいう外形的なものに関心が向きますが、やがて、関心は、自身の成長とか新しい体験とかいうものに向かっていきます。
そこで、文化の時代が始まるのです。
文化の時代は、また学習と教育の時代にもなります。
江戸時代の平和な300年間にさまざまな文化が生まれたように、これから地球規模で新しい文化が生まれる時代になるのです。
その先端を行く国が日本です。
YouTubeでも、Xでも、Facebookでも、使用される言語の割合は、もちろん英語がトップですが、日本語もかなりの割合を占めているはずです。
(この具体的なデータは、昔はありましたが、残念ながら今はありません。)
日本では、ただ見るだけや聴くだけの人よりも、発信する人の割合が多いのです。
それは、8世紀後半という今から1250年も前に、日本で万葉集が作られたのと同じような文化的土壌が日本にはあるからです。
額田王(ぬかだのおおきみ614年)は、大海人皇子(後の天武天皇)に歌を送りました。
「あかねさす 紫野行き 標野行き 野守は見ずや 君が袖振る」
(あかねさすむらさきのゆきしめのゆきのもりはみずやきみがそでふる)
意味は、
「そんなに私に向かって袖を振っていたら、見張りの人に見られてしまって、秘めた恋がばれてしまうじゃないの」
です(笑)。
すると、大海人皇子は、歌を返します。
「紫草の にほへる妹を 憎くあらば 人妻ゆゑに 我恋ひめやも」
(むらさきのにおえるいもをにくくあらばひとづまゆえにわれこいめやも)
意味は、
「美しい紫草のように輝くあなたを、たとえ人妻であったとしても、私は憎むことができない。だからこそ、まだあなたを愛している」
です。
いいですねえ(笑)。
つまり、人間どうしのやりとりが、短歌という文化を通して行われていたのです。
同じように、江戸時代の庶民の娯楽のひとつは、手紙のやりとりでした。
つまり、見る文化や聴く文化だけでなく、作る文化、発信する文化があり、それが歴史的に続いていたのです。
この発信する文化が、時代ととともに、文学の世界だけでなく、多様な分野に広がります。
茶道、華道、鯉の養殖、ウズラの鳴き合わせ、和食、和服、関孝和(せきたかかず)の数学、伊能忠敬(いのうただたか)の測量、更には種子島に届いた鉄砲の国内製造などがそうです。
つまり、作る文化が、日本の文化の特徴だったのです。
そして、これがこれからの世界の新しい文化になります。
大事なことは、この作る文化が一部のエリートによってではなく、庶民のレベルで行われてきたことです。
しかし、日本の戦後の教育は、日本本来の作る文化よりも、「欧米に追いつき追い越せ」のキャッチアップ文化を優先してきました。
正しい答えは、欧米にあるから、それを学ぶことが第一だという考えです。
それは、教育のすべての面で広がりました。
そのひとつの終着点が、今の科挙化した受験勉強です。
教える先生は、正しい答えを覚えることを生徒に求め、生徒はその要求に応えるために勉強時間の多くを費やします。
本当は、基礎の勉強は、もっと短時間で済ませ、そのあとは自分の個性や創造性を活かす学び方をすることが大事なのです。
しかし、その教育の転換が、今起きつつあります。
それが、高校における探究学習や大学入試における総合選抜などの広がりです。
大学に入ったあとも、意欲のある学生は、どこかに就職するよりも、自分で起業することを目指すようになりつつあります。
しかし、その新しい起業は、これまでの工業時代の起業でも、情報時代の起業でもありません。
能力のある学生は、第二第三のビッグテックを目指し、新しいユニコーン企業を作ることを夢見るかもしれませんが、これからは、もうそういう時代ではありません。
これからは、ローカルの時代であり、地産地消の時代であり、人と人との関わりのある時代になります。
その関わりの中で、新しい文化を作る時代になるのです。
その文化が、たまたま広がる場合もあるので、それが新しいビッグ文化になるかもしれません。
しかし、基本は人間どうしの関わりで多様な文化が生まれていくということです。
そういう創造的な文化を作り出せる子供を育てることが、これからの教育のひとつの目標です。
そのためには、もちろん基礎的な教養は必要です。
しかし、それは、家庭学習で十分にできるものです。
その家庭学習を時々チェックしてくれるところがあればいいのです。
それは、例えば、基礎学力クラスや総合学力クラスや全科学力クラスです。
特に、力を入れたい教科がある場合は、国語読解や算数数学や英語のクラスに参加すればいいのです。
大事なのは、基礎的な教養以外に、自分で発信する学習をすることです。
発信する学習強には、発表する場が必要です。
それが、作文クラス、創造発表クラス、プログラミングクラスなどです。
創造的な教育が進むと、やがて、その子供たちが社会に出て、創造的な文化を作り出すようになります。
新しい創造文化が、更に新しい創造教育を生み、相互作用で日本全国が創造的な文化の国になります。
インターネットの時代には、創造文化が国境を越えて広がります。
そして、世界中が、創造文化の時代になるのです。
これが、日本復活の道筋です。
日本の未来は、創造教育文化立国を目指すことなのです。
■■作文が上手になるには、書く力+書き方、読解ができるようになるには、読む力+解き方――読書と対話と作文と創造発表が勉強の重点
●動画
https://youtu.be/Q3A1diSkMT8
作文が上手に書けるようになるには、まず書く力が必要です。
書く力は、書く練習をすることによってつきます。
だから、毎週、作文を書いていくことが大事です。
書く力がついたあとに、必要なのは、書き方です。
構成の仕方考え、表現の仕方を工夫し、主題を深め、題材を個性的なものにしていくことです。
小学生の場合は、題材の個性に、お父さんやお母さんへの取材が入ります。
似た話を取材すると、その対話の中で、子供の語彙力が伸びます。
語彙力のある子は、感想の部分を長く書くことができます。
語彙力のない子は、感想の部分が、
「とても楽しかったです。これからもやってみたいと思いました。」
のようなパターン化されたもので終わることが多いです。
作文を書く力の土台になるものは、読む力です。
「書くことがない」とか「書けない」とか言う子のほとんどは、本をあまり読んでいません。
読む量が増えれば、自然に書くことが楽になります。
ただし、もし本をよく読んでいるのに作文が苦手という子がいたら、それはそれまでの作文の勉強の仕方が悪かっただけです。
子供が書いた文章に、いろいろな注意をする先生やお母さんがいたということです。
そういう子は、言葉の森で勉強すれば、すぐに作文が得意になります。
学力の基本は、読む力です。
漢字の書き取りや計算の練習や英語の発音などは、学力ではなく、勉強的な作業です。
読む力をつけるためには、絵本や漫画だけでなく、字の多い本を読むことです。
また、物語文とともに説明文意見文の本を読むことです。
読む力のある子は、熱中して本を読みます。
小学生では、人が話しかけても気づかないくらい本を読むことに熱中していることがあります。
そういう子は、何の勉強をしてもすぐにできるようになります。
勉強する力の基本は、読む力なのです。
読む力があっても、国語の成績があまりよくない場合は、国語問題の解き方がわかっていないことが原因です。
言葉の森の読解検定で、×になったところを、お母さんと一緒に考えれば、解き方のコツがわかります。
国語の問題は、センスで解くものではなく、理詰めで解くものです。
しかし、大学入試レベルの国語の問題は、次第に科挙化しています。
それは、入試の国語は、実力を見るための国語ではなく、受験生に点数の差をつけるための国語になっているからです。
国語の実力を評価するためにいちばんいいのは、国語の問題ではなく、作文の問題を出すことです。
しかし、作文は、採点者が評価するのが大変なので普及していません。
国語力を評価するためのもうひとつの方法は、口頭試問です。
しかし、これも、評価が大変なので普及していません。
さて、ここまでが普通の話です。
ここからあとは、予測の話です。
将来は、AI技術によって、作文や口頭試問が、人間の手を借りずに行われるようになります。
人間が評価するのは、最終段階だけになります。
これは、今の段階の技術でもできることです。
しかし、その後は、オンライン教育の普及によって、入試自体がなくなります。
学校の定員がなくなるので、誰でも好きな学校に入れるようになるからです。
勉強は、どこかに合格するために行うものではなく、自分の成長のために行うものになります。
そして、勉強の目的は、社会に出て、自分らしい創造によって社会に貢献することになります。
と、ちょっと先の話を書きましたが、今、子育て中のお母さんお父さんは、目の前の成績だけでなく、こういう先の展望を考えて子供を育てていくといいと思います。
そのための勉強の優先順位は、第一に読書、第二に親子の対話、第三に作文、第四に創造発表、第五にいろいろな体験、第六に国語算数数学英語理科社会になると思います。
■■外国ルーツの子供たちに日本語を教えるには、漢字を教えるよりも、まず、ふりがなつきの文章を読ませることを中心に
●動画
https://youtu.be/ShzGJrpKyC8
外国人が日本語を覚えるときに、いちばんネックになるのが漢字だと思われています。
確かに、常用漢字2000字は、普通の大人の日本人であれば楽に読めますが、日本語を知らない人にとっては、それが大きなハードルになってしまうように思えます。
しかし、ここで大事なことは、日本語を教える教育の方法です。
教えることを先に考える人は、まずネックになっている漢字や個々の単語や文法を教えようとします。
これが、間違いなのです。
野口悠紀雄さんは、学習の基本として、まず全体を学ぶということを述べています。
これが、教育の基本です。
例えば、文章の読解が苦手な生徒がいたとします。
分析主義、と敢えて言いますが、分析主義的な教育をする人は、文章を個々の段落に分け、それぞれの段落の内容を理解させようとします。
それぞれの段落の中で意味のわからない言葉があれば、その言葉の意味を辞書を引いて理解させようとします。
そして、言葉の意味がわかり、段落の意味がわかり、文章全体の内容がわかるようになると考えるのです。
これは、最も遠回りな方法です。
この方法では、文章全体を理解する前に、ほとんどの生徒は文章を読むことが嫌になってしまいます。
そして、読解力は身につきません。
本当の教育法は、その文章を丸ごと何度も繰り返し読むことなのです。
国語読解クラスの勉強の基本は、問題集の問題文を繰り返し読む学習法です。
それで、本当の読解力がつくのです。
漢字を覚えさせたり、個々の言葉の意味を覚えさせたりするのは、分析主義的な教育法です。
それは、教える側の発想であって、学ぶ側の発想ではありません。
日本語を学ぼうとする子は、まず日本語の全体を学びたいと思っています。
そのための方法は、ふりがな付きの日本語の文章を読むことです。
その文章が、面白い内容であれば、子供はどんどん読み進めます。
そして、自然に日本語をマスターするのです。
毎日小学生新聞5月23日号の記事に、「外国ルーツの子に漢字を」という記事が載っていました。
この試みをしているNPO法人の人たちの志は尊いと思います。
しかし、教育の基本は、分析主義的な方法ではなく、まず全体から入るという方法であるべきだと思ったので、敢えてこの記事を書きました。
■■独立起業の力をつけるための創造発表クラスの勉強
● 動画
https://youtu.be/TESrS1VFQKw
子供たちの将来の夢を聞くと、お医者さんになりたいとか、幼稚園の先生になりたいとか、パティシエになりたいとか言いますが、それは、そういう職業名しか知らないからです。
これから、世の中には、多様な新しい仕事が生まれます。
本当は、自分がその新しい仕事の創始者になるのが子供たちの夢なのです。
関連する記事がありました。
▽「東大生の就職先「本当の1位は外コンでも楽天でもない」面白い人生を送るためのキャリア論」
https://www.businessinsider.jp/post-287615
(全部読むには有料会員になる必要がありますが、前半の部分だけで十分に内容が理解できます。)
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……
7年ほど前に一流企業の内定者データを分析した本が某出版社から出た時のことです。その本で、僕が東大生の人気就職先ランキングについてコメントしたんですよね。
そのときの人気ランキングは、1位マッキンゼー、2位がボストン・コンサルティング・グループ(BCG)、3位がアクセンチュア……というように、見事に外資系コンサルだの外資系金融がずらっと並んでいました。
当時、その本の担当編集に「入山先生、この背景をどう分析しますか」と質問されたので、「これは超簡単ですよ」と答えました。これらは、つまり「究極の腰掛け」なんです。
「腰掛け」というと、すぐに辞めるつもりで就職するということですか?
そうです。7年前も今も、東大生が就職で目指すのは「究極の腰掛け」なんですよ。
何が言いたいかというと、たぶん荒幡さんや小倉さんのような若い世代は、誰も終身雇用なんて信じていないじゃないですか。だから最初から転職を視野に入れている。
……
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子供たちというか、大人も含めて、みんな自分の人生を模索しています。
その模索のひとつのかたちが、今の大学生の場合は、コンサルタント会社に就職するということになっていまです。
しかし、就職の時点で、そういうコンサル会社に就職するようでは、すでに先は見えています。
準備の時間が長ければ長いほど、準備だけで終わってしまうのです。
もっと早い時期から、自分の仕事を見つけることです。
大学生の時代でも、高校生の時代でも、もっと早ければ中学生や小学生の時代でもいいのです。
自分のやりたいことがあるというのが、これからの人生の基本です。
特にやりたいことはないが、とりあえず勉強と部活を一生懸命にやるというのは、その場限りの生き方です。
今、やりたいことを今の時点で始めるというのが、生き方の基本になります。
創造発表の勉強は、これまでの勉強の基準から見たら、勉強とは言えないかもしれません。
自分の好きなことを研究し、創造し、発表するのですから、定期テストの対策にはなりません。
しかし、その勉強が、将来の自分の人生に生きてくるのです。
■■答えのある勉強は、参考書や問題集を1冊決めて繰り返し読むだけ。大事なのは、答えのない勉強に取り組む時間を持つこと。そのために役立つ方法が散歩
今、学校でやっている勉強の中身は、すべて答えがあります。
答えがある勉強でないと、先生が教えられないからです。
だから、AI時代には、先生という仕事はなくなると思います。
残るのは、教える先生ではなく、作文や創造発表やプログラミングなど、生徒どうしの発表を司会する役割としての先生です。
今の勉強の答えは、参考書や問題集の中にすべて用意されています。
教科書だけは、先生が教えることを前提に作られているため、答えが用意されていません。
学校の宿題なども、答えが用意されていないことが多いのですが、答えの用意されている勉強を中心にやっていくことが大事です。
一方、答えのない勉強もあります。
人生は、そもそも答えがありません。
その答えのない勉強に取り組む時間をもつことが大事です。
しかし、答えのない時間は、惰性に流されることがあります。
そのときの解決策のひとつは、とにかく本を読むことです。
本を読むことは、ある種の作業なので、すぐに取り組めます。
そして、自分の考えが深まります。
ただし、その本は、物語文の娯楽の本よりも、説明文の考える本であることが大事です。
読書の時間を確保しないと、人間は、空いている時間に、YouTubeを見たり、LINEでお喋りしたりすることになりがちです。
人間には息抜きの時間が必要なので、娯楽の時間も大事です。
しかし、娯楽の時間と勉強の時間だけでは、何のために生きているのかわかりません。
本当は、答えのない勉強をするために、考える時間が必要なのです。
答えのない時間を確保するためのひとつの方法が、散歩です。
歩くという動作は、人間の身体の最も自然な使い方です。
人間には、角も、牙も、走る速さも、大きい体もありません。
その人間が何十万年か何百年前も生き続けてきたのは、歩くことにくたびれなかったからです。
狩猟民族の場合、弁当を持って歩き続ければ、どんな獲物も追い詰めることができます。
シートン動物記にある野生の雄ヒツジ クラッグの話はそのひとつの例です。
また、人間は、どんな遠くにも歩いて行くことができます。
人類が、地球上のどこにも広がったのは、いつまでも歩くことができたからです。
だから、散歩は、人間にとって本質的な運動です。
散歩しているときは、余計なことは入ってきません。
だから、考えることがある場合は、散歩によって考えが深まることが多いのです。
ニーチェが、「ツァラストラはかく語りき」の構想を描いたのは、近くの大きい湖の周りを一周しているときでした。
歩いていると、YouTubeを見たり、LINEの返信を気にしたりすることなく、自分の考えだけに集中できます。
今の学校の勉強は、退屈なことが多いです。
その退屈な勉強に慣れて、勉強生活に適応する必要はありません。
勉強に飽きたら、近所を一回り歩いてくることです。
できるだけ信号のないところで、考えずに歩けるところがいいです。
そうして、自分が本当に考えたいことを考える時間を持つのです。
■■国語の得意な子、算数数学の得意な子
●動画
https://youtu.be/Pcx3b29GO44
国語と算数数学は、頭の使い方が少し違います。
国語は、問題文を読んで実感として感じられることが大事です。
長い物語文でも、読んでいるうちにその文章に感情移入ができるので、その後の設問にもすぐに答えることができます。
設問を先に読んでから、問題文を読むというのは、感情移入が苦手な人の場合です。
読書好きな子は、普通に問題文を読んで、それから選択問題を選びます。
しかし、算数数学はそうではありません。
例えば、
・分数の割り算はひっくり返して掛けるとか、
・比の問題で内項の積と外項の積は等しいとか、
・未知数の数だけ複数の等式があればその未知数は解けるとか、
・a2-b2=(a+b)(a-b)
とかいう因数分解の式などは、実感でとらえることはできません。
それらをもし実感で捉えることができるとしたら、その人は数学の天才です。
そういう人も、もちろんいます。
確か、昔、インドにいたと思います。
二次方程式の解の公式は便利な式です。
x=(-b±√b2-4ac)/2a
しかし、私は、昔の人がよくそういうことを考えついたと思います。
▽ウィキペディア
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%8C%E6%AC%A1%E6%96%B9%E7%A8%8B%E5%BC%8F%E3%81%AE%E8%A7%A3%E3%81%AE%E5%85%AC%E5%BC%8F
ところで、ほとんどの数学の得意な人は、算数数学の問題を、実感の学問ではなく操作の学問として解いています。
国語は、実感で考えていいのですが、算数数学は操作として解くと割り切っていくのです。
その算数数学のいちばんいい勉強法は、1冊の問題集を5回繰り返して、できない問題が1問もなくなるまで解くことに慣れるということです。
これは、数学で赤点を取った本多静六が一念発起して編み出した勉強法で、清六はその後すぐに、先生から数学の天才と呼ばれるよになりました。
一方、国語の勉強法は、問題の解き方を理詰めに解く方法を身につけることですが、それ以前に、ほとんどの人は、難しい文章を読むことに慣れていません。
だから、まず読書、特に説明文読書をすることが大事です。
算数数学の勉強法は、1冊の問題集を決めて、それが100%解けるようにすることです。
しかし、多くの人は、ある問題集が8割から9割できたらそれでやめて、次の問題集に移るような勉強をしています。
学校や学習塾などで渡される大量のプリントも、そういう8割から9割の勉強法を助長しています。
算数数学は、解けなかった問題が解けるようになることが大事で、解ける問題をいくら数多く解いても力はつきません。
このように考えると、勉強の方法は簡単です。
しかし、実際に、子供たちにとって勉強が簡単でなくなっているのは、学校や塾が、子供たちに差をつけるために、解きにくい問題を出しているからです。
その根源には、受験勉強が、受験生に差をつけるために行われているという事情があります。
実生活では、普通の問題が普通に解けることが大事で、間違えやすい問題を間違えずに解けることはほとんど必要ではありません。
やがて、将来はオンライン少人数教育が広がり、受験勉強自体がなくなります。
合格者の人数を絞って選別しなければならないのは、リアルな教室の机の数や先生の数に物理的な制約があるからです。
というのは、ちょっと先の話ですが(笑)、子供たちは、まともな国語の勉強と、まともな算数数学の勉強をしていってほしいと思います。
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● 言葉の森新聞2024年5月4週号 通算第1804号 (5739字) 言葉の森事務局 jun 2024年05月22日 11時33分
16095 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2024年5月4週号 通算第1804号
文責 中根克明(森川林)
■■5月29日(水)・30日(木)・31日(金)は休み
5月29日(水)・30日(木)・31日(金)は、第5週のため通年クラスの授業はありません。振替授業もお休みです。
■■第4週は清書。幼稚園生は作文(作文クラス)
幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。
小学1年生以上の生徒は、清書を行います。
■清書の意義とと方法
清書とは、これまでに書いた作文の中で内容がよかったものを書き直すことです。
内容がよいとは、個性、感動、共感などがあるということです。
書き直すときは、次の点に留意してください。
(1)漢字で書けるところは漢字で書く。
(2)たとえや自作名言を工夫できるところがあれば工夫する。
(3)似た話や続きの話を書くことによって字数を増やす。
(4)作文用紙の空いているところに絵などをかいてもよい。
■清書の投稿
清書した作文は、小学生新聞や一般紙などに投稿してみましょう。
手書きの清書の原本を、新聞社に投稿したり、コンクールに応募したりする場合は、清書のコピーの方を先生に送ってください。
新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(2)学年(3)自宅の住所(4)自宅の電話番号(5)学校名とふりがな(6)学校所在地(町村名までで可)など。
投稿する際は、ペンネームを本名に訂正しておいてください。作文の中に友達の名前が固有名詞で入っている場合は、イニシアルなどに直しておいてください。投稿する作文の内容は、保護者がチェックしてあげてください。
同じものを複数の新聞社やコンクールに送らないようにしてください。これは二重投稿といって、もし両方に掲載されてしまった場合、掲載先に迷惑をかけることになります。
●小学生新聞の投稿先
■104-8433東京都中央区築地3-5-4 朝日小学生新聞「ぼくとわたしの作品」係
■100-8051(住所はいりません毎日小学生新聞「さくひん」係(600字以内)
●新聞社に送る清書は市販の原稿用紙に
新聞社に送る清書は、市販の原稿用紙に書いてください。
