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挑戦
イチゴの広場
あやのあしわ
 最近よくベンチャービジネスという言葉を耳にするが、つまりは冒険的で今
後の経営情勢を推測することが困難な危険度の高い企業のことである。しかし
日本には伝統的に、先が読めず危険なものに挑戦することを好まない傾向が強
く有る。それよりも安全で信頼の置けるものに価値を見出してきた。
 
 その理由には、島国であるという地理的条件が人々の精神面に大きく影響を
与えたことが考えられる。他国から侵略や妨害を受ける等という心配が少ない
日本は、常に物事が平穏無事でスムースに進行することを望み、危険に身をさ
らして何かを得るよりも、今までと同じ安全で信頼出来るものの方がよりよい
というような価値観を形成した。このことから、国全体の雰囲気として新しい
ものに挑戦するより、無難で安全な道を選択するべきだというような暗黙の了
解が出来上がった。しかし情報化、グローバル化の進む現代の社会に置いてこ
のまま「否挑戦的」な日本で有るわけには行かない。冒険的で新鮮で、何か人
を魅了するような向上心の無い国はこの先世界のトップとしては認められなく
なり、置いてきぼりを食らうだろうからだ。
 
 そのためには何よりも、これからの人材育成ために教育方針から変えて行く
のが一番効果的だと思われる。現在の日本の社会構造では、何かに挑戦しよう
と試みても、もしそれが失敗に終わったときのリスクが大きすぎて、なかなか
第一歩を踏み出すことが出来ない。未だ「敗者復活」という言葉が定着してい
ないので、社会全体の雰囲気としても、一度敗者となった者を受け入れようと
いう精神的余裕があまり見受けられない。親から子どもへの教育方針を見ても
、失敗をして挫折しないようになるべく安全な道を進むように勧めることが多
いのではないか。しかしこれでは子ども達は将来の夢を実現するために努力し
よう等とは考えなくなるだろう。これからは、挑戦すること、そしてもしそこ
で失敗してもくじけずに立ち直ることが出来、再度挑戦することを恐れないよ
うな心を育てる精神面での教育等が必要になるだろう。人は挑戦するそのプロ
セスの中で成長を続けることを実感させる必要が有ると思う。
 
 確かに日本のような教育方法ならば国民全体を見たときに、それぞれの学力
の格差が小さくてすみ、平均的な社会の向上に結びつくだろう。しかしここま
で社会全体が民主化された日本が次のステップに進むために必要なものは、新
しい今までは思いつかなかったような斬新なものに挑戦する勇気であると思う
。そこで最も大切になることは、その挑戦自体に実行する価値が有るかどうか
の判断基準をどのように見極めるか、その行動に対して最後までどう責任を取
ることとが出来るかである。挑戦することは人の可能性を高める。そこには常
に良い結果のみが待っているわけではないが、失敗は成功の元である。失敗し
たときはその一点だけを見つめずに、長い目でその先にある良い成果を手に入
れることが出来れば良いのではないか。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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