| 「ものの価値」 |
| アジサイ | の | 峰 | の広場 |
| 玲子 | / | あそわ | 高2 |
| ものには財産であったり地位や名誉の象徴そしてお守りなんていうさまざま |
| な機能がある。お守りをくだらないものだと言う人もいるが、あるものに自分 |
| の思いいれを強く込めて大事にすることは人間にとって大切なことではないの |
| だろうか。しかし、現在の社会ではものの価値は金額というものに少しとらわ |
| れ過ぎている気がする。 |
| その原因は現在、日本という国はたいへん豊かになり日本にいても海外のも |
| のを簡単に手に入れやすくなった。社会にはものがあふれている。このことは |
| とても便利で素晴らしいことだが同時に人間のものに対する執着心を失わせそ |
| の結果「お金」というものででしか価値を求めることのできない人間を生み出 |
| してしまったのだ。 |
| ある日ものの鑑定をしてくれる番組を見ていると依頼者の人が大事そうに掛 |
| け軸かなんかを持ってきて「これは祖母から受け継いだもので祖母との思い出 |
| がたくさんつまっているんです。」と言って鑑定をしてもらっていた。すると |
| 金額はお世辞でもいいとは言えない大変低いものであった。予想通り依頼者の |
| 横に立っていた依頼者の子供達はいかにもというような悔しい顔をしていたが |
| 依頼者のほうは登場してきた時と同じように掛け軸を大事にしまい帰って行っ |
| た。それを見ていてものの価値というもには二種類あり一つは金銭的な面での |
| 価値、二つ目は精神的な価値だ、と思った。 |
| たしかに金銭的な面での価値というものは大切だと思う。しかし、精神的な |
| 面での価値というものから目をそらしては人間さみしい一生になってしまう。 |
| どんなものにもこの二つの価値が同時に存在していると思う。金銭的な価値は |
| 誰にでも同じ値段だ。しかし、精神的な価値というものはそのものに対する一 |
| 人一人の愛や思い出などといったものの量で決まるものだ。つまり自分にしか |
| 理解できない値段なのだ。このようなことは人間が生きていく上で活力になっ |
| たり励みになったりと、もしかしたら生きる幸せを見つけることなんかにも手 |
| を貸してくれるかもしれない。だからこんな素敵なものの見方を見つけること |
| ができない人達はとてもかわいそうで大きな損をしているのだ。 |