その理由は、清書は個人で送るものなので、自分で用意した原稿用紙に書くのが、社会的なルールとなるからです。
※清書した作文を投稿しない場合でも、額などに入れて家の中に飾っておきましょう。
■■若者が世の中に出る道――エリート、スター、ヒーロー
●動画
https://youtu.be/P4Jk-pNB6ZU
若者は、世の中に出ることが目標です。
社会に貢献することは将来の目標ですが、その前に、まず自分が世の中に出ることです。
そのための道はいくつかあります。
大きく分けると、エリート、スター、ヒーローです。
エリートは、既存の組織で上の人に引き立てられて、自分も少しずつ上に行く道です。
安心できる道ですが、時間がかかります。
スターは、みんなの人気に支えられて一気に上に行く道です。
短期間で頂点に立つこともありますが、その頂点を支えているのは、大衆の人気というあてのないものです。
年齢を重ねても、人気を蓄積することはできません。
ヒーローは、自分の力で世の中に出る道です。
不確かな選択ですが、その苦労が自分を成長させます。
そして、いろいろな失敗や成功があっても、結局、時間がたつほど、自分の中に蓄積が生まれます。
だから、若者は、ヒーローを目指すべきです。
苦しいのは、最初のうちだけです。
その苦しいのを、楽しい苦労だと思ってがんばればいいのです。
■■中学受験作文、高校推薦入試作文、大学入試小論文なら、志望校別対策のできる言葉の森
●動画
https://youtu.be/wDBXEnOkqO8
受験の作文では、誰もが不安になります。
それは、対策が立てられないと思うからです。
一般の入試では、準備ができていれば、大体の偏差値は予測できます。
しかし、受験作文の場合は、模擬試験の偏差値は、あてになりません。
作文の対策は、志望校の過去問の傾向を調べ、傾向に合わせた作文を10本書いておくことです。
■受験する学校の作文試験の過去問の傾向を知ることが出発点
受験勉強の鉄則は、志望校の傾向を知ることです。
国語の試験でも、難しい傾向か易しい傾向の学校かで対応が違います。難しい傾向の学校については、難しく考えて解かなければなりません。易しい学校の国語の試験では、普通に解くことが大事になります。
出題傾向の分野を準備しておくことが大切です。
作文試験の場合は、その傾向がさらにはっきりしてきます。
だから、過去問分析が大事になるのです。
■作文試験は、内容よりも、まず時間内に必要な字数を書く力をつけること
作文試験では、指定の字数と時間に合わせた対策をしておくことが大事です。
作文試験の基本は、決められた制限時間内に必要な字数ぴったりに収める力をつけることです。
できるだけ、指定の字数の上限ぎりぎりまで書くことです。
時間内に必要な時数をまとめる力をつけるためには、練習量しかありません。
しかし、練習を重ねれば、誰でもできるようになります。
■特殊な学部の試験なら、その分野の本を10冊読んでおく
音楽系、芸術系、工学系、医療系などの分野では、特にその分野の知識を身につけておくことが必要です。
図書館や書店などで、受験する分野の本を10冊読み、その中で印象に残った本は繰り返し読み自分の血肉にしていきましょう。
数字や固有名詞などのデータを覚えておけば、面接試験のときにも役に立ちます。
■作文試験はその場で考えて書くのではなく、それまでに書いた文章を当てはめて書く
作文試験は、その場で最初から考えて書くのではなく、課題のテーマに合わせて、自分がこれまで書いてきた文章の内容を当てはめて書いていきます。
だから、事前に、出そうな課題について10本の作文を書いておくことが大事なのです。
しかし、自分が予想してもいなかった課題が出たら、それは逆にチャンスです。書きにくい課題ほど、構成力が重要になるからです。
■書き出しと結びが対応していて、題材に個性があり、結びに光る表現があれば合格作文になる
作文試験の採点官は、内容までじっくり読んでいるわけではありません。
文章は、内容よりも、スムーズにわかりやすく筋道を立てて書いてあることが大事です。
さらにその上に、書き出しの意見と結びの意見が対応していて、題材に個性があり、結びに光る表現があれば、合格作品になります。
これは、練習次第で誰でもできるようになるのです。
■作文クラスの無料体験学習ができます
作文クラスは、小1から高3まで、平日及び土日の7:00から20:00まで参加できるクラスがあります。
無料体験学習を希望される方は、お電話、又は、ホームページからお申し込みください。
045-353-9061(平日10:00~17:00、土日10:00~12:00)
受験作文で43年の実績
▼これまでの合格情報
https://www.mori7.com/beb_category.php?id=19
▼受験作文の過去問の解説
https://www.mori7.com/juken/juken_iwa.php
■■作文と創造発表とプログラミングが未来の勉強。しかし、今の学校の勉強をカバーするために、基礎学力、総合学力、全科学力も。又は、国語読解、算数数学、英語も
●動画
https://youtu.be/RtJxld7pvA4
私は、小学5、6年生のころ、学校の勉強は本当に退屈していました。
いつも、窓の外を見ては、「スズメは、自由でいいなあ」と思って眺めていました。
授業中は、教科書の全ページに落書きをしていました。
そのころは、不登校という概念がなかったので、いつも我慢して学校に通っていました。
そのときに、自分を励ますが言葉が、「○○さんがいるから学校に通うんだ」ということでした。
○○さん、今ごろどうしているかなあ(笑)。
もちろん、先生は、とてもいい先生で、のちに校長先生になりました。
しかし、私は、授業を聞いているのが退屈で仕方なかったのです。
唯一、ほっとするのがテストの時間でした。
それは、自分のペースでやればよかったからです。
これは、今の子供たちにも、多かれ少なかれ共通していると思います。
だから、言葉の森のオンラインクラスは、先生が教える授業という時間はできるだけ少なくして、できるだけ子供たちが発表する時間を確保するようにしています。
子供は、自分のペースで教科書や参考書を読んで勉強していればいいのです。
たまに質問があったときだけ、それを聞くことのできる先生が必要です。
しかし、先生に聞かなければわからないような質問は、滅多にありません。
では、どういう勉強が大事かというと、それは、ひとつは自分のペースで進める勉強、もうひとつはみんなの前で発表する勉強です。
大事でないのは、人に教えてもらう勉強です。
人に教えてもらうのは、自分ではどうしてもわからないときだけでいいのです。
言葉の森の、作文クラス、創造発表クラス、プログラミングクラスは、自分で進めて、みんなに発表する勉強です。
これが、本当の勉強です。
国語読解、算数数学、英語、基礎学力、総合学力、全科学力も、自分のペースでやる勉強です。
しかし、小中学生は、勉強の自覚がないので、先生が家庭学習の進捗状況をチェックしないと、授業に参加するだけの勉強になってしまいます。
そこで、「森からゆうびん」というアナログ葉書で、生徒の学習状況をデータやグラフとして毎月送ることにしました。
(海外の方は、ウェブで見られます。
https://www.mori7.com/gs/ )
点数やランキングも表示するので、自分の学習の位置がわかります。
しかし、本当は、こんなことはどうでもいいのです。
勉強は、やる気になれば、すぐにできるようになります。
数学や英語のような時間のかかる勉強でも、本気になれば、数ヶ月で見違えるように成績が上がります。
ただし、そのための基礎は、読書力です。
ある程度難しい説明文の本をばりばり読む力さえつけておけば、勉強は、すぐにできるようになるのです。
そして、社会人になってから必要なのは、勉強の成績ではありません。
読書によって育てた教養と、あとは、ほかの人とのコミュニケーションの力、共感力なのです。
しかし、こういう一般論を言っても、多くの人がピンと来ないと思うので、当面、言葉の森では、次の勉強を進めていきます。
まず、作文クラス、創造発表クラス、プログラミングクラスのいずれかに参加しておくといいです。
次に、すでに塾に通っていて忙しい人は、基礎学力クラス、総合学力クラス、全科学力クラスに参加するといいです。
塾に通っていない人、又は、特に力を伸ばしたい教科がある人は、国語読解クラス、算数数学クラス、英語クラスに参加するといいです。
これからの世の中は、大きく変わります。
目の前のわけのわからない習い事にとらわれることなく、本当の学力と個性を育てていってください。
■■創造発表クラスの授業の様子――これからの勉強は、答えのある知識を再現する勉強ではなく、自分の興味と関心に応じて個性と創造性を伸ばし発表する勉強
●動画
https://youtu.be/_fb7AeI6CaI
創造発表クラスは、生徒が自分の興味関心に応じて研究したことを発表する授業です。
その発表に対して、一緒にいる参加者が質問をしたり感想を述べたりします。
現在、高校では、探究学習という授業が行われています。
しかし、30人から40人のクラス単位で行われるため、個人が創意工夫をする余地は限られています。
また、発表の機会も、年に数回と少なくなります。
言葉の森の創造発表クラスは、毎週、全員が発表又は発表の準備の説明をします。
発表は個人に任されているので、自分の好きなことを自由に発表します。
今の日本の教育では、真面目な子ほど、教えられる授業に適応します。
答えのある勉強をしっかり覚えて、テストで再現できることが勉強だと思ってしまうのです。
社会に出たら、そういう勉強は役に立ちません。
もちろん基礎学力は必要ですが、その基礎学力から先は、自分の創意工夫です。
創造発表クラスの発表は、教科の枠を超えています。
国語でも、数学でも、英語でも、理科でも、社会でもないような、あるいはそれらの融合のような発表になります。
この創造発表の学習に、有効なツールが生まれています。
それが、ChatGPTなどのAIテクノロジーです。
昔は、参考書を調べたり、図書館で資料を探したり、インターネットで検索したりというようなことが必要でした。
今は、AIでいくらでも資料を見つけられるます。
だから、大事なことは、その調べたあとの個性と創造性です。
探究学習という授業でも、ChatGPTを使えばすぐに資料をまとめることができます。
同じことは、夏休みの宿題の読書感想文とか、人権とか税金とかの課題作文にもあてはまります。
これらの学習は、もうすでに時代遅れになりつつあります。
価値ある学習は、それらの資料の上に自分の創造性を付け加えることです。
それは、探究学習のようなグループ学習ではできません。
個人個人がそれぞれに発表することのできる創造発表クラスの学習でなければ、個性的創造的な学習はできないのです。
先日の創造発表クラスの授業の発表の様子を動画にしました。
カメラはオフにしてレコーディングしています。
▽奈良県について
https://youtu.be/naDfUcOmjMc
▽スピンランチ
https://youtu.be/ZFPXpdu7LTc
▽マレーシア航空
https://youtu.be/oRo_0eEdHwc
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● 言葉の森新聞2024年5月3週号 通算第1803号 (5366字) 言葉の森事務局 jun 2024年05月17日 14時02分
16086 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2024年5月3週号 通算第1803号
文責 中根克明(森川林)
■■小3や小4で、塾が忙しくなったからという理由で作文をやめるのはもったいない――あとに残る本当に大事な勉強は、読書と作文と遊び
●動画
https://youtu.be/jkQZ9r7LH_k
子供の勉強は、長期的な見通しを持つことが大切です。
受験という目標があると、そこにすべてを集中してしまいがちです。
特に、今は、塾でも競争を煽るようなかたちで大量の宿題を出したり、頻繁なテストを課したりするので、子供も親も、その塾のペースに流されがちです。
しかし、よく考えてみればわかるように、受験勉強で、あとに残るものはあまりありません。
受験の算数は、差をつけるための算数なので、難しい問題が出てきますが、その難しさはあとに残りません。
数学は、中学や高校でしっかり勉強すればいいのです。
苦労して中学受験の勉強をした子と、小学生時代のんびり遊んでいた子が、結局同じ大学に合格するということは、よくあります。
本当の勉強は、子供が自覚してから始まるので、中学3年生から高校3年生にかけての勉強が、最も大事なのです。
受験勉強で、あとに残るものはあまりありません。
そのかわり、小学生時代、本当にあとに残るものがあるとすれば、それは読書と作文と遊びです。
これらは、子供の感受性、思考力、表現力を育てます。
それが、最もあとに残る学力なのです。
塾に通うと、勉強時間が増えるので、初めのうちは作文の勉強との両立は難しいと感じる人もいると思いますが、その忙しい時間もやがて慣れてきます。
受験勉強中も、できるだけ、読書と作文の勉強は続けて、どうしても時間的に無理になったときだけ、いったん休会して、また、中学受験の合格後に再開すればいいのです。
言葉の森の作文は、高校3年生まで続けられます。
言葉の森には、小学1年生から作文の勉強を始めて、高校3年生まで続けている生徒が何人もいます。
うちの子2人もそうでした(笑)。
長い展望を持って、作文の勉強に取り組んでいきましょう。
■■国語、算数数学、英語、基礎学力、総合学力などのクラスで、勉強が進んでいない子については、自習室への参加を義務付けることを検討中
勉強の中心は、家庭学習です。
しかし、子供たちの中には、家庭での学習は、学校の宿題をやるだけという子もいます。
言葉の森の学習記録を見ると、国語、算数数学、英語とも、問題集は毎週5~10ページ進んでいなければならないはずです。
https://www.mori7.com/gs/
しかし、1週間で、ほんの数ページだったり、記録をつけ忘れたりしている子がいます。
週に1回、授業に参加するだけでは絶対に力はつきません。
明らかに学力のない子が、1週間で1、2ページしか勉強していないということがあります。
そういう子は、勉強したページに関して質問しても、うまく答えられなません。
子供の本文は、勉強です。
しかし、それは、学校に通うことではなく、家庭で毎日の自主学習をすることです。
そこで、今後、問題集のページが進んでいない子については、自習室の参加を義務づけるようにします。
学習グラフを見れば、学習状況がわかりますから、それをもとにして、保護者に連絡し、毎日必ず一定時間は、自習記録をつけ、自習室に参加して勉強するということを義務づけたいと思います。
https://www.mori7.com/teraon/js.php
人間は、中学2年生ぐらいまでは勉強の自覚がないので、家庭がしっかりしていなければ、子供は勉強をさぼりたくなるのが普通です。
この自習室参加の義務付けを、当面、一部のクラスから始めて、やがて全クラスに広げたいと思います。
対象の生徒は、次のクラスの生徒です。
・国語読解クラス
・算数数学クラス
・英語クラス
・基礎学力クラス
・総合学力クラス
・全科学力クラス
■■英語教育のし過ぎにならないように。日本人は、母語である日本語が学力の土台。日本語力の土台の上に、外国語を学ぶという姿勢が大事。
日本人の学力の土台は、日本語です。
こういう単純なことがわからない人があまりに多いので、この記事にはいろいろなクレームがあるだろうことを承知の上で書いておきます。
昔、レストランで、後ろの席にいた親子連れで、子供がまだ幼児だったと思いますが、母親が熱心にカタコトの英語で話しかけていました。
教育熱心なのは、いいことですが、その熱心さの方向が違うと思いました。
英語教育の第一人者とに言われるような鵜沢戸久子さんが、幼児期から英語をシャワーを浴びるように聞かせるといいという最初の方針を改め、「幼児期は、英語のCDは15分程度で留めることが必要」と書くようになりました。
「日本人の小学生に100%英語をマスターさせる法」
幼児期から英語をさせすぎる弊害を感じたからです。
幼児期からの英語学習によって、英語の日本語も、どちらも不十分になるということなのです。
英語教育者の渡部昇一さんは、「英語の早期教育・社内公用語は百害あって一利なし」という本を出しています。
英語教育に携わる人は、こういう本を一度は読んでおくといいと思います。
以前、教育系の雑誌で見た記事ですが、日本で暮らしている小学校高学年の子供の保護者が、「うちの子は、日本語の本より、英語の本をよく読むのです」と言っていました。
どちらの言語で読むかということよりも、その本の内容がどういうものかということが大事です。
英語で、「ジャックと豆の木」や「赤ずきんちゃん」の本が読めると言っても、それが何かの実力につながるわけではありません。
言語ではなく、内容のある難しい本をしっかり読めることが大事なのです。
AIの発達で、最も影響を受ける教科は、英語です。
AIは、どんなベテランの英語の教師よりも英語が得意です。
英語と同じような教科は、国語、理科、社会です。
こういう教科の先生は、もう人間がやる必要がなくなるのです。
今のAIで、まだついていけない教科は、数学です。
AIは、膨大な情報から確率的に答えを出しているだけで、論理的に答えを出しているわけではないからです。
AIの今後の進化を考えると、外国語については、ポケトークのような機器が発達して、言語の壁はなくなります。
だから、今の英語の勉強法と同じかたちで、中国語やドイツ語やフランス語を学ぶのは、時間の無駄でしかありません。
やがて、このことが理解されるようになると、英語の入試自体がなくなり、英語の代わりに、「多様な文化の理解」のような教科になります。
これは、語学の勉強というよりも、社会科の勉強です。
教育に携わる人は、こういう長期的な見通しを持っておくことが必要です。
では、英語の先生を今やっている人は、何をしたらいいかというと、これまでの語学教育の経験を生かして、日本語教育をやっていくのです。
英語は、伝達の言語です。
だから、世界中に広がりました。
しかし、AIの発達によって伝達のツールは、言語の壁を超えるようになりました。
一方、日本語は、単なる伝達の言語ではありません。
日本語は、教育の言語です。
だから、言語の教育を行うとしたら、外国の子供たちに日本語の教育をしていくといいのです。
インターネットの時代には、世界中の子供たちに日本語の教育を行えるようになります。
幼児期からの日本語教育が、これからの世界の教育のトレンドになると思います。
その教育ができるのは、日本語を母語としてきた日本人です。
明治時代になって、それまでの江戸時代に必要だった馬術や剣術の練習が必要なくなったように、AI時代は、今後、学習の大きな転換点になります。
漢字の書き取りや、ややこしい計算練習や、理科や社会のどうでもいい知識は、もはや、人間がすることではなくなります。
単子葉植物と双子葉植物の維管束の形状の違いなどは、ネットで調べればすぐにわかることです。
テストで、記憶力を評価するような知識ではありません。
むしろ、そういう単子葉と双子葉の違いがなぜ生じたのか、もし自分が植物だったらどうしたいと思ったかという創造的な学習の方が大事です。
しかし、創造の問題は、定期テストには出てきません。
では、何がこれからの勉強の中心になるかというと、それは哲学と数学と芸術です。
哲学とは、言語を使った学問の総称ですから、政治学、経済学、心理学、倫理学など、言葉を使ったあらゆる分野を含みます。
数学は、物理学や化学や工学も含みます。
芸術は、文学や音楽や舞踊や絵画や彫刻のほかに、新しいジャンルの芸術がこれから生まれると思います。
スポーツは、競争という面をなくし、芸術と同じような共感と交流のスポーツになると思います。
■■未来を生きる子供たちの本「空想教室」――小さな町工場でロケットを飛ばした植松電機社長植松努さんの話
これは、面白い本なので、小学校高学年から中学生や高校生の子供たちにおすすめです。
もちろん、保護者の方にもおすすめです。
「空想教室」
私の感想は、「もうこんな本が出てきたんだなあ」ということです。
私は、昔から、ずっと人間の勉強の目的は、独立して自分らしく生きることにあると思ってきました。
ただ、そういうことを言っても理解してくれる人はいないだろうとも思っていました。
しかし、時代は、少しずつ変化しています。
言葉の森は、受験対策もしています。
特に、作文小論文試験では、毎年多くの子が参加し、志望校に合格しています。
しかし、大学入試に合格することは、その先の長い人生を考えたらどうでもいいことです。
確かに、今の会社の就職試験は、大学の名前で学生を評価しています。
だから、いい大学に入っていれば、とりあえず安心です。
しかし、これからは、就職は、人生の到達点ではなくなります。
人間は、一生、自分らしい人生を創造して生きていくのです。
このことは、なるべく若いうちに気づいておくことが大事だと思います。
■■読書量を増やすなら、付箋読書。小学校高学年、中学生、高校生の生徒は、物語文の読書だけでなく、説明文意見文の読書を
●動画
https://youtu.be/dsRM3YgKxY4
子供が本を読んでいれば、お母さんお父さんは安心するかもしれませんが、その本の中身が大事です。
小学校低学年の子で、いつまでも絵本のような本を読んでいる子がいます。
ほのぼのとした内容で、いい本なのですが、それだけで終わっていては、読書力はつきません。
小学校低学年の子は、字の多い本を読む必要があるのです。
小学校高学年や中学生、高校生で、いつまでも物語文の本を読んでいる子がいます。
物語文は、楽しく面白く読めますが、それだけで終わっていては、思考力はつきません。
小学校高学年以上の子は、説明文、意見文の本を読む必要があるのです。
ところが、説明文、意見文の本を読むと、途端に読書量が低下する子がいます。
その理由のひとつは、読む力がついていないからです。
もうひとつは、読み方のコツを知らないからです。
物語文は、ストーリーに引っ張られて最初から最後まで読むことができます。
しかし、説明文、意見文は、ストーリーがないので、途中で読むことに飽きると、そこで止まってしまうことが多いのです。
説明文意見文の読書で大事なことは、面白くないところは飛ばし読みをして、面白いところだけを読むことです。
そして、できるだけ、いいと思ったところに傍線を引いて読むことです。
しかし、漠然と飛ばし読みをすると、どこまで読んだかわからなくなるので、結局最後まで読み切ることができなくなります。
付箋読書という方法は、説明文意見文の本を読むのに役立ちます。
この方法で読めば、複数の本を並行して読むことができます。
また、読みかけでしばらく読まなかった本でも、すぐに再開することができます。
▽「付箋読書の仕方」
https://www.mori7.com/as/1367.html
しかし、私は、いくらこういうことを説明しても、やる子はほとんどいないだろうという気がします。
人間は、習慣をなかなか変えられないからです。
例えば、話は変わりますが、玄関では靴をそろえて脱ぐということや、席を立つときは椅子をしまって立つというようなことは、簡単なように見えますが、定着させるのに子供でも1年近くかかります。
大人は、たぶん、ほぼできません(笑)。
そこで、将来的に考えているのは、読書クラスです。
難読クラスと言ってもいいと思います。
難読検定とセットにする予定です。
