受験作文コースの相談会で、次のような質問がありました。
「書くスピードはついてきたが、実例が長すぎて、意見が短くしか書けないことがある」。
こういうケースは、よくあります。
しかし、これと反対に、実例が短すぎて、意見が長くなってしまう子もいます。
意見の部分が長くなると、同じことを繰り返すようなまとめ方になります。
そうすると、密度の薄い作文になってしまいます。
作文試験という場になると、受験生は早く書き上げたいという気持ちが出るので、全体のことをあまり考えずに書き出しがちです。
すると、実例の部分を書いているうちに、だんだん全体の見通しを忘れてしまうことがあるのです。
この問題を解決するには、構成を意識して書く習慣をつけることです。
具体的には、自分が書く文章の段落の数を4段落とか3段落とか決めておき、それぞれの段落の字数の見通しとなるところに、薄く線を引いておくのです。
できれば、そこに目標とする時間も書いておくと安心です。
800字の作文全体で、字数を時間をコントロールするのは大変ですが、200字ずつの4段落を目安にすれば、字数も時間もずっと把握しやすくなります。
そうすると、ある段落が長くなってしまった場合、次の段落を短くするというようなやり方で対応していくことができます。
気ままに書く文章と、作文試験で書く文章の違いは、ここにあります。
試験とい限られた時間で、失敗しない作文を書くためには、全体の構成を意識して書くことが必要なのです。
普段の作文の練習は、この全体の構成にあてはめる、実例や表現や意見のストックを作っておく練習と考えておいてください。
作文試験の本番で、自分がそれまでに書いた作文の中から、一つでも入れられそうなものを思いつけば、作文はかなり書きやすくなります。
2つか3つ思い出せば、それだけで自分の実力の百パーセントを発揮できるようになります。
試験の時期まで1か月を切るようになったら、新しい作文を書くよりも、これまでの作文のを何度も読み返し、同じテーマで同じことが時間内に書けるように練習し、作文の構成力を付けてていくといいと思います。
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作文試験は、教科の試験に比べると、自分の出来具合の予測がつきません。
だから、受験生は、作文試験に不安を感じるのです。
その不安を自信に変えるためには、事前に自分なりの得意な材料を用意しておくことです。
その目安は、出そうなテーマで10本の作文を書くことです。
そして、その自分の書いたものを何度も繰り返し読んで、頭に入れておくのです。
受験作文は、近い将来、人工知能による採点になると思います。
最終判断は人間ですが、全体の8割か9割は、人工知能の採点で十分に対応できます。
今の作文試験のいちばんの問題点は、人間が採点をするので採点の負担が大きすぎ、作文試験自体が広がらないことにあります。
人工知能による採点の要は、その受験生がどれぐらいよく考えて書いているかということです。
すると、受験勉強自体が、知識の詰め込み中心から、自然に、思考力重視のものに変わっていくのです。
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