道2 |
アジサイ | の | 池 | の広場 |
潤之介 | / | かな | 中1 |
私が市場へゆく道は、いかにも自然発生的な細いやさしい道だ。家と家との |
間に何となく作られた人間のふみならした道だ。ところが、その道は最近アス |
ファルトがしかれてしまった。夏の日など、かごを下げて歩いてみると、いか |
にもむんむんして照りかえしがきつい。それに何ともふぜいがなくなった。最 |
近ある方から石を一ついただいた。平べったい薄茶色の石で、おもしろいのは |
、全体にキララ(光る鉱物の一種)が入っていることで、光を受けて小さく一 |
せいにまたたく。無味乾燥なアスファルト道路、車が通るだけのための道に、 |
こんな石はないのだ。道が一番道らしいのは、人間のくらしをあたたかに支え |
、いろいろなものを発見することのできるふみしめられた道である。この事だ |
けは忘れてはならないのだ。 |
私もこういうことがある。そこはもう既に、マンションになって舗装されて |
しまっているが、3年前まで、土があり、草があり、ゴミがあって(笑)、虫 |
がいた。よく友達と一緒に、遊んだが色々な発見と驚きがあった。土を掘り返 |
してみたら、貝とかが発掘された。ほかにもプラスチックの棒などがありそれ |
で基地を作ったりして遊んだ。しかし、舗装された後の道には、ただの真っ黒 |
なアスファルトしかなかった。私はこれを見たとき、なんであんな素晴らしい |
ものを、こんなつまらないものに変えてしまったのだろうと思い、腹がたった |
。 |
「土はごつごつしているが―――大きな力をもっている。」 |
これは父から聞いたことばだが、私は全くその通りだと思う。ついでに父と |
一緒に土の上にあおむけになってみたが、土の匂いがして、本当は固い土が、 |
私を包んでくれてるように思えた。父に聞いたら、 |
「それは土の力をもらったからだよ。」 |
といっていたが、私はそのとおりだと思った。 |
普通の土は汚いという人がいるかもしれない。しかし、私は衛生的で便利な |
環境も大切だが、ことわざにある、水清ければ……のようにきれいに舗装され |
すぎたところでは虫や鳥も寄ってこないし、子供たちも楽しく遊べないと思う |
。最も大切なのは、人間にとって自然の道とは、舗装された道よりかもっと別 |
の物を与えてくれると思った。 |