そのクラスでは、学年相応の難しい本をばりばり読んで、読んだあと、みんなでディスカッションをするのです。
ただ、そのための読書のリストを作るのに時間がかかるので、スタートは少し先になります。
いい本でも絶版になることがあるので、kindle化された本が中心になります。
そのうち、本のリストを作るための研究会を立ち上げたいと思っています。
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● 言葉の森新聞2024年5月2週号 通算第1802号 (4852字) 言葉の森事務局 jun 2024年05月14日 09時48分
16078 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2024年5月2週号 通算第1802号
文責 中根克明(森川林)
■■これからの勉強は、基礎的な学力をつけ、個性的な学力を伸ばすこと
基礎的な学力は、必要です。
将来、社会に出て何をする場合でも、国語、数学、英語、理科、社会などの基本的な学力は要求されるからです。
だから、とりあえず、すべての教科をオール4以上にしておくことです。
どの教科も、8割ができていれば、必要なときにいつでも10割にすることができます。
しかし、大事なのは、基礎的な学力ではありません。
もっと必要なのは、個性的な学力です。
個性的な学力には、答えはありません。
自分の好きな分野があり、その分野で自分の読書や研究や思索を深めていくのです。
今はまだ、こういう個性的な学力の必要性を実感している人は少ないと思います。
意識は、いつも時代に遅れてやってきます。
ミネルバのフクロウは夕暮れを待って飛び立つのです。
だから、未来を見られる人は、勉強を個性の方向に切り替えておく必要があります。
個性の学力とは、作文、創造発表、プログラミングなどです。
特に、創造発表のような曖昧な概念の勉強が大事です。
社会の変化を先取りして、本当の勉強に取り組んでいきましょう。
■■小学2、3、4年生の作文で大事なことは、高校生まで続ける展望で勉強すること
●動画
https://youtu.be/15pFYzUW4I8
小学2、3、4年生の作文は、誰でも上手に書けます。
本をよく読んでいる子は、のびのびと自由に作文を書くことができます。
それは、それでいいのです。
しかし、大事なのは、その先の小学5、6年生になってからです。
小学5年生から、作文の課題に抽象的なテーマが入ってきます。
そのときに、その抽象的な課題について、親子で話をする機会があると、子供の思考力と語彙力が伸びます。
更に、その先には中学生の意見文があり、高校生の更に高度な意見文(論説文)があります。
作文の勉強は、そこまで続けることが大事です。
小学校高学年から、中学生、高校生にかけて、子供たちの思考力と表現力は成長していきます。
それは、大学生や社会人になってからも生きてきます。
小学2、3、4年生で作文が上手に書けることが目標ではないのです。
だから、小学2、3、4年生の作文は、褒め続けることが大事です。
書き方を注意したり、直したりすれば、一時的には上手になるように見えます。
しかし、それは、書き方のルールに収まる書き方ができるようになったということだけです。
そういうことは、自然に任せていても、いずれできるようになることなのです。
小学校低学年から作文の勉強を始めた子は、途中、いろいろな紆余曲折があったとしても、作文の勉強を続けていると、それが、毎週の読む習慣や、考える習慣の蓄積になります。
この蓄積が大事なのです。
時どき、昔の生徒で、いったん言葉の森をやめて、今は高校生になっている生徒から、「また、作文の勉強を教えてもらいたい」という連絡が入ることがあります。
いろいろな予備校で、作文や小論文の講座はあるでしょうが、それらの講座よりも、昔教えてもらったやり方で書く練習をしたいということなのです。
言葉の森のこれまでの生徒の合格実績があります。
https://www.mori7.com/beb_category.php?id=19
作文小論文で合格した子供たちは、単に希望の大学に入っただけでなく、その文章力と思考力をその後の社会生活でも、生かしていくはずです。
作文の勉強は、長い展望で続けていくことが大事なのです。
■■「学習グラフ」のページで、学習状況が確認できます――勉強にビジュアルな方向性
人間は、身体的に生きています。
それは、時間と空間の中で生きているということです。
という抽象的な話はさておいて、勉強には目標が必要です。
というのも、勉強、あるいは自分自身の向上というものは、人間が生きることに対して必須のものではないからです。
しかし、人間がこの世に生まれたのは、何かの意図があったからです。
意図は、使命と言ってもいいでしょう。
その自分の本来の意図あるいは使命を実現するためには、生きるための方向性が必要です。
方向性は、先験的に決まっているわけではありません。
誰でも、試行錯誤の中で、自分の生きる方向を決めていきます。
しかし、学生の場合、基本の方向はある程度はっきりしています。
それは、主に勉強面において、自分自身を向上させることです。
勉強における向上とは、必ずしも成績を上げることを意味しません。
本質的な意味で、自分の実力を向上させることです。
その本質的な向上に近いものが、読書力、作文力、発表力、国数英理社の教科の学力などの向上です。
人間は身体的に生きているので、目に見える目標があると、その目標に向かって努力することができます。
そのために、個々の生徒の学習記録を一覧できるページを作りました。
学習グラフのページ
https://www.mori7.com/gs/
ホームページの「よく使うリンク」から行くことができます。
この学習グラフの一部は、毎月1回、定期的にアナログ通信でお送りします。
すでに、4月と5月に「森からゆうびん」というA4葉書を郵送でお送りしました。
ただし、郵送で送れるのは、日本国内の生徒のみです。
学習グラフは、海外の生徒も見ることができます。
ウェブの学習グラフは、「森からゆうびん」の情報よりも詳しく、リアルタイムで更新されています。
定期的にこの学習グラフを見て、勉強の方向を確認していってください。
■■学習グラフの見本
●動画
https://youtu.be/afeGfCyVdYs
学習グラフは、オンラインクラス一覧表の(イルカの絵)から、その生徒の学習グラフに飛べます。
学習グラフのページで、生徒コードを入れると、それぞれの生徒の学習グラフが表示されます。
・作文字数グラフ
・森リン点グラフ
・作文の題名(直近4件)
・読解検定グラフ
・読解検定の点数内訳(直近1件)
・自習記録
・国数英の確認テストの点数(直近3ヶ月)
・読書記録(直近4件)
・学習記録(直近3件)
・国数英の確認テストベスト(80点以上の生徒)
(生徒本人がいる場合は、赤の太字で名前を表示)
・暗唱検定の記録
・作文字数ランキング(現在の月の分)
(自分が全体の何位かわかる)
・森リンランキング(同じく)
・読検ランキング(同じく)
・森リンベスト(当月分)
(生徒本人がいる場合は、赤の太字で名前を表示)
・森リンベスト(前月分)
(生徒本人がいる場合は、赤の太字で名前を表示)
・読解検定ランキング(過去1年間分)
(生徒本人がいる場合は、赤の太字で名前を表示)
学習グラフのページ
https://www.mori7.com/gs/
ホームページの「よく使うリンク」から行くことができます。
▼見本の画像
https://www.mori7.com/izumi/gazou/2024/5111320420.jpg
■■勉強の基本は家庭学習――学習グラフの「■学習記録」が基準
国語、算数数学、英語、理科、社会の勉強の基本は、家庭学習です。
参考書や問題集をもとに、自分のペースでやっていけば、誰でも勉強はできるようになります。
ところで、教科書は、実は、あまりあてになりません。
特に、算数数学や理科は、先生が教えることを前提に作られているので、説明が不十分です。
また、問題が易しすぎます。
だから、自分の実力に合った市販の算数数学の問題集を自分で用意する必要があります。
オンラインクラスの国語読解、算数数学、英語をやっている生徒と、基礎学力と総合学力の生徒は、毎週必ず学習記録を必ずつけておいてください。
学習グラフの「■学習記録」を見ると、勉強がどのくらい進んでいるかがわかります。
学習記録は、毎週の授業の前に入力するようにしてください。
現在の受験勉強は、昔の中国の科挙と同じです。
記憶力が重要で、その記憶力をカバーするのが、かけた時間です。
中学生は、毎日2.5時間の勉強時間が必要です。
時間をかければ、誰でも成績は上がります。
それ以上、時間をかける必要はありませんが、ほとんどの生徒は時間不足だと思います。
オンラインクラスの授業の基本は、学習状況のチェックと質問の受付です。
学習状況のチェックについては、これまで、生徒別のデータが見つけにくいところにありましたが、今回の学習グラフで、すぐにわかるようになりました。
■学習記録で、毎週5~10ページ、問題集が進むように勉強していきましょう。
https://www.mori7.com/gs/
■■外国人の子供の日本語教育の基本は、日本語の文章を読む力をつけること
昔、中国から日本に来た小6の男の子がいました。
中国の漢字は読めますが、日本語の文章の漢字は、中国の読み方とは違うのでなかなか読めません。
そのときに、読んでいるのは、ひらがなだけの絵本のような本でした。
そこで、作文の課題の長文を毎日音読してもらうことにしました。
そのままでは読めませんから、ふりがなのページで、全部の漢字にふりがなをつけた長文を印刷し直して渡しました。
https://www.mori7.com/musi/ruby.php
その子のお母さんが立派で、毎日必ず、その子に音読をさせてくれました。
音読と言っても、1500字ぐらいの長文ですから、読むのには5分もかかりません。
大事なのは、それを毎日続けることです。
すると、作文もどんどん上達し、中学3年生のころには、日本の中学生と同等かそれ以上の立派な文章を書けるようになり、第一志望の高校に合格しました。
外国人の子供が日本で勉強する場合、小学4年生ぐらいまでは勉強も比較的楽にできるようです。
わからないことがあっても、友達に聞けば、耳学問のような感じで理解できるからです。
しかし、小学5年生になり、抽象的な概念が出てくるようになると、耳学問だけではついていけません。
小学5年生以降は、自分で日本語の文章を読む力がなければ、勉強についていけなくなるのです。
勉強法は、単純です。
毎日、課題の長文を音読することがひとつで、もうひとつは毎日読書をすることです。
音読は、朝ご飯の前にすると続けやすくなります。
食卓に、課題フォルダを置いておき、音読をしてから朝ご飯を食べるようにすれば毎日できます。
読書は、学年の10倍ページが基本ですが、苦手なうちは、毎日10ページ以上を読むというようにすれば続けられます。
勉強の基本は、この単純なことを、1日も休ますに毎日続けることです。
そのためには、音読を近くで聞くことのあるお母さんは、子供がどんな読み方をしても褒め続けることです。
男の子は、特に、単調な勉強に飽きるので、ふざけて読んだり、早口で読んだり、中の言葉を言い換えて面白く読んだりということをします。
それをすべて褒めて、毎日の音読を続けさせるのです。
子供は、小学生のうちは、嫌々でも音読をしますが、中学生以降は音読をしたがらなくなります。
親も、中学生の子に、音読を強制することはなかなかできなくなります。
先ほどの中国から来た子供のお母さんも、子供が中学生になっても音読を続けさせるのはかなり苦労したと言っていました。
しかし、最もよい国語の勉強法は、この音読と読書です。
読書のレベルを上げるためには、毎日50ページ以上読むこと、物語文だけでなく説明文、意見文の本を読むことです。
中学生、高校生は定期テストがあるので、定期テストの2週間前からは、読書はいったん休んでもいいのですが、読書力のある子は、テスト前でも本を読んでいます。
この読書力が、学力の土台になるのです。
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● 言葉の森新聞2024年5月2週号 通算第1802号 (4228字) 言葉の森事務局 jun 2024年05月07日 17時45分
16057 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2024年5月2週号 通算第1802号
文責 中根克明(森川林)
■■「森からゆうびん」で、5月の学習グラフ
現在のところ、「森からゆうびん」の郵送は、国内の生徒対象ですが、できるだけ早く海外の生徒もウェブで見られるようにしていきます。
●5月の学習グラフをお送りします
5月の学習グラフをお送りします。いろいろなグラフがありますが、やっていないものは空欄になっています。
作文字数グラフは、字数の推移を見てください。字数の目標は学年の200倍で、小1は200字、小6以上は1200字です。読解検定は、平均点が大体60点なので、60点を超えることを目標にしてください。読書記録は、毎週1冊から2冊読むことを目安にしていきましょう。中学生以上は、できるだけ説明文意見文の本を読みましょう。
●創造発表クラスの体験学習を受付中
創造発表クラスの体験学習を受け付けています。
これからの大学入試は、総合選抜中心になります。学力の基準が、知識の評価ではなく、個性と思考力と発表力の評価になっていくのです。
答えのある勉強を理解することよりも、答えのない勉強を自分で作り出す方が何倍も面白い勉強になります。
自分の興味関心をもとに、資料を探し、問題を発見し、創造的な提案をするのが、創造発表クラスの勉強です。
●基礎学力クラス、総合学力クラスの体験学習も受付中
基礎学力クラス、総合学力クラスの体験学習を受け付けています。
基礎学力クラスは、小123対象で、国語算数暗唱発表を行います。
総合学力クラスは、小456対象で、国語算数英語発表を行います。
勉強の基本は、家庭での自主学習です。クラスの授業では、学習状況のチェックと、生徒からの質問に答えることを中心にしています。
週1回の勉強で能率のよい学習をすることができるので、基礎学力クラスも、総合学力クラスも、勉強のよくできる生徒が多いです。
●毎日の勉強に、自習室を活用しましょう
家庭での勉強は、毎日の習慣として行っていくことが大事です。例えば、朝ご飯の前に、音読と暗唱を10分間するとか、夕方の勉強が終わったら最後は読書を10ページ以上するとかいうルールを決めておくことです。
自習室を利用して勉強すると、勉強のきっかけがつかめます。自習室は、1年365日1日24時間いつでも開いています。生徒のご兄弟やお友達も参加することができます。もちろん無料です。
■■学習グラフのページができました――デジタル情報をアナログ的に表示
●動画
https://youtu.be/fsKYo84met4
「森からゆうびん」として郵送していた学習グラフを、ウェブで見られるようにしました。
https://www.mori7.com/gs/
「森からゆうびん」は、月1回の発行ですが、ウェブの「学習グラフ」のページは、リアルタイムで更新されています。
海外にお住まいの方も、学習グラフのページで、勉強の様子を見ることができます。
なぜ、学習グラフを作ったかというと、もとになるデータがあると、勉強の目標がつかみやすくなるからです。
この学習グラフを基準にして、勉強を進めていってください。
国内の生徒には、この学習グラフを、「森からゆうびん」という名称で、月に1回郵送で送ります。
なぜ、郵送で送るかというと、これからは、アナログの情報が重要になるからです。
勉強でも、デジタル教科書のようなものは、効率がよくありません。
タブレットで勉強すると、定着率が低下します。
勉強は、紙の問題集で、紙のノートに書いて行うものです。
なぜなら、人間は、タンジブル(触れることができる)なものによって、実感的に理解するからです。
これが、AIと人間との違いです。
人間は、身体的に生きているので、身体的に学ぶ必要があるのです。
ただ、デジタル情報には、デジタルでなければできない価値があります。
それが、字数グラフや森リングラフのようなデジタル情報です。
これからは、デジタル情報をアナログ的に見る時代になります。
しかし、学習は、あくまでもアナログ的に行う必要があるのです。
■■言葉の森の教育の理念
勉強は、いい参考書があれば、ひとりでできるものです。
塾に行ったり、人に教えてもらったりする必要はありません。
ただ、どうしてもわからない問題があったときだけ、質問をできる人がいればいいのです。
作文は、答えのある勉強と違い、第三者の評価が必要です。
また、作文は、独学で続けることが困難です。
だから、言葉の森は、作文の教室を始めたのです。
もうひとつ大事な勉強は、創造発表です。
創造は誰でも行っています。
しかし、創造は、発表の機会によって加速するのです。
プログラミングも、創造発表に似ています。
だから、勉強は、大きく分けて、国語、算数数学、英語などの教科型の勉強と、作文、創造発表、プログラミングなどの創造型の勉強とに分かれます。
教科型の勉強を短時間で能率よく進めるために、小学123年生向けには基礎学力クラス、小学456年生向けには総合学力クラス、中学123年生向けには全科学力クラスを作りました。
週に1回、学習チェックと質問の時間があれば、勉強は家庭学習だけで十分なのです。
そもそも勉強の目的は、成績を上げることや、志望校に合格することではありません。
もっと大事なことは、自分自身を向上させ、将来、社会に貢献できる人間になることです。
言葉の森の教育理念をひとことで言えば、「明日の日本を支える、思考力、創造力、共感力のある子供たちを育てる」ことです。
今後は、ここに、「科学力」も付け加えたいと思っています。
というのは、教科の勉強もしていなければ、社会への貢献は限られてしまうからです。
共感力とは、あらゆる人やものやことがらに対する愛情のようなものです。
これは、特に説明しなくても、多くの人はわかると思います。
以上の教育の理念を実現するために、2020年のコロナ禍をきっかけに、オンライン少人数クラスを開設しました。
このオンライン少人数クラスを、将来の日本の教育のプラットフォームにしたいと思っています。
■■国語読解クラスの体験学習――読解力をつけるためには、読む力と解く力をつけること。読む力は問題集読書、解く力は読解検定
■国語読解力と作文力は、あらゆる学力の基礎
日本人は、日本語でものごとを考えます。
だから、考える力と理解する力を育てるのは、日本語力です。
日本語力とは、日常的に話をしたり話を聞いたりするだけの力ではありません。
ある程度の長さのある文章を読み取り、それをもとに考え、自分なりの文章を書く力です。
この日本語力が、すべての学力の基礎となるのです。
■算数数学も、英語も、内容を理解する力は国語読解力
算数数学の力とは、単なる計算力ではなく、文章や図形の問題を読み取り考える力です。
英語の力とは、英会話を聞いたり話したりする力ではなく、英文で書かれた文章の内容を読み取る力です。
理科や社会の勉強も同様です。
共通するのは、内容を読み取る力で、この国語読解力が学力の土台となっているのです。
■作文小論文のもとになる語彙力をつけるのは国語読解力
作文小論文を書く力のもとになるものは、語彙力です。
語彙力は、語彙の辞典のようなものではなく、文章を読むことによって身につきます。生きた文章力を書く力は、生きた文章を読む力によって身につくのです。
小学生の生活作文は、普通の語彙力があれば書けますが、中学生や高校生の書く意見文は、意見を書くための国語読解に基づいた語彙力が必要になるのです。
■国語読解力の基本は、難しい文章でも読みこなす力
国語の苦手な人に共通するのは、文章を読むスピードが遅いことと、難しい文章を読むことに慣れていないことです。
読むスピードは、読書量を増やすことによって速くなります。読書量は毎日50ページ以上が基本ですが、少なくとも毎日10ページ以上は読むようにする必要があります。
難しい文章を読む力をつけるには、国語問題集の問題文を繰り返し読むことです。
■国語読解のコツは、問題文をもとに理詰めに考えること
国語読解の成績を上げるには、読む力をつけるだけでは不十分です。
問題文と選択肢を理詰めに分析することが大事です。
言葉の森の読解検定は、大学入試の共通テストと同じ解き方で作られています。
理詰めに解くコツを身につけることで、どのような国語読解問題も解くことができるようになるのです。
■国語読解力と作文力は、社会人になってからも重要になる
入試の成績は、算数数学と英語で大きな差がつきます。
しかし、社会に出てから役に立つのは、算数数学や英語の力ではありません。
国語読解力と作文力が、社会人の生活の中では最も重要になります。
短期間では身につかない国語読解力や作文力を早めにつけておく必要があるのです。
■国語読解クラスの無料体験学習ができます
国語読解クラスは、小4から高3が対象です。
小1から小3は、基礎学力で国語の授業を受けてください。
受講料は月額7,700円です。
無料体験学習を希望される方は、お電話、又は、ホームページからお申し込みください。
045-353-9061(平日10:00~17:00、土日10:00~12:00)
https://www.mori7.com/ftaikenn.php
■■何のために勉強するのか
多くの子供たちは、親に言われるからとか、先生に言われるからとか、誰かに褒められるからとか、希望の学校に行くためにとかいう理由で勉強しています。
しかし、勉強の本当の目的は、そうではありません。
自分自身を向上させ、社会に役立つ人間になるために勉強しているのです。
社会に役立つとは何かと言えば、自分だけの個性を生かして、世の中に新しい何かを創造することです。
それは、すぐにはできません。
だから、そのために、今勉強しているのです。
その原点をいつまでも持ち続けること。
退屈な長い勉強の間も、それを忘れないこと。
ただし、若者は、社会に貢献という言葉ではピンと来ないから、まず日本一を目指すことです。
言葉の森も、作文教育は日本一、国語読解教育も日本一で、これからオンライン教育での日本一を目指しています。
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● 言葉の森新聞2024年5月1週号 通算第1801号 (6840字) 言葉の森事務局 jun 2024年05月01日 13時16分
16032 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2024年5月1週号 通算第1801号
文責 中根克明(森川林)
■■5月3日(金)・4日(土)・5日(日)・6日(月)は「休み宿題」(再掲)
カレンダーに記載してあるとおり、5月3日(金)・4日(土)・5日(日)・6日(月)は祭日のため「休み宿題」となります。
作文個別と作文クラスの生徒は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考に自宅でその週の課題を書いて提出してください。他の日に振替授業を受けることもできます。
「授業の渚」
http://www.mori7.com/nagisa/index.php
「ヒントの池」
http://www.mori7.com/mine/ike.php
作文以外のクラスの生徒も他の日に振替授業を受けることができます。
■■毎日新聞デジタルに、言葉の森
毎日新聞デジタルに、言葉の森が紹介されました。
