小学生時代の勉強生活 

 犬を例にとるのは、どうかとも思いますが、子供の躾を考えるときに、犬の躾との共通点がかなり多いように思います。自分で実際に子育てと犬育てをして、そう思いました。

 その共通点は、(1)最初に、いい癖をつけてしまう、(2)一度決めたら例外を作らない、(3)時には叱ることも大事だが愛情を忘れずに、などです。

 犬の場合、生まれつき躾のしやすい性格とそうでない性格の違いというものは、確かにあるようです。シベリアンハスキーなどはもともと山野をかけめぐる元気者ですから、なかなか人間のペースに合わせておとなしく生活することができません。その反対にゴールデンレトリバーなどは、生まれつき穏やかな性格の犬なので、躾がしやすいということはあります。しかし、生まれつきの性格よりも、やはりその後の育て方が躾を左右します。

 「吠えない」「呼んだら来る」「決まった場所をトイレにする」などの躾は、「お手」や「おかわり」の芸よりも、優先して教える必要があります。子供の時分に吠えることを覚えたり、呼んでも来ないことを覚えたりすると、成犬になってからは治すことはまずできません。我が家の犬の躾で失敗したのは、「決まった場所をトイレにする」ということです。盲導犬などは、出かける前にトイレを済ませて行くのだと思いますが、そういう躾ができていると、散歩がかなり楽になります。人間の都合だけですが。^^;

 人間の子供で言えば、「身の回りをいつも整理しておく」「決まった時間に勉強をする」「うそをつかない」「弱い者をいじめない」などが、最初に教える基本の躾になると思います。我が家の躾で失敗したのは、「身の回りをきちんと整理しておく」です(笑)。これらは、小学校低学年のうちに習慣づければ簡単に身につきますが、小学校中学年を過ぎると、なかなか身につきません。長文音読などの自習の習慣も、小学校2年生までに始めれば毎日楽にできるようになりますが、小学校高学年を過ぎると継続するにはかなり強い意志力が必要になります。

 貝原益軒はその著書「和俗童子訓」の中で、教育の基本は「予(あらかじめ)する」だと述べています。その現象が生じる前にあらかじめ教えたことは無理なく定着します。その現象が生じてから対処療法的に教えたことはなかなか身につきません。いま中学で教えている禁煙教育なども、喫煙する生徒がちらほら出始めてから教えても効果があまりありません。禁煙などとはまったく関係のない小学校低中学年のころに教えたほうが効果が上がります。

 「予(あらかじめ)する」ためには、同じことを何度も飽きずに繰り返す必要があります。ムラがあるというのは、そのこと自体は人間味のある性格ですが、子供を育てる上では大きなマイナスになるようです。子供は、決まった時間に起きて、決まった時間に勉強をして、叱られる基準もほめられる基準も決まっている中で、決まりきった生活したほうがのびのびと成長できます。あるときは夜更かしをして、あるときは猛烈に勉強をして、時には甘く、時には辛く、その場の雰囲気で注意されたり注意されなかったりするという環境では、正しく成長することはできません。

 高校生以降になれば、ふだんはのんびりしていて、試験前に猛烈に勉強して、試験が終わったらたっぷり遊ぶというような生活も変化があっていいと思いますが、小中学生のころは、そういう生活の仕方をするべきではありません。休みの日も平日も、雨の日も晴れの日も、毎日同じように決まった生活をするという枠組みを親がしっかり作っておく必要があります。



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