心 |
アジサイ | の | 空 | の広場 |
裕子 | / | にこ | 大4 |
「今年の自殺者、過去最高の数値」という気の滅入るような記事を目にした。 |
不況の影響によるものばかりかと思いきや、詳しく見ると経済とはまだ縁の薄 |
いと思われる中高生が多く含まれていることを知り驚いた。原因はイジメ、受 |
験などさまざまだ。今、多くの子供たちが心に深い傷を負っている。 |
しかし、外国の人々からは「日本の子供は恵まれていてうらやましい」とい |
う声をよく耳にする。たしかに小さい頃からテレビゲーム、おもちゃ、洋服と |
好きな物を買ったもらい、たっぷりの栄養を与えられてアフリカの子供のよう |
な飢えを知ることもない。立派な大人になれるようにと学校以外に塾へと十分 |
な教育を施され、まさに至れり尽くせりの育てられ方をしている。だが、日本 |
の子供たちの現実はイジメ、学級崩壊という言葉をよく耳にするようになった |
よう、真の豊かさの影は薄い。現代の豊かな環境にいて、なぜ子供たちは心の |
豊かさまで手にすることが出来ないのだろうか。 |
私は、その原因が‘至れり尽くせり’の物質的な豊かさそのものにあるよう |
に思う。今の子供たちは与えられるばかりで自分から選択することが少ないよ |
うに思う。昔は貧しいからこそ自分達で切り開いていこうと努力した。そこか |
ら、探求心、冒険心が生まれ心にいろいろなスパイスを与えてくれた。今年8 |
3歳になる私の祖父は若い頃貧乏で学校になかなか進めず苦労した話をよく熱 |
く語ってくれる。でも彼は、そこでの経験がいまの自分のエネルギーになって |
いると言う。今は最初からなにもかも揃いすぎている。だから自分で切り開い |
て行くエネルギもうまれないのだ。 |
では、いま子供たちの心に豊かさを取り戻す為に私達は何が出来るだろうか |
。それは、物ではなくチャンス、選択権を与えてあげることだと思う。一方的 |
に子供を物で取り囲み教育して方向付けてしまうのではなく、世の中にはこん |
なにも興味深いことがたくさんあるということを教えてあげるのだ。以前テレ |
ビで子供が運営主体という学校の特集があった。そこでは子供たちが勉強内容 |
も規則もすべて決める。最初は何も与えられていない、子供たちが自分でつく |
りあげて行く世界だ。試行錯誤しながらも自分たちの学校をつくっていく子供 |
たちの表情がとても生き生きしていたのを今もおぼえている。このような試み |
はもっと行われていいと思う。そのためにはまず私達大人の側からも真の豊か |
さは物を与えるだけでは得られないとはっきり認識する必要があると思う。た |
しかに、物質的な豊かさがあるからこそ子供に与えられるチャンス、機会の幅 |
が広がるということもある。しかし、物質的豊かさが自動的に心の豊かさにつ |
ながるわけではない。新聞欄の胸の痛むような数字を打ち消すためにも物を与 |
えるだけでなく心を導いてあげることが大切であると思う。 |
先生へ |
久しぶりだからと言うわけでもないんでしょうが、とってもとっても不出来な |