言葉の森の理念が、わかりやすく紹介されています。
今、子育て中のお母さん方は、目の前の中学受験や高校入試や大学入試に目が向いていると思います。
しかし、それは一瞬のことです。
その受験勉強の先に、長い人生があります。
その長い人生を生き抜く力を育てていくことが大事です。
その中には、もちろん勉強も入ります。
しかし、勉強と同じくらい大事なのが、読書と対話と楽しく遊ぶことなのです。
▽毎日新聞デジタルの言葉の森の記事
https://mainichi.jp/articles/20240424/k00/00m/100/140000c
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■■「中学受験しないことを恐れないで」 作文の先生が伝えたいこと
「うちも、やらなくちゃ」――。高まる中学受験熱に対して焦りや不安を抱く保護者に、「受験しないことを恐れないで」とアドバイスする人がいる。作文教室「言葉の森」を主宰する中根克明さんだ。有名中学から、東大や早慶まで、難関入試を突破してきた教え子も多いが、低年齢化する受験対策の勉強に対して「成績が良くなっても、頭は良くならない」と一石を投じる。
【中嶋真希】
中根さんが横浜市に作文教室を開設したのは1981年。その後、オンライン講座を導入し全国から受講生を受け入れ、論理的に考える力を培う方法を教えてきた。これまでの受講者は子供から大人まで計約1万3000人。作文の書き方を習うだけでなく、書いた作文を4コマ漫画にして発表したりと、ユニークな授業が人気だ。
■長い受験期間
元受講生には難関中学の合格者も多い。だが、教える目的は「受験に勝つ」ことではない。「小学4年生までは、たくさん本を読んでいれば勉強はしなくていいです」とさえ考えている。中学受験の過熱に、「自分が何をしたいのかわからないまま大人になってしまうのではないか」と懸念する。
「自分のやりたいことに夢中になる経験をしていないと、何をしたいのかわからない大人になってしまう」
大人から与えられたことをするという姿勢が身についてしまうと、たとえ成績が良くても、勉強に飽きてしまうことも多いという。
子供自身が「受験したい」と言い出すこともあるが、中根さんは慎重だ。
「友達が塾に行くと聞けば、『私も行きたい』と言います。でも、寝る間も惜しむような勉強はまだ小学6年生には無理がある。1年間くらいなら多少無理をしてもなんとかなるけれど、今の中学受験は早い子で小学3年生から始まりますから、ちょっと長すぎますね」
■勉強しているヒマがあったら、本を読んで
多くの小中学生を教えてきた中根さんは、勉強の本当の出発点は15歳だと力説する。「自分のために勉強しているという意識が自然に湧いてくる」というのだ。そして“出発”のときに向けて最も大切なのが、読書だと説いてきた。
「小さいころから本が好きで熱中して読む子は頭が良くなるんですよ。知的な好奇心が育まれ、中学生、高校生になって難しい本でも楽しめるようになる。そして本を読んでいれば、勉強もできるようになる」
中根さんの言う「頭の良さ」とは、自ら考える力があり、どんなことを聞かれても、自分なりの考えが言えることだという。つまり、「読解力と表現力」のある子供であり、読書はその両方の学力を育てるのだという。
「頭がいい子は、どんなに難しい文章でも頑張って読み取っていきます。語彙(ごい)力があるので表現も豊かです。作文を書かせると、自分の感想をしっかり長く書ける」
では、読書を習慣づけるにはどうしたら良いのだろうか。
「どんな本でもいいから、毎日10ページだけでも読んでください。大事なのは、親がアドバイスしないこと。子供が遊びに行きたいからと急いで10ページ読んだら、『そんなに速く読めるなら、あと10ページ読みなさい』とかね。アドバイスするから子供は嫌になるんです。そんなこと言わずにただ褒めればいいのです」
また、語彙力を伸ばすために親子間の対話も促す。
「語彙が乏しいと、パターン化されたことしか書けません。『子供がありきたりなことしか書けない』とよく相談されますが、難しい話でも親がどんどん話しかけると、子供の語彙は増えます。作文が上手になり、面接で抽象的なことを聞かれても、自分の言葉でしっかりと答えられるようになります」と助言する。
■一人だけ別の道を歩んでもいい
作文教室「言葉の森」を主宰する中根克明さん=本人提供
多くの保護者は中学受験のさらに先、有名大学への進学まで見据えるが、中根さんは「今や、良い大学に入ることはゴールではないんです」と力説する。
中根さんは、2022年の入学式で東大関連ベンチャーを30年までに700社にすることを掲げ、起業精神の重要性を学生に説いた東大の藤井輝夫学長の発言に触れ、「これからの時代は大学から大企業に入って終わりじゃない。社会に出て何をするかが、最も重要です」と語る。
「普通の公立中学や高校に行っても自分の好きな分野の勉強にしっかり取り組めば、個性を生かした総合選抜入試で大学への道も開ける。無理のない受験をしていけば、大学で燃え尽きることなく、学問に取り組むことができますよ」
たくさん遊んで、本を読む。「これだけで十分」だと言われても、中学受験に挑む親子が多い首都圏では「受験させないわけにはいかない」と、焦りを覚える人もいるだろう。 「みんなと同じ道を進んで安心することはできても、自信にはつながりません。一人だけ別の道を歩んだっていい。受験しないことを不安に思わないで」と中根さんは語りかける。
「子どもの力を信じて、どこにいても平気だと信じてあげてください。それが、一番大事なことですから」
■なかね・かつあき
1952年生まれ、千葉大卒。25歳でマスコミ志望の大学生を対象にした作文教室を開き、1981年に「言葉の森」(
https://www.mori7.com/ )を開設。小学生から大学受験生まで、幅広い年代が学んでいる。著書に「小学校最初の3年間で本当にさせたい『勉強』」(すばる舎)、「小学校最後の3年間で本当に教えたいこと、させておきたいこと」(同)、「小学生のための読解・作文力がしっかり身につく本」(かんき出版)がある。
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■■作文が好きになり、得意になる、オンラインの作文教室
■作文の勉強は、小1から高3まで続けられるのが基本
作文の勉強の目標は、小学校低学年のころまでは、思ったことを文章として書けることです。
しかし、大事なことは、小学校高学年になって考える作文を書けること、中学生や高校生になって構成を意識してかけるようになることです。
作文の勉強は、小1から始めて高3まで続けられることが基本です。
■言葉の森の作文は、日本で最長の作文特化43年の実績
言葉の森が、作文指導に特化した作文教室を始めたのは43年前です。
それ以来、小1から高3まで、苦手な子から得意な子まで、小学生の作文から大学入試の小論文まで、すべての作文指導を行ってきました。
だから、作文に関するどういう要望にも対応することができるのです。
■中学入試、高校入試、大学入試それぞれの作文小論文試験に個別対応
作文の試験は、対策を立てにくいのが普通です。
一斉指導の作文ではなく、個別に志望校に合わせた作文指導を受けることが必要です。
言葉の森には、小学校の編入試験、中学の受験作文、高校の推薦入試作文、大学の総合選抜などを含む入試作文小論文の指導の蓄積があります。
■グラフでわかる作文力の向上。特許を取得した作文評価システム
言葉の森の作文指導は、科学的です。
どうしたら、上手な作文になるか、一目でわかる作文評価のシステムを作っています。(特許取得2013年)
これは、長年の作文指導の蓄積によって作り出した独自の作文指導法です。
■オンラインの対面式個別指導は、通学教室の一斉指導よりも力がつく
作文の勉強で大事なのは、一人ひとりに合わせた口頭による個別指導です。
学校や塾などの大勢の生徒を対象にした一斉指導では、作文力はつきません。
オンラインの少人数クラスの個別指導だから、書く力がつくのです。
■小1から高3まで、作文が苦手な子でも大丈夫。豊富な指導の蓄積
言葉の森の作文指導は、小学1年生から高校3年生まで行っています。(幼長や社会人の指導も行っています)
長年の蓄積があるので、どんなに苦手な子でも、逆にどんなに得意な子でも、その子に合わせた指導ができます。
作文は、指導の仕方がよければ、誰でも上手になるのです。
■オンライン作文クラスの無料体験学習ができます
オンライン少人数クラスでは、毎週一人ひとりの読書紹介と事前の予習発表があります。
また、全員一斉に作文を書き出し、その間、先生による個別指導があるので、作文の提出率はほぼ100パーセントです。
無料体験学習を希望される方は、お電話、又は、ホームページからお申し込みください。
045-353-9061(平日10:00~17:00、土日10:00~12:00)
https://www.mori7.com/ftaikenn.php
■■創造発表クラスの体験学習――AI時代には、知識の学力よりも、創造と発表の学力が重要になる。
■これからの総合選抜中心の入試で必要になる、思考力、創造力、発表力という新しい学力を小学生、中学生のうちから育てる
2020年度からの教育改訂で、学力の仕組みが大きく変わりました。
すでに、高校では、探究型授業という新しい教育が行われています。
また、大学入試でも、総合選抜という推薦入試の割合が、一般入試の割合よりも多くなっているのです。
■勉強の面白さを知る創造発表クラスの自分から進んで行う勉強
答えのある勉強は、答えが合っていれば○になります。
答えのない勉強は、○や×のつかない勉強で、子供の個性の数だけ答えがあります。
この自由で創造的な勉強の中で、子供の知的好奇心が育ち、勉強の面白さを知るようになります。
これからの社会で必要になるのは、この勉強に楽しく取り組める姿勢です。
■みんなと同じ分野で1点差を競う生き方よりも、思考力と創造力を生かして自分らしい個性を生かす生き方ができる時代になっている
高度経済成長時代には、多くの人の目指す方向が一致していたので、狭い分野で1点差を競う生き方が主流でした。今でも、その生き方は残っています。
しかし、これからは、競争で勝つ時代ではなく、個性を生かす時代になります。みんなと同じところで優劣を競うよりも、みんなと違うところで持ち味を生かす時代になっているのです。
■実験や観察や調査や研究を通して、子供の考える力が育ち、親子の対話が深まる
自由な研究や実験や工作は、保護者の協力が必要になることがあります。この協力の中で、親子の対話が生まれ、知的な家庭文化が生まれます。
子供の考える力は、教科書や問題集の中からではなく、実際の経験と親子の対話の中から育っていきます。
■人前でプレゼンテーションをする力がつく創造発表学習、個性的な友達ができる少人数のオンラインクラス学習
創造発表クラスは、全員が発表し、全員が質問や感想を述べ合うクラスです。
5人以内の少人数に限定した授業なので、全員に話をする機会があります。
毎回みんなの前で話す経験の中で、これから社会で必要になる発表力とコミュニケーション力が育ちます。
■オンラインで創造発表クラスの無料体験学習ができます
オンライン少人数クラスでは、毎週全員の読書紹介と発表を行います。
オンライン少人数クラスは、通学式の一斉授業よりも、密度の濃い対話のある授業ができます。
無料体験学習を希望される方は、お電話、又は、ホームページからお申し込みください。
045-353-9061(平日10:00~17:00、土日10:00~12:00)
https://www.mori7.com/ftaikenn.php
■■総合学力クラスの体験学習――能率のよい勉強で学力の基礎を作り、余裕のできた時間は読書と自由研究で充実させる
●家庭学習と総合学力クラスで能率のよい勉強を
小学456年生の勉強は、家庭で学習する習慣があれば、特に人に教えてもらう必要はありません。
学習塾での勉強は、すでにわかっていることを教えられたり、できることを宿題に出されたりする一方、できなかったことを繰り返し解き直すような機会が不足しています。
能率のよい勉強は、家庭学習中心に勉強を進めることです。
●能率のよい勉強で、余った時間は読書と自由研究を
小学生の勉強は、基本的なことが中心です。
学力に差のつく勉強は、小学生よりも中学生、中学生よりも高校生になってから始まります。
高校生で学力を伸ばすためには、小学生のうちは、勉強よりも読書と自由な時間を確保しておくことが大事なのです。
●家庭学習をチェックして、質問に答えてくれるところがあればよい
家庭学習だけでは、子供が本当に学習内容を理解できているかどうかわかりません。
また、質問があったときに、すぐに教えてくれるところがないと、わからないまま終わってしまいます。
総合学力クラスは、家庭学習をチェックし、質問に答えるための授業をしています。
●国語の勉強は読解力。勉強法は、読書と問題集読書と読解検定
国語の勉強の基本は、読解力です。
読解力をつけるには、まず読書です。次に国語の問題集読書で難しい文章を読むことに慣れることです。
文章を読む力がついたら、読解検定で問題を理詰めに解く練習をします。
●算数の勉強の基本は、1冊の問題集を、できない問題が1問もなくなるまで繰り返すこと
算数の勉強は、できる問題をいくらやっても力はつきません。
また、できなかった問題は、日をおいて何度も繰り返し完璧にできるようにする必要があります。
小学4年生から中学生高校生にかけての算数数学は、解法を理解する勉強です。
そのためには、1冊の算数問題集を完璧に仕上げることです。
●英語の勉強は、英文をまるごと音読し暗唱できるようにすること
英語の勉強の基本は、模範的な英文をまるごと音読し暗唱することです。
暗唱を続ければ、単語も、文法も、読解も、英作文も、自然に身につきます。
問題集を解く勉強でよりも、英語の文章の暗唱を勉強の中心にしていきましょう。
●創造発表の勉強は、興味関心を学問に、学問を創造に
創造発表の勉強は、自分の興味関心を第一にします。
その興味関心を、いろいろな資料を使って学問的に深めます。
更に、自分の独自な創造的な提案を盛り込み、わかりやすいプレゼンテーションを心がけます。
創造発表は、大学の総合選抜入試の時代の未来の勉強です。
●総合学力クラスの無料体験学習ができます
総合学力クラスは、小学456年生が対象です。
1つの講座で、国語、算数、英語、発表の授業を行います。(受講料月額7,700円)
無料体験学習を希望される方は、お電話、又は、ホームページからお申し込みください。
045-353-9061(平日10:00~17:00、土日10:00~12:00)
https://www.mori7.com/ftaikenn.php
■■【合格速報】成城学園初等学校(編入)
●成城学園初等学校(編入) K.C.さん
<担当講師より>
毎回おうちの方と一緒によく準備し、書き上げたものも講評を見て再度書いてみるなど非常に真摯に取り組んでくれました。礼儀正しく優しく穏やかで、クラスのみんなともすぐに打ち解けて毎回積極的に楽しく参加してくれましたね。成城学園の明るくフレンドリーな校風がCちゃんにぴったりだと思います。狭き門だったと思いますが、合格本当におめでとうございます!どうぞこれからも楽しい学校生活を送ってくださいね。
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● 言葉の森新聞2024年4月4週号 通算第1800号 (4147字) 言葉の森事務局 jun 2024年04月22日 09時58分
16008 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2024年4月4週号 通算第1800号
文責 中根克明(森川林)
■■4月29日(月)・30日(火)は休み
4月29日(月)・30日(火)は、第5週のため通年クラスの授業はありません。振替授業もお休みです。
■■5月3日(金)・4日(土)・5日(日)・6日(月)は「休み宿題」
カレンダーに記載してあるとおり、5月3日(金)・4日(土)・5日(日)・6日(月)は祭日のため「休み宿題」となります。
作文個別と作文クラスの生徒は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考に自宅でその週の課題を書いて提出してください。他の日に振替授業を受けることもできます。
「授業の渚」
http://www.mori7.com/nagisa/index.php
「ヒントの池」
http://www.mori7.com/mine/ike.php
作文以外のクラスの生徒も他の日に振替授業を受けることができます。
■■第4週は清書。幼稚園生は作文(作文クラス)
幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。
小学1年生以上の生徒は、清書を行います。
■清書の意義と方法
清書とは、これまでに書いた作文の中で内容がよかったものを書き直すことです。
内容がよいとは、個性、感動、共感などがあるということです。
書き直すときは、次の点に留意してください。
(1)漢字で書けるところは漢字で書く。
(2)たとえや自作名言を工夫できるところがあれば工夫する。
(3)似た話や続きの話を書くことによって字数を増やす。
(4)作文用紙の空いているところに絵などをかいてもよい。
■清書の投稿
清書した作文は、小学生新聞や一般紙などに投稿してみましょう。
手書きの清書の原本を、新聞社に投稿したり、コンクールに応募したりする場合は、清書のコピーの方を先生に送ってください。
新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(2)学年(3)自宅の住所(4)自宅の電話番号(5)学校名とふりがな(6)学校所在地(町村名までで可)など。
投稿する際は、ペンネームを本名に訂正しておいてください。作文の中に友達の名前が固有名詞で入っている場合は、イニシアルなどに直しておいてください。投稿する作文の内容は、保護者がチェックしてあげてください。
同じものを複数の新聞社やコンクールに送らないようにしてください。これは二重投稿といって、もし両方に掲載されてしまった場合、掲載先に迷惑をかけることになります。
●小学生新聞の投稿先
■104-8433東京都中央区築地3-5-4 朝日小学生新聞「ぼくとわたしの作品」係
■100-8051(住所はいりません毎日小学生新聞「さくひん」係(600字以内)
●新聞社に送る清書は市販の原稿用紙に
新聞社に送る清書は、市販の原稿用紙に書いてください。
その理由は、清書は個人で送るものなので、自分で用意した原稿用紙に書くのが、社会的なルールとなるからです。
※清書した作文を投稿しない場合でも、額などに入れて家の中に飾っておきましょう。
■■4月保護者懇談会資料――自習室の活用を
●今後の「森からゆうびん」の学習データ
すでに、「森からゆうびん」というA4葉書で、生徒ごとの
・作文字数推移
・読解検定推移
・学習記録
を送りました。
今後、読書記録、自習記録も送ります。
海外在住の方には、郵送ができなかったので、ウェブで見られるようにします。
今後、A4葉書による郵送は月1回、ウェブで見るのは毎週ということにしていく予定です。
定期的に学習データを把握することで、今後の勉強に役立ててください。
●勉強には、一定の時間が必要。しかし、少なすぎても多すぎても問題がある
中学生の学校の成績は、勉強時間に比例しています。
平日1.5時間、土日2.5時間を目安にしていきましょう。
また、定期テストの2週間前からは、平日3.5時間、土日6時間を目安にしていきましょう。(以前は土日8時間としていましたが、やりすぎはよくないので土日6時間としました)
小学生の学校の成績も、勉強時間に比例していますが、大事なことはやりすぎないことです。
小学1234年生は、学校の勉強も基本的なことばかりですから、時間をかければ誰でも成績はよくなります。
しかし、ここで勉強をしすぎると、読書や遊びの時間が減り、かえって思考力や創造性がなくなります。
また、いちばんの問題は、小学校低中学年のころに勉強をしすぎた子は、中学生や高校生になるにつれて勉強嫌いになることです。
その反対に、小学校低中学年のころにたっぷり遊んだ子は、中学生や高校生になり勉強の必要性を感じるようになると、猛然と勉強するようになります。
ただし、勉強の習慣ができていることは基本ですから、小学校低中学年では、毎日一定の時間を勉強するという習慣をつけておくことが大事です。
勉強の時間の中で、最も大事なものは、読書の時間です。
●大学入試をゴールにするのではなく、将来の仕事をゴールにする
教育に関するいろいろな情報が出ていますが、そのほとんどは大学入試までをゴールにしています。
これは、就職の入口で生きてくるのが、大学のブランドだからです。
ただし、ブランドは入口だけで、中に入って仕事を始めれば、実力がすべてです。
ところで、右肩上がりの経済成長と終身雇用の時代は、終わっています。
年配者の感覚では、いいところに就職すれば一生安泰という感覚が残っていると思いますが、それは最初のうちだけです。
これから、世の中は大きく変わります。
どんな社会になっても、自分の個性を生かして、自分がリーダーになるような仕事をしていくことが大事です。
子育ても、将来のリーダーを育てるという目標で行っていく必要があります。
そのための教育の基本は、読書力、作文力、創造発表力、コミュニケーション力、そして、どんなときでも幸福に生きようとする力です。
幸福に生きる力の土台は、お母さんがいつも明るく楽しく生きていることです。
明るく楽しく生きるために必要なことは、そう決心することです。
●自習室の活用を
現在、自習室は、1年365日、24時間開いています。
利用者は、まだ多くありませんが、海外の生徒で、夜中の2時ごろから勉強している子もいますし、日本の生徒でも朝早く7時ごろから勉強をしている子もいます。
https://www.mori7.com/teraon/js.php
勉強は、退屈なものですから、時間を決めてみんなと一緒にやる感覚が必要になります。
自習室に入る際に、何を勉強するかという自習記録をつけるので、それが自分の勉強の記録になります。
https://www.mori7.com/teraon/js_graph.php
自習室では、次のようなことをするといいです。
・読書(学年の10倍が目安=小1は10ページ以上、……小5以上は50ページ以上)
・暗唱(100字の暗唱の30回繰り返し。10分あればできる)
・国語問題集読書の音読(国語問題集の問題文を1~2編音読。1冊を最後まで読んだら最初に戻り1冊を5回繰り返す)
・算数数学問題集1ページ(難問は考えずに、すぐに答えを見ることが大事)
・英語の暗唱10分(小学4年生以上は指定図書、中学生は指定図書又は教科書。1ページを20回繰り返すと暗唱できる)
https://www.amazon.co.jp/dp/4416716311/
https://www.amazon.co.jp/dp/477002746X/
・中学生の定期テスト2週間前は、1日3.5時間
★勉強はやりすぎないことが大事
勉強で大事なことは、やりすぎないことです。
親は、つい、長くやればやるほどいいと思いがちですが、長くやりすぎると勉強嫌いになり、結局長続きしません。
その勉強嫌いは、大学生や社会人になってからも続きます。
一定の時間を決めるか、一定の範囲を決めるかして、その時間や範囲が終わったら、すぐにやめることです。
そのかわり、短い時間でいいから毎日続けることが基本です。
保護者の方は、「勉強はさせすぎない」ということをよく理解しておいてください。
