元の記事:3.3週 (753字)
ゆうと aetoku 2025/03/25 10:28:06 46384
1 
妖怪「もったい」は「もの」につき、人にそれを捨てさせたり拾わせたりする働きを持つ。我々の文明は「狩猟採集時代」から「消費遺棄時代」へと移行する中で、この妖怪を人為的に操作し始めた。産業革命により大量生産が進んだが、消費が追いつかないという問題が生じたためである。通常であれば、生産を抑えるのが合理的だが、文明は逆に生産を増やし、余剰分を捨てさせる方向へと舵を切った。そのために活用されたのが「もったい」だった。この妖怪の力を利用するため、流通の専門家たちは包装紙や化粧箱に「もったい」を仕掛け、それらを開けた瞬間に中の商品へ移るようにした。すると、人々は購入したものをまだ使えるのに「重い」「わずらわしい」と感じ、捨てたくなる。こうした仕組みにより、「捨てるために手に入れる」という本来矛盾した消費行動が定着し、「消費を上回る生産」という経済構造が成立した。こうして現代の流通経済は円滑に回り、人々は満足して生活しているが、その裏では妖怪「もったい」の巧妙な操作が働いているのである。
もっとモノを大切にするべきだ。僕は物をすぐに無くしてしまう。今までに傘や消しゴム、鞄などをいろんなところで無くしてきた。
経済を発展させるためには、古いモノを捨て新しいモノに置き換える新陳代謝も必要だ。昔話の桃太郎でも桃太郎は、おじいさんおばあさんと一緒に暮らす村社会という古いモノを大切にする一方で、鬼が島に鬼退治に行くという誰も成し遂げたことのない新たな試みに挑戦した
確かにモノを大切にすることも、経済発展のためにモノの新陳代謝を進めることもどちらも大事だ。しかし、いちばん大切なことは、「自分の心のうちに持っていないものは何一つ自分の財産ではない。」という名言があるように、心豊かに自分の満足する生活を送ることである。