子供は、中3になれば、親が止めても勉強するようになります。
しかし、それは、それまでに勉強させすぎなかったことが条件です。
小学生から中学2年生にかけては、一定の勉強の習慣をつけるだけで、あとはたっぷり自由な時間を確保させるようにしてください。
■■日本を守るために
日本を守るためにどうしたらいいかというと、それは日本の国力をつけることです。
国力の基本は経済力ですが、今は、経済力の基盤が大きく変わっています。
昔は、工業製品が、経済力の基盤でした。
今、インターネットテクノロジーが新しい基盤になっているかのように言う人がいますが、それはありません。
インターネットテクノロジーは、コピーのできる世界なので、工業製品のテクノロジーよりもずっと早く供給元が広がります。
現在の経済の停滞は、供給が需要を上回っていることです。
そのために、無意味な戦争やワクチンが利用されています。
新しい経済における需要は、物質的な物ではなく、人間的な文化です。
人間の本当の欲望は、おいしいものを食べたいとか、よりよい物を身につけたいとかいうことではなく、よりよい自分になりたいということです。
それが、文化です。
日本は、誰もが文化を創造できる可能性を持った国です。
日本の文化における、茶道、華道、浮世絵、落語、和食などの文化の多くは、無名の人々が作り上げたものです。
そういう創造性を生かすことが、これからの日本と世界の発展につながります。
いま、子供たちは、無意味な受験勉強に時間を費やしています。
そういう仕組みを作っているのは、大人です。
子供たちの、思考力、創造力、共感力、そして科学力をバランスよく育てることが、これからの日本の教育の基本です。
そういう子供たちが、明日の日本を支えるのです。
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● 言葉の森新聞2024年4月3週号 通算第1799号 (2899字) 言葉の森事務局 jun 2024年04月15日 16時22分
15978 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2024年4月3週号 通算第1799号
文責 中根克明(森川林)
■■総合選抜のゴールを大学入試だと思わないこと。大事なものはもっと先にある。その基礎になるものは読書と作文と人との交流
大学の総合選抜入試が、次第に一般的になってきました。
そこで共通しているのは、当然ですが、大学入試がゴールになっていることです。
高校生にとっても、保護者にとっても、大学入試は当面のゴールです。
しかし、その先を考えている人はあまりいません。
確かに、いい大学に入れば、いい就職ができます。
就職試験では、大学のブランドが影響します。
場合によっては、その前の高校のブランドも影響します。
しかし、大学名や高校名で採用を決める企業は、今がピークになっている古い企業です。
入ってよかったと思うのは、最初のうちだけです。
人間は、会社の肩に乗って仕事をするのではなく、自分の力で仕事をするべきです。
総合選抜で大学に入ったあとは、その自分の個性を生かして、学問に励むことです。
その学問を、自分の仕事にするように工夫していくことです。
そういう自分の人生を歩むために大事なことは、読書と作文と人との交流です。
■■次回の「森からゆうびん」に読書記録を載せます。読書力は学力の土台。学力のもとになるのは理解力と思考力。思考力のある子は、自然に難しい本を読みたくなる
読書は、何を読んでもいいのです。
小学校低学年であれば、漫画でも読む力をつけます。
しかし、小学校中学年になって学習まんがだけを読んでいると読書力が低下します。
学習まんがは、もちろん知識を身につけるので、読んでいいのですが、それ以外に字の多い本を読む必要があります。
読書力は、学力の土台です。
読書をしていない子は、勉強だけを一生懸命にしているように見えても成績はなかなか上がりません。
それは、理解する力と思考する力がついていないからです。
この読書力による学力の伸びの差は、中学生、高校生と学年が上がるごとに明らかになってきます。
本をよく読んでいると言っても、それが物語文中心であれば、中高生以上の学力は伸びません。
頭のいい子は、物語文だけの読書に物足りなさを感じるようになってきます。
もっと考える文章を読みたいと思うようになるのです。
それが、説明文や意見文の読書です。
説明文や意見文の読書を読みたいと思わないのは、まだ考える力が育っていないからです。
では、考える力を育てるためには、どうしたらいいかというと、それは説明文や意見文の本を読み慣れるしかないのです。
今の社会では、学校の成績だけが表面に出てきます。
だから、親も子も、成績には敏感です。
しかし、社会に出てから実力として生きてくるのは、学校時代の成績ではありません。
その子が、どれくらい自分で考えて、ものごとを理解して、自分で行動できるかということです。
その土台になるのが、読書と作文です。
勉強は、やる気になれば、すぐにできるようになります。
もちろん、すぐにとは言っても、科目によって数ヶ月かかることもあります。
しかし、理解する力と思考する力があれば、勉強の成績を上げるのは、短期間でできるのです。
理解力と思考力は、短期間では育ちません。
読書記録のそれぞれの生徒の冊数を見ても、毎日50ページ以上読んでいる子もいれば、1か月で1冊をやっと読む子もいます。
この読書の質と量の差は、今の教育の中では出てきません。
だから、多くの子供が、読書を後回しにしてしまうのです。
そこで、次回の「森からゆうびん」で、生徒ごとに最近読んだ本を表示します。
この読書記録を見て、これから有意義な読書に取り組むようにしていってください。
■■自分が知能テストだけは学年で1番だったわけ(その1)
これは、自慢話ではなく、今、小学校の特に低学年の子供さんを育てている方の参考になる話だと思うので書くことにしました。
というのは、小学校低学年の子の子育てで、考え違いをしている人が多いように思ったからです。
私は、学校で行われる知能テストは、6のときに3クラスある学年の中でいつも1番でした。
あるときは、点数が高すぎるから、やり直しをさせられたこともあります。
知能テストは1番でしたが、勉強はあまりせずに教科書に落書きばかり書いていたので、成績はクラスで10番ぐらいでした。
それは、小学校のときだけでなく、中学生になってからも同じでした。
しかし、中3になって、夏ごろから高校入試の勉強を始めると、見る見る成績が上がり、最後の学校の全体テストでは、学年で1番になりました。
だから、入った高校では、選抜クラスというところに入れられ、そのまま高3まで理科系の選抜クラスで勉強しました。
大学入試でどこを受けるかを決めるときに、自分の好きなものは何かと考えて、花が好きだと思いました。
近所の藪に咲いていた紫の野菊の花がきれいだったからです。
当時、国立大学で園芸学部があったのは千葉大と鳥取大だけだったので、横浜から通える千葉大を受けることにしました。
高校の先生との面談で、ほかの大学を勧められましたが、園芸学部と決めていたので、そのまま園芸学部を受験しました。
入試の本番では、当時読んでいた本の影響で、テストはいちばん早く終わらせていちばん早く出るのが格好いいと思っていたので、いちばん早く答案を提出して出てきました。
こういう経験から考えると、子供時代に大事なことは成績を上げることではなく、頭をよくすることだと思うのです。
成績などは、やる気になれば、すぐに上がります。
逆に、成績だけを上げていると、学年が上がるにつれて、成績が落ちてきます。
それは、成績の土台になる頭が育っていないからです。
わたしのうちの子供たちが保育園時代、友達はみんな、公文などでいろいろな勉強をしていました。
幼児ですから、遊びの中で、みんなが自分のできることを自慢することがあります。
うちの子だけは、その話についていけず、みんなの自慢を感心して聞いているだけでした。
あるとき、小学1年生に上がるかその前の小さい子供たちが、みんな、私の家に集まって暇そうにしていたので、ゲームをしたことがあります。
「だれが、いつどこで、何をしたら、どうなって、どうなった」という短文を書いて組み合わせるゲームです。
そういうゲームをすぐに喜んでする子と、なかなか思いつかずにいつまでも書けない子がいました。
私は、ふと、そのとき、算数の計算を仕方を知っているとか、難しい漢字を書けるとか、いろいろな知識を知っているとかいうことよりも、こういう短文作りのゲームを楽しめる子が、本当に頭のいい子ではないかと思いました。
実際に、小学校低中学年のころによくできていた子供たちが、意外と中学、高校で伸び悩み、平凡な成績になっていったのです。
だから、今、小学校低中学年の子育てをしているお母さん方は、成績を上げるようなことではなく、頭をよくすることに力を入れていくことだと思うのです。
(つづく)
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● 言葉の森新聞2024年4月2週号 通算第1798号 (4123字) 言葉の森事務局 jun 2024年04月08日 17時45分
15959 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2024年4月2週号 通算第1798号
文責 中根克明(森川林)
■■算数数学の苦手な子は、夏休み中に1冊の問題集の解答を完璧に覚える勉強を――しかし、もっと大事なのは読書によって自分の考えを広げること
算数数学の苦手な子がいます。
苦手な原因は、前の学年でやるべき基礎ができていないことです。
また、できない子の多くは、勉強の仕方でも、できる問題だけを作業的にやっています。
だから、できない問題は、いつまでもできません。
どうしたら、できない問題ができるようになるかというと、それは、できなかった問題の解法を丸ごと覚えることです。
だから、解答をいつも横に置いて勉強を進めていくといいのです。
ところで、今の受験のための算数数学には、ただ生徒に点数の差をつけるだけの問題もあります。
テストの目的が、生徒の実力をつけるためではなく、生徒の間に点数の差をつけるためになっているのです。
教える先生の多くが、そういうテストをくぐり抜けてきた人なので、そういう勉強を教えることがいいことだと思って授業をしています。
算数数学を得意にするためには、今の学年、又は、その前の学年の問題集を1冊、夏休み中に完璧に仕上げることです。
しかし、算数数学ができるようになっても、受験には役立ちますが、人生にはあまり役立ちません。
例えば、因数分解には、いろいろなパターンがありますが、そういうパターンをいくら知っていても、それが勉強以外の何かの役に立つということはありません。
因数分解で解を見つけるかわりに、根の公式を使えば、答えは計算で求めることができます。
この公式を作った人は偉いと思いますが、普通の人は、必要に応じてこういう公式を利用すればいいのです。
同じような公式として、誰でも利用しているのが、三角形の面積、台形の面積、円の面積、球の体積などです。
もし、球の体積を忘れたとしても、それは調べればいいだけです。
なぜ忘れたかというと、日常生活で使う必要がなかったからです。
では、どういう勉強が役に立つかというと、それは幅広い読書です。
子供たちは、家庭と学校と友達という狭い枠の中で生活しています。
社会は無限と言っていいほど広いのに、子供たちの住む世界は、狭い与えられた枠に限定されています。
この枠を超えるものが、読書です。
枠を超える読書は、物語文の読書よりも、主に説明文の読書です。
中学生や高校生が読む本は、ちくまプリマー新書や岩波ジュニア新書などにたくさんあります。
大学生や社会人になったら、もっと読書の幅を広げることができます。
自分らしい人生を見つけるためには、勉強に力を入れる以上に、読書に力を入れていくことなのです。
■■作文を上手に書くためのわかりやすい目標は、小学生は字数、中学生高校生は森リン点。しかし、大事なのは、作文を通して考える力を深めること、長文読解を通して読む力をつけること
子供の書いた作文を見ると、お母さんやお父さんは、その作文に対してアドバイスをしたくなると思います。
しかし、そのアドバイスは、多くの場合、子供のやる気をなくさせる結果になります。
学校教育でも、作文指導に熱心な先生に教えられると、クラスの多くの子が作文嫌いになるという結果が出ています。
作文は、教えたくなるものですが、教えるものではなく、いいところを認めてあげるものなのです。
では、そのいいところは何かというと、基本は事前の項目指導ですが、作文指導の経歴の長い先生は、すぐに生徒の作文のいいところを見つけることができます。
作文指導の経験の少ない人ほど、子供に、いろいろな注意をします。
それらの注意は、どれもまともな注意ですが、大半の子はそれで作文が嫌いになります。
作文を上達させるための基本は、まず読書の量を増やすことです。
次に、字数を、学年の100~200倍まで書けるようにすることです。
例えば、小学6年生であれば、いつも600~1200字の作文を書けるようになるということです。
中高生の場合、字数1200字以上ということができれば、それからは森リン点の上昇を目指すことです。
ただし、森リン点は、1年間に2ポイント程度しか上がりません。
作文の上達には、時間がかかるのです。
ところで、作文を教えている教室は、言葉の森以外にもあると思います。
しかし、それらの教室のほとんどは、何のために作文を教えているのかという目標がありません。
例えば、最近の作文通信教育講座ぶんぶんドリムのキャッチフレーズは、「伝えたいこと、言葉にできますか?」でした。
作文でも、会話でも、誰でも、自分の言葉で自分の考えを伝えています。
例えば、お腹が空いていれば、誰でも、「おなかがすいた」といいます。
伝えたいことがあれば、誰でもそれを伝えます。
こういう条件反射的な言葉を使えることが、作文教育の目標なのではありません。
小学校高学年になると、「人間にとって食事とは、何か」と考えるような主題が作文の中心になります。
食事は、栄養であるとともに、文化であり、また回りの人との交流の機会でもあります。
そういうことを考えることが、作文を通して考えるということです。
では、そういう考えを深めるためには、どうしたらいいのかというと、それは作文の表現を工夫するより前に、読書と対話に力を入れることなのです。
4月2日に、「森からゆうびん」で、全生徒の作文字数の推移と、読解検定の推移のグラフを送りました。
これが、これからの作文の勉強の出発点です。
まず、字数が学年の200倍以上になることを目指していきましょう。
字数が書けるようになった人は、森リン点が86点以上になることを目指していきましょう。
読解検定については、平均点を60点前後と考えて、いつでも60点以上取ること目指していきましょう。
■■これからの勉強の中心は、創造と発表。知識を詰め込むだけの勉強や、点数の差をつけることを目的にした勉強で高得点を取れるようになることは時代遅れに
勉強の目的は、実力をつけることです。
そして、その実力の土台の上に、創造性を生かし、社会に貢献できるようになることです。
しかし、今の日本の教育では、実力をつける勉強よりも、競争に勝つことが勉強の目的になっています。
例えば、先日、中学生の数学の問題集につぎのような例題が載っていました。
https://www.mori7.com/izumi/gazou/2024/4061525270.jpg
(そんなに面白い問題ではないので、考えなくていいです。)
人間の頭脳は、立体をそのまま把握することに慣れていません。
だから、難問には、立体が使われることが多いのです。
しかし、そういう問題が出されるのは、その問題を解けるようになることが、人生にとって必要だからではなく、点数の差をつける競争に勝つために必要だからです。
確かに、こういう問題は、解法の手順に沿って考えれば理解できます。
しかし、それは、数学の問題というよりも、読解の問題です。
読解力をつけることは大事ですが、この問題を解くこと自体には意味がありません。
それなのに、なぜこういう問題が出されるかというと、それはただ○と×の差をつけるためなのです。
このような必要以上の難問が出されることによる弊害は2つあります。
ひとつは、勉強のよくできる子は、無意味な勉強に時間を取られることです。
もうひとつは、勉強のふつうにできる子は、勉強が嫌いになることです。
勉強の先にあるものは、入試に合格することではなく、社会に出て活躍することです。
社会に出て仕事をするために必要だから勉強をするのであって、競争に勝つために勉強をするのではありません。
しかし、今は、ほとんどの子は、競争に勝つための勉強に追われています。
昔の教育では、できない子がいると、先生はその子ができるようになるまで教えました。
例えば、寺子屋時代の教育は、全員ができるようになるための教育でした。
だから、勉強の中心は、素読や暗唱や算盤(そろばん)でした。
その先の勉強をしたい子は、更に高度な本を読む勉強に進みました。
今の教育は、子供たちに差をつけるための教育になっています。
だから、先生も、その差をあきらめているのです。
勉強を本来の目的に戻すためには、2つのことが考えられます。
ひとつは、実力をつけるための勉強は、能率よく行うことです。
そのためには、勉強の中心は家庭での自主学習とすることです。
家庭での自主学習は、ChatGPTなどの利用で現実的なものになってきています。
そして、今の基準で言えば、どの教科も80点以上、5段階の成績でオール4以上が取れることを目標にすればいいのです。
100点を目指したり、オール5を目指したりする勉強は、競争時代の勉強です。
もうひとつは、創造と発表の勉強に力を入れることです。
昔は、創造と発表の勉強というのは、遊びのように見なされていました。
それは、創造力や発表力は、受験のためには必要がなかったからです。
創造を生かすのではなく決められたとおりにやること、発表ではなく言われたことを素直に吸収することが、かつての勉強の中心でした。
しかし、近年の大学入試における総合選抜の広がりに見られるように、時代は変わっています。
社会全体が、創造と発表を求めるようになってきているのです。
高校における探究学習も、この流れのひとつです。
しかし、探究学習も、これからは時代遅れになります。
読書感想文コンクールが時代遅れになったように、探究学習もわざわざ学習と呼べるようなものではなくなっています。
ChatGPTを利用すれば、必要な探求学習は数時間でできます。
これから大事になるのは、その探求の結果をもとに、自分がどういう問題意識を持ち、何を創造するかということです。
この創造とセットになっているものが発表です。
これからの勉強は、実力をつけるための勉強と、創造と発表の勉強になっていくのです。
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● 言葉の森新聞2024年4月2週号 通算第1798号 (4123字) 言葉の森事務局 jun 2024年04月08日 17時45分
15958 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2024年4月2週号 通算第1798号
文責 中根克明(森川林)
■■算数数学の苦手な子は、夏休み中に1冊の問題集の解答を完璧に覚える勉強を――しかし、もっと大事なのは読書によって自分の考えを広げること
算数数学の苦手な子がいます。
苦手な原因は、前の学年でやるべき基礎ができていないことです。
また、できない子の多くは、勉強の仕方でも、できる問題だけを作業的にやっています。
だから、できない問題は、いつまでもできません。
どうしたら、できない問題ができるようになるかというと、それは、できなかった問題の解法を丸ごと覚えることです。
だから、解答をいつも横に置いて勉強を進めていくといいのです。
ところで、今の受験のための算数数学には、ただ生徒に点数の差をつけるだけの問題もあります。
テストの目的が、生徒の実力をつけるためではなく、生徒の間に点数の差をつけるためになっているのです。
教える先生の多くが、そういうテストをくぐり抜けてきた人なので、そういう勉強を教えることがいいことだと思って授業をしています。
算数数学を得意にするためには、今の学年、又は、その前の学年の問題集を1冊、夏休み中に完璧に仕上げることです。
しかし、算数数学ができるようになっても、受験には役立ちますが、人生にはあまり役立ちません。
例えば、因数分解には、いろいろなパターンがありますが、そういうパターンをいくら知っていても、それが勉強以外の何かの役に立つということはありません。
因数分解で解を見つけるかわりに、根の公式を使えば、答えは計算で求めることができます。
この公式を作った人は偉いと思いますが、普通の人は、必要に応じてこういう公式を利用すればいいのです。
同じような公式として、誰でも利用しているのが、三角形の面積、台形の面積、円の面積、球の体積などです。
もし、球の体積を忘れたとしても、それは調べればいいだけです。
なぜ忘れたかというと、日常生活で使う必要がなかったからです。
では、どういう勉強が役に立つかというと、それは幅広い読書です。
子供たちは、家庭と学校と友達という狭い枠の中で生活しています。
社会は無限と言っていいほど広いのに、子供たちの住む世界は、狭い与えられた枠に限定されています。
この枠を超えるものが、読書です。
枠を超える読書は、物語文の読書よりも、主に説明文の読書です。
中学生や高校生が読む本は、ちくまプリマー新書や岩波ジュニア新書などにたくさんあります。
大学生や社会人になったら、もっと読書の幅を広げることができます。
自分らしい人生を見つけるためには、勉強に力を入れる以上に、読書に力を入れていくことなのです。
■■作文を上手に書くためのわかりやすい目標は、小学生は字数、中学生高校生は森リン点。しかし、大事なのは、作文を通して考える力を深めること、長文読解を通して読む力をつけること
子供の書いた作文を見ると、お母さんやお父さんは、その作文に対してアドバイスをしたくなると思います。
しかし、そのアドバイスは、多くの場合、子供のやる気をなくさせる結果になります。
学校教育でも、作文指導に熱心な先生に教えられると、クラスの多くの子が作文嫌いになるという結果が出ています。
作文は、教えたくなるものですが、教えるものではなく、いいところを認めてあげるものなのです。
では、そのいいところは何かというと、基本は事前の項目指導ですが、作文指導の経歴の長い先生は、すぐに生徒の作文のいいところを見つけることができます。
作文指導の経験の少ない人ほど、子供に、いろいろな注意をします。
それらの注意は、どれもまともな注意ですが、大半の子はそれで作文が嫌いになります。
作文を上達させるための基本は、まず読書の量を増やすことです。
次に、字数を、学年の100~200倍まで書けるようにすることです。
例えば、小学6年生であれば、いつも600~1200字の作文を書けるようになるということです。
中高生の場合、字数1200字以上ということができれば、それからは森リン点の上昇を目指すことです。
ただし、森リン点は、1年間に2ポイント程度しか上がりません。
作文の上達には、時間がかかるのです。
ところで、作文を教えている教室は、言葉の森以外にもあると思います。
しかし、それらの教室のほとんどは、何のために作文を教えているのかという目標がありません。
例えば、最近の作文通信教育講座ぶんぶんドリムのキャッチフレーズは、「伝えたいこと、言葉にできますか?」でした。
作文でも、会話でも、誰でも、自分の言葉で自分の考えを伝えています。
例えば、お腹が空いていれば、誰でも、「おなかがすいた」といいます。
伝えたいことがあれば、誰でもそれを伝えます。
こういう条件反射的な言葉を使えることが、作文教育の目標なのではありません。
小学校高学年になると、「人間にとって食事とは、何か」と考えるような主題が作文の中心になります。
食事は、栄養であるとともに、文化であり、また回りの人との交流の機会でもあります。
そういうことを考えることが、作文を通して考えるということです。
では、そういう考えを深めるためには、どうしたらいいのかというと、それは作文の表現を工夫するより前に、読書と対話に力を入れることなのです。
4月2日に、「森からゆうびん」で、全生徒の作文字数の推移と、読解検定の推移のグラフを送りました。
これが、これからの作文の勉強の出発点です。
まず、字数が学年の200倍以上になることを目指していきましょう。
字数が書けるようになった人は、森リン点が86点以上になることを目指していきましょう。
読解検定については、平均点を60点前後と考えて、いつでも60点以上取ること目指していきましょう。
■■これからの勉強の中心は、創造と発表。知識を詰め込むだけの勉強や、点数の差をつけることを目的にした勉強で高得点を取れるようになることは時代遅れに
勉強の目的は、実力をつけることです。
そして、その実力の土台の上に、創造性を生かし、社会に貢献できるようになることです。
しかし、今の日本の教育では、実力をつける勉強よりも、競争に勝つことが勉強の目的になっています。
例えば、先日、中学生の数学の問題集につぎのような例題が載っていました。
https://www.mori7.com/izumi/gazou/2024/4061525270.jpg
(そんなに面白い問題ではないので、考えなくていいです。)
人間の頭脳は、立体をそのまま把握することに慣れていません。
だから、難問には、立体が使われることが多いのです。
しかし、そういう問題が出されるのは、その問題を解けるようになることが、人生にとって必要だからではなく、点数の差をつける競争に勝つために必要だからです。
確かに、こういう問題は、解法の手順に沿って考えれば理解できます。
しかし、それは、数学の問題というよりも、読解の問題です。
読解力をつけることは大事ですが、この問題を解くこと自体には意味がありません。
それなのに、なぜこういう問題が出されるかというと、それはただ○と×の差をつけるためなのです。
このような必要以上の難問が出されることによる弊害は2つあります。
ひとつは、勉強のよくできる子は、無意味な勉強に時間を取られることです。
もうひとつは、勉強のふつうにできる子は、勉強が嫌いになることです。
勉強の先にあるものは、入試に合格することではなく、社会に出て活躍することです。
社会に出て仕事をするために必要だから勉強をするのであって、競争に勝つために勉強をするのではありません。
しかし、今は、ほとんどの子は、競争に勝つための勉強に追われています。
昔の教育では、できない子がいると、先生はその子ができるようになるまで教えました。
例えば、寺子屋時代の教育は、全員ができるようになるための教育でした。
だから、勉強の中心は、素読や暗唱や算盤(そろばん)でした。
その先の勉強をしたい子は、更に高度な本を読む勉強に進みました。
今の教育は、子供たちに差をつけるための教育になっています。
だから、先生も、その差をあきらめているのです。
勉強を本来の目的に戻すためには、2つのことが考えられます。
ひとつは、実力をつけるための勉強は、能率よく行うことです。
そのためには、勉強の中心は家庭での自主学習とすることです。
家庭での自主学習は、ChatGPTなどの利用で現実的なものになってきています。
そして、今の基準で言えば、どの教科も80点以上、5段階の成績でオール4以上が取れることを目標にすればいいのです。
100点を目指したり、オール5を目指したりする勉強は、競争時代の勉強です。
もうひとつは、創造と発表の勉強に力を入れることです。
昔は、創造と発表の勉強というのは、遊びのように見なされていました。
それは、創造力や発表力は、受験のためには必要がなかったからです。
創造を生かすのではなく決められたとおりにやること、発表ではなく言われたことを素直に吸収することが、かつての勉強の中心でした。
しかし、近年の大学入試における総合選抜の広がりに見られるように、時代は変わっています。
社会全体が、創造と発表を求めるようになってきているのです。
高校における探究学習も、この流れのひとつです。
しかし、探究学習も、これからは時代遅れになります。
読書感想文コンクールが時代遅れになったように、探究学習もわざわざ学習と呼べるようなものではなくなっています。
ChatGPTを利用すれば、必要な探求学習は数時間でできます。
これから大事になるのは、その探求の結果をもとに、自分がどういう問題意識を持ち、何を創造するかということです。
この創造とセットになっているものが発表です。
これからの勉強は、実力をつけるための勉強と、創造と発表の勉強になっていくのです。
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● 言葉の森新聞2024年4月1週号 通算第1797号 (8138字) 言葉の森事務局 jun 2024年04月03日 09時55分
15954 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2024年4月1週号 通算第1797号
文責 中根克明(森川林)
■■「森からゆうびん」というA4葉書をお送りしました。作文字数グラフ、読検得点グラフが表示されています
4月2日に「森からゆうびん」というA4葉書を生徒のみなさんにお送りしました。
海外の方には、郵送はできませんので、ウェブ上で見られる場所を作ります。
内容は、作文の字数の推移、読解検定の得点の推移、そして最近のホームページの記事の冒頭部分です。
それぞれの記事には、QRコードがついているので、ウェブで見ることもできます。
これまで、生徒ごとの字数や得点の推移というデータはありましたが、それを表示しているページは見つけにくかったと思います。
そこで、これからは、定期的に、学習状況の結果をアナログの媒体でお送りすることにしました。
今後は、作文字数、読解検定得点のほかに、国語・算数数学・英語の問題集の学習状況、確認テストの得点推移なども送る予定です。
さて、これらのグラフをどう見るかということですが、作文の字数については、それぞれの生徒の作文の実力を表しています。
字数が、学年の200倍以上(小1は200字以上、……、小6以上は1200字以上)書けていれば、実力的には十分です。
字数がそこまで達していない場合でも、1年間の字数の推移のグラフが、わずかでも右肩上がりになっていれば、作文力が上達していると考えられます。
読解検定の得点については、平均点と比較して、平均点よりも高い得点であれば、よくできていると考えてください。
月によって、問題の難易度が違うので、グラフが上に行ったり下に行ったりすることがありますが、平均点と比較して自分の得点を見てください。
読解検定が88点以上の人は、読解検定ランキングというページに表示されています。
https://www.mori7.com/dokken/dk_rank.php
作文の字数グラフは、作文クラスの人に表示されています。
読解検定の得点グラフは、読解検定を受けた人に表示されています。
グラフを見て、これからの勉強の目標にしていってください。
▼サンプル
https://www.mori7.com/izumi/gazou/2024/3311235300.jpg
https://www.mori7.com/izumi/gazou/2024/3311235090.jpg
■■共感力とは何か――思考力、創造力、共感力を育てることが勉強の目的。あともうひとつ科学力もあるが。
「虹の戦士」の話の中で、老婆が語る最後の言葉は、こうです。
「愛と喜びをみんなの間に広げることだけが、この世界の憎しみを、理解とやさしさに変えることができる。この世界から、いっさいの戦争と破壊をなくするために、残された道はもはやそれひとつしかない」
共感力とは、こういう考え方を表す概念です。
塩谷さんは、同じことを、「大和(だいわ)の御代(みよ)」という言葉で言い表しました。
大和とは、自分の平和、家族の平和、日本の平和、世界の平和を超えて、あらゆるものが平和に生きることです。
人間に対してだけでなく、すべての生き物に対して、鳥でも、虫でも、木々でも、また、生き物を超えて、空でも、風でも、太陽でも、そこにそう存在しているものすべてを温かい目で見る感性が共感力です。
では、共感力は、どのようにして育つのでしょうか。
それは、決心です。
あらゆるものを愛そうとする決心によって、人間は共感的な人間になるのです。
■■今日は読書3冊。世の中は、いい方向に変わっている
目白駅に行かなければならない用事があったので、本を3冊カバンに入れて、行き帰りで読むことにした。
行きに1時間半、帰りに1時間半ぐらいだから、たっぷり読めた。
本棚から急いで取り出したので、かなりランダムだが、
「日本転生」(苫米地英人)
「ChatGPTプログラミング1年生」(森巧尚)
「シリウス宇宙連合アシュター司令官VS保江邦夫緊急指令対談」(保江邦夫・江國まゆ)
もうすでに読んでいたものもあったが、繰り返し読んでもいいと思ったので持っていった。
3冊の読後感をまとめてひとことで言えば、世の中はいい方向に変わっているということだ。
特に、苫米地さんの話は、一昔前だったら言えなかっただろうことが書かれている。
保江さんも、そう。
ChatGPTは、これから中学生以上の生徒全員がアカウントを取得するといいと思う。
野口悠紀雄さんの「ChatGPT超勉強法」にも書いてあったが、もう、先生という仕事は要らなくなると思う。
そのときの新しい教育の方向はわかっている。
それは、ひとつは作文と創造発表とプログラミングだ。
しかし、もうひとつ、国数英理社の教科の勉強をひととおりしておく必要がある。
それは、基礎学力、総合学力、全科学力でまとめて短時間でやればいい。
勉強を短時間で済ませて、空いた時間は、自分の好きなことと難読に力を入れることだ。
苫米地さんの本で、共感したところが、学生は難しい本をしっかり読めということだった。
考える力のある人は、すべて読書の大切さを知っている。
とりとめのない話になってしまったが、今日は充実した一日だった。
■■なぜ新しいことと学ぶのか――パソコン、ChatGPT、3Dプリンタ、仮想通貨、クラウドファンディング、その他
総合学力クラスの小学4年生の生徒が、創造発表の週の授業のとき、自分の作ったキャラクタを紹介して、「いつか、このキャラクタを売れるようにしたい」と言っていました。
大物(笑)。
昔ながらの国算英理社を勉強していただけでは、こういう発想は生まれません。
昔の勉強は、仕事をさせられる人になることが目標で、仕事をする人になることではなかったからです。
経済が発展しているときは、仕事をするためのハードルは低いものでした。
勉強は、そこそこできれば、自分で新しい仕事を始めることができました。
松下幸之助、本田宗一郎、井深大(まさる)は、学校の勉強は、普通にそこそこできていただけだと思います。
少なくとも、超エリートと呼ばれるような学歴では全くありませんでした。
しかし、日本が戦後の復興に向けて、新しい社会を作ろうとしているときに、高学歴は必要なかったのです。
必要なことがあれば、必要なときに学べばいいので、学ぶ力と意志があれば、学ぶことはあとからいくらでも身につけることができたのです。
しかし、その後、日本の経済は停滞しました。
量的には発展していましたが、質的には停滞していきました。
できあがったものを改良して増やしていくだけの経済になったのです。
今も、その時代は続いています。
だから、今の若者の多くは、大学入試のゴールを達成したあと、大企業に入社することをゴールにしています。(一部は、違いますが)
もちろん、それは、悪いことではありません。
企業の大きな肩の上に乗って、自分の個性を更に大きく伸ばすことはできます。
しかし、それは沈んでゆく豪華客船の上で、よりよい上の階に移ることでしかないように思うのです。
新しい時代は、新しい小船に乗って始めることです。
今はまだ、そういう選択は無謀のことのように思えます。
しかし、世の中の変化が迫っているときには、早めに無謀なことに挑戦していくのがいいのです。
明治時代に入る前の福沢諭吉の選択に賛同する人は、家族でも友人でも知人でも誰ひとりいませんでした。
みんなから認められるようなことは、時代の変革期には時代遅れのことなのです。
ところが、新しい時代に挑戦するためのベースは、松下幸之助、本田宗一郎、井深大が生きていた時代とは違っています。
その違いを理解することが大事です。
第一は、現代の新しいテクノロジーを前提にすることです。
それが、パソコン、ChatGPT、3Dプリンタ、仮想通貨、クラウドファンディングなどです。
しかし、新しいテクノロジーをそのまま使うようなものは、すぐに競争過多になります。
中国のシェアサイクルは、一時は広まりましたが、今残っているの会社はわずかです。
結局、競争が過多になるものは、工夫を続けるところしか生き残ることができません。
だから、必要なことの第二は、読書によって自分の考えを深めることです。
単に新しいものに着手するだけではなく、そこに自分なりの哲学を作っていくことです。
新しい技術と古い読書、これが、これからの子供たちの学ぶべきものの基本です。
しかし、子供たちの保護者である、お父さんやお母さんの多くが、どちらも苦手であることが多いのです(笑)。
大人の人が今から読書をがんばるのは難しいので、とりあえず、子供と一緒に新しい技術に接していくことが大事になると思います。
■■国語読解問題の解き方のコツ――理詰めに解く方法を理解するためには、保護者の協力が必要
国語というのは、日本語のことですから、普段誰でも日常的に使っている言葉です。
その言葉で国語の読解問題を出すのですから、問題を出す人は工夫をします。
工夫のひとつは、難しい文章を問題を出すことです。
これは、誰でも考えつきます。
だから、国語の問題文には、悪文が多いのです(笑)。
悪文の例は、「前者」とか「後者」とかいう言葉を使うことと、「それ」とか「その」とかの指示代名詞を使うことです。
だから、作文には、こういう言葉を使わずに、できるだけ具体的に書いていく方がいいのです。
さて、国語の問題を作る人のもうひとつの工夫は、合っていそうなものを正解にするのではなく、間違っていないものを正解にするような選択肢を作ることです。
読解検定をやっていて、なかなか点数が上がらないという人は、この解き方のコツを理解してください。
そして、もうひとつは、問題集読書で、難しい文章を読み慣れておくことです。
読解問題の解き方は、次の記事を参考にしてください。
▼国語の勉強法
https://www.mori7.com/bennkyou.html
====
……
実際の問題文は、ここに載せた文章の6、7倍あります。普通の高校生でこういう文章を読むと、大体最後の方には意識が朦朧(もうろう)としてきます。設問を見て、問題文を読み直す気力が失せた状態で選択問題を解くので、合っていそうなものに○をつけてしまうのです。
設問を一つずつ見ていきましょう。
1は、「哲学の場合、対象へのアプローチの仕方を説得できることが重要」などとどこにも書いていないので×です。
2は、特に間違っているところはないので保留です。
3は、「学問は自分とのかかわり方をより望ましい方向へ持っていくために知識を得る」などとどこにも書いていないので×です。むしろ、その反対のことが書かれています。
4は、「学問は、自分とのかわわりを知るために考える」などとどこにも書いていないので×です。これも、その反対のことが書かれています。
5は、「哲学は、自分自身を知ることを目的として問いを立てる」などとどこにも書いていないので×です。これは、この設問自体について言えば、合っているとも合っていないとも言えませんが、問題文との関連で当てはまらないということです。
したがって、正解は、特に間違ったことを言っていない2ということになります。
国語の選択問題はすべてこのような発想で解いていきます。ですから、難しいことは何もありません。ただし、大量の文章をこのように読みこなしていくためには、まず問題文自体をすらすらと読める力が必要です。そのためにも、問題文を繰り返し読む勉強法が有効なのです。
====
こういう理詰めの読み方は、子供だけではなかなかできません。
しかし、先生が授業の中で、こういう読み方を説明することもできません。
一斉指導で説明することはできますが、一斉指導で理解する子はほとんどいません。
一人ひとりのそれぞれの選択肢について、本人が納得するまで説明する必要があるからです。
だから、国語の読解問題は、結果が返却されたあと、お母さんが一緒に見てあげることが必要になります。
問題の中には、お母さんが見てもうまく説明できないものがあると思います。
そのときは、国語読解掲示板に書いてください。
https://www.mori7.com/ope/index.php?k=45
そのときに、ただ「わかりません」と書くのではなく、「こう思ったのですが、なぜ……ですか」と本人の考えも書いておくといいです。
こういう質問のできる子は、みんな国語が得意教科になります。
■■小学生の作文は、小学5年生から急に難しくなり、中学1年生から新しい書き方の意見文になり、中2、中3と意見文が発展し、高校生で更に難しい小論文になる
言葉の森のほかにも、いろいろな作文講座や作文教室があります。
そういうところの指導のほとんどは、小学生どまりです。
小学生の作文の勉強では、小学4年生までは、生活作文という事実中心の作文です。
この事実中心の作文を表現豊かに書くことが、小学生の作文のひとつの目標です。
しかし、小学5年生からは、事実文ではなく説明文の課題になります。
説明文の場合も、作文の中身は事実が中心ですが、大事なことは、その事実を通してより抽象的な主題があることです。
例えば、小学3、4年生の子が、友達のことを作文に書く場合、友達との出来事だけで作文を書くことができます。
「友達とあんなことをした。こんなことをした。」という作文です。
しかし、小学5、6年生になると、友達との出来事だけでなく、「人間にとって友達とは何か」という抽象的な主題が出てきます。
その「人間にとって友達とは」という主題に合わせた出来事を見つけて書くというかたちになってくるのです。
これが、中学生になると、更に主題中心の展開になります。
自分の意見という主題に合わせて、その主題に合う事実を構成するという書き方になります。
作文の学習には、こういう発想の進歩があるのです。
作文は、小学5年生から本格的に難しくなります。
小学校の高学年まで作文の勉強を続けなければ、低学年から作文の勉強を始めた意味がありません。
言葉の森のほかの作文講座の中には、「小学1年生から6年生まで」とうたっているところもあります。
こういう作文講座では、小学5、6年生の作文指導も十分にはできません。
作文の勉強では、中学生、高校生までの作文指導があるのが当然で、その流れの中で、小学校高学年の作文指導もあります。
ということで、新しく小学5年生になるみなさんは、新学年になると、作文の課題が急に難しくなったと感じると思いますが、それが自分を成長させるのだと思ってがんばってやっていってください。
小学5年生の字数の目標は1000字、小学6年生の字数の目標は1200字です。
こういう字数も平気で書けるように、作文と読書に力を入れていってください。
■■探究学習ではなく、創造発表学習
高校で探究学習が始まっています。
これは、いいことですが、私はその先の学習があると思います。
探究学習は、自分の興味関心のあるものを探求していくことです。
しかし、現在、探求学習のための手段は、参考書よりもネット検索、ネット検索よりもChatGPTの時代になっています。
探求は、昔のように時間のかかる学習ではなく、誰でも数時間でできる学習になっているのです。
探求は、出発点です。
探求のあとに、本当の学習が始まります。
それが、創造と発表の学習です。
しかし、創造と発表の学習のカリキュラムはまだできていません。
昔、言葉の森が、作文の学習を始めたときも、作文のカリキュラムはありませんでした。
言葉の森が、小1から高3までの作文のカリキュラムを作りました。
今は、創造発表の学習が始まろうとしている時代です。
このカリキュラムを作り、誰もが創造発表の学習に取り組めるようにすることがこれからの教育の課題です。
■■デジタルからアナログへ
「デジタルからアナログへ」というと、時代遅れのようなタイトルですが、今の世の中でデジタルはもうほぼ完成しつつあるので、これからはアナログの時代になるということです。
今の社会の特徴は、デジタル情報の過剰です。
例えば、ChatGPTを使えば、ブログの記事などはいくらでも作ることができます。
Google検索でも、最初に出てくるのは、SEO対策をやっているサイトの記事ばかりです。
しかも、Googleも、Facebookも、YouTubeも、根拠不明の情報コントロールをしています。
だから、みんな、もうそういう情報には飽き飽きしています。
ひとことで言えば、デジタル情報は、あてにならないと多くの人が思っているのです。
昔、新聞の折り込み広告が盛んだったころは、折り込み広告自体が、貴重な情報源でした。
しかし、いま、折り込み広告を情報源として見る人はいません。
それよりも、新聞自体をとる人がいなくなっています。
新聞やテレビの情報はあてにならないと、多くの人が感じているのです。
では、あてになる情報とは、何でしょうか。
それは、自分が信頼している特定の人が言っている情報です。
それが、アナログの情報なのです。
言葉の森には、講師が個々に発信する「個別れんらく」や「発表室連絡」という媒体があります。
また、保護者懇談会や個人面談という媒体もあります。
こういうリアルな情報のやりとりができるのが、アナログのコミュニケーションです。
今回、「森からのてがみ」というタイトルで、A4葉書を郵送で送ることにしました。
アナログですから、載せる情報の量は限られていますが、それはQRコードでカバーしています。
こういう手に触れることのできるコミュニケーションに力を入れていくのが、言葉の森の今後の方針です。
ところで、アナログの情報のもとになるものは、デジタルのデータです。
コミュニケーションはアナログであっても、データはデジタルをもとにしたものであることが必要です。
だから、言葉の森の今後の方向は、アナログのデジタルです。
デジタルのアナログと言ってもいいです。
略して、アナデジです。
略して言わなくてもいいですが。
■■【合格速報】
●北海道立札幌北高校 Y.K.さん
<担当講師より>
(プログラミングクラス)
何ごとにおいても自ら考え行動できる文武両道のKくん、受験直前にもプログラミングクラスで楽しく学び続けてくれていました(よい気分転換になっていたかな?)。
テキスト通りに進めたあとは試行錯誤しながら様々なアレンジを加え、いつも自分らしい作品に仕上げてくれるところが印象的でした。
陸上部の活動でも上位大会に出られる実力者で勉強もがんばっているのに、いつも飄々と爽やかな笑顔で参加してくれるスマートなKくん、年の離れた体験・振替の友だちに対しても分け隔てなく優しいコメントを伝えてくれるところもとても素敵だなあといつも思っていました。
新しく始まる高校生活も、その先の生活もぜひKくんらしくエンジョイされてくださいね!
第一志望合格おめでとうございます!!
●慶應義塾大学理工学部 H.S.さん
<保護者様より><担当講師より>
K高校在学中も三年間連続で成績優秀者としてたゆまぬ努力をされていました。自分の適性を鑑み、理工学部への進学を決定されたそうです。
私は、小学三年生からHさんを担当させていただいたのですが、
お母様から言葉の森について嬉しいお言葉をいただきました。
「言葉の森で積み重ねてきたことがこの子の力になっている。書いた文章を認め、指導の中でも思ったことを認めていただきありがとうございました。
言葉の森で暗唱を続けたことで言語への関心が湧き、この子が言語を学びたいという学習意欲を高めさせてくれました。」
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● 【重要】海外在住の方のための掲示板を作りました【送信指定】 (338字) 森川林 nane 2024年03月22日 14時27分
15931 (言葉の森オンライン新聞)
この連絡は、海外在住の方にお送りしています。
海外在住の方は、時差の関係などで勉強がしにくい面があったと思います。
そこで、海外掲示板を作り、情報交換ができるようにしました。
https://www.mori7.com/ope/index.php?k=kaigai
作文クラスなどで、時間帯が合えば、他の生徒と一緒に勉強する方が励みになります。
この掲示板で、他の生徒の方、又は、言葉の森事務局と自由に情報交換をしてください。
また、勉強の仕方に関する質問なども自由にお寄せください。
この海外掲示板は、投稿記事をメールで受信することもできます。
メール受信を希望される方は、掲示板の「メールの受信登録」にご登録ください。
登録は必要なくなれば、いつでも削除することができます。
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● 言葉の森新聞2024年3月4週号 通算第1796号 (7700字) 言葉の森事務局 jun 2024年03月21日 09時07分
15925 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2024年3月4週号 通算第1796号
文責 中根克明(森川林)
■■3月29日(金)・30日(土)・31日(日)は休み
3月29日(金)・30日(土)・31日(日)は、第5週のため通年クラスの授業はありません。事務局もお休みです。
■■作文クラスの新学期教材
3月19日、国内の生徒さんに新学期の教材を発送しました。
25日になっても届かない場合はご連絡ください。
■■第4週は清書。幼稚園生は作文(作文クラス)
幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。
小学1年生以上の生徒は、清書を行います。
■ 清書の意義と方法
清書とは、これまでに書いた作文の中で内容がよかったものを書き直すことです。
内容がよいとは、個性、感動、共感などがあるということです。
書き直すときは、次の点に留意してください。
(1)漢字で書けるところは漢字で書く。
(2)たとえや自作名言を工夫できるところがあれば工夫する。
(3)似た話や続きの話を書くことによって字数を増やす。
(4)作文用紙の空いているところに絵などをかいてもよい。
■清書の投稿
清書した作文は、小学生新聞や一般紙などに投稿してみましょう。
手書きの清書の原本を、新聞社に投稿したり、コンクールに応募したりする場合は、清書のコピーの方を先生に送ってください。
新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(2)学年(3)自宅の住所(4)自宅の電話番号(5)学校名とふりがな(6)学校所在地(町村名までで可)など。
投稿する際は、ペンネームを本名に訂正しておいてください。作文の中に友達の名前が固有名詞で入っている場合は、イニシアルなどに直しておいてください。投稿する作文の内容は、保護者がチェックしてあげてください。
同じものを複数の新聞社やコンクールに送らないようにしてください。これは二重投稿といって、もし両方に掲載されてしまった場合、掲載先に迷惑をかけることになります。
●小学生新聞の投稿先
■104-8433東京都中央区築地3-5-4 朝日小学生新聞「ぼくとわたしの作品」係
■100-8051(住所はいりません毎日小学生新聞「さくひん」係(600字以内)
●新聞社に送る清書は市販の原稿用紙に
新聞社に送る清書は、市販の原稿用紙に書いてください。
その理由は、清書は個人で送るものなので、自分で用意した原稿用紙に書くのが、社会的なルールとなるからです。
※清書した作文を投稿しない場合でも、額などに入れて家の中に飾っておきましょう。
■■野口悠紀雄さんの記事「頭のいい人とそうでない人の格差がますます広がっていく…ChatGPTによる「勉強革命」がもたらすもの」を読んで考えたこと(その1)――勉強法の本質は実にシンプル。あとは実行するだけ
野口悠紀雄さんが、ChatGPTと勉強法の記事を書いていました。
ChatGPT「超」勉強法
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頭のいい人とそうでない人の格差がますます広がっていく…ChatGPTによる「勉強革命」がもたらすもの
https://president.jp/articles/-/79393?page=1
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この記事の前半部の話ですが、野口さんの提唱する勉強法はみんなの参考になると思うので、紹介します。
1.基礎から積み上げるのではなく、早めに全体を捉えて、そのあと部分を理解する。
言葉の森の課題の長文からの引用ですが、アインシュタインは、バイオリンの練習が嫌でたまりませんでした。
教える先生が厳しかったからです。
しかし、自己流で自分の好きな曲を弾くことにしてから、どんどん上達しました。
(「アインシュタイン―科学の巨人」より)
基礎からの積み上げは退屈です。
しかし、全体から取り組めば、その過程で基礎も学ぶようになります。
プログラミングクラスは、Scratchなどのビジュアルプログラミングから、JavaScriptなどのコードプログラミングに移るときに、急にハードルが高くなります。
JavaScriptの最初の勉強は、足し算をしたり引き算をしたりループの練習をしたりするだけで退屈なのです。
だから、今度からHTMLで簡単に全体が作れるプログラミングを始めることにしました。
全体ができてから、細部に移っていけばいいという考えです。
これが、HTMLエネルギー運動というものの本質です。
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「昔のインターネット」の精神を取り戻す、HTMLエネルギー運動
https://www.technologyreview.jp/s/325142/recapturing-early-internet-whimsy-with-html/
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基礎から積み上げるというのは誰でも考えつくことです。
しかし、それは、山登りで言えば、長いアプローチです。
明るい尾根にたどりつくまでに飽きてしまうことも多いのです。
だから、まず明るい尾根という先の展望に接してみることが大事です。
2.数学の問題は自分で考えて解くのでなく、解き方を暗記して、様々な問題に当てはめればよい。
数学の勉強法に限らず、あらゆる勉強法の基本が、この答えを理解する勉強です。
私(森川林)は、高校生時代、数学の難しい問題をずっと考えながら夜の街を何時間も歩いたことがよくありました。
昔は、それがいい勉強法だと思われていたのです。
しかし、それは、実は、最も能率の悪い勉強法でした^^;。
受験勉強のような答えのある勉強は、すぐに解法を見て理解することが大事だったのです。
人間が本当に考えるべき勉強は、答えのない勉強です。
岡潔さんは、数学の問題を考えるときに、何時間どころではなく、何か月も同じ問題を考えて続けていたそうです。
古くは、釈迦が考えていた問題も、答えのない問題でした。
釈迦は、人間が幸福に生きるためには何が必要かという答えのない問題を考えていたのです。
時間をかけて考えるのは、こういう答えのない問題です。
答えのある問題は、考えるのではなく、答えを理解すればいいのです。
3.何が重要かを把握し、努力をそこに集中すべき。
あらゆることを漠然とやるのではなく、重点を決めてやることです。
受験勉強でいちばん大事なのは、受験する志望校の過去問をまず解いてみることです。
過去問は、答えを見ながら解いていけばいいのです。
しかし、ほとんどの生徒は、過去問を解く勉強を秋の終わりごろになってから始めます。
学習塾や予備校でも、そうさせているところがあります。
私は、作文を教えている高校生に、いつも、過去問を早めにやるようにと言っていました。
しかし、これまで、それを実践した子は、ほぼ0パーセントでした(笑)。
なぜ志望校の過去問が大事かというと、勉強の重点がおのずからわかるようになるからです。
合格するために平均点が70点必要だとすると、80点の科目を90点にするよりも50点の科目を60点にする方がずっと楽です。
同じ10点の差であれば、楽なものから先にやることが作戦になります。
勉強を始める前の作戦が大事なのであって、勉強が一段落した秋になってから過去問をやっても、気休めにしかなりません。
勉強は、中身が大事です。
勉強している外見を気にする必要はありません。
まず自分にとっていちばん大事だと思うところを重点にしていくことです。
■■野口悠紀雄さんの記事「頭のいい人とそうでない人の格差がますます広がっていく…ChatGPTによる「勉強革命」がもたらすもの」を読んで考えたこと(その2)――未来の勉強は、ChatGPTとZOOMで
野口悠紀雄さんが、ChatGPTと勉強法の記事を書いていました。
ChatGPT「超」勉強法
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頭のいい人とそうでない人の格差がますます広がっていく…ChatGPTによる「勉強革命」がもたらすもの
https://president.jp/articles/-/79393?page=1
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好奇心が満たされるのは楽しいことだ。勉強の楽しさは、まさにこの点にある。それまで知らなかったことや疑問に思っていたこと、あるいは、あやふやにしか理解していなかったことが分かるのは、とても楽しい。
ところが、これまでの勉強は、必ずしも好奇心を満たすものではなかった。教科書によって勉強すべき内容が与えられ、それを理解したり覚えたりすることを強制されるからだ。このため勉強が苦痛になる。
多くの子供たちが、学校の勉強を「つまらない」と感じているが、その理由は、学校で教えられていることが、自分の関心事や好奇心に関係のないことだからだ。だから、興味を持てず、勉強はつまらないもので、辛いものになってしまう。
ところが、ChatGPTを用いれば、勉強が本来楽しいものであることが実感できる。
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答えのある勉強は、どんなにがんばっても100点しか取れません。
そして、100点を取る人は、たくさんではないにしても何人もいます。
100点を取るということで、自分の個性は発揮することはできません。
個性は、点数を超えたところで発揮するものです。
これは、勉強の成績に限りません。
スポーツの勝敗にしても、音楽のコンクールにしても、優勝したらおしまいです。
そして、1位になるのはたった1人で、のこりの何十人か、何百人かは、その他大勢です(笑)。
もちろん、その過程で、さまざまな努力があったり、成長があったり、出会いがあったり、感動があったりすることは当然ですが、その結果自体に個性が出ることはありません。
大事なことは、結果にも個性を出すことです。
これからは、多様な個性を持つ人が、それぞれに多様な個性を結果として表現する時代になります。
その身近な例が、YouTubeやクックパッドやSNSやブログや5ちゃんねるのような参加型のメディアです。
これからの勉強に必要なのは、従来どおりの基礎学力を積み重ねる勉強だけでなく、自分の個性を生かす勉強です。
しかし、個性を生かすためには、個性を育てる方法と、個性と表現する方法が必要です。
個性を育てるツールとして活用できるのがChatGPTです。
個性表表現するツールとして活用できるのがZOOMの動画レコーディング機能です。
13歳になると、Gmailのメールアドレスが作れます。
プロバイダとの契約によって、年齢に関係なくメールアドレスを作ることはできますが、将来プロバイダを変える可能性を考えると、Gmailなどのクラウド上に自分のメールアドレスを作っておく方がいいと思います。
自分のメールアドレスがあると、ChatGPTのアカウントが取得でき、ZOOMのアカウントも取得できます。
Gmailも、ChatGPTも、ZOOMも、無料です。
ChatGPTが使える勉強は、主に創造発表クラスと作文クラスとプログラミングクラスの勉強です。
勉強のアドバイザーとして利用するのであれば、国語クラス、数学クラス、英語クラスなどでも使えます。
国語、数学、英語などの教科の勉強は、点数という目標が勉強の動機になりますが、創造発表や作文やプログラミングは、発表するのが勉強の重要な要素になります。
創造的な勉強は、発表し合うことが動機になるのです。
発表するためのツールとして使えるのが、ZOOMのレコーディング機能です。
ZOOMで録画した数分の動画を発表室にアップロードすれば、それが客観的な目に見える発表作品となります。
自分で発表するのですから、あとで削除することも編集することもできます。
そこで、突然ですが(笑)、4月から、中学生以上の生徒のみなさんは、できるだけGmailとChatGPTとZOOMのアカウントを作るようにしてください。
もちろん、小学生でも、メールアドレスさえあればChatGPTとZOOMのアカウントは作ることができます。
ChatGPTは、勉強の内容を深めるために使います。
ZOOMは、勉強の結果としての作品を発表するために使います。
それぞれのアカウントの作り方は、ネットで検索すれば出てきます。
ChatGPTにアカウントを作ったあとは、ネットで検索するよりも、ChatGPTに聞くほうがわかりやすいこともあります。
4月から新しい創造的な勉強に取り組んでいきましょう。
■■中学生高校生の創造発表クラス募集。ChatGPTとZOOMを使った創造と発表の勉強。与えられる勉強から自分で作る勉強へ。大学入試の総合選抜入試に対応。更に、大学入試の先のベンチャービジネスを目指す
与えられた勉強に飽きている人は多いと思います。
そういう勉強は、詳しい参考書と問題集を1冊完璧に仕上げれば、それで十分です。
人に教えられたり、宿題を出されたり、テストをされたりする必要はありません。
それよりも大事なのは、自分にしかできない勉強をすることです。
ただ、学校の勉強は一応やっておかなければならないので、それは全科学力クラスなどで定期的にこなしておけばいいのです。(宣伝ではないです)
自分にしかできない勉強は、ひとりではなかなか進みません。
それは、目指すべき既成の価値観がないからです。
私(森川林)は、鳥が好きで、中学3年生のころにジュウシマツをたくさん飼っていました。
そのときに、ある尊敬する人から聞いた言葉が、
「そんなことしていないで、もっと受験の勉強をしないとね」でした(笑)。
そのときに、私は、そうだろうなあと思いつつも、ふと違和感を感じたのです。
人間の生きる目的は、自分の好きなことをすることです。
他人に与えられた勉強をして、成績を上げて、褒められることは、それはそれでいいのです。
しかし、もっといいのは、褒められる人生ではなく、自分のしたいことをする人生です。
大人の人は、そういうことは生活が安定してから言いなさいと言うかもしれまぜん。
しかし、生活が安定するころには、みんな、おじいさんやおばあさんになっています(笑)。
まず、今、自分のやってみたいとことをやることです。
ただし、何も予備知識がないままに、自分のやりたいことをやろうとしても、それは夢の空回りになるだけです。
そこで活用できるのがChatGPTをはじめとするAIテクノロジーです。
ChatGPTというアドバイザーと相談しながら、自分の本当にやりたいことを探求していくのが、新しい勉強です。
世の中は、これから大きく変わります。
世の中の変わるスピードよりも速く自分を変えていくことがこれからの生き方です。
勉強に余裕のある中学生高校生の生徒のみなさんは、創造発表クラスの体験学習に参加してください。
毎週、水曜日19:00に、創造発表クラスを開催しています。
勉強に、まだあまり余裕のない人でもいいです(笑)。
話は、全然変わりますが、最近、私がいいなあと思った歌です。
みんな、心の中では自分らしく生きたいと思っています。
しかし、それを我慢しているうちに、次第に自分らしく生きることを忘れてしまうのです。
だから、若いうちに、まず自分らしい生き方を始めることです。
▽「YELL」いきものがかり
「"わたし"は今 どこに在るの」と
踏みしめた足跡を 何度も見つめ返す
枯葉を抱き 秋めく窓辺に
かじかんだ指先で 夢を描いた
翼はあるのに 飛べずにいるんだ
ひとりになるのが 恐くて つらくて
優しいひだまりに 肩寄せる日々を
越えて 僕ら 孤独な夢へと歩く
サヨナラは悲しい言葉じゃない
それぞれの夢へと僕らを繋ぐ YELL
ともに過ごした日々を胸に抱いて
飛び立つよ 独りで未来の 空へ
僕らはなぜ 答えを焦って
宛ての無い暗がりに自己を探すのだろう
誰かをただ 想う涙も
真っ直ぐな 笑顔も ここに在るのに
"ほんとうの自分"を 誰かの台詞で
繕うことに 逃れて 迷って
ありのままの弱さと 向き合う強さを
つかみ 僕ら 初めて 明日へと 駆ける
サヨナラを誰かに告げるたびに
僕らまた変われる 強くなれるかな
たとえ違う空へ飛び立とうとも
途絶えはしない想いよ 今も胸に
永遠など無いと (気づいたときから)
笑い合ったあの日も (唄い合ったあの日も)
強く 深く 胸に 刻まれていく
だからこそあなたは (だからこそ僕らは)
他の誰でもない (誰にも負けない)
声を (挙げて) "わたし"を 生きていくよと
約束したんだ
ひとり (ひとり) ひとつ (ひとつ) 道を選んだ
サヨナラは悲しい言葉じゃない
それぞれの夢へと僕らを繋ぐ YELL
いつかまためぐり逢う そのときまで
忘れはしない誇りよ 友よ 空へ
僕らが分かち合う言葉がある
こころからこころへ 声を繋ぐ YELL
ともに過ごした日々を胸に抱いて
飛び立つよ 独りで 未来の空へ
■■意見文の意見はどう書けばよいか。著者の意見に共感することが出発点。
小論文の書き方で、「自分独自の考えを書け」というアドバイスを見ることがあります。
しかし、中学生、高校生では、自分独自の考えなどはまだないのが普通です。
感想文の課題で、もとになる文章を読んだとき、賛成できる部分と、賛成できない部分があります。
そこで、賛成できる部分を中心に、自分の意見を展開することが考えを発展させます。
賛成できない部分を中心にしようとすると、その著者の低いところを批判するような文章になってしまうからです。
人の欠点を批判しても、何も生まれません。
人の長所を、自分なりに広げていくことが、深く考える道です。
クリティカルシンキングという言葉が流行っていますが、そういう言葉にとらわれるのではなく、あらゆるものを批判の目ではなく、共感の目で見ることです。
共感の目で見るためには、どうしたらよいかというと、ひとつは、自分なりの「似た例」を考えることです。
もうひとつは、自分なりの「反対意見への理解」を考えることです。
そして、更にもうひとつは、自分なりの「予測問題の主題」を考えることです。
■■【合格速報】
●関西外語大学国際共生学部
●立命館アジア太平洋大学アジア太平洋学部 H.K.さん
<担当講師より>
合格とのこと。本当におめでとうございます。
小2から高3まで表現や体験の項目を必ず入れて作文や意見文では、いつも1000字以上を書き上げています。定期試験中でも欠かさず作文を書き続け、色んなことをこつこつと継続することができる本当に努力家です。
●福岡工業高校(公立) K.H.さん
<担当講師より>
先日、福岡工業大学付属城東高校にも合格したとの連絡をしましたが、受験2校、合格2校の全勝でした。
どんなに苦手でも、この国語読解クラスでコツコツと勉強すれば、必ずできるようになる、という見本のような合格です。
本当によくがんばりました!おめでとうございます!
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● 言葉の森新聞2024年3月3週号 通算第1795号 (7835字) 言葉の森事務局 jun 2024年03月15日 11時18分
15902 (言葉の森オンライン新聞)
言葉の森新聞2024年3月3週号 通算第1795号
文責 中根克明(森川林)
■■3月20日(水)は「休み宿題」
カレンダーに記載してあるとおり、3月20日(水)は「休み宿題」となります。
作文個別と作文クラスの生徒は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考に自宅でその週の課題を書いて提出してください。他の日に振替授業を受けることもできます。
「授業の渚」
http://www.mori7.com/nagisa/index.php
「ヒントの池」
http://www.mori7.com/mine/ike.php
作文以外のクラスの生徒も他の日に振替授業を受けることができます。
■■【合格速報】
●東京大学理科三類・慶應大学医学部 K.T.さん
<担当講師より>
小学校低学年から長く続けてくれた生徒です。
医学部に進学しますが、歴史にも詳しく、作文も得意で、毎回、くわしい歴史実例を入れながら素晴らしい作文を仕上げていました。
これからもますますがんばってくれることと思います。
合格おめでとうございます!
●明治大学法学部・中央大学法学部・立教大学法学部・上智大学法学部 T.K.さん
<保護者様より>
K先生、ありがとうございます。
言葉の森では、三名の先生に長くお世話になりました。今思えば、聞いた話のところで話をするのが、親としては楽しくいい時期だったなぁと思います。少し前に小学生の頃の作文を見返したところ、こんな話をしていたか…と自分でもおかしく、笑ったり泣いたりでした。読解力も書く力も言葉の森で身につけることができました。おかげ様で、進学先が決まりホッとしております。本人は、今は小中学生の頃に戻り、ハリーポッターを夢中でハイペースで読んでおります。速読力も身についたかもしれません(笑)
<担当講師より>
Kさん ずっと作文を頑張ってこられました。私が最後の担当で、受験勉強に専念されるため言葉の森を卒業されていました。
思えば、中高一貫の難関校に挑んだときも、言葉の森におられました。努力家で、強い気持ちをもつKさんの新しいスタートをお祝いします。おめでとうございます!
●栃木県立宇都宮高校 I.T.さん
<担当講師より>
受験コースでは、自分の書きたいことを限られた字数で表現する力がつきました。受験日の3月を迎えるまで、一生懸命頑張りました。合格、おめでとうございます!
<担当講師より>
おめでとう!
受験勉強中も、硬い説明文の本をばりばり読んでいました。
受験が終わったら、しばらくゲームで遊んで(笑)、それから高校生活の作戦を決めるといいと思います。
■■大学入試が終わり、晴れて大学生になったみなさんに。大学生時代は、学問とビジネスと出会いの時代。
早い人は、小学生時代からの長かった勉強が終わり、やっと大学というゴールに入ったことで一安心していると思います。
でも、その安心の気持ちは、1週間ぐらいで切り替えて、新しい挑戦に向かっていくことが大事です。
挑戦のひとつは、学問です。
大学生時代は、時間がたっぷりあります。
普通に勉強していれば、単位を落とすようなことはまずありません。
大学での勉強は、普通にやっておけばいいのですから、もっと大事な本当の学問をすることです。
本当の学問とは、難しい本を読むことです。
高校時代の倫理や政経や歴史の教科書に載っていた名前だけは知っている本を読んでいくことです。
私(森川林)が、大学生時代に読んで印象に残っている本は、
「ヘーゲルの精神現象学」(ヘーゲル)
(その解説書「ヘーゲル精神現象学の生成と構造」(イポリット))
「存在と無」(サルトル)
「雇用利子貨幣の一般理論」(ケインズ)
「葉隠」(山本常朝)
「成功の実現」(中村天風)
などです。
教科書に載っていない本や、難しくない本もありますが(笑)。
岩波文庫の青帯、白帯は、かなり時代が古いですが、世界の古典が載っています。
こういう本は、大学生時代以外は読めません。
社会人になったら、そんなまだるっこしい本は読んでいられないからです。
しかし、若いときに読んだ難しい本は、自分の考え方の骨格を形成します。
だから、大学生になったら、まず難しい本を読むことです。
もうひとつの挑戦は、広い意味でのビジネスです。
新しい仕事を自分で作り出していくことです。
もちろん、学生時代にやる仕事ですから、本格的なものではありません。
また、大学生のときに始めるような仕事は、たかが知れています。
誰もが考えつくようなことをやるのがせいぜいです。
しかし、物事のスタートは、みんなそうです。
その誰もが考えつくような仕事であっても、40代や50代になってから始めるのでは遅すぎます。
失敗しても、何度でも再チャレンジできる20代でやっていくのがいいのです。
そのチャレンジが、将来の仕事に結びつくことはたぶんありません。
しかし、チャレンジしたということが、必ずあとで生きてきます。
それは、チャレンジすることを恐れないようになるからです。
3つ目の挑戦は、サークル活動に参加することです。
大学生時代は、出会いの場が豊富にあります。
大学での勉強だけをするのではなく、いろいろな人と出会う場を自分で見つけていくことです。
ただし、政党や宗教と結びついたサークルには参加しないことです。
そのためには、信頼できる先輩に聞いてみることです。
ネットで調べるだけでもかなりわかります。
大学生時代は、勉強力以外に、調査力も必要になるのです。
しかし、今は、そういう政治や宗教と結びついた団体はあまりないと思います。
たとえそういうところに入ったとしても、すべていい経験だと思えばいいのです。
大学生のみなさんは、新しい環境にどう取り組んでいくかということを、入学前に考えておくといいと思います。
■■受験作文と入試小論文の未来の姿。学力の中心は、考える力と創造する力になる。進んだ学校では、AI技術によって作文や面接を評価するようになる。しかし、その先の未来は、入試自体がなくなる可能性
公立中高一貫校の受験作文の課題は、昔は牧歌的なものでした。
「小学校時代の思い出」というような誰もが書ける課題が出されていたのです。
しかし、こういう課題は、事前の準備ができれば、誰でも上手に書くことができます。
そのため、次第に、文章を読ませてその感想を書かせるようなかたちの作文課題になりました。
しかも、複数の文章を読ませて、その共通性の面から感想を書かせるような凝った課題を出すようところが増えてきたのです。
この理由の第一は、採点が大変だったからです(笑)。
易しい課題で合格圏内にある作文をすべて読むというのでは、採点者の負担が大きすぎます。
そこで、難しい課題で、一応時間内に規定の字数まで書けた作文に絞って、採点をするという試験の方法になったのです。
かなり昔、東大と京大が、学部によってですが、入試に小論文の課題を出した時期がありました。
それらの問題は、かなりいい問題だと評判がよかったのですが、やがてその入試はなくなりました。
理由のひとつは、問題を作るのが大変だったからです。
もうひとつの理由は、やはり採点が大変だったからです。
採点の負担を解決する方法は簡単です。
文章の自動採点を導入すればよいのです。
そうすれば、問題の作成も、それほど凝る必要はなくなります。
現在、ChatGPTは、文章を要約することも、簡単なメモを文章化することも、長い文章を短くすることも、長くすることも、日本語で書くことも、英語で書くことも、関西弁で書くことも自由にできます。
このAI技術を応用すれば、文章の採点はすぐにできます。
その方法は、こうです。
作文には、小学生の書いたものから、中学生の書いたもの、高校生の書いたもの、大学生の書いたものなどいろいろな年齢の生徒が書いたものがデータとして多数あります。
それらを読み取って、その作文が、何年生ぐらいの生徒が書いたものかを推測させればいいのです。
すると、大学入試の作文でも、中学生レベルのものから、高校生レベルのものや、とっくに大学生レベルになっているものまで幅広くあることがわかります。
ただし、こういう評価をするためには、作文の字数は1200字以上であることが必要です。
字数が短いと、誤差が大きくなるからです。
また、できれば、1本の作文ではなく、数本の作文を書かせる必要があります。
書く生徒は大変ですが(^^ゞ、採点する方はAIですから、一瞬にしてできます。
この試験を実施するためには、手書きOCRの機能はまだ不十分でしょうから、試験会場ではポメラのような端末を配備して、全員が一斉に作文のテキスト入力をする必要があります。
いずれ、大学入試では、こういうデジタル作文試験が導入されるようになると思います。
高校入試や中学入試でも、できないことはありません。
更に先のことを考えると、口頭試問もAIで評価することができます。
AIで、大体の基準以上になった人だけを、人間が実際に作文を読んだり、面接をしたりすればいいのです。
しかし、更に先のことを考えると、そのうちに、入試で生徒を採点すること自体が必要でなくなります。
それは、将来の学校は、オンライン化するからです。
現在、入試があるのは、リアルな学校に入ろうとするからで、リアルな学校には決まった数の座席しかないからです。
その座席の数に合わせて入試が行われています。
しかし、オンラインであれば、デジタルの座席の枠に制限はありません。
学生どうしの交流の場としては、時どき遠足やサマーキャンプを行えばいいのです。
これが、大学の人気を最も左右するイベントになるかもしれません。
オンライン化された学校では、国境はありません。
Zoomの授業でも、翻訳機能を使えば、どの国の人でも参加できます。
遠足やサマーキャンプのリアルな交流の場では、ポケトークのようなものを使えばいいのです。
こういう機器は、今後もっと進化してウェアラブルになり、使用している感覚がなくなります。
リアルな海外留学というのは、そのうちに死語になります。
そのかわり、リアルな海外遠足や海外合宿が普通になってくると思います。
以上、だいぶ先のことまで書きましたが、大事なことは、これからの勉強は、知識の詰め込みと再現ではなく、考える力が中心になるということです。
更に、考える力に創造力の加わったものが、本当の学力になるということです。
今、小中高生と保護者のみなさんは、そういう未来の姿を想定して、子供の教育を、考える力と創造する力を育てる方向に向けていくことが大事になっていると思います。
※意見文の書き方の記事を書こうとしましたが、その前提として受験作文の話を書いたら、それだけが長くなってしまいました。
意見文の書き方については、次回の記事に載せます。
■■中学生、高校生の意見文の書き方。小学6年生が作文指導のゴールになっていては、小学6年生も十分には教えられない。中学受験作文に対応するには、意見文を書くという先の見通しが必要
作文の学習が、本格的に考える勉強になるのは、中学1年生からです。
小学6年生でも、結びの感想の部分を一般化の主題として大きく考えるという課題はありますが、まだ本格的なものではありません。
小学生の作文は、題材(実例)が中心になるので、感想はまだ脇役なのです。
しかし、中学生や高校生の指導に進む見通しがあって初めて、小学6年生の指導も充実した教え方ができます。
近年の中学受験の作文では、入試の作文課題で、意見文を書かせるところも出てきました。
例えば、あるテーマについて自分の意見を書き、その理由を書き、その理由の裏付けとなる体験実例を書くというような書き方です。
意見の書き方は、大きく分けて3つあります。
第一は、良いか悪いかという意見の書き方です。
これは、言葉の森では、是非の主題と呼んでいます。
よいか悪いかという意見を書いたあとの構成の仕方は、その意見の理由を書くという書き方です。
初期の段階では、この理由を書くという書き方ができず、単なる実例を書いてしまう人がかなりいます。
理由を書くためには、抽象的なことを考える語彙が必要になるからです。
意見文の書き方の第二は、「べき」という書き方です。
これは、言葉の森では、当為の主題と呼んでいます。
「どうするべきか」という意見を書いたあとの構成の仕方は、その方法を書くという書き方になることが多いです。
方法を書くときに大事なことは、方法の幅を広げることです。
中学生や高校生が書く方法の多くは、個人の心構えのような人間的な方法だけになりがちです。
心構えのような方法だけでは、方法の幅が広くなるので、社会的な方法も必要になります。
中学生や高校生が最も身近に感じる社会的な方法は、学校教育のあり方です。
日常的に学校教育に接しているので、そのよい面も悪い面も具体的にわかるからです。
社会的な方法は、背伸びをせずに、自分のよく知っている社会の分野から始めていくことが大事です。
意見文の書き方の第三は、「問題」という書き方です。
今の世の中で、何が問題かという問題提起をする書き方です。
言葉の森では、これを社会問題の主題と呼んでいます。
「○○が問題だ」と書いたあとの構成の仕方は、その原因や対策を書くという書き方になります。
原因には、大きく分けて、社会的空間的な原因と、歴史的時間的な原因とがあります。
社会における問題の種類は多様ですが、原因の種類はかなり限られています。
しかし、同じような原因を書いたとしても、その裏付けとなる実例を多様なものにしていけばいいのです。
社会問題の主題の発展したものが予測問題の主題です。
これは、今の問題を書くだけでなく、その問題が解決された先に生まれるであろう新しい問題を予測する書き方です。
これを、言葉の森では、予測問題の主題と呼んでいます。
予測問題の主題に対する構成の仕方は、対策を書くということです。
しかし、具体的な対策を書くためには、予備知識が必要です。
だから、対策は、対策の方向として考えていけば十分です。
対策の方向は、大きく分けて、自主、民主、公開、発明というところで考えられます。
社会的な問題の対策は、社会的に考えられがちですが、実は社会問題の解決の多くは、新しい発明によってなされました。
だから、発明という方向も、社会問題の対策のひとつとして考えていく必要があるのです。
意見文の書き方は、小学6年生では、まだ練習しません。
しかし、教える先生が、そういうことも教えられる見通しで作文指導をしていることが大事です。
■■学校の算数数学と受験の算数数学の乖離。学校の算数数学の問題集では力がつかない。自分で独自に問題集を用意して1冊の問題集を夏休みなどに完璧に仕上げることが大事。算数数学の勉強は、解法を見て繰り返し理解すること
昔は、学校の算数数学ができれば、受験にもそのまま対応できました。
しかし、今はそうではありません。
特に算数数学に関しては、易しい普通の問題と難しい受験用の問題の差が激しいのです。
だから、学校の算数数学がよくできても、受験の算数数学はできないということが起こってきます。
私は、子供たちの本当の学力は、読む力と書く力だと思います。
難しい大量の文章を読み取る力と、自分なりに考えてそれを文章に書く力があれば、それで十分です。
しかし、算数数学に関してはそうではありません。
意外なことに、読む力も書く力もある子が、算数数学があまり得意ではないことがあるのです。
それは、受験用の算数数学を勉強していなかったからです。
だから、時間をかければ、必ずできるようになりますが、算数数学は、上達に時間がかかります。
同じように、英語も上達に時間がかかります。
だから、算数数学と英語は、苦手意識を持つとそのまま苦手が定着してしまうことがあるのです。
これを解決するためにはどうしたらいいかというと、ひとつは、入試で算数数学のクイズを解くような難問を出さないことです(笑)。
どんな難問も、解法を理解して、その解き方に慣れればできるようになります。
しかし、そういう難問を解く訓練をしても、頭がよくなるわけではありません。
ただ時間を費やしたというだけのことです。
そうは言っても、入試の算数数学には対応しなければなりません。
個人でできる勉強法は、夏休みなどの長期間の休みのときに、算数数学や英語だけを集中して勉強することです。
1か月の集中学習で、成績は驚くほど上がります。
つまり、算数数学や英語は、そういうレベルの勉強なのです。
時間をかければ、誰でもできるようになるということです。
算数数学の勉強法は、ただ問題を解くだけではなく、1冊の問題集のできない問題が1問もなくなるまで繰り返し解くことです。
そのためには、問題を解こうとするのではなく、すぐに答えを見て、解法を理解することです。
易しい問題を何問解いても力はつきません。
しかし、子供も親も、勉強している雰囲気にとらわれるので、できる問題を繰り返し解くことを勉強のように考えてしまうことがよくあります。
できる問題を解く方が、子供にとっても楽しいので、力のつかない算数数学の勉強をしている子がかなりいます。
ほとんどの子がそうだと言ってもいいかもしれません。
小学校の低中学年のころは、親が解き方を教えることができます。
しかし、小学校高学年になると、親でも、解法を見ながらでなければ解けない問題が出てきます。
そこで、勉強を子供本人や学習塾に任せてしまうと、子供はできる問題だけを解き、できない問題はそのまま放置してしまうようになります。
今の問題集のほとんどは、解法が充実しています。
難しい問題でも、解法を見れば理解できるようになります。
子供に答えや解法を渡さない塾や学校もありますが、それは論外です。
そのできなかった問題に印をつけておき、それを何度も繰り返し解くことが勉強です。
中高生の問題になると、1回目にできなかった問題は、2回目もできないことが多いです。
3回目も、4回目もできないことがあります。
しかし、ほとんどの問題は、4回目か5回目になればできるようになります。
ところで、親が子供に勉強を教える場合、言ってはいけない言葉は、「こんなこともわからないの」です。
それは、親の自慢になるだけで、子供のやる気にはつながりません。
子供のできない問題は、いつも笑顔で何度も同じように繰り返し教えることです。
その繰り返しには、日を置くことが大切です。
その日のうちに理解させようと思うと無理が出てきます。
最初の日は軽く教えるだけで、子供が理解できなくてもいいのです。
次の日も軽く教えるだけで、また子供が理解できなくてもいいのです。
次の日も、次の日も、軽く教えていると、子供はいつか当然のように理解できるようになります。
理解には、繰り返しの時間が必要なのです。